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「分析組織でデータエンジニア組織を立ち上げた話」(バンダイナムコネクサス藤井 祐麻さん)

「分析組織でデータエンジニア組織を立ち上げた話」(バンダイナムコネクサス藤井 祐麻さん)

JDMC LT#1 「データ組織がデータマネジメントを進める上でのポイント」
発表者資料 (2022/12/16実施)

テーマ:
「分析組織でデータエンジニア組織を立ち上げた話」

発表者:
株式会社バンダイナムコネクサス 
データ戦略部データサイエンス&ストラテジー室
データストラテジーセクション データストラテジスト
藤井 祐麻さん

Connpass詳細
https://jdmc.connpass.com/event/267021/
アーカイブ
https://youtu.be/j8Z8sSMU5Qs

© Bandai Namco Nexus Inc.

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Transcript

  1. © Bandai Namco Nexus Inc. アジェンダ 2 今日話すこと • 会社概要

    • データエンジニア組織立ち上げの背景(会社の歴史) • データエンジニア組織を立ち上げ • 立ち上げた結果どうなったか 今日話さないこと • データ基盤に関する詳細な技術について
  2. © Bandai Namco Nexus Inc. 株式会社バンダイナムコネクサスについて 3 ▪設立日▪ 2017年8⽣3⽣ ▪社員数▪

    約60名 ▪事業内容▪ • IPファン向け情報発信の機能開発・運営「ファンゲージ (Fangage)」 • バンダイナムコグループ各事業の単体/横断データ分析 • 商品連動を可能にしたブラウザゲームプラットフォーム 「enza」 ▪MISSION▪ IP※を軸に様々なエンターテインメントや商品を組み合わせ、創 意⽣夫によって新しい価値を⽣み出し続ける ※ IP:Intellectual Property の略で、キャラクターなどの知的財産のことを指します。 ▪VISION▪ 世界で最も多く最も多彩な顧客接点を持つエンターテインメント ハブ企業
  3. © Bandai Namco Nexus Inc. 2017年頃のデータ戦略部 5 設立当初のバンダイナムコネクサス(旧社名: BXD)は「enza※ 」の運営のほか

                         ※enzaは、ブラウザゲームプラットフォーム。「アイドルマスター シャイニーカラーズ」などのゲームがあります。 • バンダイナムコエンターテインメントのデータ分析支援、データ活用支援案件を担当(スマホゲーム中 心) • データ基盤自体はグループ会社既存のものを使用 ◦ 追加で必要なデータ調達は一時用途のために分析官自身や業務委託のエンジニアが実施
  4. © Bandai Namco Nexus Inc. 6 • スマホゲーム分析中心だったが別領域の分析支援も増え始めた • 分析要求の複雑化、未開拓領域の開拓による新規調達が多々発生

    • データを扱う量も種類も増大 • 分析組織が拡大しメンバー、分析案件は倍以上に ◦ アナリスト、データサイエンティスト、分析PM … etc. • 成果事例 https://www.wantedly.com/companies/company_9704487/post_articles/351714 https://www.wantedly.com/companies/company_9704487/post_articles/362598 2019~2020年頃のデータ戦略部
  5. © Bandai Namco Nexus Inc. 7 一方で、組織拡大により課題も浮き彫りになり始めていた… • 分析基盤のガバナンスが利かなくなりはじめる ◦

    誰がどこに一時データ書き込み権限持ってるんだっけ? ◦ データの保持方法、処理方法が分析チーム(個人)に紐づく ◦ ナレッジの蓄積、引き継ぎがうまくいかない • 分析組織、案件の拡大にデータインフラが追いつかなくなりはじめる… ◦ 分析データや分析システムで不具合があちこちでおきる ⇒ ナレッジが人に紐付いているので 修正対応に時間がかかる ⇒ 業務が回らなくなりはじめる。。。 2020年後期のデータ戦略部(1/3)
  6. © Bandai Namco Nexus Inc. 8 そんな中舞い込んできた話 • 親会社「データレイクを持たないグループ内各社のデータレイク構築と分析を支援したい」 •

    一方で既存部隊は通常業務で手一杯… • 人員補充も新しい外注先を探すにもかなりの時間を要する • バンダイナムコネクサスにはエンジニア組織はない • 社内外でのデータ課題、データ基盤課題がわかってきている ◦ この課題に取り組むにはデータエンジニア組織(データエンジニアリング、データマネジメント)が必 要だと考えていた 2021年頃のデータ戦略部(1/3)
  7. © Bandai Namco Nexus Inc. 9 そんな中舞い込んできた話 • 親会社「データレイクを持たないグループ内各社のデータレイク構築と分析を支援したい」 •

    一方で既存部隊は通常業務で手一杯… • 人員補充も新しい外注先を探すにもかなりの時間を要する • バンダイナムコネクサスにはエンジニア組織はない • 社内外でのデータ課題、データ基盤課題がわかってきている ◦ この課題に取り組むにはデータエンジニア組織(データエンジニアリング、データマネジメント)が必 要だと考えていた ◦ 私「やります!」 2021年頃のデータ戦略部(1/3)
  8. © Bandai Namco Nexus Inc. 10 そんな中舞い込んできた話 • 親会社「データレイクを持たないグループ内各社のデータレイク構築と分析を支援したい」 •

