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新卒採用・育成を通じて、プロダクト人材が育つカルチャーを作りたいお話 / How to Make Developer's Educational Culture

新卒採用・育成を通じて、プロダクト人材が育つカルチャーを作りたいお話 / How to Make Developer's Educational Culture

このスライドは、2022/07/01 に開催された「第二回 プログラミング教育について話し合う会」で発表したものです。

cf. https://opt.connpass.com/event/248023/

Kazuyuki TAKASE

July 01, 2022
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Transcript

  1.       
    © Chatwork
    新卒採用・育成を通じて
    プロダクト人材が育つカルチャーを作りたいお話
    2022/07/01 [Fri] CTO 室 高瀬和之
    Chatwork 株式会社

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  2. 2019 年に Chatwork 株式会社へ
    フロントエンド・エンジニア としてジョインし、
    リリース基盤やビデオ通話アプリケーションの開発に従事。
    2020 年から エンジニア採用広報に転身 し、技術イベント運営や
    エンジニア採用を主業務とする。 パラレルワークで講師業 も営む。
    自己紹介 - 高瀬 和之 (たかせ かずゆき)
    2
     :@Guvalif
    YouTube にて
    アーカイブ配信中!

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  3. ※ 免責事項 ※
    3
    ● この発表では、Chatwork における実績 とは別に、個人の見解 が含まれる箇所があります
    ● これらを明確にするために、それぞれ異なるフォーマットを適用します
    ● 個人の見解に関する部分で お叱り がある場合は、個人責任 のもと誠心誠意ご対応いたします
    Chatwork における実績 個人の見解

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  4. プロダクト開発を習得するためのコンテンツ設計
    講師の役割とレベルデザインの考え方
    継続的にプロダクト人材が育つカルチャーづくり
    1
    2
    3
    AGENDA
    アジェンダ

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  5. プロダクト開発を習得するためのコンテンツ設計
    1

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  6. 「観察」からはじめよう 🔍
    6
    ● 学習者の 状況 や 背景 がわからなければ、適切なコンテンツを届けることはできません 󰢃
    ● 誰かにとっての "良い" コンテンツ は、誰かにとっての "悪い" コンテンツ になりうる (逆も然り)
    ○ そのように心がけながら、私の場合はコンテンツを作成しています
    もくもく派?
    わいわい派?
    最初から?
    途中から?
    理論派?
    実験派?
    理系?
    文系?
    etc …

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  7. Chatwork における新卒人材のレベル感
    7
    ● 接触初期時点において:
    ○ なんらかの プログラミング言語経験 があり、なんらかの アプリを形にした経験 もある
    ■ ただし、Web アプリとは限らない
    ■ インターンシップ (or 実務) 経験は、ある人もない人も マチマチ
    ● ほとんどが インターンシップを経由して、本選考 & 内定承諾 にいたる
    ○ ※ 本選考だけのパターンは、新卒採用の認知度がないためかそもそも応募が少ない 😇
    ○ ※ この発表を見られた学生の皆さま、ぜひ本選考もご贔屓に … 🙏
    "基礎知識の一歩先" "実務に近い開発" … を盛り込むかな?

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  8. 知識伝達
    知識の
    分解・再構成
    応用知識の
    習得
    基礎知識の
    習得
    "学習のレベル" と習得のロードマップ
    8
    原体験
    経験学習
    経験学習
    経験学習
    知らない & できない
    知っている & できない
    考えるとできる
    考えなくてもできる
    教えられる
    ● それぞれのステップと経験学習を通じて、"学習のレベル" を上げていく
    ● コンテンツの設計も、これに当てはめて考えてみる

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  9. Chatwork における習得のロードマップ
    9
    知識伝達
    知識の
    分解・再構成
    応用知識の
    習得
    基礎知識の
    習得
    原体験
    (獲得済み)
    経験学習
    経験学習
    経験学習
    知らない & できない
    知っている & できない
    考えるとできる
    考えなくてもできる
    教えられる
    インターンシップの
    講義を通じて機会提供
    (+α なレベル感で)
    新卒技術研修の
    講義を通じて機会提供
    (社内勉強会なども活用)
    インターンシップの
    演習を通じて機会提供
    (入社までにも自発的に)
    新卒技術研修の
    演習を通じて機会提供
    (業務でも自発的に)
    社内講師登用 & 教材作成
    1
    3
    5
    2
    4

