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スマートシティリファレンスアーキテクチャにおける 共通的な都市OSの機能とAI・IoTの関わり方

スマートシティリファレンスアーキテクチャにおける 共通的な都市OSの機能とAI・IoTの関わり方

IoT・AIコミュニティのご紹介
1. コミュニティの問題認識、目的
2. FY22の研究成果
2-1. 活動の経緯
2-2. データ連携基盤として都市OSに求められる共通の機能要件の整理
2-3. 都市OS共通機能「セキュリティ」から考えた他都市とのシステム連携方式案の策定
2-4. メンバー間で都市OSのあるべきアーキテクチャ像を議論するため、根幹を構成するデー
タソースの構成要素の整理
2-5. IoT・AIによる効率的な情報採取システム基盤デザイン案の策定
3. FY23の研究予定
3-1. 振り返りと今後について
最後に

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Transcript

  1. Copyright 2023 Japan Data Management Consortium 日本データマネジメント・コンソーシアム (Japan Data Management

    Consortium) JDMCコミュニティ7 「IoT・AI活用」 スマートシティリファレンスアーキテクチャにおける 共通的な都市OSの機能とAI・IoTの関わり方 NEC ソリューションイノベータ株式会社 鷹尾 誠一
  2. Copyright 2023 Japan Data Management Consortium 目次 IoT・AIコミュニティのご紹介 1. コミュニティの問題認識、目的

    2. FY22の研究成果 2-1. 活動の経緯 2-2. データ連携基盤として都市OSに求められる共通の機能要件の整理 2-3. 都市OS共通機能「セキュリティ」から考えた他都市とのシステム連携方式案の策定 2-4. メンバー間で都市OSのあるべきアーキテクチャ像を議論するため、根幹を構成するデー タソースの構成要素の整理 2-5. IoT・AIによる効率的な情報採取システム基盤デザイン案の策定 3. FY23の研究予定 3-1. 振り返りと今後について 最後に 2
  3. Copyright 2023 Japan Data Management Consortium IoT・AI コミュニティのご紹介 1/4 3

    研究概要 IoTとAIをビジネスにどう活かすのかを議論し、データマネジメントはどうあるべきなのかを研究する 活動の概要 ①スマートシティリファレンスアーキテクチャにおける共通的な都市OSの機能とAI・IoTの関わり 方を整理 • スマートシティリファレンスアーキテクチャにおける共通的な都市OSの機能を調査・整理し、AI・IoTの要素を付加。 • 都市OSの土台となるデータアーキテクチャの構成要素を整理し、データを表す用語に対して共通的な指標を与えて整理。 ◎リーダー・サブリーダー L:鷹尾 誠一(NECソリューションイノベータ) 対象者 • 自身のビジネスがIoTやAIに関わっていて、課題を持っている方 • IoT・AIの企画担当の方 • ビジネスアナリスト、データサイエンティスト、データエンジニアの方 • IoT・AIのデータマネジメントに関わっている方 • 6回以上の研究会参加、および宿題の提出などの活動が可能な方
  4. Copyright 2023 Japan Data Management Consortium IoT・AI コミュニティのご紹介 2/4 IoT・AI

    コミュニティ グランドルール 4 教えてもらう 自ら学び、伝える! Give & Take! ~しかも、Giveが先です~ の精神で研究活動をします!
  5. Copyright 2023 Japan Data Management Consortium IoT・AI コミュニティのご紹介 3/4 2022年度のメンバー

    22社 25名 5 株式会社アーク情報システム 株式会社ニチレイロジグループ本社 リコーITソリューションズ株式会社 Metafindコンサルティング株式会社 メタデータ株式会社 株式会社INPEX 株式会社アシスト 国立大学法人滋賀大学データサイエンス アビームコンサルティング株式会社 EYストラテジー・アンド・コンサルティング 株式会社プライド 日本テラデータ株式会社 富士通株式会社 デル・テクノロジーズ株式会社 清水建設株式会社 株式会社Q’sfix Metafindコンサルティング株式会社 武田テバファーマ株式会社 パイオニア株式会社 株式会社NTTデータバリュー・エンジニア 大成建設株式会社 NECソリューションイノベータ株式会社
  6. Copyright 2023 Japan Data Management Consortium IoT・AI コミュニティのご紹介 4/4 毎月第2水曜日開催を基本とし、合計12回開催

