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多様な成熟度のデータ活用を総合支援するKADOKAWA Connectedのデータ組織について

多様な成熟度のデータ活用を総合支援するKADOKAWA Connectedのデータ組織について

2022年6月16日開催『DataOps Night #2 ~データ活用のための組織体制について話そう~』の@saka1さんの発表資料です。
◆ ◆ ◆
KADOKAWA Connected(KDX)のデータ組織は、KADOKAWAグループの多数の事業に対してデータ活用支援を行っています。 グループの各事業はそれぞれ固有の状況に置かれているため、抱えている課題や、データ利活用の成熟度も様々です。「SQLを沢山実行したいんです」「あの指標のダッシュボードが欲しいんですが」「何をすれば私の業務にデータを活かせますか?」「巨大スプレッドシートがつらいのですが何とかなりませんか」などなど本当に多様です。 こうした多様な依頼・相談をさばくために、KDXのデータ組織はどのような構造になっているかを紹介します。私たちなりの工夫点や、数年間組織を回してみて良かった点・反省点などにも触れられたらと思っています。

KADOKAWA Connected 採用サイト:https://kdx.co.jp/career/

KADOKAWA Connected

June 17, 2022
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Transcript

  1. 多様な成熟度のデータ活用を総合支
    援するKADOKAWA Connected
    のデータ組織について
    KADOKAWA Connected
    @saka1

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  2. あなたは誰?
    ● ID: @saka1 (さかいち or さかい)
    ● Twitter: @saka1_p
    ドワンゴでWebサーバサイドエンジニアでした
    最近はKADOKAWA Connected(略称:KDX)という会社に
    出向してデータエンジニア的なことをやっています
    ※ KDXはKADOKAWAの機能子会社です

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  3. 本日のテーマ:
    データ組織(とか)

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  4. @saka1の所属組織
    の事例紹介をします

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  5. なぜ発表: 中規模の事例紹介があんまりない
    複数事業を扱うが、巨大企業ほどのリソースはない
    組織やガバナンスを工夫しないとスケール効率が悪い
    世界的企業
    国内の巨大tech企業
    扱うデータ量
    ベンチャー
    スタートアップ
    データ基盤の
    利用者数
    KDXはこの辺
    ● データ量: 約250TiB
    ● データ基盤利用者: 数百人
    ● テーブル数: 約3500

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  6. 資料の流れ
    ● KDXのデータ組織が扱う事業領域
    ○ データを扱う組織は対象事業の構造に影響を受ける
    ○ 対象事業はどんな状況なのか? ごく簡単に紹介
    ● 各事業のデータ利活用推進のための組織体制
    ○ どういうチーム編成?
    ○ どんな工夫をしている?
    ● ここ数年で我々が学んだこと
    ○ 何が上手くいって、何が反省点だった?

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  7. 事業領域
    KADOKAWAグループの多様な事業の難しさ

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  8. KDXのデータ組織の位置
    ● KADOKAWAグループ各社に「データ基盤」「データ分析支援」
    などの各種サービスを提供している
    ○ 歴史的にはドワンゴのデータ分析系の部署から派生・発展
    KADOKAWA Connected
    今回お話する
    データ組織
    KADOKAWAグループの他の企業(たくさんある)
    ドワンゴ
    KADOKAWA
    KADOKAWA
    Game Linkage
    バンタン
    サービス提供
    etc etc

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  9. KADOKAWAグループ = 出版?
    ● 出版はKADOKAWAの祖業であり存在感は大きい
    ● 出版のみならず、映像、ゲーム、Webサービス、教育、MD、コトビジネス、イン
    バウンド関連などの幅広い事業を展開
    ○ ECサイト: 「電撃屋」
    ○ Webサービス: 「ニコニコ」
    ○ コトビジネス: 「ところざわサクラタウン」
    ○ 教育事業: 「バンタン」
    ※ これらはあくまで KADOKAWA Connectedのデータ組織の取引先の例です
    多数の事業でデータの利活用は求められている

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  10. データ利活用を考える上での対象事業の特徴
    ● 特徴であり難しいところ
    ○ データ利活用の成熟度が非常にばらついている
    SQLとTableauで
    仮説検証を回せる
    ダッシュボードが欲
    しい
    まずは何をすれば
    いいですか?

