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Cygamesゲーム開発者が作るゲーム開発のための教科書
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Cygames, Inc.
PRO
September 08, 2017
Technology
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Cygamesゲーム開発者が作るゲーム開発のための教科書
2017/09/01 CEDEC 2017
Cygames, Inc.
PRO
September 08, 2017
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Transcript
© Cygames, Inc. 1/51
© Cygames, Inc. 2/51 • 社内に見えない形で貯まっていくゲーム開発の ノウハウについて、皆さまはどのように見える 化と共有を進めていますか?本講演では、 Cygames社内での「教科書プロジェクト」の取 り組みを例に、ゲーム開発ノウハウという知見
の書面化と共有をどのように進めていけば良い のか、考え方の一例をご紹介いたします。 アジェンダ
© Cygames, Inc. 3/51
© Cygames, Inc. 4/51 • 3Dグラフィックスの知識力向上のため、プラン ナー、ディレクター向けに行った施策のこと • 「教科書プロジェクトチーム」を結成し、3DCG アーティスト、プログラマ、プランナー合同で
3Dグラフィックスの基礎知識を形式知としてま とめ上げた Cygames「教科書プロジェクト」とは?
© Cygames, Inc. 5/51 • 2016年12月頃より開始 • 月に1、2回程度の割合で社内開催し、1回に つき20~30人程度の参加者 Cygames「教科書プロジェクト」とは?
© Cygames, Inc. 6/51 • 以下の3パート、合計で200ページ強で構成さ れたスライド資料 作成資料の紹介 コンピューターゲーム 開発基礎
3Dグラフィックス ワークフロー 3D基礎技術
© Cygames, Inc. 7/51 • コンピューター上でゲーム開発する上での基礎 的な事項を解説する コンピューターゲーム開発基礎
© Cygames, Inc. 8/51 • 2Dと比較して3Dグラフィックスのワークフロー は複雑なため、より具体的に解説する 3Dグラフィックスワークフロー
© Cygames, Inc. 9/51 • より専門的な3Dグラフィックスの技術トピック を紹介する 3D基礎技術
© Cygames, Inc. 10/51 • なぜやるのか? • なぜ書面化するのか? • 書面化と講義を自社で行う必要はある?
• 効果はあったのか? • なぜうまくいったのか • 今後の課題について 教科書プロジェクトの事例を紹介します
© Cygames, Inc. なぜやるのか? 11/51
© Cygames, Inc. 12/51 • 3Dグラフィックスは関連する知識とその表現内 容の幅が広く、一人で学習するには限界がある • ゲームコンテンツには何かしらの3D要素が含ま れる事が多いが、プランナー、ディレクターに
知識がないと様々な判断ができない なぜやるのか?
© Cygames, Inc. 13/51 • Cygamesには1000人以上のスタッフが在籍し、 キャリアもバックボーンも様々である • 開発スタッフの3Dグラフィックスへの知識を、 一定のレベルに引き上げたい
なぜやるのか?
© Cygames, Inc. 14/51 • 3Dグラフィックスの基礎を理解するために必要 となる知識を形式知にする • 対象スタッフへ3Dグラフィックス基礎の講義を 行い、今後のゲーム開発に役立ててもらう
• アカデミックな教科書への展開を踏まえ、形式 知をストック 教科書プロジェクトのゴール 講義を行い対象ス タッフの理解度を 上げる 教科書化を念頭に ストック 3DCG基礎を 形式知にする
© Cygames, Inc. なぜ書面化するのか? 15/51
© Cygames, Inc. 16/51 • 書面化しなくても伝えることはできる。ただし、 属人的なコミュニケーションに依存することに なる • 知識の書面化、すなわち形式知とした方がより
効率的に伝えることが可能 なぜ書面化するのか?
© Cygames, Inc. 17/51 • 経験または教育を通して人が獲得した専門的技 能。ある主題についての理論的または実用的な 理解 • 特定分野または一般に知られていること。事実
と情報 • 事実または状況を経験することで得られた認識 または知悉 そもそも知識とは?
© Cygames, Inc. 18/51 • 言語化されない主観的知識と、言語化された客 観的知識が存在している そもそも知識とは? 暗黙知 言語化することができない
(あるいは言語化されていな い)主観的な知識のこと。 暗黙ゆえに常にアップデート され、情報の鮮度が高い 形式知 言語化することができる(あ るいは言語化された)客観的 な知識のこと。 形式ゆえに情報の鮮度は形式 化した瞬間で止まる
© Cygames, Inc. 19/51 • 形式知にすることで、疎なコミュニケーション で知識を伝えることが可能 そもそも知識とは? 言 語
化 暗黙知 形式知
© Cygames, Inc. 書面化と講義を 自社で行う必要はある? 20/51
© Cygames, Inc. 21/51 • 社外の方に講義を依頼していたが、実際の開発 現場での事例を聞きたいという意見が多かった • 自社で作成すれば、聴講者の意見をフィード バックし、開発事例を織り込むことが可能
• 資料を「読んどいて」では画一的とは言えず、 具体的な説明と理解度の調査を行いたい 書面化と講義を自社で行う必要はある? 個社固有の 情報展開 PDCAの確立 理解度の担保
© Cygames, Inc. 効果はあったのか? 22/51
© Cygames, Inc. 23/51 • 知識のスタートラインがそろい、コミュニケー ションが取りやすい • 知識量が増える事で表現の選択肢が広がり、ま た判断基準が明確になる
• 原理やワークフローを理解することで、仕事の 納得度があがる • 内容が伝わるスライド、講演の作り方がわかる 効果はあったのか?