    6 実施日 場所 検討テーマ 第1回 6/15(水) Web IoT・AI研究会 キックオフ 第2回 7/13(水) Web 昨年度の活動報告と今年度活動方針の検討 第3回 8/10(水) Web 2022年度の検討テーマの検討(Society5.0、データアーキテクチャ、AI新テクノロジー、 Web3.0に関する議論) 第4回 9/14(水) Web 2022年度の検討テーマの検討(データアーキテクチャに関する議論) 第5回 10/12(水) Web 2022年度の検討テーマの検討(スマートシティに関する議論) 第6回 11/ 9(水) Web 2022年度の検討テーマの確定と実施内容検討(都市OSに関する議論) 第7回 12/ 2(水) Web 今後の進め方とアウトプットイメージのすり合わせ(都市OSに関する議論) 第8回 12/14(水) Web アウトプット整理①(都市OS機能要件とデータアーキテクチャの関係性) 第9回 1/18(水) Web アウトプット整理②(同上) 第10回 2/ 8(水) Web 資料作成 第11回 3/ 8(水) Web 成果物最終化 第12回 4/14(水) Web 最終報告・本年度のまとめ
  7. Copyright 2023 Japan Data Management Consortium 1. コミュニティの問題認識、目的 8 当コミュニティの目的は、勉強ではなく、

    IoTとAIをビジネスにどう活かすのかを議論し、デー タマネジメントはどうあるべきなのかを研究します。 ビジネスに関して、究極の目的は社会課題の解決や 国民、住民、市民の安心・安全・快適な生活を提 供するのではないだろうかという問題認識をもって、 都市OSに焦点を当てて研究します。 ビジネス AI IoT データマ ネジメン ト
  8. Copyright 2023 Japan Data Management Consortium 2-1. コミュニティ活動の経緯 1/2 2020年度までの研究

    AI・IOT・ビジネスと3つの分科会(観点)で、研究を進めてきた。 2021年度の変化 ビジネスに関して、究極の目的は社会課題の解決や国民、住民、市民の安心・安全・快適な生活を 提供するということにあるのではないだろうかという結論に達した。また、アーキテクチャーの全体像の研究 を進めた。 スマートシティリファレンスアーキテクチャーに、都市OSなるプラットフォームが提示されている。 データを統合的に管理、活用する為のプラットフォームに関する構成図のようなものが描かれている。各 ベンダーは、詳細の技術は異なるが、全体像では大きな違いがないと思われた。 10
  9. Copyright 2023 Japan Data Management Consortium 2-1. コミュニティ活動の経緯 2/2 2022年度活動

    スマートシティやデジタル田園都市国家に通じるような部分的な取り組みはいろんな自治体で個別には 進められているがどこで日本としての方向性に統一されていくのだろうか心配になる。 それぞれの自治体が競争しているようにさえ見え、同じことや同じサービスを各自治体で展開することに は非常に無駄が生じる。勿論、国の方針としては行政事務に関しては同じシステムに統合して行く方 針になるが、新しく始めるテクノロジーを活用したサービスに関しては個別に走っているように見える。 これらをデータ連携やサービス連携してエコシステムを構築する為のプラットフォームをとして 期待されるのが都市OSではないかと考える。 概要レベルが示されてはいるが、これを参照したからと言って実装できるようなものが作れるとは思えない。 当研究会としては、少しでも実装に近いレベルに落とせないかを視野に入れて都市OSの構成要素と実 装方法について検討して行く。 11
  10. Copyright 2023 Japan Data Management Consortium 2-2. データ連携基盤として都市OSに求められる共通の機能要件の整理 1/7 Society5.0

