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パートナーとの関係、絶望感、健康状態は妊婦のウェルビーイングを強く予測する

 パートナーとの関係、絶望感、健康状態は妊婦のウェルビーイングを強く予測する

2025年6月27日(金)-28日(土)に京都で行われる第7回メディカルAI学会の発表資料です

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Hikaru Oba

June 22, 2025

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  1. パートナーとの関係、絶望感、健康状態は 妊婦のウェルビーイングを強く予測する 第7回日本メディカルAI学会学術集会 演題番号:G7-1 本稿の詳細は論文をご参照ください (Ooba, H., Maki, J., Tabuchi,

    T. et al. Sci Rep 13, 17032 (2023). https://doi.org/10.1038/s41598-023-44410-1 ) セッション名:一般演題 口演 7 「その他」 日時:2025年6月28日(土) 8:30 ~ 9:30
  2. 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック以来、 大きな社会変化が生じた 特定の人口統計学的な属性(若年、女性、経済リソースが限定)を 有する人は、特にメンタルヘルスやウェルビーイングが脅かされた 女性、思春期世代、学生は ロックダウン関連の ストレス要因に非常に敏感 Henseke, G., Green,

    F. & Schoon, I. J. Youth Adolesc. 51, 1679-1692 (2022). 低所得者・貯蓄が少ない人、 経済的リソースが限られて いる人たちはリスクが高い Ettman, C. K. et al. JAMA Netw. Open 3, e2019686 (2020). 12〜17歳の思春期層と 18〜25歳の若年成人層が 影響を受けやすい Mojtabai, R., Olfson, M. & Han, B. Pediatrics 138, e20161878 (2016). 妊婦の不安レベルが パンデミックによって 大幅に増加 Ettman, C. K. et al. JAMA Netw. Open 3, e2019686 (2020).
  3. 2020年調査 2021年調査 約220万人のパネルプールから性別・年齢・都道府県で 224,389人(妊産婦21,896人)を層化無作為抽出 224,389人へオンライン調査票を配布・回収 想定回答率を12.5%とし、目標回答数28,000人 (2020年8月25日~2020年9月30日) 無効回答を除去 「妊婦」と回答した人について、 予定日でさらに層化して無作為抽出

    妊婦4,373人への追加調査 (2020年10月10日~2020年10月15日) 約220万人のパネルプールから、性別・年齢・都道府県 で440,323人(妊産婦14,086人)を層化無作為抽出 440,323人(妊産婦14,086人)へオンライン 調査票を配布・回収 (2021年7月28日~2021年8月30日) 妊産婦=妊婦+産褥婦 妊婦調査は2020年から開始 2020年の妊婦調査は試験的な位置づけで あったため、例数が少ない 2020年の追加調査と2021年調査は共通する 部分が多くあるが、一部異なる項目も含む
  4. 10段階ウェルビーイング指標の バリデーションをした先行研究に 基づき、ウェルビーイングを表す 2値指標のカットオフを7に設定 COVID-19パンデミック下でのウェルビーイングの決定要因を、 JACSIS調査データ(n=25,482)で解析 パンデミック前の調査とパンデミック中の調査の両方に 参加していた6,965名が対象 男性・女性はほぼ同数、年齢の中央値は49歳 COVID-19パンデミック期における10段階のウェルビーイング

    指標の中央値は7(IQR: 6~8) 45%の人が8以上の高い幸福度を報告 パンデミック下で幸福度が2ポイント以上下がった人の割合は 約11% Osawa, I., Goto, T., Tabuchi, T., Koga, H. K. & Tsugawa, Y. BMJ Open 12, e054862 (2022). 良好(クラス1):7以上 不良(クラス0):6以下 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 不良 良好
  5. ▪ 基本調査項目  人口統計学的要因 年齢 性別 BMI など  社会経済的要因

    教育レベル 職業 世帯収入 など Da Costa, D., Dritsa, M., Larouche, J. & Brender, W. J. Psychosom. Obstet. Gynaecol. 21, 137-148 (2000). ▪ 専門的評価指標  メンタルヘルス尺度 ケスラー心理的苦痛尺度(K6) エジンバラ産後うつ病尺度(EPDS)  COVID-19関連指標 ワクチン接種状況 感染既往の有無 など Kessler, R. C. et al. Psychol. Med. 32, 959-976 (2002). Cox, J. L., Holden, J. M. & Sagovsky, R. Br. J. Psychiatry 150, 782-786 (1987). 調査で使用したアンケートで共通していた項目は552項目 Supplemental material1に完全な項目のリストを載せた
  6. 2020年のデータを以下のようにランダムに分割 トレーニングセット(64%) 検証セット(16%) テストセット(20%) トレーニングセットと検証セットで、全特徴量 (552個)を予測因子に用いたモデルをトレーニング テストセットでモデルの予測精度を評価 ハイパーパラメータの最適化にはOptunaを利用 Akiba, T.,

