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データベースとストレージのレプリケーション入門 / Intro-of-database-and-storage-replication

Kohei Ota
January 27, 2022

データベースとストレージのレプリケーション入門 / Intro-of-database-and-storage-replication

社内で若者向けに作ったデータベースとストレージの入門資料です

Kohei Ota

January 27, 2022
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Transcript

  1. データベースとストレージの
    レプリケーション入門
    年 月 日

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  2. 公開に向けた
    この資料は新卒 年目、 年目の若手に向け作られた
    初心者向けのものです
    作者自身も とストレージは得意ではない領域の
    ため、間違っている箇所があったらこっそり優しく
    教えていただけると幸いです

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  3. アジェンダ
    ステートレスとステートフル
    ステートフルの管理はなぜ大変?
    アプリケーションとデータベース
    特性と 定理
    データベースとストレージ
    ストレージの種類と読み書きの特性
    のスケーリング・可用性への基本的な考慮

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  4. ステートレスとステートフル
    ステートレス
    状態 が 無い
    ステートフル
    状態 が 有る

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  5. ステートレスとステートフル
    ステートレス
    状態 が 無い
    ステートフル
    状態 が 有る
    たとえば・・・
    静的コンテンツ だけを返す サイト
    → 何回アクセスしても結果が同じ ステートレス
    日々アクセスするサイトに応じて内容が変わる
    ような システム 広告とか
    → 各ユーザーの傾向に応じてレスポンスが違う
    ステートフル
    データベース
    → 入力 データの追加・変更・削除 によっては
    出力も変化する ステートフル

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  6. ステートフルの管理はなぜ大変?
    ステートがあるとその時点でのデータが壊れたときに
    それを保証するのが大変
    ステートがあるとスケールも大変
    ステートがあると読み出しと書き込みのタイミングに
    よって結果が変わるので大変
    → 株価の変動や銀行口座など、ミッションクリティカル性
    の高いワークロードもある

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  7. ステートフルの管理はなぜ大変?
    ステートフルなアプリ
    複数ユーザーからの
    リクエスト
    ダウンタイムなしに
    スケールアップしたい
    🤔🤔

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  8. ステートフルの管理はなぜ大変? 垂直スケールにすると
    ステートフルなアプリ
    複数ユーザーからの
    リクエスト
    ダウンタイムなしに
    スケールアップしたい
    🤔🤔
    単にマシンスペックを上げると
    ダウンタイムが発生

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  9. ステートフルの管理はなぜ大変? 水平にスケールすると
    ステートフルなアプリ
    複数ユーザーからの
    リクエスト
    各ユーザーの入力に対する
    同期をアプリケーション間
    でどうやってとる?
    ステートフルなアプリ ステートフルなアプリ

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  10. アプリケーションとデータベースを分離してみる
    層構造にしたがって、アプリケーションと
    データベースを分離してみましょう

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  11. ステートフルの管理はなぜ大変? を分離してみると
    アプリ
    複数ユーザーからの
    リクエスト
    アプリ アプリ
    データベース

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  12. ステートフルの管理はなぜ大変? を分離してみると
    アプリ
    複数ユーザーからの
    リクエスト
    アプリ アプリ
    データベース
    こっちはなんとか
    スケールできそう
    横に並べればダウンタイム
    も発生しにくくなる
    こっちは結局
    どうすんの?
    🤔🤔

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  13. 結局データベースが大変なことに
    データベースのスケーリングを理解するには
    データベースの特性を理解する必要があります

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  14. データベースの重要な性質
    データはアプリケーションよりも寿命が長い
    データベースはアプリケーションよりも止めるのが
    難しい
    データベースはアプリケーションよりも構造を変える
    のが難しい

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  15. データベースの重要な性質
    データはアプリケーションよりも寿命が長い
    データベースはアプリケーションよりも止めるのが
    難しい
    データベースはアプリケーションよりも構造を変える
    のが難しい
    データベースはサービスが終了しても
    活用される場合がある
    アプリケーションは壊れても一時的な
    ダウンで済むが、データは壊れたら
    サービスが死ぬ
    データベースは色んな所から参照され
    ている場合がある データ分析や機械
    学習のバッチ処理など

