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受け入れテストの自動化 ~ OpenCVの「眼」で捉え、Pythonの「脳」が思考し、Appiumの「指」で動かす

Cygames
February 08, 2017

受け入れテストの自動化 ~ OpenCVの「眼」で捉え、Pythonの「脳」が思考し、Appiumの「指」で動かす

2017/02/03 JaSST’17 Tokyo

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February 08, 2017
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  1. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. © 2017, Cygames,

    Inc., all rights reserved. 株式会社  Cygames 折⽥田  武⼰己 受け⼊入れテストの⾃自動化 〜~ OpenCVの「眼」で捉え、Pythonの「脳」が思考し、Appiumの「指」で動かす
  2. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. © 2017, Cygames,

    Inc., all rights reserved. 株式会社Cygames CTO室  ソフトウェアエンジニア 折⽥田  武⼰己 ざまざまな基幹系システムの設計・ 開発を経て、2012年年より株式会社 Cygamesに教育担当として参画。 エンジニアを対象にした技術研修や インターンシップの企画・運営に従 事。 アルバイト学⽣生の技術指導を兼ねて、 業務効率率率を改善するためのツールの 設計・開発にも取り組んでいる。
  3. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. はじめに 「受け⼊入れテスト」では、それを実施するのと同 等か?

     あるいはそれ以上に、エビデンスを保全 することが⼤大切切です。 しかし、第三者にも検証可能な形でエビデンスを 残すことは、想像以上にコストのかかる⼤大変な作 業です。 私の所属する部署では、アルバイト学⽣生の技術指 導も兼ねて「受け⼊入れテスト」を⾃自動化するツー ルを開発しています。 本セッションでは、その開発事例例について(構築 のノウハウも交えながら)紹介します。
  4. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. ⼈人間による動作検証 そもそも、⼈人間はどのようにしてスマホアプリの 動作検証を⾏行行っているのでしょう?

    おおまかに切切り分けると、下記のような役割分担 になるのではないでしょうか? •  スマホ画⾯面を眺める •  情報を読み取る 眼 •  読み取った情報を解析する •  次のアクションを決定する 脳 •  スマホ画⾯面をタップする •  情報を⼊入⼒力力する 指
  5. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. コンピュータによる動作検証 コンピュータに同じことをさせる場合、どのよう に対応させれば良良いでしょう?

    私たちは、下記のようにマッピングすることで、 問題を解決できると考えました。 • OpenCV 眼 • Python 脳 • Appium 指
  6. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. 技術基盤【OpenCV】 OpenCVは、オープンソースのコンピュータビ ジョン向けライブラリです。C/C++のほか、Java、

    Pythonを公式にサポートしています。 •  画像処理理(変換、分割、検出) •  構造解析 •  モーション解析 •  パターン認識識 •  カメラキャリブレーション •  機械学習 •  ユーザーインターフェイス 【URL】http://opencv.org
  7. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. 技術基盤【Python】 スクリプトの開発には、Pythonを利利⽤用していま す。プログラミング⾔言語としてPythonを選んだ

    理理由は下記の通りです。 •  OpenCVとの親和性の⾼高さ •  C/C++のモジュールが利利⽤用可能であること •  Numpyをはじめとする優れたライブラリ群 【URL】https://www.python.org
  8. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. 技術基盤【Appium】 Appiumは、スマホアプリを⾃自動操作するための ミドルウェアです。

    AndroidとiOSの両⽅方をサポートしており、下記 のプログラミング⾔言語でスクリプトを記述するこ とができます。 •  Java •  JavaScript •  Perl •  PHP •  Python •  Ruby 【URL】http://appium.io
  9. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. システム構成 ターゲットとなるスマホOSの種類によって、シ ステムの構成も変わります。Androidの場合、実

    機を使う以外に事実上の選択肢がありません。 v  Androidの抱える問題点 v  Androidの場合 v  iOSの場合 本来の「受け⼊入れテスト」の⽬目的に照らし合わせ れば、スマートフォンの実機を動作検証に使うの は好ましいことです。 しかし、バッテリーの充電速度度より消費速度度の⽅方 が早いため、⻑⾧長時間の連続稼働が難しいという⽋欠 点があります。
  10. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. システム構成【Androidの抱える問題点】 Androidを利利⽤用する上でのボトルネックは下記の 通りです。

    1.  Androidエミュレータが重たい x86互換のバイナリを⽣生成すれば、実⽤用的 な速度度で動きます。しかし、すべてのソー スコードにフルアクセスできる環境でない と、その恩恵を享受できません。 2.  スクリーンショットの取得が遅い Appium経由でフルサイズのスクリーン ショットを取得する場合、(ADBコマンド の制約により)1〜~2秒くらいの時間を要し ます。 【結論論】Androd実機を使う。 【結論論】ビデオキャプチャデバイスを使う。
  11. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. システム構成【Androidの場合】 Windows PC