    Sano, S., Yanase, T., Ohta, T. & Koyama, M. Proceedings of the 25th ACM SIGKDD International Conference on Knowledge Discovery & Data Mining 2623-2631 (Association for Computing Machinery, 2019). Model training LightGBM model (552 features) Trained model Model testing Evaluate prediction metrics Training set (64%) Validation set (16%) Test set (20%) 2020 data
  7. 𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴(正解率) = 𝑇𝑇𝑇𝑇 + 𝑇𝑇𝑇𝑇 𝑇𝑇𝑇𝑇 + 𝐹𝐹𝐹𝐹 + 𝑇𝑇𝑇𝑇

    + 𝐹𝐹𝐹𝐹 𝑃𝑃𝑃𝑃𝑒𝑒𝑒𝑒𝑒𝑒𝑒𝑒𝑒𝑒𝑒𝑒𝑒𝑒(適合率) = 𝑇𝑇𝑇𝑇 𝑇𝑇𝑇𝑇 + 𝐹𝐹𝐹𝐹 𝑅𝑅𝑒𝑒𝑒𝑒𝑒𝑒𝑒𝑒𝑒𝑒 (再現率) = 𝑇𝑇𝑇𝑇 𝑇𝑇𝑇𝑇 + 𝐹𝐹𝐹𝐹 𝐹𝐹1 𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠𝑠 = 2 × 𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃 ⋅ 𝑅𝑅𝑅𝑅𝑅𝑅𝑅𝑅𝑅𝑅𝑅𝑅 𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃 + 𝑅𝑅𝑅𝑅𝑅𝑅𝑅𝑅𝑅𝑅𝑅𝑅 実際のクラス 1 0 予 測 し た ク ラ ス 1 True Positive (TP) False Positive (FP) 0 False Negative (FN) True Negative (TN) 主要評価項目 2020 年のデータセットでトレーニング、2021 年のデータセットでテストした機械学習 モデルの正解率(Accuracy) 副次評価項目 2020 年のデータセットでトレーニング、2021 年のデータセットでテストした機械学習 モデルの適合率(Precision)、再現率(Recall)、F1 スコア(F1 score)、 受信者動作特性曲線下面積 (ROC-AUC)、幸福度に強く関連する3変数のオッズ比
  8. ②補正オッズ比の計算、二重頑健推定 母親の年齢(35歳以上かどうか)、妊娠週数、出産回数、教育レベル、 精神疾患の有無、および地域のCOVID-19蔓延率を交絡因子の候補として 含めた多変量ロジスティック回帰分析を実施 各変数が10段階の幸福感スケールに及ぼす影響について、二重頑健推定量(∇𝐷𝐷𝐷𝐷 )を計算 傾向スコアモデル ̂ 𝑒𝑒(𝑋𝑋𝑖𝑖 )

