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行政のデジタル化の 必要性と展望

20dd6ed6aa3cf68c2eabe56360512808?s=47 Haruyuki Seki
January 30, 2021

行政のデジタル化の 必要性と展望

Code fot Japan の関治之が、行政組織がDXを進める上での考え方について述べています。
副市長向けの勉強会用の資料ですが、主に以下のようなことを述べています。
* DXとは、デジタル化ではなく、デジタル前提でサービス提供のあり方を変革すること
* DXは顧客体験を起点に考えて業務フローを組み替えることであり、ITの話ではない。
* ペーパーレスやRPAは手段にしかすぎない。いきなり手段から考えずに、業務全体をシステムとして考える必要がある
* 業務フローを考えることは、経営そのもの。トップがコミットして考える必要がある
* 個別のチャレンジは各部門で主体的に。それを実行できる環境づくりと全体最適化はトップダウンで
* 複雑系の環境では、失敗から学ぶことが大事。(失敗のマネジメント)経験から学ぶ環境づくりを
* シビックテックコミュニティを通じて、行政サービスをともに考え、ともにつくる
* 内部の仕様策定力を強化して、既存ベンダーとの付き合い方を見直そう
* オープンソースを活用することで、競争市場を作ると同時に自治体全体のコストを下げられる
* 「デジタル化=誰かを切り捨てる」ことではない

ご意見、ご感想などがありましたら、ぜひ Twitter (@hal_sk) までお寄せください。

20dd6ed6aa3cf68c2eabe56360512808?s=128

Haruyuki Seki

January 30, 2021
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Transcript

  1. 一般社団法人コード・フォー・ジャパン 関 治之 行政のデジタル化の 必要性と展望 1 本作品はクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承 4.0

    国際 ライセンスで提供されています。 ご利用の際は、クレジット表記としてCode for Japan 関 治之 を付与願います。
  2. コロナ禍により、行政のDXが主眼に

  3. 行政のデジタル化に注目が高まる https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2020/summary_ja.pdf を元に関が抜粋 1.「新たな日常」構築の原動力となる   デジタル化への集中投資・実装とその環境整備   (デジタル・ニューディール) ポストコロナ時代の新しい未来 (経済財政運営と改革の基本方針2020より) 次世代型行政サービスの強力な推進 デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進

    新しい働き方・暮らし方 変化を加速するための制度・慣行の見直し
  4. https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2020/summary_ja.pdf を元に関が抜粋 2.「新たな日常」が実現される地方創生 3.「人」・イノベーションへの投資の強化 4.「新たな日常」を支える 包摂的な社会の実現 5.新たな世界秩序の下での活力ある日本経済の実現 東京集中→多核連携型 地域の躍動につながる産業 教育への投資

    科学技術・イノベーションの加速 社会保障の再構築、データヘルス改革 社会的ファイナンスの活用 自由で公正なルールに基づく国際経済体制 サプライチェーンの多元化 SDGsを中心とした地球規模課題への貢献
  5. • Digital Transformation
 ◦ Digitization とは違う。
 ◦ デジタル前提でサービス提供のあり方を変革すること
 ◦ 「私はITのことはわからない」は禁句!


    ▪ ITの話ではなく、顧客(市民)体験を起点に考えて業務 フローを組み替える話
 DXってなんだろう?

  6. 自治体DX推進の構造的課題

  7. ペーパーレスやRPAは手段にしかすぎない
 • 自治体業務全体をシステムとして捉え、どこに対策を打つべき かを総合的に考える→これは外注できない
 • 個別の施策のみを考えても意味がない
 • 個別のチャレンジは各部門で主体的に。それを実行できる環 境づくりと全体最適化はトップダウンで。
 •

    システム投資をコストと見ずに、投資と見る
 ◦ →費用対効果を測るためには、データが必要

  8. 自治体DX推進の構造的課題 ハンコレス RPA オープンデータ 外部人材登用 調達改革 三層分離の見直し 人事制度改革 シビックテック 官民連携施策

    研修等の見直し 広報・公聴改革 実証環境の整備 財務制度見直し システム共同調達 業務標準化 横串組織 システム投資
  9. DX推進にはスピード感が必要
 • 「早く失敗して、経験値と実感を得るこ と」こそが価値
 ◦ 後発になれば、だんだん失敗できなくなる
 ▪ 複雑性の増大
 • 見えてくるものが増えると意思決定しにく

    くなる
 ◦ 失敗は、なかなか共有されず分からない
 ▪ 「きれいに見せよう」とすることから自由になろ う
 ▪ 「失敗していいよ」は上役(究極は、首長)しか 言えない
 ネガティブループを発見し、改善させる 