    Society5.0で実現する社会は、IoT(Internet of Things)で全ての人とモノがつながり、 様々な知識や情報が共有され、今までにない新たな価値を生み出すことで、これらの課題 や困難を克服します。また、人工知能(AI)により、必要な情報が必要な時に提供されるよ うになり、ロボットや自動走行車などの技術で、少子高齢化、地方の過疎化、貧富の格差 などの課題が克服されます。社会の変革(イノベーション)を通じて、これまでの閉塞感を打破 し、希望の持てる社会、世代を超えて互いに尊重し合あえる社会、一人一人が快適で活 躍できる社会となります。 12 CPS実現に向けて、テクノロジーの中核はIoTとAIおよびロボティクスになる。 当研究会のテーマのIoT・AIとリンクしている。
  11. Copyright 2023 Japan Data Management Consortium 2-2. データ連携基盤として都市OSに求められる共通の機能要件の整理 2/7 スマートシティ

    全体像と都市OS(当研究会の認識) 13 利用者中心の原則 持続的な運営を可能にする都市マネジメントの役割 データ/サービスの効率的な連携を可能にする都市OS 他地域やサービスとの相互運用 スマートシティリファレンスアーキテクチャのつかい方 導入ガイドブック P11 After: スマートシティリファレンスアーキテクチャに沿ってスマートシティを設計 【リファレンスアーキテクチャ全体像】 都市OSは 共通実行環境 スマートシティアーキテクチャ設計と関連実証研究の推進 2020年3月18日 P4 スマートシティリファレンスアーキテクチャ構築の狙い・効果 【共通アーキテクチャ】 リファレンスアーキテクチャ全体像において都市 OSは共通的な実行環境 都市OSのコアとなる共通機能を整理
  12. Copyright 2023 Japan Data Management Consortium 2-2. データ連携基盤として都市OSに求められる共通の機能要件の整理 3/7 都市OSに求められる共通の機能要件を整理

    14 個別の 各機能 データ 個別の 各機能 ………… API ゲート ウェイ 都市OSの共通機能 都市OSに求められる 共通の機能要件を整理 他都市の機能
  13. Copyright 2023 Japan Data Management Consortium 2-2. データ連携基盤として都市OSに求められる共通の機能要件の整理 4/7 都市OSの機能要件

    例①サービス連携 15 機能群 機能群の説明 機能ブロック 個別機能 求められる内容 開発ポータルサイト 他の都市 OS と連携し、他の都市 OS 利用者の認証情報を基に、利用者からの認証要求に 対応できること。 「7.3.2.1 認証系 API」に記載した機能要件に従い都市間の認証連携を実現可能な機能提 供を行うことが望ましい。 双方向コミュニケーションポータル サイト 住民や自治体向けに、地域に関連するサービスや情報を集約、配信等を行う機能を提供で きること。住民と自治体、及び、住民とスマートシティサービスをつなぎ、双方向にコミュニ ケーションが可能な機能を提供し、課題解決や利便性・品質向上に活用されることが望まし い。 パーソナライズ 住民の志向に沿ったスマートシティサービスを提供するため、住民それぞれが興味を持つ事 柄に類する記事の表示優先順位を上げる機能を提供できること。 コンテンツ管理 自治体が提供するポータルサイトやホームページ等に掲載するコンテンツの制作、配信等を 行う機能を提供できること。イベント開催、メール配信等の効果測定を行うためにキャン ペーン管理機能を有することが望ましい。 地域ポイント管理 地域課題に対する住民の参加を牽引・維持することを目的とし、地域ごとの独自ポイント サービスを展開・管理するための機能を提供すること。 オプトイン管理 住民が個人の判断で、都市 OS 運用者、及び、サービス提供者に、個人のパーソナルデータ の公開範囲を指定するための機能を提供できること。 可視化・分析ダッシュ ボード 住民や自治体が地域課題の解決を目的とし、都市 OS 内外のデータと連携し、都市の状況 を可視化・分析可能なダッシュボード機能を提供できること。 戦略で設定した KGI/KPI に紐づく分析等、施策に対する効果測定ができることが望まし い。 API ライフサイクル 管理 都市 OS 上の API のライフサイクル(登録、参照、変更、削除)を管理できること。都市 OS 上に API のエンドポイントを提供し、利用者が API を利用可能となる。 API ゲートウェイ API の使用量制限やネットワーク速度制限、複数 API の集約等を実行する。 認証連携 他の都市 OS と連携し、他の都市 OS 利用者の認証情報を基に、利用者からの認証要求に 対応できること。 「7.3.2.1 認証系 API」に記載した機能要件に従い都市間の認証連携を実現可能な機能提 供を行うことが望ましい。 データ仲介 他の都市 OS と連携し、利用者に他の都市 OS のデータを提供できること。 なお、本機能は、「7.2.4.1(1)データ仲介」で定義しているものと同等である。「7.3.2.2 データマネジメント系 API」に記載した機能要件に従い API を公開・連携することで、都市 OS 間のデータ連携が可能となる。 サービス連携 共通サービス オープンAPI 都市 OS 間連携 サービス連携は、都市 OS 上で動作する各種スマートシティ サービスが、都市 OS や他のスマートシティサービスと連携す るための機能を提供する。サービス連携は、「共通サービス」、 「オープン API」、「API 管理」、「都市 OS 間連携」の機能ブ ロックで構成される。 出典:スマートシティリファレンスアーキテクチャの記述を表に整理
  14. Copyright 2023 Japan Data Management Consortium 2-2. データ連携基盤として都市OSに求められる共通の機能要件の整理 5/7 都市OSの機能要件