    Android端末 USB USB MHL変換アダプタ HDMI USB WiFi HDMI分配器 HDMI HDMI ビデオキャプチャ デバイス USB HDMI WiFi OpenCV Python Appium 【Tips】画像取得の⾼高速化 【Tips】WiFi経由で制御 【Tips】DRMの解除 【Tips】60 fpsに対応
  12. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. システム構成【iOSの場合】 Macintosh iOSシミュレータ

    OpenCV Python Appium iOSシミュレータは実機と遜⾊色のない速度度で動作するので、 実機を使わずに済ませることも可能です。 Lightning接続のAVアダプタを利利⽤用すれば、Androidの場合 と同じように実機からHDMI信号を取り出せます。
  13. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. テンプレートマッチング【特徴】 テンプレートマッチングには、下記のような特徴 があります。

    •  ビットマップの完全⼀一致ではない •  多少のサイズ変動にも対応できる •  多少の傾きにも対応できる •  マッチングの閾値を指定できる テンプレート画像を⾒見見つけた場合、ターゲット画 像中の(複数個マッチした場合、そのすべての) 座標を返却します。 画⾯面遷移のトリガーを検出するのに最適です。
  14. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. 基本パターン【状況分析】 ターゲットとなるスマホアプリが現在どのような 状態にあるのか?スクリーンショットを領領域分割

    し、個々の領領域を画像解析することで判断します。 テンプレート マッチング 画像の 領領域分 割 スクリー ンショッ トの取得
  15. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. 基本パターン【⾏行行動決定】 状況分析を⾏行行ったのち、どのようなアクションを 取るべきなのか?

     各種パラメータや内部状態を 勘案しながら、スクリプトが決定します。 各種パラ メータ 内部状態 乱数 変数 リソース 実⾏行行時引数 環境変数
  16. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. 基本パターン【画⾯面遷移】 ボタンやリンクをタップすることによって画⾯面遷 移を⾏行行います。

    ただし、メンテナンス性を考慮すると、それらの トリガーとなるオブジェクトの座標を決め打ちす るのは、あまり好ましくありません。 タップ フリック スワイプ ピンチ BACK
  17. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. 基本パターン【時間調整】 次にとるべきアクションが決定しても、それを即 座に実⾏行行に移せない状況が発⽣生し得ます。

    1.  データのアップデート中 2.  サーバーとの通信中 3.  お知らせ等のカットイン 4.  エラーの発⽣生 5.  その他(想定外)の事象 上記「1」と「2」の場合、タイムアウトを考慮 した上で⼀一定時間スリープします。
  18. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. 基本パターン【情報取得】 画⾯面に表⽰示された「画像」や「⽂文字」から情報を 取得します。

    画⾯面に描画された「⽂文字」は、ビットマップ化さ れた「画像」に過ぎないので、テキスト化のため のプロセスが別途必要となります。 画⾯面の領領域分割 画像のトリミング データの符号化(OCR / CV) データの永続化
  19. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. ケーススタディ Shadowverseのカードパックの実装事例例から、 技術的なポイントを解説します。

    v  アプリ起動 v  タイトル画⾯面 v  ローディング画⾯面 v  ホーム画⾯面 v  ショップ画⾯面 v  カードパック購⼊入画⾯面 v  カード⼀一覧 v  カード詳細
  20. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. ケーススタディ【アプリ起動】 Appiumを使ってスマホアプリを起動します。 その際に指定するのが、アプリを⼀一意に特定する

    ための「パッケージ名」です。私たちのシステム では、必要な情報をJSON形式の定義ファイルに 記述します。 Shadowverseの場合、下記のように指定します。   "appPackage": "jp.co.cygames.Shadowverse"
  21. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. ケーススタディ【カードパック購⼊入画⾯面】 カードパック購⼊入画⾯面が表⽰示されたら、チケット での「購⼊入する」ボタンをタップします。

    【ASSERT】画⾯面上部の⽂文字列列 【TAP】画⾯面中央部のボタン 【ASSERT】画⾯面中央部の⽂文字列列 【ASSERT】画⾯面下部のボタン
  22. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. 最適化 テンプレートマッチングの最適化に関するポイン トを整理理すると、次のようになります。

    v  探索索範囲の局所化 v  画像サイズの調整 v  テンプレート画像の加⼯工 v  テンプレート画像の階層管理理
  23. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. 最適化【探索索範囲の局所化】 ターゲット画像の全域で照合作業を⾏行行うのは計算 コストの無駄遣いです。画像をクリッピングする