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  10. サマーインターンシップのカリキュラム体系 (2022)
    10
    アジャイル・スクラムの技法
    ドメイン駆動設計の戦略と戦術
    デザイン・エンジニアリング基礎論
    0 から作って学ぶ MV*と SPA の原理
    型システムによる制約と計算効果の取り扱い
    React と宣言的 UI
    アプリケーションのレイヤー設計と Redux
    SPA のフロントエンド構築
    SPA のバックエンド構築
    Scala 基礎演習
    データベース概論
    テストによるアプリケーションの品質保証
    Akka HTTP によるサーバー構築
    サーバーセキュリティ基礎論
    Web サービス開発の基礎
    イベントストーミング
    運用
    プロダクト・マネジメントとは?
    ★ 開発演習
    ★ 専門講義 (BackEnd)
    ★ 共通講義
    ★ 専門講義
     (FrontEnd)

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  11. 技術研修のカリキュラム体系 (2022)
    11
    クオリティ・アシュアランス基礎論
    (講師:社外依頼)
    セキュリティ基礎論
    (講師:社内人材)
    アジャイル・スクラム基礎論
    (講師:社内人材)
    チーム開発演習
    (ScM:社内人材)
    プロダクトマネジメント演習
    (アドバイザー:社内人材)
    KENRO 演習
    (アドバイザー:社内人材)
    プロダクトデータから、
    AARRR 観点で改善指標を
    探し、提案を行う
    配属予定部署の課題を、
    1Wスクラム × 2 セットで
    プロダクトを開発し解決
    e-Learning システム上の
    サンドボックス環境で、
    攻撃・防御手法を体験
    ★ 講義型研修 ★ 演習型研修
    情報管理
    開発手法
    品質管理
    2W
    1W
    1W

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  12. ここまでのまとめ
    12
    【コンテンツ設計で大切にしていること】
    ● まずは「観察」から (採用母集団 & 採用フローを考慮にいれる)
    ● 「知識習得 → 経験学習」というリズム を必ずつくる
    【疑問として出そうなこと】
    ● 実際のところ OJT (経験学習) だけじゃダメなの?
    ● このあたりのお話は『講師の役割とレベルデザインの考え方』で深ぼっていきましょう

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  13. 講師の役割とレベルデザインの考え方
    2

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  14. ● フォーカス対象:
    ○ 学習者
    ● 役割:
    ○ 学習者の目標と、現時点における
    ギャップを明らかにすること
    ○ 学習にあたっての障害を検査すること
    ■ 障害への適応も適宜サポートする
    ○ 必要に応じて適切な失敗を促すこと
    ○ "経験学習の支援" が主戦場
    大きく二つの講師の役割
    14
    ● フォーカス対象:
    ○ コンテンツ
    ● 役割:
    ○ 自らの持つ知識を、分解・再構成し
    コンテンツ化すること
    ○ 適切なレベル感のコンテンツを、
    必要に応じて外部から調達すること
    ○ コンテンツを通じて知識を伝えること
    ○ "知識習得の支援" が主戦場
    コンテンツプロバイダー 観察者
    いわゆる先生っぽい役割 スクラムマスターっぽい役割

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  15. Chatwork におけるレベルデザインの主要パラメータ
    15
    ● コンテンツに対する "満足度" と "理解度" をコントロールする
    満足度
    理解度
    不満 満足
    低い
    高い

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  16. Chatwork における "満足度" & "理解度" の目標ポイント
    16
    満足度
    理解度
    不満 満足
    低い
    高い
    ● 知識習得のレベリングに注力 し、経験学習のレベリングは深く考慮しない & 自由度を高めに設定
    知識習得の
    目標ポイント