    一方で既存部隊は通常業務で手一杯… • 人員補充も新しい外注先を探すにもかなりの時間を要する • バンダイナムコネクサスにはエンジニア組織はない • 社内外でのデータ課題、データ基盤課題がわかってきている ◦ この課題に取り組むにはデータエンジニア組織(データエンジニアリング、データマネジメント)が必 要だと考えていた ◦ 私「やります!」 ◦ 上司「いいよ」 2021年頃のデータ戦略部(1/3)
  9. © Bandai Namco Nexus Inc. 12 すんなりと通ってしまった… • 通ってしまったがデータ基盤もエンジニアが働ける環境も整ってない… •

    エンジニアが働きやすい環境づくり ◦ DX(DX:Developer eXperience)の向上 • データ基盤の将来像を描く ◦ データ戦略を支える基盤を作る • 必要な役割を整理する ◦ データ戦略/データ基盤を支えるために必要な人を集める • コミュニケーションパスの形成 ◦ 文化を作る 2022年:データエンジニア組織の立ち上げ(2/5)
  10. © Bandai Namco Nexus Inc. 13 エンジニアが働きやすい環境づくり • 権限申請の簡素化 ◦

    エンジニア、分析者用の権限申請、管理も改善 ◦ 組織拡大にも耐えられるようにする(googleグループによる権限管理など) • ツールを揃える ◦ 開発を支える有償ツールの契約 ◦ sandbox, dev,stg, 本番環境, github enterprise, terraform cloud, trocco ◦ コストカットの取り組みも合わせて実施 • ルールを作る ◦ 開発ルールやGCP環境の利用ルール ◦ 権限委譲範囲 • スキルアップや相談の場を作る ◦ 1on1や輪読会を社員、業務委託関係なく実施 …などなど 2022年:データエンジニア組織の立ち上げ(3/5) 現在輪読会で読んでいる本
  11. © Bandai Namco Nexus Inc. 14 データ基盤の将来像を描く • 基盤利用者がデータ基盤に対して何を求めているかを整理し、アーキテクチャに組み込む ◦

    課題の整理 ◦ データ活用戦略 ◦ 技術的解決方法の模索 • 必要最低限の構成要素 ◦ マネージドサービスやSaaSの積極的活用 • フェーズ2, 3では何をすべきか 2022年:データエンジニア組織の立ち上げ(4/5) 当時作った叩き
  12. © Bandai Namco Nexus Inc. 15 必要な役割を整理する ⇒ 人を集める •

    必要なエンジニアとスキル領域の整理 ◦ データエンジニアリングで求められるスキル、経験は多岐に渡る ▪ ETLが得意、インフラが得意、分析経験のあるエンジニア …など • 組織全体、グループ全体に貢献するにはエンジニアだけでは足りない ◦ 社内外で課題がありエンジニアだけ、ボトムアップだけでは限界がある ◦ データマネージャーの募集 2022年:データエンジニア組織の立ち上げ(5/5) コミュニケーションパスの形成 • 権限申請手続きや問い合わせなどにコストをかけたくない • データ利活用者や現場とのコミュニケーションにコストをかけたい • ビジネス組織、分析組織、エンジニア組織が連携しやすくするにはどうすればよいか?
  13. © Bandai Namco Nexus Inc. 16 どうなったか • メンバー構成 ◦

    データマネージャー 2名(うち一人は本日のモデレータのよしむらさん) ◦ データエンジニア 3名(うち一人は私) ◦ 他業務との兼任エンジニア 約4名 • 現在のアーキテクチャは以下にようになっている ◦ グループ会社のためのデータレイク/データ基盤を構築中 2022年:立ち上げた結果どうなったか(1/2)
  14. © Bandai Namco Nexus Inc. 17 コミュニケーションパスの形成 • データ利活用者、データ基盤担当者が連携できる場を整備 ◦

    組織や会社を超えて見る資料、場所を統一、共同編集する資料とリンク集を作成 • 「データ利用者 ⇒ エンジニア」の関係から「データ利用者 ⇔ エンジニア」の関係に ◦ 分析(ビジネス戦略)上必要なデータ、テーブルを全員が理解する ◦ データ基盤、パイプライン構築時から分析官の要望を反映 ◦ データの持ち方や保存方法を相談、意識する利用者が増えた 2022年:立ち上げた結果どうなったか(2/2)
  15. © Bandai Namco Nexus Inc. 18 • データ品質の向上 ◦ データ品質、SLI/SLOの定義

    ◦ 品質テストの実行 • システム品質の向上 ◦ 安定したデータ基盤の運用 ◦ データパイプラインの改善、強化 • セキュリティ強化 ◦ 監視 ◦ データセキュリティ • 分析環境の整備 ◦ 分析基盤の構築 ◦ データウェアハウス、データマート、BIの整備  …など 2023年〜:データエンジニア組織のこれから