    ことによって、探索索範囲を絞り込みましょう。 探索索範囲を局所化することに より、照合作業が⾼高速化する。 探索索範囲を狭めすぎると、今 度度はレイアウト変更更に柔軟に 対応できなくなる。
  24. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. 最適化【画像サイズの調整】 ターゲット画像やテンプレート画像のサイズが⼩小 さければ、その分だけ照合作業を⾼高速に終えるこ

    とができます。 画像サイズが1/2になれば、占有する⾯面 積、つまりメモリ消費量量は1/4になる。 その分だけ照合速度度が⾼高速化できる。 テンプレートマッチングに利利⽤用する画 像は、エビデンスとして保存する画像 と同⼀一サイズである必要はない。
  25. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. 最適化【テンプレート画像の加⼯工】 テンプレートマッチングには「透明⾊色」という概 念念はありません。テンプレート画像に背景が映り

    込んでいる場合、照合作業に影響のない範囲でト リミングしましょう。 【NG】形状が複雑なため、テンプレート画像の 中に背景が映り込んでいる。 【NG】背景部分を除去しても、透明⾊色として扱 われない。マスク処理理にも対応しない。 【OK】背景に影響されないように、テンプレー ト画像をトリミングする。
  26. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. 照合作業を最少のコストで済ませるためには、テ ンプレート画像を適切切な粒粒度度でグルーピングする 必要があります。

       ダイアログ    共通    ローディング    アップデート    ショップ    共通    カードパック    共通    チケット    ルピ    クリスタル    サプライ    クリスタル 最適化【テンプレート画像の階層管理理】 テンプレート画像をフォルダごとに分割する。 フォルダ同⼠士や同⼀一フォルダ内のテンプレー ト画像については、出現頻度度の⾼高い順に照合 作業を⾏行行う。
  27. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. サブシステム 「受け⼊入れテスト」を⾃自動化するにあたり、下記 のようなサブシステムを整備しました。

    v  スクリーンキャプチャー v  OCRサービス v  ドライブレーダー v  エビデンスビューワー
  28. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. サブシステム【スクリーンキャプチャー】 ホストOS(Windows/Macintosh)に⽤用意されて いるAPIをC++のコードから呼び出すことにより、

    スクリーンショットを取得します。 •  ウィンドウハンドルの取得 •  ウィンドウの移動 •  ウィンドウのリサイズ •  ビットマップ画像の転送 Pythonからは、C/C++で書かれたライブラリを シームレスに呼び出すことができます。
  29. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. サブシステム【OCRサービス】 市販の⽇日本語OCRライブラリを利利⽤用して、ビッ トマップ画像中に含まれるテキスト情報を抽出す

    るため、下記のような(社内向け)Webサービ スを⽴立立ち上げました。 •  WebSocketによるデータ通信 •  任意の矩形でトリミング •  任意の矩形でテキスト化領領域を指定可能 •  複数のテキスト化領領域を指定可能 •  透過背景のノイズを⾃自動除去 個々のPCにOCR機能を組み込む必要がなく、 セットアップや運⽤用が容易易になります。
  30. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. サブシステム【ドライブレコーダー】 下記の理理由により、スクリプトがタイムアウトも しくは異異常終了了した場合、直近のn秒間の様⼦子を

    動画ファイルとして⾃自動保存してくれます。 •  スクリプトの不不備 •  実機のハードウェア障害 •  実機のソフトウェア障害 •  その他(想定外)の事象 スクリプト開発の初期段階では、実装要件の考慮 漏漏れも多く、記録された動画ファイルがエラー原 因の解析に役⽴立立ちます。
  31. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. サブシステム【エビデンスビューワー】 スクリプトを実⾏行行すると、既定の場所に下記のよ うなエビデンスが⾃自動保存されます。

    •  スクリーンショット •  実⾏行行結果のサマリー情報 •  実⾏行行結果の詳細情報 •  ログファイル •  例例外発⽣生時のスタックトレース •  例例外発⽣生時の動画ファイル Webブラウザーを使って、社内のどこからでも ⾃自動集計されたエビデンスにアクセスできます。 また、スクリプトを実⾏行行することも可能です。
  32. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. 前半のまとめ コンピュータビジョンを応⽤用した「受け⼊入れテス ト」の⾃自動化は、すでに実⽤用レベルの域に到達し

    た  “開発現場で使える”  技術です。 細⼼心の注意を払ってスクリプトを実装すれば、熟 練したスタッフと遜⾊色のない品質を担保できます。 ただし、⼈人間ほどの柔軟性は備えていないので、 想定外の事象にはとても弱いのです。 すべての領領域を⼀一括移⾏行行するのは、コストやリス クの⾯面からみても現実的ではありません。反復復の 頻度度の⾼高い処理理から順に置き換えるのが、もっと も有効なアプローチだと思います。
  33. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. ⾃自動⽣生成ツール 「受け⼊入れテスト」にも応⽤用可能な、UIテスト⽤用 のスクリプトを⾃自動⽣生成するツールが存在します。