    例②認証、サービスマネジメント、データマネジメント 16 機能群 機能群の説明 機能ブロック 個別機能 求められる内容 認証 「ユーザ管理」に保存された資格情報(ユーザ ID・パスワードや、生体情報等)を用いてユーザの真正性を証明 し、アカウントを特定できること。 認可 「ユーザ管理」と連携し、アカウントに紐づくロールやポリシーを基に、都市 OS の各種機能や管理するデータの 利用範囲を許可・制限できること。 個人認証 パーソナルデータを利用する場合、多要素認証(生体認証、マイナンバーカード等の組み合わせ等)により、セ キュアに本人を特定できること。 ※個人の認証については、都市 OS に実装されず、個別のサービスごとに有するケースもあり得る。 シングルサインオン 都市 OS と連携する複数のサービスに対する認証を一元的に管理し、シングルサインオンを実現できること。 利用者が一度だけ認証することで、都市 OS と連携するスマートシティサービスそれぞれ個別に認証する必要 がなくなり、ワンストップサービスの実現につながることが望ましい。 アカウント管理 利用者を特定の ID に関連づけ、認証情報(パスワード)や属性情報(姓名、組織等)の管理と、ID のライフサイ クル(登録、参照、変更、削除)を管理できること。 ロール管理 利用者が所属するグループ(利用者、管理者等)を定義するロールを管理できること。 ポリシー管理 アカウントやロール別に、都市 OS にアクセスする範囲や権限を定義する制御ポリシーを管理できること。 サービスライフサイ クル管理 都市 OS と連携するスマートシティサービスのライフサイクル(登録、参照、変更、削除)を管理できること。 都市 OS が管理するサービスの一覧は、「サービス連携」と連携し、利用者に公開されることが望ましい。 サブスクリプション 管理 利用者が利用できるスマートシティサービスに対して、サブスクリプションの状態(利用の開始終了、利用権限の 設定変更)を管理できること。 サービス履歴管理 利用履歴管理 利用者の同意のもと、利用者による都市 OS やスマートシティサービスの利用履歴の蓄積・公開する機能を提 供すること。 データ蓄積 都市 OS が管理するデータに対し、「データ管理」と連携しデータを処理(登録・参照・更新・削除)できること。 データ分散 他都市 OS や他システムに分散するデータに対し、データを仲介(登録・参照・更新・削除)できること。 イベント処理 都市 OS が仲介するデータに対し、事前に定義されたシナリオに従いリアルタイムに処理を実施できること。 これにより、都市 OS 内外に流通するデータの分析・変換・加工処理や、社会状況の変化に伴うアクセス権限の 変更等、ダイナミックでかつ柔軟に機能が切り替わる仕掛けを提供可能となる。 データストア 特性(多様性、頻度、量)が異なる様々なデータに対し、地域が解決する課題に必要なデータを、適切に蓄積・活 用できること。 データの分類として、パーソナルデータやリアルタイムデータ等がある。リアルタイムデータ等の連続したデータ を時系列で確認できるよう履歴を管理できることが望ましい。 ユニーク ID 管理 都市 OS が管理するデータそれぞれにユニークな ID を管理し、地域をまたいだ様々なデータの中から一つの データを特定可能とする仕組みを提供する。ユニーク ID は、グローバルで一意となる必要があり、地域ドメイ ン等を活用することを推奨する。 都市 OS 上で動作するスマートシティサービスを管理する 機能を提供。サービス管理やサービス利用履歴管理の機能 を持つ。 都市 OS に保存・蓄積するデータの管理や、地域内外に分 散されたデータを仲介する機能を提供。データ仲介やデー タ管理の機能を持つ。 サービスマネジメント サービス管理 データマネジメント データ仲介 データ管理 認証 認証・認可 ユーザ管 理 利用者、または、スマートシティサービス、他都市 OS に 対して、用途に応じた認証方法を提供。認証・認可やユー ザ管理の機能を持つ。 出典:スマートシティリファレンスアーキテクチャの記述を表に整理
  15. Copyright 2023 Japan Data Management Consortium 2-2. データ連携基盤として都市OSに求められる共通の機能要件の整理 6/7 都市OSの機能要件