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  17. なぜ知識習得は "満足度 = 高" & "理解度 = 中" を狙うのか?
    17
    ● 理解の余白が大事 と考える
    ○ 余白の部分を、いかに自律的に経験学習しながら埋めていけるかが重要
    ● プロダクト人材は、新たな知見を能動的に学習し続ける必要がある
    ○ 新卒初期に、理解度を自ら上げられたという成功体験 を得ることで、その素地を強固にしたい
    分かったような、
    分からないような …
    見よう見まねで
    試してみるか …?
    そういうことか!
    経験学習を通じて …
    このモチベーションのために "満足度" が必要 "理解度" を自ら上げられたという成功体験

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  18. Chatwork における新卒育成実績データ
    18
    最初から経験学習を行う場合の結果 (N = 2)
    満足度
    理解度
    不満 満足
    低い
    高い
    満足度
    理解度
    不満 満足
    低い
    高い
    知識習得後に経験学習を行う場合の結果 (N = 5)
    経験学習
    知識習得
    分散小かつスコア改善

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  19. ここまでのまとめ
    19
    【Chatwork の育成における実績】
    ● 知識習得と経験学習を織り交ぜる ことで、学習効果の底上げ が期待できる
    【コンテンツプロバイダー目線】
    ● 知識習得に関して、理解度を常に 100% に持っていくことは非常に困難
    ● 理解度 50% 前後で良い場合、コンテンツ制作の幅が広がる
    【観察者目線】
    ● 経験学習に関して、レベリングを行うことはそもそも困難
    ● 知識習得にレベリングを寄せて良いのであれば、純粋に観察に集中できる

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  20. 継続的にプロダクト人材が育つカルチャーづくり
    3

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  21. 経験的事実
    21
    ● 知識習得を行った後、経験学習を行うと学習効果が高い
    ● 学習効果だけを見た時に、コンテンツを 内製 する or 外部調達 するのかには 自由度 がある
    適切なレベル感のコンテンツを外部から調達し、それを伝える
    経験学習の機会をつくる
    ● この組み合わせだけでも十分に効果は得られる

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  22. ● コンテンツを 内製することの意義 は、既存社員を 学習のレベル 5 へと導く こと
    ● これにより、既存社員と新卒社員それぞれに学びの循環が作れることになる!
    再掲) "学習のレベル" と習得のロードマップ
    22
    知識伝達
    知識の
    分解・再構成
    応用知識の
    習得
    基礎知識の
    習得
    原体験
    経験学習
    経験学習
    経験学習
    知らない & できない
    知っている & できない
    考えるとできる
    考えなくてもできる
    教えられる
    学びの循環を形成!

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  23. ある日のテックリードとの会話
    23

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  24. PERSONAL
    個人的な野心,その 1
    24
    ● Chatwork においては、"原体験" の部分には現状ノータッチ
    ● 産学連携の枠組みで、初等・中等教育段階における原体験づくりをお手伝いしたい!
    ● 原体験づくりの場を提供してくださる人たちに、スポンサードなどの形で支援をしたい!

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  25. PERSONAL
    個人的な野心,その 2
    25
    ● 本選考のみを経由して内定承諾にいたる学生が増えてくれば、"基礎知識の習得" も強化が必要
    ● 外部の教材も適材適所で活用し、その活用事例を発信することで支援をしたい!

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  26. まとめ
    26
    知識伝達
    知識の
    分解・再構成
    応用知識の
    習得
    基礎知識の
    習得
    原体験
    経験学習
    経験学習
    経験学習
    知らない & できない
    知っている & できない
    考えるとできる
    考えなくてもできる
    教えられる
    ● Chatwork では、"学習のレベル" それぞれに対応したコンテンツを、
    新卒採用から新卒育成までを通じて提供している
    ● また、中途人材にはレベル 5 にも挑戦してもらい、学びの循環を形成している

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  27. 最後に宣伝を少しだけ …

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  28. 人事・組織戦略立案 ブランドリフト
    採用・育成
    ピープルマネジメント
    We are Hiring !!!
    28
    副本部長
    VPoE & ピープルマネージャー エンジニア採用広報 & 人事
    エンジニア採用広報
    PO ScM
    HRBP
    全体支援
    人事企画 & 組織開発を横断するスクラムチームで、プロダクト人材の成長環境 を一緒につくりませんか?

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