    様々な技術的制約があります。⼀一体どのようなも のなのか?簡単に紹介します。 v  Selenium IDE v  Appium Inspector v  ⾃自動⽣生成の問題点 v  ツール活⽤用の理理想形
  34. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. ⾃自動⽣生成ツール【Selenium IDE】 Webはすべてがオープンな世界です。HTTPプロ

    トコル⾃自体がそうですし、コンテンツを⽣生成する ためのフロントエンド技術についても同様です。 もし、「受け⼊入れテスト」の対象がWebアプリ ケーションである場合、Appiumのベースとなっ たSeleniumが利利⽤用可能です。 「Selenium IDE」は、利利⽤用者の 操作内容を簡単に記録できます。 またその場で、記録したスクリ プトを再⽣生することも可能です。 【画像の引⽤用元URL】http://www.seleniumhq.org/projects/ide/
  35. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. ⾃自動⽣生成ツール【Appium Inspector】 「Appium

    Inspector」を使えば、UIテスト⽤用の スクリプトを⾃自動⽣生成できます。 ただし、「Appium Inspector」がターゲットを 正しく検出できるのは、OSのネイティブなUIコ ンポーネントのみです。 Unityをはじめ、マル チプラットホーム対応 のツールキットの多く が、UIコンポーネント を⾃自前で描画するため 正しく検出できません。 【画像の引⽤用元URL】https://appium.io/slate/en/tutorial/ios.html?ruby#ending-the-session
  36. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. ⾃自動⽣生成ツール【⾃自動⽣生成の問題点】 ツールによって⽣生成されたコードには様々な問題 点があります。

    •  分岐や繰り返しが苦⼿手 •  カスタマイズが難しい •  操作の重複が発⽣生する •  サブルーチン化できない •  事前処理理、事後処理理が組み込めない •  意外性と網羅羅性に⽋欠ける ※エンドユーザーが定型業務を再現するのには好 都合ですが、「受け⼊入れテスト」に適⽤用すると なると、やはり⼒力力不不⾜足の感が否めません。
  37. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. ⾃自動⽣生成ツール【ツール活⽤用の理理想形】 ⾃自動⽣生成ツールには、誰でも簡単にUIテストを記 録&再⽣生できるという⼤大きなメリットがあります。

    そのままでは「受け⼊入れテスト」で利利⽤用すること に躊躇しますが・・・ちょっとした⼯工夫をするこ とで、利利⽤用者の負担を軽減することは可能です。 •  テストシナリオ •  オペレーション ⾃自動⽣生成ツール •  スクリプト •  リソース •  データ トランスコンパイラ •  インポート •  実⾏行行結果の照合 •  CIツール連携 受け⼊入れテスト
  38. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. 楽園の崩壊 ある⽇日を境に、エンジニアがこつこつと築いてき た楽園が⾳音を⽴立立てて崩壊をはじめます。

    その理理由は様々ですが、対象メーリングリスト宛 に送付されたJenkinsのアラートメールがトリ ガーになることが多いようです。 v  バグ修正 v  仕様変更更 v  機能拡張 これまで良良かれと思って続けてきたこと・・・⾃自 動テストのインフラを維持するためのコストが、 プロジェクトの⼤大きな⾜足かせになってしまいます。
  39. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. 楽園の崩壊【バグ修正】 バグの原因を調査し、しかるべき対応を⾏行行う。報 告された事象は解決したのに、今度度は違うところ

    で副作⽤用が発⽣生してしまった。 ⾃自動テストの環境が整備されていたおかげで、副 作⽤用を検出できたが・・・修正内容には直接関係 しない箇所でもエラーが発⽣生している。 そのテストケースの役割を理理解しないまま、安易易 な解決⽅方法に頼る。結果的に、そこで担保してい たものが⾻骨抜きにされてしまう。 賽の河原で、崩れた⽯石をまた積み上げる・・・終 わりの⾒見見えない作業、形骸化した開発プロセス。 いつの間にか、その⽬目的さえ⾒見見失ってしまいます。
  40. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. 楽園の崩壊【仕様変更更】 当初の想定にない仕様変更更を求められた場合でも、 ⽴立立場的に拒否できないケースが少なくありません。

    仕様書は、すでに現状を正しく反映してはおらず、 動いているコードがすべて・・・誰を責めるわけ にも⾏行行かないし、⾃自分もそれに加担している。 本来であれば、⾃自動テストについても抜本的な⾒見見 直しを実施すべきですが・・・必要最低限の修正 で妥協せざるを得ないのです。 ⾃自動テストのために整備された開発資産は、巨⼤大 な⼤大海原のようであり、⾃自分に与えられた時間は ⼩小⾈舟のように⼩小さい・・・無⼒力力感に襲われます。
  41. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. 楽園の崩壊【機能拡張】 仕様変更更が必要になった時点で、オリジナルの設 計者たちは、すでに他のプロジェクトに移ってい