    または潜在アウトカム回帰モデル � 𝑚𝑚𝑎𝑎 𝑋𝑋𝑖𝑖 の いずれかが正しく推定されていれば、曝露効果の一致推定量を得られる 二重頑健推定(Doubly Robust Estimation:DRE) ∇𝐷𝐷𝐷𝐷 = 1 𝑛𝑛 � 𝑖𝑖=1 𝑛𝑛 𝑇𝑇𝑖𝑖 ̂ 𝑒𝑒 𝑿𝑿𝒊𝒊 𝑌𝑌𝑖𝑖 − � 𝑚𝑚1 𝑿𝑿𝒊𝒊 − 1 − 𝑇𝑇𝑖𝑖 1 − ̂ 𝑒𝑒 𝑿𝑿𝒊𝒊 𝑌𝑌𝑖𝑖 − � 𝑚𝑚0 𝑿𝑿𝒊𝒊 逆確率重み付け部分 + ( � 𝑚𝑚1 𝑿𝑿𝒊𝒊 − � 𝑚𝑚0 𝑿𝑿𝒊𝒊 回帰補正部分 ) 予測への影響度が大きい上位3項目 3つの各予測変数について、 関心のある1変数は曝露 𝑇𝑇𝑖𝑖 として 残りの2変数は共変量𝑿𝑿𝒊𝒊 として含める 観測された共変量 (年齢など)のベクトル 𝑿𝑿𝒊𝒊 (サンプルサイズ𝑛𝑛 , 𝑖𝑖 = 1, … , 𝑛𝑛) 観測された曝露 𝑇𝑇𝑖𝑖 (各𝑖𝑖において𝑇𝑇𝑖𝑖 ∈ {0,1}) 観測されたアウトカム 𝑌𝑌𝑖𝑖 (実際の曝露状態 𝑇𝑇𝑖𝑖 によって 𝑌𝑌𝑌𝑇𝑇𝑖𝑖,𝑖𝑖 が実現したもの) 潜在アウトカム回帰 � 𝑚𝑚𝑎𝑎 𝑿𝑿𝒊𝒊 = 𝐸𝐸 𝑌𝑌𝑌𝑎𝑎,𝑖𝑖 ∣ 𝑿𝑿𝒊𝒊 (𝑎𝑎 ∈ 0,1 は仮想的な曝露状態, 𝑌𝑌𝑌𝑎𝑎,𝑖𝑖 は曝露aのもとサンプル iが 取りうる潜在的なアウトカム) 傾向スコア推定 ̂ 𝑒𝑒(𝑿𝑿𝒊𝒊 ) = 𝑃𝑃𝑃𝑃(𝑇𝑇 = 1 ∣ 𝑿𝑿𝒊𝒊 ) 関心がある 影響 Li, X. & Shen, C. Circ. Cardiovasc. Qual. Outcomes 13, e006065 (2020).
  9. ③媒介分析 3つの予測変数に時間的な前後関係がある場合、ある予測変数Tが、別の予測変数M (媒介変数)を経由してアウトカムYを生じさせると考えられる場合、Tが直接Yに及ぼす 影響度合いが不明 →Mを経由して生じる間接効果と、Mを介さずに直接Yに与える直接効果を区別して分析 無交絡の仮定: T→M、T→Y、M→Y の各パスに未観測交絡がない 時間順序の整合性仮定: 常にT→M→Yの順でイベントが発生する

    直接効果 𝛽𝛽1 観測された曝露 𝑇𝑇𝑖𝑖 (各𝑖𝑖において𝑇𝑇𝑖𝑖 ∈ {0,1}) (例:心筋梗塞) 観測されたアウトカム 𝑌𝑌𝑖𝑖 (実際の曝露状態 𝑇𝑇𝑖𝑖 によって 𝑌𝑌𝑌𝑇𝑇𝑖𝑖,𝑖𝑖 が実現したもの) (例:死亡) 観測された共変量の ベクトル 𝑿𝑿 (例:年齢など) 媒介変数 𝑀𝑀𝑖𝑖 (例:致死性不整脈) 間接効果 𝛼𝛼1 × 𝛽𝛽2 曝露が媒介変数に 及ぼす影響𝜶𝜶𝟏𝟏 媒介変数が アウトカムに 及ぼす影響β𝟐𝟐 ①媒介Mを従属変数と する回帰モデル(T → M) 𝑀𝑀𝑖𝑖 = 𝛼𝛼0 + 𝛼𝛼1 𝑇𝑇𝑖𝑖 + 𝜶𝜶𝟐𝟐 ⊤𝑿𝑿𝒊𝒊 + 𝜀𝜀𝑖𝑖 ②アウトカム Y を従属変数と する回帰モデル(T, M → Y) 𝑌𝑌𝑖𝑖 = 𝛽𝛽0 + 𝛽𝛽1 𝑇𝑇𝑖𝑖 + 𝛽𝛽2 𝑀𝑀𝑖𝑖 + 𝜷𝜷𝟑𝟑 ⊤𝑿𝑿𝒊𝒊 + 𝜂𝜂𝑖𝑖 二重頑健推定、媒介分析については 1000回のブートストラップを行い、 予測値の95%信頼区間も計算した Tibbe, T. D. & Montoya, A. K. Front. Psychol. 13, 810258 (2022).
  10. 2020年に 回答した妊婦 (n=400) 2021年に 回答した妊婦 (n=1,791) p-value 年齢(歳)(Mean ± SD)