© Cygames, Inc. 24/51 • 2017年6月時点の実施結果は以下の通り 実施結果 カテゴリ 12月+1月 2月
3月 4月(新卒) 5月 6月 合計(のべ) 開発基礎編 34名(実験) 25名 42名 110名 211名 ワークフロー編 14名 25名 43名 16名 78名 176名 3D基礎技術編 11名 41名 13名 65名 約450名が受講
© Cygames, Inc. 25/51 • アンケート集計の結果 実施結果 62.6% 27.4% 10.0%
開発基礎編 53.5% 40.3% 6.2% ワークフロー編 52.6% 39.4% 8.0% 3D基礎技術編 ▪解説できるくらい理解できた ▪理解はできた ▪難しかった/理解できなかった
© Cygames, Inc. 26/51 • 2017年9月現在も運営中 • 内容の評価が他部署に伝わっていき、徐々に規 模が拡大。最終的には、全スタッフが受講する 形になった
実施結果 ディレクター、プランナー向けの 講義を想定していたが、 現在は組織を横断する形で開催されている
© Cygames, Inc. なぜうまくいったのか 27/51
© Cygames, Inc. 28/51 • 聴講者が理解できることを目指す • 運営側のモチベーションを保つ • 広げすぎない
なぜうまくいったのか
© Cygames, Inc. 29/51 • 様々なバックボーンを持つ対象スタッフに、ゼ ロから3Dグラフィックスを説明するのは難しい • 資料を段階的に作成し、社内講演を行う 聴講者が理解できることを目指す
コンピューターゲーム 開発基礎 3Dグラフィックス ワークフロー 3D基礎技術
© Cygames, Inc. 30/51 • 講義前提の資料作成ノウハウが少なく、多人数 への講演を行っても伝わらない可能性があった • 第一線の開発者からバックオフィススタッフま で幅広くピックアップ、少人数を対象に講義を
行う 聴講者が理解できることを目指す
© Cygames, Inc. 31/51 • 講義の規模を小さくすることにより、講演練 習、資料レビュー、改善を繰り返す事ができ る。講演者の負担も少なく、聴講者からの意見 をより具体的に聞くことができる •
ひと手間増えるが、得られるものは大きい 聴講者が理解できることを目指す 講演者側のステップアップが可能
© Cygames, Inc. 32/51 • 主にアンケート形式で、各項目の理解度を調査 • 聴講者の理解度と資料の改善に役立てる • ゴールが理解だからこそ、フィードバックに価
値が生まれ、講演者のモチベーション維持に 聴講者が理解できることを目指す
© Cygames, Inc. 33/51 • 教科書プロジェクト専属のスタッフがいるわけ ではなく、どうしても現場の優先が高くなる傾 向がある。短期間で結果を出すことが難しく、 ⾧期的な運営となる事が予想された 運営側のモチベーションを保つ
継続するためのモチベーション維持が 課題となる
© Cygames, Inc. 34/51 • オフラインミーティング。進捗はなくてもよ い、必ず毎週集合してミーティングを実施 • 更新があったら何かしらリアクションをする。 良い点がったら「ほめる」
• 講演後は必ずアンケート集計を行い、聴講者の 意見を必ずもらう 運営側のモチベーションを保つ PDCAサイクルの確立が モチベーション維持に効果的だった
© Cygames, Inc. 35/51 • アンケートの実例 運営側のモチベーションを保つ 説明できるようになったことで印象的 だったことを教えてください 最低限理解できたことで印象的だったこ
とを教えてください 理解できなかったことで印象的だったこ とを教えてください 画像ファイルの取り扱いについて 可逆圧縮、不可逆圧縮の違いと利用場所 について。ふわっとした認識だったもの を言語化して説明して頂き大変わかりや すかったです。イラストレータなので画 像は日々扱う物ので、大変参考になりま した。 FPSについて、イラストレーターとして、 画像のサイズや容量は常に気にはしてい ましたが、気にしないといけない理由と 根拠については詳しく知りませんでした。 大変為になりました。 基本的な知識をきちんと理解することで、 他の部署の方の仕事も理解するきっかけ になり、より円滑に仕事ができるように なると思いました。 全体的におしゃって頂いた内容の理解は できたと思います。 まだ説明できるレベルではないですが、 今まではどこがわからないのかもわかっ ていませんでした。 今回教えていただいたことを機に理解を 深めていきたいと思います。 FPSの高いゲーム、低いゲームのメリッ トデメリットが分かりやすく印象に残り ました。 テクスチャがゲーム容量の大半を占める ことや、フォーマットの違いの説明が分 かりやすく印象に残りました。 おそらく次回以降の講義で深く触れる点 だとは思うのですが、リグやボーン、ス キニングの概要についてもう少し理解し たいと感じました。
© Cygames, Inc. 36/51 • ありがちだが、「将来的に色々やりたい」 • 3D以外もやろう • 新人研修などに組み込もう
• 製本しよう • まずはゴールの「3Dグラフィックス」から。当 初の目的以外は後回し • 最初から大規模な講義にしない。制御しやすい 少人数のレビューから開催する 広げすぎない
© Cygames, Inc. 37/51 • 実際には口コミで評価が広がり、勝手に拡大し ていった • 開発スタッフで運営を受け持つには限界がある ため、現在は人事部へ運営を移管。新卒研修カ
リキュラムへの組み込み等も行われている 広げすぎない
© Cygames, Inc. 今後の課題について 38/51
© Cygames, Inc. 39/51 • 教科書シリーズを拡大し、3Dグラフィックス以 外にも展開したい。例えばデータベースなどの 新しいトピックを発見しつつ講義資料を作成し たいが、どのように展開していけば良いか? •
作成済みの講義資料はそのままで良いのか?鮮 度を保つ必要があるのではないか? 今後の課題について トピックの追加を どのように行う? 講義資料の保守を どこまで行うか?