    例③アセットマネジメント、外部データ連携 17 機能群 機能群の説明 機能ブロック 個別機能 求められる内容 デバイスライフサイ クル登録 デバイス情報(デバイス ID や、固有の MAC アドレス等)のライフサイクル(登録、参照、変 更、削除)を管理できること。 デバイス状態管理 登録済のデバイスに対して、デバイスの状態(稼働状況や、機器情報等)を管理、公開できる こと。 デバイス制御(アク チュエーション) 接続されているデバイスの再起動やデバイスの動作変更等、デバイスの制御を行うための コマンドを送信できること。 デバイス監視 接続されているデバイスの死活状況を監視、もしくは、デバイスから送信される障害のイベ ントの監視ができること。 デバイス認証 事前に登録されたデバイスのみアクセスを許可することができること。 システムライフサイ クル登録 都市 OS と連携する他システムの連携情報のライフサイクル(登録、参照、変更、削除)を管 理できること。他システムには認証が必要な場合も多く、認証方式やその資格情報について も管理できることが望ましい。 システム状態管理 登録済の他システムに対して、他システムとの接続状態(稼働状況や、機器情報等)を管理、 公開できること。 データ変換 外部から取得したデータを都市 OS が扱える形式に変換できること。 変換対象は、語彙や、形式、項目等が存在するが、取り扱うデータにより変換対象が異なる。 データ受付 (キューイング) 都市 OS にデータを蓄積するため、データアクセス(登録・参照)を受け付けること。連携対 象は、スマートシティアセットや、他システム等があげられる データ取得 (クローリング) 定期的に他システムを巡回し、データを取得できること データ補完 リアルタイムデータ等で欠損したデータを補完し、データ品質を向上できること。データの補 完方法は様々な方法があり、目的に応じた補完方法を選択できることが望ましい。 プロトコル変換 地域に展開するスマートシティアセットや他システムと接続するため、一般的な通信プロトコ ルから都市 OS が対応する通信プロトコルに変換できること。 分野間データ検索 都市 OS 外に分散されたデータを、データの概要情報(カタログ)を基に検索できること。 ※将来、分野間データ連携コネクタとの接続に活用される 分野間データ交換制御 都市 OS、他システムの双方の取り決めによりデータの利用権限を判断し、データのアクセス 範囲を制御できること。 ※将来、分野間データ連携コネクタとの接続に活用される。 分野間データ交換記録 トレーサビリティによるデータ品質向上のため、都市 OS と他システムの双方で連携した データの交換履歴を記録できること。 ※将来、分野間データ連携コネクタとの接続に活用される。 アセットマネジメント デバイス管理 システム管理 都市 OS と連携するスマートシティアセットや他システム の管理と、スマートシティアセットへの制御を実行する機 能を提供。デバイス管理やシステム管理の機能を持つ。 外部データ連携 データ処理 データ転送 スマートシティアセット、または、他システムとのインタ フェースを管理し、データフォーマットやプロトコル差異 を吸収する機能を提供。データ処理やデータ伝送の機能を 持つ。 出典:スマートシティリファレンスアーキテクチャの記述を表に整理
  16. Copyright 2023 Japan Data Management Consortium 2-2. データ連携基盤として都市OSに求められる共通の機能要件の整理 7/7 都市OSの機能要件

