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全高3m超のバハムート像がスマホを通して躍動する! ~『Cygames展 Artworks』A...

Cygames
December 19, 2024

全高3m超のバハムート像がスマホを通して躍動する! ~『Cygames展 Artworks』ARコンテンツの開発プロセスと実装~

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December 19, 2024
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Transcript

  1. 2/80 Cygames展 Artworksのガイドアプリ ARコンテンツの開発事例 本講演でお伝えすること 開発プロセス 実装手段 ARコンテンツを 作るための 全高3mのバハムート像を

    フォトスキャンした精密な3Dモデルを準備 ARにおける高精度なトラッキングと 高精細な3D表現を実現 の紹介
  2. 3/80 平野 孝則 CTO室 / エンジニア 2018年に株式会社Cygamesへ合流し、 各種技術の検証や実用化を経験。 Cygames展 ArtworksではAR施策における開発業

    務を担当し、AR演出に関する技術検証とコンテンツ 開発を行っている。 遠藤 嘉和 スキャンスタジオ / 3Dスキャンマネージャー 2018年に株式会社Cygamesへ合流。 スキャンスタジオ責任者兼エンジニアとして、社内プ ロジェクト向けにスキャンデータの提供を行っている。 Cygames展 ArtworksではAR施策における 3Dスキャンを担当。 自己紹介
  3. 9/80 技 術 検 証 本 制 作 仕 上

    げ 最 終 調 整 準 備 会 場 で の 最 終 調 整 リ リ ー ス プ ロ ト タ イ プ 制 作 企 画 詰 め ARコンテンツ開発の流れ
  4. 10/80 技術検証 技術検証 本制作 仕上げ 最終調整準備 会場での最終調整 リリース プロトタイプ制作 企画詰め

    • 3mの立体物に対するAR表現の知見が社内にない • 企画が実現できるかがわからない どのような技術を用いれば実現できるか、 具体的な調査および検証を行う
  5. 11/80 プロトタイプ制作/企画詰め 技術検証 本制作 仕上げ 最終調整準備 会場での最終調整 リリース プロトタイプ制作 企画詰め

    エンジニアがUnity上で演出案を試作し 演出の見た目を確認 演出の実装方法や企画内容の方向性を決定 稲妻 マグマの光の照り返し 噴煙
  6. 12/80 本制作 エ ン ジ ニ ア が 組 み

    込 み ア ー テ ィ ス ト が エ フ ェ ク ト 作 成 演 出 案 を 確 定 絵 コ ン テ 作 成 技術検証 本制作 仕上げ 最終調整準備 会場での最終調整 リリース プロトタイプ制作 企画詰め
  7. 15/80 ARコンテンツ開発の流れ ARコンテンツの開発では試行錯誤とチャレンジ を行い、様々な知見を得ることができた 技 術 検 証 本 制

    作 仕 上 げ 最 終 調 整 準 備 会 場 で の 最 終 調 整 リ リ ー ス プ ロ ト タ イ プ 制 作 企 画 詰 め
  8. 20/80 トラッキングにおける技術選定 3D Object Tracking 調査を実施 Image Tracking VPS ⚫

    立体物はターゲットにできない ⚫ ポスター等と像を同時に映すのが難しい 立体物はターゲットにできない ポスター等と像を同時に映すのが難しい ⚫ 立体物はターゲットにできない ⚫ ポスター等と像を同時に映すのが難しい 街中にキャラクターを登場させる用途向き 屋内イベントでの利用には不向き
  9. 23/80 検証結果 トラッキング技術選定: 精度の検証 Vuforia • 高精度にトラッキングできる EasyAR • 十分な精度が出ない

    • はっきりした模様のテクス チャを持つ単純な立体形状 の認識が得意 • バハムート像のように複雑 なテクスチャを持つ形状の 認識には不向き
  10. 26/80 実用性検証の進行 3m程度の 他の物体での検証 形状の影響 : 調査不可 スケールの影響 : 調査可

    ミニチュア バハムート像での検証 形状の影響 : 調査可 スケールの影響 : 調査不可 検証を「スケール」と「形状」に分け それぞれのトラッキングへの影響を調査する
  11. 66/80 ガイドアプリはKotlin Multiplatformを用いた ネイティブアプリとして開発を進めていた AR演出をアプリへ組み込むために • 手触りを重視するため、ガイドアプリ自体は他チームにて ネイティブアプリでの開発が進んでいた • しかしKotlin

    Multiplatformでは、複雑な3D演出を行うのは難しい • ARコンテンツをより高クオリティなものに仕上げるためには、 社内に多くの知見が貯まっているUnityを使用したいという思惑が
  12. 70/80 ARコンテンツ開発の実際の流れ 本章ではコンテンツ開発を通じて得られた ARコンテンツをより良くするための手法を紹介する 技 術 検 証 本 制

    作 仕 上 げ 最 終 調 整 準 備 会 場 で の 最 終 調 整 リ リ ー ス プ ロ ト タ イ プ 制 作 企 画 詰 め
  13. 77/80 まとめ 開発の過程で得られた知見 • 技術検証 → プロトタイプ制作/企画詰め → 本制作 →

    仕上げ/最終調整準備 → 会場での最終調整 の流れで進行 ARコンテンツの開発事例を紹介 • 3mのバハムート像をトラッキングする方法 • 巨大なバハムート像を高精細に3Dスキャンする方法 • ARコンテンツの実在感をより高める描画等の技術 • コンテンツ制作を円滑に進めるために必要な取り組み
  14. 78/80 まとめ 巨大なバハムート像を高精細に3Dスキャンする方法 • 今回の要件ではVuforiaを用いるのが最適だと分かった • Vuforiaで3D Object Trackingの精度を高めるためには 造形物の3Dデータ化が不可欠であった

    3mのバハムート像をトラッキングする方法 • 今回の要件ではフォトグラメトリーが適していた • 広角レンズや自社開発のストロボ機材、移動式の足場等の 機材を駆使することで効率的に撮影を進めることができた • 未塗装の段階からテスト撮影を行い、確実にスキャンできる 計画を立てながら3Dスキャンを実施
  15. 79/80 まとめ • 3Dスキャンデータを用いてライティングやオクルージョンを 行うことで、AR表現の実在感を高めることができる • FPS低下は実在感を下げる原因となるため、軽量版煙エフェク トや縮小バッファへのレンダリングなどでFPSの担保が必要 • Unity

    as a Libraryで、Unityを用いた描画表現の追求を 他機能への影響を最小限に抑えながら進められる環境を実現 ARコンテンツの実在感をより高める描画等の技術 • バーチャル展示室やVideo Playback等の制作を支援する機能 • 会場でのバハムート像やエフェクトの最終調整 コンテンツをより良くするための取り組み