    ることも多いのです。 新規開発の頃に⽐比べると、開発チームの⼈人員は⼤大 幅に縮⼩小しています。これまでの開発の経緯を知 るスタッフも数少ない状況で、どのようにシステ ムを正常進化させるべきか?現有戦⼒力力では勝⼿手が 分からず、時間ばかりが過ぎてしまいます。 ⾒見見よう⾒見見まねで何とか体裁は保ったが、果たして 適切切な処置だったのか?コピペした⾃自動テストの 資産は・・・エラーを回避するだけで精⼀一杯だっ たりします。
  42. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. アンチエイジング ⾃自動テストの開発資産は、それが完成した瞬間か ら、崩壊に向けたカウントダウンが始まります。

    1⽇日でも⻑⾧長く安定稼働を続けるには、アンチエイ ジングへの取り組みが必要不不可⽋欠です。 v  増殖抑制 v  ⾼高集積化 v  三位⼀一体
  43. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. アンチエイジング【増殖抑制】 実際の開発プロジェクトでは、⾃自動テストのプロ トタイプが出来上がると、それをお⼿手本に本格的

    な量量産体制に⼊入るのが⼀一般的です。 その⼀一⽅方で無限増殖を抑制する動きも必要です。 メンテナンスの対象が増えれば、それを維持する ためのコストも指数関数的に増⼤大するからです。 プロトタイプ 利利⽤用者画⾯面 Aパターン Bパターン 管理理者画⾯面 Aパターン Bパターン
  44. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. アンチエイジング【⾼高集積化】 コンピューターのハードウェアは、「ムーアの法 則」によって⽇日進⽉月歩の進化を遂げました。

    部品点数を減らし、個々のパーツを集積化するこ とでシステム全体の信頼性を向上させたのです。 ⾃自動テストの開発資産についても、同様のアプ ローチで実装密度度を向上させるべきです。 資産を増やすのではなく、 むしろ減らすことの⽅方が、 正しい進化の⽅方向なのです。 圧縮 集約 結合
  45. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. アンチエイジング【三位⼀一体】 ⾃自動テストでは、開発資産を「スクリプト」 「データ」「リソース」に三分割すべきです。

    それぞれに役割分担させることで、全体の⾒見見通し が良良くなり、影響範囲も局所化できます。 ※三位⼀一体の実装ポリシーについて、さらに具体 的に解説しましょう。 スクリプト データ リソース
  46. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. リソース 異異なるメディアやデバイスをサポートする場合、 安易易なコピー&ペーストを避け、メンテナンス対

    象ファイルの増殖を抑制することが⼤大切切です。 また、マジックナンバー化しやすいリテラル部分 を外部リソースとして分離離することで、スクリプ トの可読性や保守性が⼤大幅に向上します。 v  ディレクトリ構成 v  フォーマット v  ターゲット指定 v  メディアクエリー
  47. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. リソース管理理について、カードパック購⼊入画⾯面の 事例例で説明します。  

     data    resource bind    image    common    button purchase.png    home    json    home    shop cardpack.json soloplay ocr    script リソース【ディレクトリ構成】 すべてのリソースは、「resource」 ディレクトリの配下に格納します。 テンプレート画像は、各画⾯面ごと 「image」ディレクトリの配下に格納しま す。画像ファイルは、JSONファイルから 間接的に参照されます。 リソース情報を定義したJSONファイルは、各画⾯面 ごとに「json」ディレクトリの配下に格納します。 データのバインド情報は、「bind」 ディレクトリの配下に格納します。
  48. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. リソース【フォーマット】 カードパックをチケットで購⼊入するには、下記の ようなURLでリソース定義を参照します。

    【URL】/cardpack/standard/purchase/ticket/target/execute { "caption": "Card Pack", "standard": { "purchase": { "ticket": { "boundary": [60, 35, 95, 50], "target": { "assets": "ocr://single/70/40/75/45", "execute": "cv://image/common/button/purchase" } }, "rupee": { /* 省省略略  */ }, "crystal": { /* 省省略略  */ } } } } 探索索領領域の左上座標、右下座標 を画⾯面全体の割合でパーセント 指定する。 使⽤用するプロトコルとパスを URLで指定することで、操作対 象を特定する。
  49. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. リソース【ターゲット指定】 リソースをURL指定する場合、第1セグメントが 同名のJSONファイルであると解釈されます。そ