    例④セキュリティ、運用 18 機能群 機能群の説明 機能ブロック 個別機能 求められる内容 認証 都市 OS に接続する利用者、スマートシティサービス、他都市 OS、他システム、IoT デバイ ス等に対して正しい接続相手であるかを検証し、アクセス権限を与える機能を提供するこ と。なお、本機能は、以下の章で定義しているものと同等である。 ・「7.2.2 認証」 利用者、スマートシティサービス、他都市 OS に対する認証 ・「7.2.5 アセットマネジメント」 スマートシティアセットに対するデバイス認証 暗号化 都市 OS が行う通信(都市 OS 内の通信及び都市 OS 外との通信)及び、都市 OS が管 理するデータに対して、それぞれの秘匿性に応じ適切なセキュリティ暗号化を行うこと。 不正アクセス防止 都市 OS が行う通信に対して、許可されていない通信(不正な IP アドレスやポート番号を 持つパケット等)をブロックする機能を提供すること。ファイアウォール機能とも呼ぶ。 不正アクセス検知/ 遮断機能 不正アクセス防止機能では対応できない、DoS 攻撃やアプリケーション層の脆弱性を突く 攻撃等を検知し、遮断する機能を提供すること。 脆弱性管理 都市 OS を構成するソフトウェアに関しては、その脆弱性に関する情報を収集し、随時パッ チ適用等によりその対策を行うこと。また、都市OS に対して定期的に脆弱性診断を行い、 その結果に基づいて対策を実施すること。 ログ管理 都市 OS が行う通信や処理に関するログを取得すること。取得したログは、証拠保全のた めに一定期間保存しておくこと。 拡張容易性 地域が解決する課題や目指すべき将来像に応じ、将来の機能追加や更新が継続的かつ容易 に行える仕掛けを提供すること。ビルディングブロック方式といった疎結合なシステム構築 により、機能の組み換えを柔軟に対応できることが望ましい。 可用性 都市 OS が障害発生時、都市 OS が可能な限り停止することなく稼働し続ける仕掛けを提 供すること。都市 OS のサービスレベルを定義し、障害の迅速な検知・復旧、冗長化等によ り、利用者への影響を最小化することが重要となる。 都市 OS 企画・開発 管理 地域の発展等によるサービスの拡大に伴って、都市 OS の各種機能の拡張企画・開発を行 うこと。企画に基づき、新規共通サービスや新規機能の導入の計画策定や、要件定義・設計・ 開発・テスト・移行の工程を管理する。従来のウォーターフォール型の開発だけでなく、共通 サービス・各種機能の迅速な立ち上げを実現するため、アジャイル型の開発プロセスを採用 することが望ましい。 サービス移行管理 スマートシティサービスや都市 OS の各種機能を本番稼働する際、スマートシティサービス・ 各種機能の提供準備と移行計画の策定・管理を行うこと。 システム運用管理 都市 OS におけるシステム運用(変更管理・構成管理・インシデント管理・運用サービス管理・ キャパシティ管理等)の管理ツールやプロセスを定義すること。 システム管理 管理プロセス 運用 セキュリティ 技術的対策 管理的対策 都市 OS の IT システム運用に必要なシステム管理機能や 管理プロセスを提供。 都市 OS の内外部の脅威から都市 OS を防御するために必 要な機能を提供。 出典:スマートシティリファレンスアーキテクチャの記述を表に整理
  17. Copyright 2023 Japan Data Management Consortium 2-3. 都市OS共通機能「セキュリティ」から考えた他都市とのシステム連携 方式案の策定 1/2