  10. スピードを手に入れるには?
 • とはいえ、何をやればいいかは割と正解ルートがある
 ◦ 「意思決定の速さ」を買う(連れてってもらう)
 ▪ LINE
 ▪ graffer+kintone
 ▪

    xID など
 ◦ 既存ベンダーとの付き合い方を考え直す
 ▪ 大手ベンダーの意思決定の遅さに引きずられない
 ▪ 受託開発ベンダーではなく、サービス提供企業を通じて連携する
 ▪ 既存SYSの更新が、いよいよ必要に
 ▪ 次の5年を今から考える=各地域における保守業務が困難になっていくこ とを想定しておく→今のうちに共同調達等で手を打とう

  11. None
  12. 評価されないことはやりたくない
 • 成果報酬は難しくても、権限を与えることはで きる
 • 研修の見直しは必須
 • 民間なみのJob Description(職務記述書)を作 る時代


    • 早いPCやリモートワーク環境の整備も必要
 • 横串のコミュニケーションも重要
 • 外部人材登用も有用
 目をつぶってはいけない、
 人事の問題

  13. None
  14. 業務を見直すためのECRS原則
 Eliminate やめられないか? Combine 一緒にできないか? Rearrange 再配置できないか? Simplify 単純化できないか? 検

    討 順 そもそもなんでその作業をやっているのか? 「前からやってるから」から脱却し、やらなくて良いならや めてしまう 他の部署の作業と一緒にやれないか? 分業していることを一緒にできないか? 事務を集約できないか? 他の部門でやったり、順番を入れ替えることで効率化で きないか? アウトソースできないか? もっと簡単にならないか?入力項目を減らせないか? IT を使って単純化できないか? その業務は何のためにやっているのか?を考え、ゼロベースで考えてみる 

  15. どうしたら、失敗から学べるのか?
 • 失敗のコストを下げる
 ◦ 最初から失敗を計画に織り込む
 ◦ 小さく始めて、徐々に大きくする
 • 実施したことから、学習する仕組みを作る
 ◦

    100%の失敗というものはありえない
 • 若手(考えの若い職員)を中心にし、管理職はフォロワーシッ プを発揮する
 ◦ 「責任は俺が取るから、思い切ってやってみろ」と言える か?

  16. とはいえ、失敗すると色々叩かれる・・・
 失敗した時のダメージを少なくするには
 • 情報の透明性を上げる
 ◦ わからないものは批判したくなる心理
 ◦ ちゃんとやっていれば理解してくれる人は多い
 • 多様な視点からチェックをする


    ◦ プロセスを共有し、外部の意見をもらう
 • 早めに状況を把握し、軌道修正をする
 ◦ 小さな失敗であれば、影響も少ない

  17. シビックテック・アプローチ:
 公共モデルを「依存」から「共創」へ
 
 
 市民 行政 要望・苦情
 公共サービス
 市民 行政

    企業 NPO 大学 テクノロジー
 データ活用
 場づくり
 課題 解決 シビックテック・エコシステム:
 コミュニティで築いた関係性をもとに
 プロジェクトを創出
 
 
 C4J コミュニティ
 エンジニア
 デザイナー
 公務員
 自治体
 省庁
 研究者
 会社員
 NPO
 企業
 学生
 プロジェクト
 エンジニア × デザイナー 
 
 自治体 × エンジニア 
 
 NPO × エンジニア
 
 学生 × 企業
 オープンにつながり、社会をアップデートする

  18. ともに考え、ともにつくる 18

  19. 19 世界26カ国で「Code for xx」が活動

  20. 20 全国、約80地域で「Code for xx」が活動

  21. 21 各地で自らの地域を良くするための活動

  22. コロナ禍で生まれた様々なアクティビティ ダッシュボード 検索サイト アイデア募集 NPO支援 プロトタイピング

  23. 自治 体 自治 体 自治 体 自治 体 自治 体

    自治 体 国 市民 市民 市民 市民 市民
  24. None
  25. 他の団体 他県の対策 サイト 誰でも再利用可能な形で公開 東京都 Code for Japan 委託 COVID-19

    対策サイト 開発 外部の開発者 広く協力を依頼 開発協力 他の団体 カスタマイズ 他県の対策 サイト 公開 ・多くの開発者が参加してサイトを改善 ・他県にも展開
  26. オープンソースとは? プログラムのソースコードを、断りなしに自由に使って良い という条件で広く公開すること。 公開することで、誰もが中身を確認することができるし、コ ピーして自分の目的に再利用することができる。 更に、東京都では一般技術者から要望を受け付けたり、 修正提案を受け付けたりすることも行った

  27. みなさんが使っている製品の多くは、多くのオープンソースソフト ウェアに依存している これもオープンソース Android phone ウェブサーバー ウェブブラウザ SSL通信