    れに続く第2セグメント以降降は、JSONファイル 内のデータ構造にマッピングされます。 シンプルな⽅方式ですが・・・必然的にURIが⻑⾧長く なる傾向にあります。そこで、ワイルドカードに 準拠した独⾃自の短縮表記をサポートしました。 フルパス表記 /cardpack/standard/purchase/ticket/ target/execute 短縮パス表記① /cardpack/standard/?/ticket/*/execute 短縮パス表記② /cardpack/*/execute[1]
  50. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. リソース【メディアクエリー】 異異なるデバイスをサポートする必要がある場合、 テスト資産も個別に⽤用意する必要があります。

    UIが異異なるだけであれば、リソースの追加で対応 できる可能があります。HTMLのメディアクエ リーに相当するものを利利⽤用しましょう。 リソース定義を⾏行行うJSONファイル内にメディア クエリーを指定し、実⾏行行時に対象を切切り替えます。 デバイス種別 メディアクエリー パソコン @PC フィーチャーフォン @FP スマートフォン @SP タブレット @TAB
  51. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. スクリプト スクリプト開発の⽣生産性を向上させるためには、 シンプルで理理解しやすいAPI設計が重要です。

    v  画像検索索① v  画像検索索② v  タップ v  バリデーション v  ⽂文字列列抽出 v  エビデンス保存 v  タイムアウト v  例例外処理理
  52. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. スクリプト【画像検索索①】 OpenCVのテンプレートマッチングを利利⽤用して、 画像の存在確認を⾏行行います。

    n API n サンプル def check_rarerity(self): if self.cvexists("/cardpack/cardinfo/rarerity/legend"): rarerity = Rarerity.Legend elif self.cvexists("/cardpack/cardinfo/rarerity/gold"): rarerity = Rarerity.Gold elif self.cvexists("/cardpack/cardinfo/rarerity/silver"): rarerity = Rarerity.Silver elif self.cvexists("/cardpack/cardinfo/rarerity/bronze"): rarerity = Rarerity.Bronze else: rarerity = Rarerity.Unknown return rarerity cvexists(location, threshold=0.75) URL マッチングの閾値 指定されたリソース定義の中で、メソッドの 実⾏行行に必要なパラメータ情報を取得する。 本来であれば、ifの制御構⽂文は 出現頻度度の⾼高い順に並べるべき。
  53. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. スクリプト【画像検索索②】 OpenCVのテンプレートマッチングを利利⽤用して、 画像の検索索を⾏行行います。

    n API n サンプル def get_carddata(self): target, status = self.cvmatch("/cardpack/cardinfo/detail") if target is None: # 省省略略 elif status: # 省省略略 else: # 省省略略 cvmatch(location, multiple=False, threshold=0.75) URL 複数検索索 マッチングの閾値 照合結果とは別に、ステータス専⽤用の 戻り値を返却する。 ある画⾯面のリソース定義は、当然のことな がら⼀一箇所に集約される。しかし、それを 参照するスクリプトは、複数の箇所に分散 することが多い。リソースをURLで参照す るアプローチを採⽤用することで、画⾯面仕様 が変更更になった際、修正するのはひとつの リソースファイルだけになる。
  54. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. スクリプト【タップ】 指定された場所をタップします。対象が画像の場 合、それが出現するまで⼀一定時間待機します。

    n API n サンプル def goto_cardpack(self): self.tap("/home/menubar/shop") self.validate("/shop/validation") self.tap("/shop/cardpack") self.validate("/cardpack/validation") self.uncheck("/cardpack/autoturn") tap(location, duration=100, wait=True, timeout=30) URL 押下時間(ミリ秒) リソースのURLがコメントの役割を果たす ので、処理理内容を直感的に把握できる。 出現待ち 制限時間(秒) ⼈人間が⾏行行うオペレーションを同名のAPIとして提供する。スクリ プト開発の基本は、操作内容をただ列列挙すること。細かなタイ ミング調整やエラー処理理はAPIに任せればよい。詳細情報をリ ソースとして分離離しているため、処理理⼿手順に変更更がない限り、 スクリプトを修正する必要はない。
  55. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. スクリプト【バリデーション】 画⾯面の表⽰示内容に問題がないか検証します。 n API

    n サンプル def goto_cardpack(self): self.tap("/home/menubar/shop") self.validate("/shop/validation") self.tap("/shop/cardpack") self.validate("cardpack/validation") self.uncheck("cardpack/autoturn") validate(location, servirity=Servirity.Normal) URL 不不整合があった場合の深刻度度 バリデーションのチェック内容を リソースに閉じ込めることで、仕 様変更更の影響範囲を局所化できる。 JSONファイルは、そのデータ構 造さえ理理解すれば、エンジニア でなくてもメンテナンスできる。
  56. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. スクリプト【⽂文字列列抽出】 画像の指定された領領域をテキスト化します。 n API

