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マルチロールEMが実践する「組織のレジリエンス」を高めるための組織構造と人材配置戦略

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 マルチロールEMが実践する「組織のレジリエンス」を高めるための組織構造と人材配置戦略

Engineering Management Conference Japan 2026の登壇資料。
https://2026.emconf.jp/

プロポーザルは以下のもの。
https://fortee.jp/emconf-2026/proposal/1b0f096e-b8f0-4941-8ffe-bbd7c9bdbe61

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March 04, 2026
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  1. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 自己紹介 2 川崎 雄太 Yuta

    Kawasaki @yuta_k0911 株式会社ココナラ Head of Information Dev Enablingグループ Group Manager 株式会社ココナラテック 執行役員 情報基盤統括本部長 SRE / 情シス / セキュリティ領域のEM AWS Community Builder(Security)
  2. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. ⚠はじめに⚠ このセッションで話すこと󰢏 • 組織のレジリエンスを高めるために試行錯

    誤したことや学び(失敗もあるよ) このセッションで話さないこと󰢃 • PMBOKのような体系立てて整理されている Howの話 4
  3. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. まずは前提のすり合わせです! 僕はSRE / 社内情報システム

    / セキュリティのEMを担っています。 (+グループ会社執行役員、技術広報) これを「マルチロール EM」と 呼ぶことにします。 5
  4. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. ⚠「マルチロール EM」の特殊性 ⚠ •

    ✅ チーム間シナジーを生み出せる • ✅ 横断的な人材配置が可能 • ✅ リソースの柔軟な最適化 • ⚠ 役割の重複・衝突が発生しやすい • ⚠ 属人化リスクが高い • ⚠ 意思決定の複雑性が増す 6
  5. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 8 Agenda 組織のレジリエンスとマルチロールEMの設計哲学 Will起点の横断人材配置でレジリエンスを高める

    ロール横断評価制度で信頼性を高める 分散型意思決定でSPOFを解消する 判断フレームワークとレジリエンス測定 持ち帰ってほしいこと 2 1 5 3 4 6
  6. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 組織のレジリエンスとは? 10 予期せぬ変化や危機に対して、適応・回復できる組織の能力 組織のレジリエンスを構成する3つの要素は

    以下のもの。 1. 適応力 (Adaptability) a. 環境変化に応じて組織を柔軟に変更 できる 2. 回復力 (Recovery) a. トラブル発生時に素早く正常状態に 戻せる 3. 持続可能性 (Sustainability) a. 長期的にパフォーマンスを維持できる
  7. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 組織のレジリエンスを阻む 3つの構造的脆弱性 11 どれか1つでも顕在化すると組織が危うくなる

    脆弱性その 1:属人化 • 特定メンバーだけが知識を持つ状態。 • 例:バス係数1が58% 脆弱性その 2:硬直性 • 組織構造が固定化。 • 例:適応期間3ヶ月以上 脆弱性その 3:SPOF • 特定の人がボトルネック。 • 例:意思決定に平均5日
  8. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. マルチロールEMはどういう状態になりやすいか? 12 マルチロール EMには課題も強みもある

    マルチロール特有の課題は以下の通り。 • 役割の重複・衝突 • 評価基準の不統一 • リソース配分の複雑さ 一方で活かすことができればマルチロールの 強みもある。 • ✅ クロスファンクショナルな人材育成 • ✅ チーム間シナジー創出 • ✅ 柔軟なリソース最適化
  9. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. レジリエンスを高める 3つの設計原則 13 この3つを大事にすることがポイントとなる

    原則1:Will起点 • メンバーの「やりたいこと」を組織設計の 起点に 原則2:透明性 / Transparency • 配置理由、評価基準、意思決定などをな るべく透明に 原則3:ゆるやかに / Gradual • 権限移譲や組織変化を段階的に実施
  10. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 原則1:Will起点(柔軟性の源泉) 14 「Will」を大切にする Will起点がレジリエンスを高める理由

    1. 柔軟性の向上:横断的な配置転換が可能 2. エンゲージメント向上:やりたいことをやれ るメンバーは離職しにくい 3. クロスファンクショナル人材育成:属人化 リスク軽減 「やりたいこと、やったもん勝ち」 という力 学は働きやすい。
  11. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 原則2:透明性 / Transparency(信頼性の基盤) 15