    31.9 ± 4.9 31.5 ± 4.5 0.12 回答時の妊娠週数 (Mean ± SD) 34.4 ± 5.1 33.3 ± 5.4 <0.001 Parity 初産婦 199 942 0.33 経産婦 201 849 パートナー あり 397 1758 0.18 なし 3 33 学歴 学位あり 191 962 0.04 学位なし 209 829 精神疾患 あり 56 208 0.21 なし 344 1583 地域 北海道 6 75 0.02 東北 26 93 北関東 19 60 東京 105 581 中部・北陸 29 128 中京 44 200 大阪 71 283 京阪 15 59 中国 21 110 四国 12 32 九州・沖縄 52 170 対象者の背景分布は回答時の妊娠週数、学歴、 地域については2020年と2021年で差があったが、 明らかに分布が異なってはいなかった 回答者のウェルビーイングの分布は、2020年と 2021年で大きな傾向の違いはなかった
  11. 評価指標 スコア Accuracy 0.84 Precision 0.85 Recall 0.97 F1 score

    0.91 ROC-AUC 0.80 評価指標 スコア Accuracy 0.88 Precision 0.92 Recall 0.95 F1 score 0.93 ROC-AUC 0.83 Factor Odds ratio p-value 95% CI VIF Intercept 0.018 < 0.001 0.001–0.034 - パートナーの サポートの有無 2.811 < 0.001 2.259–3.497 4.851 過去30日間に絶望を 感じた頻度 1.747 < 0.001 1.487–2.052 4.390 回答時の回答者の 健康状態 1.963 < 0.001 1.627–2.368 5.303 CI: confidence interval, VIF: Variance inflation factor 予測への影響度が大きい上位3項目= � パートナーのサポートの有無 過去30日間に絶望を感じた頻度 回答時の回答者の健康状態
  12. ①モデル、カットオフ、変数の数を変更して各メトリクスを評価 モデル:LightGBMをRandom forest, XGBoostモデルに変更 カットオフ:ウェルビーイングのカットオフを6または8に変更 変数:SHAP値の上位2項目または4項目を使用したモデルに変更 条件 Accuracy Precision Recall

    F1 score ROC-AUC ベースライン 3 変数, 閾値 7, LightGBM 0.88 0.92 0.95 0.93 0.83 機械学習モデルを変更 3 変数, 閾値 7, Random forest 0.87 0.92 0.93 0.93 0.81 3 変数, 閾値 7, XGBoost 0.87 0.92 0.94 0.93 0.81 カットオフを変更 3 変数, 閾値 6, LightGBM 0.92 0.95 0.97 0.96 0.87 3 変数, 閾値 8, LightGBM 0.78 0.85 0.86 0.85 0.79 変数の数を変更 2 変数, 閾値 7, LightGBM 0.86 0.93 0.92 0.92 0.79 4 変数, 閾値 7, LightGBM 0.89 0.92 0.96 0.94 0.84 すべてのパターンについて、機械学習モデルは2020年のデータで学習・検証され、2021年のデータでテストされた ROC-AUC: area under the receiver operating characteristic curve, LightGBM: Light Gradient Boosting Machine, XGBoost: Extreme Gradient Boosting カットオフを6にすると予測精度は向上、8にすると低下 モデル変更、変数の数の変更は予測アウトカムに大きな影響は与えなかった
  13. ②補正オッズ比の計算 母親の年齢(35歳以上かどうか)、妊娠週数、出産回数、教育レベル、精神疾患の有無、および 地域のCOVID-19蔓延率を交絡因子の候補として含めた多変量ロジスティック回帰分析を実施 10段階の幸福感スケールの二重頑健推定量(DRE)を計算 「出産回数」、「教育レベル」、「精神障害」は有意に関連する因子で あったが、それらを調整しても3変数のオッズ比の傾向は変わらず、いずれも 有意に関連していた Factor Odds ratio

    p-value 95% CI VIF Intercept 0.002 < 0.001 0.001-0.005 - パートナーのサポートの有無 2.902 < 0.001 2.312–3.643 5.668 過去30日間に絶望を感じた頻度 1.717 < 0.001 1.454–2.028 4.581 回答時の回答者の健康状態 1.933 < 0.001 1.597–2.340 6.230 年齢 ≥ 35歳 1.074 0.730 0.716–1.611 1.364 出産回数 0.634 0.015 0.439–0.917 1.973 教育レベル 0.587 0.003 0.410–0.839 1.191 精神疾患の有無 1.951 0.004 1.253–3.025 1.197 地域のCOVID-19の蔓延率 1.036 0.314 0.968–1.110 3.985 Factor Odds ratio p-value 95% CI VIF Intercept 0.018 < 0.001 0.001–0.034 - パートナーのサポートの有無 2.811 < 0.001 2.259–3.497 4.851 過去30日間に絶望を感じた頻度 1.747 < 0.001 1.487–2.052 4.390 回答時の回答者の健康状態 1.963 < 0.001 1.627–2.368 5.303 CI: confidence interval, VIF: Variance inflation factor.
  14. DR: Doubly Robust,CI: confidence interval ③媒介分析 3つの予測変数に時間的な前後関係がある場合、ある予測変数Tが、別の予測変数M(媒介変数)を 経由してアウトカムYを生じさせると考えられる場合、Tが直接Yに及ぼす影響度合いが不明 →Mを経由して生じる間接効果と、Mを介さずに直接Yに与える直接効果を区別して分析 「過去30日間に絶望を感じた頻度」を媒介変数と仮定