    n サンプル def get_cardinfo(self): # 省省略略 cardtype = check_cardtype() text = self.ocr("/cardpack/cardinfo/detail/" + cardtype) if not text is None or len(text) > 0: # 省省略略 else: # 省省略略 ocr(location, area=None) URL クリッピング領領域(複数の矩形を指定可能) OCRサービスへの問い合わせを外部に ⾏行行っているため、レスポンスが得られ るまでに若若⼲干のタイムラグがある。 JSON形式の独⾃自プロトコルを使い、 OCRサービスとの間でデータのやり取り を⾏行行っている。APIを経由することで、 普通のメソッドコールのように使える。
  57. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. スクリプト【エビデンス保存】 アプリケーションが取得した情報をエビデンスと して保存することができます。

    n API n サンプル def regist_cardinfo(self): # 省省略略 path = self.screenshot("cardinfo") card, status = self.get_cardinfo(path) if card is None: self.evidence.regist(AppError.UnknownCard, path) elif status: self.evidence.regist(status) else: self.evidence.regist(path, card) self.evidence.save() evidence.regist(**args) evidence.save() 仮登録するエビデンス(可変⻑⾧長引数) スクリーンショットを取得し、指定さ れたサブディレクトリに格納する。 仮登録したエビデンスを ⼀一括登録する。
  58. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. スクリプト【タイムアウト】 Pythonのデコレータ機能を使って、メソッドの 実⾏行行時間に制限を設けることができます。

    n API n サンプル @util.timeout(seconds=CV_TIMEOUT) def tap_image(self, path, threshold, wait=True, area=None): count = 0 while True: target = self.cv.template_match(path, threshold, 1, area) if not target is None or len(target) > 0: # 省省略略 else: count += 1 # 省省略略 return False @timeout(seconds=60) タイムアウト(秒) 名前の競合を避けるため、utilモ ジュールに格納している。 メソッドの実⾏行行時間がデコレータで指定 された秒数を超えると、アプリケーショ ン例例外が発⽣生する。 内部でOpenCVのラッパーを呼び出す。
  59. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. スクリプト【例例外処理理】 これまでに紹介したAPIでエラーが発⽣生した場合、 例例外が⾃自動的にスローされますが、スクリプト内

    で能動的に例例外を発⽣生させることも可能です。 n API n サンプル def check_info(self): if self.cvexists("/home/sidebar/info/active"): # 省省略略 else: self.throw(AppError.Inactive, "info button") throw(error, extra=None, cause=None) エラー種類 このAPIの場合には、対象が存在 しなくてもエラーは発⽣生しない。 Pythonに⽤用意されている「raise」構⽂文を使って例例外を スローするのは得策ではない。ロギングをはじめとする、 例例外発⽣生に伴う各種⼿手続きを⼀一元管理理すべきである。 付加情報 誘発元の例例外
  60. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. データ ⼤大規模なシステム開発では「データ」が⾃自動テス トの成功の鍵を握ります。

    なぜそれほどまでに「データ」が重要なのか? 具体的な例例を⾒見見ながら解説します。 v  劣劣化速度度が速い v  影響範囲が広い v  天然もの  VS  養殖もの v  チェックデータ v  ノイズデータ v  フォーマット v  ⾮非正規化 v  バインド情報
  61. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. データ【劣劣化速度度が速い】 バグの発覚を除けば、仕様変更更が起こらない限り、 テスト対象のコードを修正する必要はありません。

    ⾃自動テストの「スクリプト」の⾒見見直しは、テスト 対象のコードの修正タイミングと同期するはず。 しかし、テスト対象のコードが⼀一切切変更更されてい ないにも関わらず、⾃自動テスト関連の開発資産に ついて⾒見見直しを迫られることがあります。 それは、データベースのスキーマに変更更の必要が ⽣生じた場合です。つまり、「データ」は「スクリ プト」に⽐比べて、劣劣化する速度度が速いと⾒見見なすこ とができます。
  62. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. データ【影響範囲が広い】 あるテーブルにスキーマ変更更が発⽣生した場合、そ れを直接的または間接的に利利⽤用するすべてのコー

    ドに影響します。 スキーマの変更更⾃自体は極めて容易易ですが、それに 関連する修正は極めて広範囲に及びます。単に表 ⽰示状態に影響するだけではなく、⼊入⼒力力値のバリ デーション処理理に関係することもあります。 当然のことながら、それらの影響は⾃自動テストの 開発資産にも波及します。「データ」だけではな く、「スクリプト」にも⾒見見直しが必要になります。
  63. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. データ【天然もの  VS  養殖もの】

    テストデータは、その成り⽴立立ちによって次のよう に⼤大別できます。 •  天然もの  →  本番環境に由来するデータ •  養殖もの  →  ⼈人為的に作成されたデータ ⾷食の世界であれば「天然もの」が重⽤用されますが、 ⾃自動テストの世界では「養殖もの」の⽅方が何かと 都合が良良いのです。 理理想的なテストデータは、しっかりと体系化され、 規格化されている必要があります。そうでなけれ ば、将来起こるであろう変化に(リーズナブルな コストで)対応できないからです。
  64. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. データ【チェックデータ】 表⽰示崩れや⾒見見切切れ、⽂文字化け等の表⽰示状態を確認 するために専⽤用のデータを⽤用意するべきです。