    風通しが良い状態をいかにつくれるか? 透明性 / Transparencyがレジリエンス を高める理由 1. 心理的安全性の醸成:透明性があると失 敗を共有しやすい 2. 組織への信頼性向上:理由が分かると納 得感が高まる 3. 意思決定の質向上:フィードバックを受け やすい 「透明性を重要視して、信頼関係を構築 する」ことが大事。
  12. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 原則3:ゆるやかに / Gradual(持続可能性の担保) 16

    頓挫しそうな理由を極力排除 ゆるやかに / Gradualがレジリエンスを 高める理由 1. SPOF解消:段階的に権限移譲で複数人 が意思決定できる 2. 失敗から学ぶ文化:小さな失敗を許容し、 学習機会を提供 3. 持続可能な成長:急激な変化ではなく段 階的に成長 「どうすれば組織が持続可能になるか」 を徹底的に考え抜く。
  13. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 再現ドラマ風シーン① 20 EM:◯◯の案件の進捗どう? Aさん:オンスケで進んでいます、来月リリースできる見込みです

    EM:上の方針で◯◯よりも△△が優先になったから、よろしく! Aさん:(えっ、これしか説明無し…?)…わかりました 一方的にやることを変更され、 Aさんは明らかにデモチ…😭
  14. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 【失敗】組織急拡大と「とりあえず配置」 21 意思・意図を伝えないとトラブルが起きやすい 背景として、SRE組織を1名

    → 7名へ拡大し たときに以下の状況になった。 • ❌ メンバーのWillを正しく認識せず • ❌ 「人が足りないから、ここに入って」 • ❌ 配置理由を説明せず 結果として、エンゲージメントサーベイのスコア が15点下がり、不満を抱えたことによる退職も 発生した。
  15. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. この失敗がレジリエンスを損なった理由 22 主には3つの理由があった 1.

    適応力低下 • Willを無視 → メンバーの主体性が低下 し、組織の成果も下がった 2. 回復力低下 • エンゲージメント低下 → 対応力が低下 し、回復不全に陥った 3. 持続可能性低下 • 離職リスク増加
  16. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 根本原因分析:なぜWillを無視したのか 23 いくつもの原因が重なり合った 5

    Whys分析 • Why 1:急速な組織拡大で配置を急いだ • Why 2:事業要求に応えるため • Why 3:Will Hearingの仕組みが未整備 • Why 4:「Willよりスキルが重要」という思 い込み • Why 5:短期的成果を優先、長期的視点 の欠如 真因:長期的レジリエンスの軽視
  17. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 【改善その1】Will Hearingの設計と導入 24 まずは「Will」を正しく認識するところからスタート

    全員と週次で1 on 1を実施。 Will Hearingの5ステップ • Step 1:環境づくり(評価と分離) • Step 2:現在のWillを聞く • Step 3:過去のWillを振り返る • Step 4:未来のWillを描く • Step 5:記録と共有(四半期更新) 発見:配置と Will不一致やアサイン変更 希望あり
  18. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 【改善その2】Will × 組織ニーズのマッチング 25

    Willと組織のニーズをインテグレートする マッチングの 3要素 • Will:50% ※ここが高まるとGood! • Skill:25% • Organizational Needs:25% 配置転換の判断基準 • ✅ 70点以上:積極的に配置検討 • ⚠ 50-69点:育成プランとセット • ❌ 50点未満:配置見送り 結果:組織横断アサインの実現
  19. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 横断配置実例:SRE → 情報システム 26

    SREのプラクティスは情シスにも通ずる メンバーA • Will:「社内システムは効率化の余地があ るので、全体を見たい」「自分がユーザー 側でもあるので、体験を良くしたい」 • マッチングスコア:82点 → 配置決定 • 成果(3ヶ月後) ◦ ✅ SREプラクティス(監視、自動化) を情シスに導入 ◦ ✅ エンゲージメント:58 → 68
  20. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 横断配置実例:情報システム → セキュリティ 27

    情シス業務の一部はセキュリティのタスクでもある メンバーB • Will:「セキュリティ専門性を深めたい」 「CSIRTの役割の一部をコーポレートITが 担うべき」 • マッチングスコア:76点 → 育成プランと セットで配置 • 成果(6ヶ月後): ◦ ✅ SOC検知精度向上:誤検知率 30% → 12% ◦ ✅ エンゲージメント:62 → 73
  21. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 横断配置実例:セキュリティ → SRE 28