    都市OSのコアとなる共通機能(機能要件)を整理した。 研究会としては、今後、これらの機能要件に対して、ビジネスで使いやすい・役 に立つ一般的な実現方式(手段)を検討する。 19
  18. Copyright 2023 Japan Data Management Consortium 2-3. 都市OS共通機能「セキュリティ」から考えた他都市とのシステム連携 方式案の策定 2/2

    各都市のWebサービスで他都市のシステムを使える認証トークンを発行し都市 間連携を簡便にする 都市AのユーザーID、ロールをトークンで表現し暗号化された認証トークンとして都市Bへ送る 都市Bは認証トークンの確認を行うことで都市Bの一部の機能の利用を許可する JWTトークンなどの一般的な技術を使えば認証トークンの署名・査証が可能 20 システムA(都市A) システムB(都市B) Web画面 Webサービス Webサービス ①問い合わせ ②システムBでも 使える認証トーク ンを発行 ③問い合わせ (認証トークンを使用) ④結果を返却 ④結果を返却 例)
  19. Copyright 2023 Japan Data Management Consortium 2-4. メンバー間で都市OSのあるべきアーキテクチャ像を議論するため、 根幹を構成するデータソースの構成要素の整理 1/2

    DMBOKをベースにデータアーキテクチャにおける構成要素の定義を整理 21 DMBOK2 P421 第11章 DWとBI「1.3.7 DWアーキテクチャコンポーネント」に加筆 情報基盤の概念図 構成要素やデータの整理に加え、 AI・IoT活用の観点を研究
  20. Copyright 2023 Japan Data Management Consortium 2-4. メンバー間で都市OSのあるべきアーキテクチャ像を議論するため、 根幹を構成するデータソースの構成要素の整理 2/2

    データアーキテクチャ 構成要素の観点 22 アプリケーションデータ アプリケーションデータ (小売り) ODS DW データマート データレイク サンドボックス … ビジネス上の目的 特定の業務機能 特定の業務機能 企業の統合された業務上 のニーズ 中央データリポジトリへ の統合と再利用 分析:部門(Inmon) 業務プロセス(Kimball) 業務測定(Wells) 非構造データの収集 洞察 システムの位置付け 業務運営 (実行) 業務運営 (実行) 業務運営 (レポート) 基盤 情報提供、分析 (DSS) 基盤 テスト分析 想定ユーザ エンドユーザ:事務員(日 常業務) エンドユーザ:事務員(日 常業務)、消費者 ラインマネージャ:戦術的 意思決定者 システム:データマート、 データマイニング 経営者:業績指標/エン タープライズ指標 シニアマネージャ:組織指 標 ミドルマネージャ:プロセ ス指標 知識労働者:アクティビ ティ アナリスト データサイエンティスト アナリスト データサイエンティスト システムの利用法 定められた業務 定められた業務、購買行 動 業務上のレポート ステージ、蓄積、供給 アドホック アドホック アドホック システムの可用性 高 高 中 ケースバイケース 緩やか 緩やか 緩やか 標準的応答時間 秒 秒 秒から分 より長い(バッチ) 秒から時間 秒から分 秒から時間 一回の操作のレコード数 限られている 限られている 小から中 大 大 大 小 プロセス毎のデータ量 小 小(バッチ処理で多くな る) 中 大 大 大 中 システム開発ライフサイク ル 伝統的 伝統的 伝統的 伝統的 修正版 伝統的 修正版 DMBOK2 P421 第11章 DWとBI「1.3.7 DWアーキテクチャコンポーネント」に加筆 構成要素の一覧 例
  21. Copyright 2023 Japan Data Management Consortium 2-5. IoT・AIによる効率的な情報採取システム基盤デザイン案の策定 1/2 データアーキテクチャの構成要素に共通の尺度を与え、構成要素を