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  16. 大事なことなのでもう一度
    データベースのスケーリングを理解するには
    データベースの特性を理解する必要があります

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  17. データベースに関する便利な資料
    データベースのスケーリングを理解するには
    データベースの構造を理解する必要があります

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  18. データベースに関する便利な資料
    データベースのスケーリングを理解するには
    データベースの構造を理解する必要があります

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  19. 特性と 定理
    は以下 つの言葉の頭文字
    原子性
    一貫性
    独立性
    永続性
    データベースのトランザクション処理に
    関する つの重要な性質

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  20. 特性と 定理
    は以下 つの言葉の頭文字
    原子性
    一貫性
    独立性
    永続性
    データベースのトランザクション処理に
    関する つの重要な性質
    💡トランザクションとは?💡
    データの処理における一連のやり取りのこと
    書き込みや読み込みを完了するまでの一連の流れ

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  21. 特性と 定理
    は以下 つの言葉の頭文字
    原子性
    一貫性
    独立性
    永続性
    データベースのトランザクション処理に
    関する つの重要な性質
    トランザクションは完全に実行が完了するか
    全く実行されないかのどちらかでないといけない
    → 処理の一部だけが行われている状態は
    銀行の処理とか考えるとわかりやすい

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  22. 特性と 定理
    は以下 つの言葉の頭文字
    原子性
    一貫性
    独立性
    永続性
    データベースのトランザクション処理に
    関する つの重要な性質
    トランザクションの状態に関わらず
    データベースの整合性は維持しないといけない
    → 実行結果が矛盾してはいけない

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  23. 特性と 定理
    は以下 つの言葉の頭文字
    原子性
    一貫性
    独立性
    永続性
    データベースのトランザクション処理に
    関する つの重要な性質
    トランザクションを同時に行った場合でも
    各トランザクションは他の処理結果の影響を
    受けてはならない
    → 実行結果が矛盾してはいけない

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  24. 特性と 定理
    は以下 つの言葉の頭文字
    原子性
    一貫性
    独立性
    永続性
    データベースのトランザクション処理に
    関する つの重要な性質
    トランザクションの結果は障害の有無に関わらず
    失われてはいけない
    → ハードウェア障害後もデータの永続性を保証

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  25. 特性と 定理
    は以下 つの言葉の頭文字
    原子性
    一貫性
    独立性
    永続性
    データベースのトランザクション処理に
    関する つの重要な性質
    トランザクションの結果は障害の有無に関わらず
    失われてはいけない
    → ハードウェア障害後もデータの永続性を保証
    ちなみにこれはデータベース
    スペシャリストなどの試験でも
    登場する非常に基本的な
    の特性です

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  26. 特性と 定理
    は以下 つの言葉の頭文字
    一貫性
    可用性
    分断耐性
    分散システムにおけるノード間のやり取り
    に関する定理

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  27. 特性と 定理
    は以下 つの言葉の頭文字
    一貫性
    可用性
    分断耐性
    分散システムにおけるノード間のやり取り
    に関する定理
    誰かがデータを更新したら
    必ず更新後のデータが参照できる
    → データの同一性を保証

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  28. 特性と 定理
    は以下 つの言葉の頭文字
    一貫性
    可用性
    分断耐性
    分散システムにおけるノード間のやり取り
    に関する定理
    クライアントが常にデータにアクセスできること
    → 読み込みも書き込みもできる

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  29. 特性と 定理
    は以下 つの言葉の頭文字
    一貫性
    可用性
    分断耐性
    分散システムにおけるノード間のやり取り
    に関する定理
    ノードがネットワーク的に分断されても
    結果が正しく保たれること
    → 分散システムの が発生しないこと