    セキュリティ対策は信頼性向上につながる メンバーC • Will:「セキュリティ観点を持ちつつ、インフ ラ視点も持ちたい」「セキュリティアーキテ クトになる」 • 成果(6ヶ月後): ◦ ✅ セキュリティインシデントMTTR:8 時間 → 2時間 ◦ ✅ エンゲージメント:65 → 74 ◦ ✅ セキュリティに戻り知見を発揮
  22. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. レジリエンス向上効果 29 複数の改善策によって、コンディションが回復した 1.

    柔軟性向上 • 配置転換希望:0名 → 3名 • 配置転換実施:0件/年 → 3件/年 • クロスファンクショナル人材:3名 2. 属人化リスク軽減 • バス係数1の仕組み:7個 → 4個 3. エンゲージメント改善 • 離職率:15%程度改善
  23. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 改善後の数値成果サマリー 30 どれも明確に数値が改善した エンゲージメント

    V字回復 • 失敗時:44点 → 半年後:68点 クロスファンクショナル人材育成 • 0名 → 3名 組織レジリエンス向上 • 組織変化への適応期間:3ヶ月 → 短縮 • 外部採用コスト削減:約500万円/年
  24. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 再現ドラマ風シーン② 33 EM:半期の成果だけど、技術的に革新した施策を教えて! Bさん:運用改善やドキュメント整備を進めたのであまりないですね

    EM:そっか、それだとちょっと評価しにくいんだよなぁ〜 Bさん:(えっ、こういう日々の改善って評価されないの?)…… 技術力を目に見えやすいものだけで評価 されてしまい、Bさんは明らかにデモチ…😭
  25. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 【失敗】技術力偏重評価による組織不信 34 「技術力」を正しく・公平に評価するって難しい 評価基準の実態

    • ❌ 「技術力」だけが評価軸 • ❌ コードを書く人が高評価 • ❌ ドキュメント、メンタリングも技術力に つながるが、評価されない 結果:組織不信 評価納得度:58% / 基準明確:45% / 貢献認 識:52%
  26. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. この失敗がレジリエンスを損なった理由 35 不平・不満が生まれやすい構図になっていた 1.

    適応力低下 • チャレンジが評価されない → 挑戦しない 2. 回復力低下 • 組織不信 → 失敗を共有しづらい 3. 持続可能性低下 • 評価不信 → 離職リスク増加 • ロール間不公平感:評価されやすい / さ れにくいが顕著
  27. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 根本原因:ロールの違いを無視した評価 36 ロールの違いを吸収する対策が必要だった ロールごとに貢献の種類が異なる

    • SRE:技術力、可用性向上、自動化率 • 情シス:サービス品質、対応速度、従業員 満足度 • セキュリティ:リスク低減、インシデント件 数、教育効果 しかし評価基準は「技術力」のみ → これが不 公平につながる。 改善:ロールの違いを認めた上で公平な 評価基準を設計
  28. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 【改善】多角的評価軸の設計思想 37 ロールの違いを吸収する評価軸を設けた 5つの評価軸

    1. 技術原因解決力 2. システム設計・計画力 3. 運用強化力 4. 採用・育成力 5. 能動的な学び ロール別重み付け調整 SRE:Tech 30% / 情シス:Collaboration 25% / セキュリティ:バランス型
  29. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 5つの評価軸の詳細 38 職種・ロール問わず多角的に評価できる軸を選定 •

    技術原因解決力 ◦ 発生後に対処できるか? • システム設計・計画力 ◦ 発生前に未然に防げるか? • 運用強化力 ◦ 発生中にどうするか? • 採用・育成力 ◦ 協働・メンタリング • 能動的な学び ◦ 継続的学習と自己成長
  30. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 横断組織での評価プロセス設計 39 5ステップに分けて、評価プロセスを進める 評価プロセスの

    5ステップ • Step 1:期初の目標設定 • Step 2:中間フィードバック • Step 3:自己評価(期末、5軸で評価) • Step 4:上司評価 • Step 5:評価面談 透明性:評価基準公開、エビデンス明 示、理由説明
  31. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 360度フィードバックの導入 40 マネジメント層限定で導入中 360度フィードバックとは?