© Cygames, Inc. 40/51 SECIモデルで考える 結合化 Wikiや勉強会の内容が整理、 可視性や検索性が上昇 共同化 暗黙知がチーム内で
共通のルールとなり定着する 表出化 暗黙知がWikiや勉強会で 公開され、形式知となる 暗黙知 暗黙知 形式知 形式知 暗 黙 知 暗 黙 知 形 式 知 形 式 知 内面化 開発現場で検証、実装した内容 が暗黙知となる
© Cygames, Inc. 41/51 • 家族や同僚など、複数の人間が経験を共有する ことで受け継がれる知識。言葉にはなっていな い、経験や勘、空気を読むといった要素。この 要素は、暗黙知と考えてよい 共同化
(Socialization)
© Cygames, Inc. 42/51 • 言語化されていない暗黙知が、言葉や図、表と いった形で共有されることを表出化という。表 出化された知識は、形式知と考えてよい 表出化 (Externalization)
© Cygames, Inc. 43/51 • ある知識が形式知になることで、関連する知識 が編集および整理され、体系化されること 結合化 (Combination)
© Cygames, Inc. 44/51 • 体系化された知識を基に学習した行動によっ て、新たしい経験が得られ、個人に暗黙知が蓄 積される。これを内面化と呼ぶ 内面化 (Internalization)
© Cygames, Inc. 45/51 SECIモデルでのサイクル 結合化 Wikiや勉強会の内容が整理、 可視性や検索性が上昇 共同化 暗黙知がチーム内で
共通のルールとなり定着する 表出化 暗黙知がWikiや勉強会で 公開され、形式知となる 暗黙知 暗黙知 形式知 形式知 暗 黙 知 暗 黙 知 形 式 知 形 式 知 内面化 開発現場で検証、実装した内容 が暗黙知となる
© Cygames, Inc. 46/51 • スキルサーズデー • アクティブラーニング型の勉強会 Cygamesでの表出化と結合化 https://speakerdeck.com/cygames/enziniagachi-sok-de-nicheng-chang-surusukirusazudexing-
mian-qiang-hui-nakadarumisinaishe-nei-mian-qiang-hui-falseyun-ying-fang-fa
© Cygames, Inc. 47/51 • 社内スライドシェア • スキルサーズデーなど社内資料を一元化 Cygamesでの表出化と結合化
© Cygames, Inc. 48/51 • 社内的には表出化と結合化の機会は豊富に存在 し、他の知見についても教科書化が進められる 状況ではある • 「表出化」は属人化しているかも知れない。暗
黙知になっているゲーム開発の知見をどのよう にキャッチしていくか • コミュニケーションによる解決。例えばスキル サーズデーや日々の進捗報告から暗黙知の キャッチアップは可能 トピックの追加をどのように行う?
© Cygames, Inc. 49/51 • 講演者の負担はそれなりに存在するため、作業 優先をどう設定するかが課題となる。3Dグラ フィックスである程度の結果が出ており、これ を元に費用対効果の提示をしていく •
形式知になっているのだから、講演者の引き継 ぎ自体も可能なはず 講義資料の保守をどこまで行うか?
© Cygames, Inc. まとめ 50/51
© Cygames, Inc. 51/51 • 教科書プロジェクトの成功の秘訣 • 聴講者が理解できることを目指す • 運営側のモチベーションを保つ
• 広げすぎない • 欲張らず、ゴールを明確にし、成果を出し続け れば、組織横断型プロジェクトでもうまくいく • 講演者の負担改善と教科書の拡大が課題 まとめ