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  30. 特性と 定理
    は以下 つの言葉の頭文字
    一貫性
    可用性
    分断耐性
    分散システムにおけるノード間のやり取り
    に関する定理
    定理はこれら つを同時に保証
    することはできないという理論

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  31. 特性と 定理
    は以下 つの言葉の頭文字
    一貫性
    可用性
    分断耐性
    分散システムにおけるノード間のやり取り
    に関する定理
    定理はこれら つを同時に保証
    することはできないという理論
    ただし、最近は の台頭により
    これを限りなく解決できるような仕組みが
    できてきた

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  32. 重視型の
    一貫性と可用性を重視した構成
    一貫性
    可用性
    分断耐性
    一般的な 、 、 等
    とにかく単体の性能を上げて殴るやつ

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  33. 重視型の
    可用性と分断耐性を重視した構成
    一貫性
    可用性
    分断耐性
    や など
    とにかく分散させて書き込み性能を上げる
    一時的一貫性を犠牲に結果整合性で帳尻合せ

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  34. 重視型の
    一貫性と分断耐性を重視した構成
    一貫性
    可用性
    分断耐性
    や など
    サーバが増えるとロック待ちにより
    可用性が損なわれるが、一貫性を持つ分散

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  35. 重視型の
    一貫性と分断耐性を重視した構成
    一貫性
    可用性
    分断耐性
    や など
    サーバが増えるとロック待ちにより
    可用性が損なわれるが、一貫性を持つ分散
    他にも 特性があるが
    分散 まで踏み込むと内容が
    難しいので割愛・・・

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  36. データベースとストレージ
    データベースはデータを管理するミドルウェア
    データはストレージに保存するもの
    → ストレージの種類と特性を知るのは大事!

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  37. ストレージの種類 ブロックストレージ
    • やベアメタルにボリュームとしてマウント
    • 単一ホストからしか見られない
    • 、 など 経由のものや のようなネイティブ
    デバイスもある
    • マウントしたボリュームには が対応した好きなファイ
    ルシステム 、 、 、 等 を使える
    • 性能が高く や のデータ保管に適している

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  38. ストレージの種類 ファイルストレージ
    • やベアメタルにファイルシステムとしてマウント
    • 複数ホストからの読み書きを受け付ける
    • や のようなネットワークドライブ
    • ファイルシステムをマウントするので 側では選択不可
    • 性能はそこそこ、ファイル単位のロック機構があり、
    触るファイルが別であれば 書き込みを複数ホストから
    同時にできる

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  39. ストレージの種類 オブジェクトストレージ
    • フォルダやデバイスとしてマウントしない、
    でアクセスするタイプのストレージ
    • プログラマブルで大量のファイルを書き込める
    • 構造化されたメタデータやファイル オブジェクト 単位
    での世代管理の仕組みがあり、アプリケーションとの親
    和性が高い
    • 性能は つの中では一番低い
    • 画像や動画などの保存に使う

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  40. ストレージの種類 オブジェクトストレージ
    • フォルダやデバイスとしてマウントしない、
    でアクセスするタイプのストレージ
    • プログラマブルで大量のファイルを書き込める
    • 構造化されたメタデータやファイル オブジェクト 単位
    での世代管理の仕組みがあり、アプリケーションとの親
    和性が高い
    • 性能は つの中では一番低い
    • 画像や動画などの保存に使う

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  41. のスケーリングにおける基本的な方針
    定理でも示されている通り、 の特性に
    よって取るべき構成は違う
    ここでは一般的な以下 つの を考える
    分散
    複数台で構成する場合
    ・性能面での可用性
    ・耐障害性としての可用性
    を分けて考えるとわかりやすい

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  42. のスケーリングで大事な用語
    レプリケーション
    データの複製
    耐障害性を上げるための仕組み
    シャーディング
    データを複数台に分散して書き込む仕組み
    書き込み分散するので性能向上が見込める

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  43. のスケーリングで大事な用語
    レプリケーション
    データの複製
    耐障害性を上げるための仕組み
    シャーディング
    データを複数台に分散して書き込む仕組み
    書き込み分散するので性能向上が見込める

