新卒向けPBL研修(2026年9月)で話した「AIでアイデア出しをするときのコツ」のスライドです。
生成AIは「常識的で論理的な帰結」を出すように丁寧に訓練されています。そのため、あるはずなのに見落としていたアイデアを補ってくれることは得意ですが、突飛で斬新なアイデアはなかなか出てきません。短い入力で気の利いた答えを返すよう最適化されているぶん、入力が少ないほど答えは平均に寄り、文脈の誤解も起きやすくなります。
他にない解決策は、他にない状況理解から生まれます。出発点がユニークなら、到達点もユニークになります。近道は、状況の詳細な文脈を思っている数倍の量で入れること、そして事実だけでなく「自分はこの状況をこう読み解いている」という仮説を独自の観点で入れることです。仮説は、AIに広げてもらう起点にも、疑って反駁してもらう起点にもなります。
これはAIを使わなくても同じで、投入する情報が少なければ発散はしません。対象をよく知り、多面的に言語化するのは簡単ではなく、手間も訓練も要ります。隣の人と話さないと気づかないことは、いつでも大量にあります。AIから得た「良いアイデア」が、知らなかった知識の提示なのか、よく知っている領域での新しいアイデアなのかも、ぜひ考えてみてください。
ユニークさの源泉は人間側にあり、論理の量と速度はAI側にあります。観察と言語化の仕事は、むしろ人間に集中していきます。
川口恭伸(YesNoBut株式会社 / 一般社団法人スクラムギャザリング東京実行委員会 実行委員)