    予測変数が負に歪んでいる場合、ウェルビーイングが低下する傾向が見られた 各変数が「絶望感」を通じて母親のウェルビーイングに及ぼす直接的な影響は 間接的な影響よりも大きい Factor ∇𝐷𝐷𝐷𝐷 95% CI パートナーのサポートの有無 (「全くない」と「あまりない」を合わせてクラス1) -1.65 -2.22 – -1.12 過去30日間に絶望を感じた頻度 (「全くない」以外はすべてクラス1) -1.32 -1.60 – -1.06 回答時の回答者の健康状態 (「よくない」と「あまりよくない」を合わせてクラス1) -0.73 -1.03 – -0.42 直接効果 -1.50 (95%信頼区間:-2.12 − -1.21) パートナーの サポートの有無 ウェルビーイング 過去30日間に絶望を感じた頻度 間接効果 -0.40 (95%信頼区間:-0.60−-0.27) 直接効果 -0.97 (95%信頼区間:-1.43 − -0.73) 回答時の回答者の 健康状態 ウェルビーイング 過去30日間に絶望を感じた頻度 間接効果 -0.59 (95%信頼区間:-0.63 − -0.35) 二重頑健推定 予測変数のいずれかが負に歪んでいる場合、 ウェルビーイングが低下する傾向が見られた
  15. 予測と因果推論は異なるアプローチ 予測タスク: 特徴量Xから結果Yを予測することが目的 →相関関係で十分 因果タスク: 特徴量Xを変更することでYにどのような変化が生じるかを知ることが目的 →因果関係が必要 https://shap.readthedocs.io/en/latest/example_notebooks/overviews/Be%20careful%20when%20interpreting%20predictive%20models%20in%20search%20of%20causal%20insights.html 全員が処置を 受けた場合

    全員が処置を 受けなかった場合 実際に処置を 受けた人のリスク 実際に処置を受け なかった人のリスク 「因果的に制約された特徴選択」が適切に行われる場合、 予測モデルも因果推論に使用可能である Pichler, M. & Hartig, F. Can predictive models be used for causal inference? arXiv [stat.ML] (2023). 因果推論 (反実仮想) 予測 Causal Inference: What If (the book) Miguel Hernán (https://miguelhernan.org/whatifbook)
  16. 因果推論の調整原則は「条件付き交換可能性」の確保が本質 (バックドアパスをブロックできる情報をLとして含める) どの共変量Lを調整に使うべきか?が最⼤の課題 バイアスを⽣む変数は因果の構造に依存 変数選択アルゴリズムで⾃動的に選ぶと、 バイアスを生む変数が混⼊しやすい 因果推論の変数選択時は必ず因果グラフ(DAG)と専⾨知識を併⽤ ⾼次元データでは⼆重に頑健な推定量(機械学習+AIPW等)の利用も検討できる ただしどの変数も「すべて含めればよい/機械学習で決まる」わけではなく、仮定や外部情報を明⽰すべき 予測と因果での変数選択は原理が異なる

    予測モデルでの変数選択⼿順は因果の分析には直接適⽤できない 因果推論 交絡因⼦Lの特定と調整が不可⽋ 交絡を取り除かなければ、因果 効果の推定値はバイアスを持つ 予測 予測精度の最適化変数をCV等で選択 交絡は考慮せず予測性能のみで選択 因果推論の変数選択は構造と仮定無しでは成⽴しない コライダー構造 Lを調整すると偽の関連が⽣じる A L Y 媒介構造 Lを調整すると間接効果がブロックされる A L Y M-バイアス(共通原因を持つ構造) Lを調整するとU₁とU₂の経路が開く A L Y 𝑼𝑼𝟏𝟏 𝑼𝑼𝟐𝟐 Causal Inference: What If (the book) Miguel Hernán (https://miguelhernan.org/whatifbook)