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  44. のスケーリング
    は分断耐性が低い
    書き込みのエンドポイントを複数作るのは
    難しい
    シャーディングもやれなくはないが今回は
    難しい+複雑になるので割愛
    でも 台だけで本番構えると可用性が・・・

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  45. のスケーリング
    は分断耐性が低い
    書き込みのエンドポイントを複数作るのは
    難しい
    シャーディングもやれなくはないが今回は
    難しい+複雑になるので割愛
    でも 台だけで本番構えると可用性が・・・
    → レプリケーションを置いてアクティブスタンバイ
    構成にし、障害発生時に切り替える構成
    なんかはつおいので
    こういうことがいい感じにできる
    らしい よくわかってない

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  46. のレプリケーション
    レプリカ
    プライマリ
    データベース
    データを同期
    プロキシ
    障害発生時には
    フェイルオーバー
    状態監視
    ※ただし、 や 単体で
    クラスタリングとフェイルオーバーまでは
    面倒を見ないので
    ソリューションを別途自前で入れる必要がある

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  47. のレプリケーション
    レプリカ
    プライマリ
    データベース
    データを同期
    プロキシ
    障害発生時には
    フェイルオーバー
    状態監視
    最もシンプルな冗長構成
    障害発生時若干のダウンタイムはある
    サイトを分ければ 構成にも応用可
    ※ただし、 や 単体で
    クラスタリングとフェイルオーバーまでは
    面倒を見ないので
    ソリューションを別途自前で入れる必要がある

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  48. のレプリケーション
    レプリカ
    プライマリ
    データベース
    データを同期
    プロキシ
    障害発生時には
    フェイルオーバー
    状態監視
    データベースのストレージのスナップ
    ショットを取得するアプローチもある
    愚直な反面即時性には欠ける
    定常時にこちらを読み取り専用で
    使って負荷を下げるというやり方もある
    いわゆる リードレプリカ

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  49. のスケーリング
    は可用性が弱点
    書き込みしすぎるとロックの原因になる
    シンプルで書き込みが特定箇所に集中
    しないデータを保管するのに向いている
    オンメモリなので高速
    裏を返すとメモリなのでコストは高い
    → で取得するまでもないデータや、
    一時的なキャッシュを保存するのに使いやすい

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  50. のレプリケーション レプリケーション
    マスター
    スレーブ
    スレーブ
    スレーブ
    データの同期

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  51. のレプリケーション レプリケーション
    マスター
    スレーブ
    スレーブ
    スレーブ
    読み込みはスレーブ
    からできる
    マスターで
    障害発生
    マスターが書き込みの
    単一障害点
    データの同期

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  52. のレプリケーション 構成
    マスター
    スレーブ
    スレーブ
    スレーブ
    データの同期

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  53. のレプリケーション 構成
    マスター
    スレーブ
    スレーブ
    スレーブ
    マスターに昇格
    データの同期
    マスターで
    障害発生
    フェイルオーバー

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  54. のレプリケーション クラスター
    マスター
    スレーブ
    スレーブ
    スレーブ
    マスター
    マスター

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  55. のレプリケーション クラスター
    マスター
    スレーブ
    スレーブ
    スレーブ
    マスター
    マスター
    レプリケーションによる耐障害性
    シャードによる書き込み性能の向上
    マスターのフェイルオーバーなど全部盛り盛り

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  56. の構成比較
    構成 シンプルさ フェイルオーバー 書き込み分散
    レプリケーション ◯ ✕ ✕
    △ ◯ ✕
    クラスター ✕ ◯ ◯

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  57. まとめ
    ストレージも も、特性を理解すると活用法が
    見えてくる
    データベースの仕組みだけでも知っておくと、
    インフラ屋さんとして役立つかも!!
    ストレージは製品もあるので勉強しましょう
    可用性には性能維持と耐障害性の観点がある
    レプリケーションとシャードは抑える
    と の特性に合わせ構成を考えると◎

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  58. View Slide