    • 上司だけでなく、同僚・他チームからも フィードバック収集 導入の目的 • 上司の主観に依存しない • 見えづらい貢献を可視化 • ロール横断で公平性担保 収集対象:本人、上司、同僚、他チーム
  32. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. レジリエンス向上効果 41 複数の改善策によって、コンディションが回復した 1.

    心理的安全性向上 • 心理的安全性:62 → 85 • チャレンジ提案:月1件 → 月4件 2. 組織の信頼性向上 • 評価納得度:58% → 87% • エンゲージメント平均:58 → 70 3. ロール間連携強化 • ナレッジ共有:月1回 → 月4回 • クロスチームPJ:0件 → 2件
  33. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 改善後の数値成果サマリー 42 どれも明確に数値が改善した 評価納得度の劇的改善

    • 評価納得:58% → 87% • 基準明確:45% → 92% • 貢献認識:52% → 89% エンゲージメント向上(ロール別) • SRE:55 → 68 / 情シス:63 → 75 / セ キュリティ:65 → 74 • 平均:61 → 72
  34. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 再現ドラマ風シーン③ 45 EM:XXプロジェクトが架橋だから、□□プロジェクトは任せた! Cさん:わかりました、★★を優先して進める感じで良いですかね?

    EM:いい感じにやっておいて!よろしく! Cさん:(えっ、丸投げでフォローなし?)…わかりました 急な権限移譲だけでなく、すべてを 丸投げされて、Cさんは明らかに困惑…😭
  35. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 【失敗】若手への過剰権限移譲による混乱 46 急な権限移譲はハレーションを起こしがち 丸投げの実態

    • ❌ 重要プロジェクトを丸投げ • ❌ サポート体制なし • ❌ いきなりStage 5(完全移譲) 結果:大混乱 • プロジェクト工期:3ヶ月 → 4.5ヶ月 • エンゲージメント:78 → 52 • 上司の工数:10% → 60%
  36. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. この失敗がレジリエンスを損なった理由 47 不平・不満が生まれやすい構図になっていた 1.

    適応力低下 • 過剰権限移譲 → 判断ミス続出 2. 回復力低下 • メンバー疲弊 → 対応力低下 3. 持続可能性低下 • エンゲージメント崩壊 → 離職リスク • SPOFは解消されず、むしろ悪化(新たな ボトルネック発生)
  37. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 根本原因:段階を無視した丸投げ 48 焦りと思い込みは禁物 なぜ丸投げしてしまったのか?

    • 「早くSPOF解消したい」という焦り • 「任せれば育つ」という思い込み • 段階的権限移譲の仕組みがなかった 丸投げの3つの問題 • スキル・経験の不足 • サポート体制の欠如 • チェックリスト未整備
  38. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 【改善】5段階権限移譲モデルの設計 49 権限移譲のオンボーディングプロセスを構築する 権限移譲の

    5段階 • Stage 1:観察・学習 • Stage 2:相談後実行 • Stage 3:報告後実行 • Stage 4:事後報告のみ • Stage 5:完全移譲 判断基準:チェックリストを 5項目用意し、 判定に活用 計画通りに進まなくても慌てない。
  39. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 権限移譲判断チェックリスト 50 チェック項目を可視化・明確化する チェックリストの

    5項目 • ✅ Item 1:判断基準の理解 • ✅ Item 2:リスク評価能力 • ✅ Item 3:エスカレーション判断 • ✅ Item 4:実行能力 • ✅ Item 5:フィードバック受容 活用:四半期ごとに確認、全項目クリア で次Stage
  40. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. エスカレーションフローの明確化 51 有事の際のエスカレーションルールを定める エスカレーションの

    3つの基準 • 基準1:影響範囲(自チーム / 複数チーム / 全社) • 基準2:緊急度(1週間+ / 3日 / 即座) • 基準3:不確実性(前例あり / 前例なし / リ スク不明) エスカレーションフロー • 1つでも🔴 → 即座にエスカレーション • 2つ🟡 → 上司に相談 • 全て🟢 → 自己判断・事後報告
  41. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. マネージャー育成実例: Stage 1 -