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  11. データ利活用を考える上での対象事業の特徴
    ● 対象事業の組織の状況にもばらつきがある
    事業にデータ活用
    の専門部署がある
    ある部署では、
    データ活用への期
    待が高まっている
    担当者が1人で
    頑張ろうとしている

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  12. 参考: 成熟度に応じた組織構造
    ● 『実践的〜』3章ではデータ活用の成熟度に応じた組織モ
    デルが提示されている
    ○ 集権型
    ○ 分権型
    ○ ハイブリッド型
    ● 我々の場合は「いろいろ混ざっている」複雑な状態
    ○ 個々の事業によって次の課題が違う
    ○ 歴史的経緯でドワンゴはセルフサービス化まで進んでいる
    ■ 他の事業は道半ばなことが多い

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  13. KDXのデータ組織の
    編成・工夫

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  14. 現在のKDXのデータ組織
    データプラットフォーム
    サービス
    データソリューション
    サービス
    データコンサルティング
    サービス
    ※ 実態はもう少し複雑ですが本筋に影響がないため省略しています
    ● 大きく見ると3サービス(チーム)が分業している

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  15. データプラットフォームサービス
    データプラットフォーム
    サービス
    Snowflakeのユーザ管理や
    コスト最適化など
    認証システム(Auth0)管理
    ● データ基盤の管理をする
    ● 利用者の最大公約数の機能
    を整備していく
    ○ セルフサービス化がんばる
    ○ 運用コストがデータの量に比
    例しないように
    Fluentdクラスタ, Embulkの提供

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  16. データソリューションサービス
    データソリューション
    サービス
    ● プラットフォーム上のデータ
    から価値ある情報を抽出す
    るのが仕事
    ● プラットフォームと分業
    ○ プラットフォーム上のデータの
    詳細を知っている
    ○ プラットフォームの外側は知ら
    ない
    ETL/ETL用のシステム管理
    データカタログの整備
    機械学習アプリケーション開発
    BIツール(Tableau)提供

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  17. データコンサルティングサービス
    データコンサルティング
    サービス
    ● 顧客接点の確保と課題整理
    ○ データで困ったら
    KDXに相談が来るように
    ○ 抽象的な要求を技術の問題に
    落とし込む
    ○ データ利活用をしたい人を掘り
    起こしていく
    ● リテラシー向上施策
    ○ 利用者のトレーニング
    相談窓口の提供
    リテラシートレーニング
    プロジェクトの立ち上げ支援

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  18. 我々なりの工夫点とは?
    ● チームを「サービス」として振る舞わせる
    ○ オーナーがいる
    ○ サービスメニューを設定している
    ○ 管理会計の単位としている

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  19. イメージ
    XXXXサービス ● サービスには
    オーナーがいる
    ○ 1人
    ○ ロードマップの策定や
    タスクの推進に関する責任が
    移譲されている

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  20. イメージ
    XXXXサービス ● サービスには
    メニュー設定がある
    ○ 何を提供するか
    ○ 何円かかるか
    ○ 品質基準はどうなっているか
    ● サービス間および顧客間と
    のインタフェース定義
    アクセスログをデータ基
    盤にストリーミング転送し
    ます
    対象アクセスログ1件に
    つき○万円/月
    リードタイムは標準○日

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  21. イメージ
    XXXXサービス ● サービス単位で
    会計処理する
    ○ 原価どうなってる? とか
    ● 理想は、全てのサービスが
    黒字を維持拡大できること
    ※ 例えばデータ基盤はコストセンターと見なされや
    すいので「サービスを提供している」と処理すること
    で、価値測定の近似をしやすくしている
    今月の収支
    収入◯円
    費用△円
    うち人件費XX円、AWS
    費用YY円、……
    変動要因: 円安でAWS
    が値上がりした

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  22. 学んだこと
    上手くいったり、いかなかったり

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  23. 結局その組織構造は上手く行ってる?
    ● 良いところは結構ある
    ○ メニューの明記でサービス間の疎結合化が促進される
    ■ 摩擦が減った
    ○ オーナーへの高い裁量・権限移譲
    ● コンサルティングサービスの整備は有効だった
    ○ 整理されない雑多な要求が開発チームに流れ込む前に交通整理
    ○ 問題が何なのか把握するほうが先決なことは多い

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  24. 結局その組織構造は上手く行ってる?
    ● どうしても難しい箇所は残っている
    ○ 管理会計が複雑すぎて理解が難しい
    ○ サービスのオーナーの負荷が高い
    ■ 小さいとはいえ会計上の処理までできなければならず、
    要求スキルが多い
    ○ メニューがきれいに分割できない箇所がある
    ■ 抽象的な業務は「まず相談してください」みたいになりがち

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  25. 終わりに
    発表時間はたぶんギリギリ

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  26. まとめ
    ● KDXのデータ組織は、多様な成熟度の事業のデータ利活用を
    推進していく立場にある
    ● 組織と制度的な工夫でそれに対応しようとしている
    ● 全部が上手く行っているわけではない
    ○ 常に課題があるので改善しようとしている

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  27. We are hiring!
    ● KDXでは求人をしています(2022年5月時点)
    ○ 株式会社KADOKAWA Connected 採用サイト
    ● Twitter DM等のカジュアルな連絡も歓迎します 🙌
    ○ 例:
    ■ カジュアル面談したい
    ■ データ基盤について雑談したい

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