  28. 世界中から貢献があった 3週間の間に 224 名が改善に協力 750 件の提案 671 件が取り入れられる 作成数 クローズ数

    Issue数 1,364 1,283 Pull Request 数 2,628 2,604 これまでの累計(Bot等を除いた数)
  29. 全都道府県に波及

  30. 海外でもシビックテックが活発に https://note.com/hal_sk/n/nd5d71fa9ff5d 台湾、韓国ではマスク在庫 APIを公開、多くの民間アプリが生まれた https://www.reallygoodux.io/blog/korean-mobile-apps-coronavirus-covid-19

  31. 総務省:新型コロナウイルス感染症対策サイトのためのデータ公開について より

  32. オープンソースへの投資は、社会的な知的資本の蓄 積に繋がる http://blog.cleverelephant.ca/2018/01/govt-oss-clusters.html

  33. 全国の「地域情報化アドバイザー」(総務省)と「オープン データ伝道師」(内閣官房 IT総合戦略室)、 VLEDが協力し、標準データの定義書を作成。 各地での交渉に役立った https://www.code4japan.org/activity/stopcovid19

  34. 東京都サイトでは、様々な情報が瞬時にまとめられた

  35. オープンソースは、市場への参加者を増やす • 参入者を増やし、競争市場を 作れる • 多様性を活かしながら、他自 治体とシステムを共有できる • 特定ベンダーへの依存度を 下げられる

    • 国民全体の知的財産として 転用できる このループから抜け出せる可能性
  36. https://www.businessinsider.jp/post-212276

  37. 国土地理院はオープンソースを活用している

  38. 本当に「お年寄りはデジタルを使いこなせない」のか?


  39. 本当に「お年寄りはデジタルを使いこなせない」のか?
 


  40. それでも、デジタルに対応できない人はいる
 自治体として、「誰一人取り残さない」ことは重要
 デジタルオンリーにするわけではない!
 • デジタル対応できる人は、デジタルにしてもらう
 ◦ そちらのほうが、ユーザにとっても便利
 • バックエンドもデジタル化する
 ◦

    職員は研修をして底上げする(仕事ですし)
 ◦ アナログ業務は共同で外注してしまう手も
 • デジタル化して空いた作業を、アナログな応対に当てる
 ◦ 手続きのためのアナログ作業は、価値を産んでいない
 そのアナログ業務、 市民に対して価値を 生んでいますか?
  41. 郵便局や事務センター などを活用し、自治体 間で共同して、業務最 適化を進めるチャンス


  42. DXは、種を育てることが一番
 • 行政職員含めた「自らつくる人のチーム」をつくる
 ベンチマークとしての経済産業省 DXオフィス チームのスキル・マインドセット サービス設計 継続的な改善 データ活用 デジタルファースト

    証拠に基づく 政策立案 利用者目線 小さく始める 意思決定の 透明性
  43. データアカデミー 自治体 課題検討 仮説立案 分析評価 政策立案 評価 行政の中での データリテラシーを向上させる データ利活用研修

  44. 課題解決7ステップ ① 課題・仮説 ② データ確認 ③ 分析手法 決定 ④ 分析実施

    ⑤ 評価 ⑥ 政策立案 ⑦ 効果分析 課題と分析対象の決定 分析結果の判断 どんな課題を、どんなデータを使って表現す るのか? データはどのように集める /作るのか? どのような分析手段があるのか? などを検討 分析の難易度やツールの必要性 に応じて、自分で実施、他部署に 依頼、外注などを選択 分析結果を判断し、政策を立案 最初に決めた仮説は正しかったか? 効果を測定し、新たな課題設定に繋げる
  45. 職員同士でともに学ぶ行政コミュニティ
 https://sunabar.code4japan.org 


  46. まとめ • DXとは、デジタル化ではなく、デジタル前提でサービス提供のあり方を変革すること • DXは顧客体験を起点に考えて業務フローを組み替えることであり、 ITの話ではない。 • ペーパーレスやRPAは手段にしかすぎない。いきなり手段から考えずに、 業務全体をシステムとし て考える必要がある

    • 業務フローを考えることは、経営そのもの。トップがコミットして考える必要がある • 個別のチャレンジは各部門で主体的に。それを実行できる環境づくりと全体最適化はトップダウン で • 複雑系の環境では、失敗から学ぶことが大事。(失敗のマネジメント)経験から学ぶ環境づくりを • シビックテックコミュニティを通じて、行政サービスをともに考え、ともにつくる • 内部の仕様策定力を強化して、既存ベンダーとの付き合い方を見直そう • オープンソースを活用することで、競争市場を作ると同時に自治体全体のコストを下げられる • 「デジタル化=誰かを切り捨てる」ことではない