    整理した。 今後、当研究会では、データアーキテクチャや構成要素にIoT・AIの観点を加え て、データアーキテクチャの表現の幅を広げることを検討する。 最初の検討として、データアーキテクチャのソースとなる業務アプリケーションの部 分にIoTの要素を入れることを検討した。 23
  22. Copyright 2023 Japan Data Management Consortium 2-5. IoT・AIによる効率的な情報採取システム基盤デザイン案の策定 2/2 IoT・AI

    による情報採取 ⚫ 都市に暮らす人々が持つクライアント(スマートデバイス)上のアプリや日々の暮らしで利用する ローカルデバイス(レジ・カードなど)から情報を採取する。 ⚫ Webアプリとクライアントアプリとの構成により、アプリ配布の簡略化と、アプリの統一がなされ、都市の ニーズに合わせたアプリの開発効率と活用が向上する。 24 例) クライアント(スマートデバイス) ローカルデバイス Web/APサーバ DBサー バ
  23. Copyright 2023 Japan Data Management Consortium 3-1. 今後について 今後は、個々の都市OSを比較してコアな基盤を抽出したい。 また、データ連携基盤に焦点を当て、

    データ関連及びAI・IoTに関するテクノロジーに関して深堀したい。 メンバーが互いに切磋琢磨して、 自分たちのビジネスにも役立つようにして行きたい! 26 1 2
  24. Copyright 2023 Japan Data Management Consortium 3-2. 都市OSの先端系技術の調査 都市OSには2つの潮流がある 米国のGAFAM(Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft)や中国のBATH

    (Baidu、Alibaba、Tencent、Huawei)のような超大手企業が自前で持とうとする動きと欧州 のように各国の連合でみんなで取り組もうという動き。 政府と民間が連携するような中国と欧州のアプローチはむしろ近い(日本もこちらに入る)。 米国だけ違って見えるがGAFAMに類するメガ企業が存在するという意味では、中国は米国と似てい る。 巨大ITプラットフォーマーを持っている国はそもそも米中しかない。 今の日本は微妙な位置にある。小さくはないものの、巨大でもない。 日本には今、いわゆる都市OSを自前で体系化しようという動きはあるか? 都市OSに関しては目下、スマートシティーの開発主体がそれぞれ様々なシステムを組み合わせなが ら構成しているのが実情。 コンソーシアムを主導するコンサルティング会社やベンダーが、様々なところから基盤となり得るコンポー ネントを集めてきて組み合わせ、それを「都市OS」と呼んでいる。 27
  25. Copyright 2023 Japan Data Management Consortium 3-2. 都市OSの先端系技術の調査 日本の都市OSの状況 それぞれのプロジェクトで個別に、自治体がいわゆるITベンダーと組みながら試行している

    状況。 会津若松市(福島県)や柏の葉(千葉県柏市)、高松市、札幌市のようなスマート シティーの開発や、さらにスーパーシティーのような国主導の機会創出の取り組みも進展し ている。 NECは、EU(欧州連合)主導の次世代インターネット基盤と称する「FIWARE(ファイ ウェア)」を活用して都市OSを構成している 日立製作所では「Lumada(ルマーダ)」と呼ぶDX(デジタルトランスフォーメーション) ソリューションを展開している。個別のAI(人工知能)ソリューションとうたいつつ、より複 合化して都市OSに仕立てたもの。 28
  26. Copyright 2023 Japan Data Management Consortium 最後に 2023年度 IoT・AIコミュニティに是非ご入会ください! 29

    お互いにインスパイアされ、 とても楽しく 創造的 かつ 実践的な研究 ができます! ここだけの 話し満載!
  27. Copyright 2023 Japan Data Management Consortium 資料の作成メンバー 30 リーダー 鷹尾

    誠一 (NECソリューションイノベータ株式会社) 主要メンバー 江戸 栄一 (リコーITソリューションズ株式会社) 主要メンバー 粟村 義親 (株式会社ニチレイロジグループ本社) 主要メンバー 川勝 健司 (EYストラテジー・アンド・コンサルティング) 主要メンバー 高橋 章 (Metafindコンサルティング株式会社) 主要メンバー 金井 啓一 (日本テラデータ株式会社)