    3 52 段階的にプロセスを進めてもらう Stage 1:観察・学習( 1-2ヶ月) (例)週1回1on1、意思決定プロセス共有 → Item 1クリア Stage 2:相談後実行( 3-4ヶ月) (例)小規模プロジェクト推進 → Item 2, 4クリ ア Stage 3:報告後実行( 5-6ヶ月) (例)中規模プロジェクト対応 → 全項目クリ ア、Stage 4へ
  42. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. マネージャー育成実例: Stage 4 -

    5 53 段階的にプロセスを進めてもらう Stage 4:事後報告のみ( 7-9ヶ月) (例)大部分のプロジェクト対応や1 on 1を完 全に任せる (例)自律対応率:85% Stage 5:完全移譲( 10ヶ月目〜) (例)マネージャーとして正式任命 (例)後継者育成開始 上司の時間:緊急でない・重要なことに費やす ことができるようになった
  43. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. レジリエンス向上効果: SPOF解消 54 冗長化を実現することができた

    1. SPOF解消 • マネージャー:1名 → 2名 • 意思決定スピード:5日 → 2日 2. 組織の継続性向上 • EM離職時の回復期間:3ヶ月超 → 短縮 3. EMの戦略業務注力 • インシデント対応:60% → 20% • 戦略業務:20% → 60%
  44. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 組織レジリエンスの測定指標 56 指標を明確化したことで、改善度合いが可視化された レジリエンスを測定する

    5つの指標 1. エンゲージメント(目標:80以上) 2. 離職率(目標:5%以下) 3. バス係数(目標:バス係数2以上が80%) 4. 組織回復時間(目標:2週間以内) 5. 意思決定スピード(目標:3日以内) 改善前後:全指標で目標達成 ✅
  45. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. マルチロールEMの判断フレームワーク 57 判断を型化することも重要 3つの判断軸

    • 判断軸1:組織のスキルギャップ発生時 → Will × Organization(配置判断) • 判断軸2:「なぜこの評価なの?」と聞かれ た時 / エンゲージメントの低下時 → 透明 性 / Transparency × Fairness(評価判 断) • 判断軸3:「自分がボトルネックかも」と感じ た時 / 特定メンバーへの依頼が集中して いる時 → ゆるやかに / Gradual × Iterative(権限移譲判断)
  46. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. レジリエンス向上のサイクル 58 PDCAサイクルを愚直に回す PDCAサイクルで継続的に向上

    • Plan:目標設定(レジリエンス指標の目標 値) • Do:実践(Will起点配置、透明評価、段階 的権限移譲) • Check:モニタリング(5つの指標を定期測 定) • Action:改善(失敗を学びに変える) 完璧を目指しすぎずに、小さく改善を積み重ね る。
  47. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. レジリエントな組織をつくる実践ステップ 61 完璧を求めすぎず、失敗しながらチューニングする 本日のまとめ

    • レジリエンス = 適応力 × 回復力 × 持続 可能性 • 3つの原則:Will起点・透明性 / Transparency・ゆるやかに / Gradual 明日から始める 3ステップ • Step 1:現状把握(1 on 1の質向上) • Step 2:小さく始める(Willに寄り添い、エ ンゲージメントを測定) • Step 3:振り返り・改善・拡大
  48. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. EMは経営にも活きるので、マネジメントレイヤーも目指せる 62 EMのプラクティス 1つ1つを実践すれば自ずと

    … 今日話した3原則は、チームだけでなく会社 全体に使える設計思想。 誰しもがマネジメントレイヤーへのバッター ボックスに立てるわけではないので、もしバッ ターボックスに立つ機会があれば、ぜひチャ レンジしてほしい。 また、EMの非常に大きな影響力を持つ 役割を担う可能性 を感じてほしい。 これが「増幅」の一種。
  49. Copyright coconala Inc. All Rights Reserved. 「キャリアの歩み」を共有して、「次の EM」の道しるべになってほしい 63 キャリアに関する情報を発信し、次の世代に繋げる

    自分が悩んで試行錯誤してきた経験を、他 の方も通った or 通ってくるという前提で、経 験や悩みを発信してほしい。 知見が集合知になれば、活路が見えてく る可能性も上がる のと、仲間がいれば自 分の心理的安全性が確保できる ように なる。 また、EMsのキャリア形成の一助になる。こ れが「触媒」の一種。
  50. Fin