    •  ルーラー •  ⽂文字数(最⼩小桁、最⼤大桁) •  半⾓角⽂文字(英数字、記号、カナ) •  全⾓角⽂文字(英数字、記号、かな、漢字) •  フォント(横書き、縦書き) •  ⽂文字コード(ASCII、JIS、SJIS、UTF-8) •  禁忌⽂文字(外字、HTMLタグ) •  その他(機種依存⽂文字、絵⽂文字)
  65. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. データ【ノイズデータ】 ノイズデータはとても重要です。 コアなデータのみでは、(想定しておくべき)想

    定外の状況に対応できません。 •  境界値分析 •  同値分割(有効同値、無効同値) •  ページング(Overflow、Underflow) •  レプリケーション、パーティショニング •  論論理理削除、物理理削除 ※ノイズデータはテストシナリオに合わせて、シ ステム側で⾃自動⽣生成するのが理理想的です。
  66. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. データ【フォーマット】 テストデータの管理理には、様々なフォーマットが ⽤用いられます。

    •  RDBMSダンプファイル •  CSVファイル •  Excelファイル •  XMLファイル •  JSONファイル •  独⾃自JSONファイル(プリプロセッサ拡張) ※オリジナルのJSONにはない、コメントやイン ポート、継承などの機構をサポートすることに よって保守性が⼤大幅に向上します。
  67. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. データ【⾮非正規化】 本来、データは「階層的な構造」であるはずです。 テーブル設計に影響され、データを「フラットな

    構造」に押し込めるべきではありません。 { "id": "AD1582", "name": "信⻑⾧長", "home": { "postal": "604-8091", "address": { "prefecture": "京都府", "city": "京都市", "other": "中京区寺町通御池下る下本能寺前町522" }, "phone": "075-231-5335" }, "follow": ["name:丹丹⽻羽", "name:柴⽥田", "id:AD1598"], "block": ["name:明智"] } スキーマ設計に由来する「正規 化」という呪縛から逃れ、本来 あるべき⾃自由な姿、理理想とする データ構造に⽴立立ち戻るべき。 データの動的⽣生成も、技術的に 興味深いテーマである。 プリプロセッサでJSONを拡張し、イン ポートや継承により管理理コストを軽減する。
  68. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. データ【バインド情報】 呪縛から逃れるには、周到な準備が⽋欠かせません。 テーブル設計との関係性を維持するために、双⽅方

    を紐紐づける「バインド情報」が必要です。 { "id": "M_USER.ID", "name": "M_USER.NAME", "home": { "postal": "M_USER.HOME_POSTAL", "address": { "prefecture": "(merge:1)M_USER.HOME_ADDREESS", "city": "(merge:2)M_USER.HOME_ADDRESS", "other": "(merge:3)M_USER.HOME_ADDRESS" }, "phone": "M_USER.HOME_PHONE" }, "follow": ["(refer:id)T_FOLLOW.ID,(refer:name)T_FOLLOW.NAME"], "block": ["(refer:id)T_BLOCK.ID,(refer:name)T_BLOCK.NAME"] } テーブルのカラムと1対1に マッピングしないケースで は、ローダー側での事前処 理理が必要である。 主キーと外部キーを使って、 異異なるテーブルにロードする。
  69. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. 後半のまとめ ⾃自動テストでは、どうしても「スクリプト」に注 ⽬目が集まりがちです。

    しかし、開発資産として真に 重要なのは「データ」です。 テストシナリオに合わせて、 必要⼗十分なレコードを⽤用意 できれば、不不良良債権ではなく 本当の開発資産になりまます。 データ記述の表現⼒力力を追求すると、プログラミン グ⾔言語並みの柔軟性が求められます。 リテラル表現に優れた  Lightweight Language こそが、究極のデータ記述⾔言語となります。 データ リソース スクリ プト
  70. © 2017, Cygames, Inc., all rights reserved. 今後の課題 現在進⾏行行形で開発が進んでいるプロジェクトは下 記の通りです。いずれも早期の実戦投⼊入を⽬目論論む、

    野⼼心的なプロジェクトばかりです。 •  ⾃自⼰己学習型OCRツール •  ボタン⾃自動検出ツール •  PICT代替ツール(Python) •  テストケース⾃自動⽣生成ツール •  レコーディング機能 •  Appium代替ツール(Android/iOS) ※弊社の技術ブログで最新の状況を定期報告する 予定なので、ぜひウォッチしてください。