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SO、ちゃんと確認してますか?_Nstock KIQS勉強会 2023.2.1資料

SO、ちゃんと確認してますか?_Nstock KIQS勉強会 2023.2.1資料

SOの中身、行使価額と行使期間ぐらいしか確認してない、なんてことはないでしょうか?

実は、一見すると細かい事項に思えるものが、後々大きなインパクトを与えることになりかねない...そんな要素がふんだんに入っているのがSO契約です。

うっかり見落としてた、知らなかったにならないよう、経営陣・投資家ともに感度を高めることが重要です!

Kenji KOBAYASHI

February 02, 2023
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Transcript

  1. スタートアップ(に限らず)の経営の根幹とは 人材を集める 2 • 強いカルチャーの実現 • 魅力的な経営陣 • アピール力のあるバリュー •

    高い報酬水準 お金を集める • 優れたエクイティ・ストーリー • 堅実な事業実績 • 経営陣の高い交渉力 • 既存株主のサポート
  2. 契約上の論点 ◦ バリュエーション ◦ 投資者 ◦ 優先分配倍率 ◦ ガバナンス・ライツ ◦

    主要株主の拒否権条項 5 ◦ 行使価額 ◦ 付与者 ◦ ベスティング起算日 ◦ 退職時の取り扱い ◦ ノックアウト条項の有無 実は投資契約以上に細部の設計の違いが有効性を大きく変える! 投資契約の場合 SOの場合 これらの点、どのぐらい意識的に 決めていますか?
  3. 論点①:ベスティング起算日による影響 6 実は、意図せずIPO時期の足枷になる (スモール上場の促進要因になっている...!) 日本では、ベスティング起算日(開始日)をIPO時点にすることが圧倒的に多いが... • 管理が楽(全員一律) • ベスティング期間の退職を防ぐ 上場まではずっと権利確

    定せず、行使できない IPO 1年後 日本でありがちな「上場日起算・ 4年ベスト」のケース 4年後 25% 100% < > pros cons • 全員同じタイミングでSO解放 →同時大量離職を促しやすい • 上場が長引くと、初期SOが失効 する(税制適格年限を超える) 〜 〜
  4. 論点②:退職時の取り扱い ◦ 希薄化を抑えられる ◦ 自社の管理下にない株主の出現を 防げる 7 米国とは異なり、日本では退職時には付与されているSOが全て失効となる契約が一般的 👉 退職時に全て失効「する」ことのメリット/デメリット両側面を認識しておくべき

    ◦ 会社のステージにアンマッチになった人や、 いわゆるBrilliant jerkなどが、SOを欲しい が故に残ってしまう ◦ 初期から長く貢献してくれたが、やむを得 ない事情(e.g. 看護など)により退職した 場合、リターンを受けとれなくなる ◦ そもそも報酬としての魅力が著しく下がる 退職時失効のメリット 退職時失効のデメリット
  5. 論点③:ノックアウト条項の有無 8 原資産 100 20 プレーンな オプション 1.5 ノックアウト条項付き オプション

    最もよく見るのは、 「ダウンラウンドが発生したら失効」 という条項 会社のコストや役員の拠出金(信託SOの場合)を抑えるために、SOにノックアウト条項 (ある条件を満たした場合、SOが失効する条項)をつけるケースがままある。 資本政策と同じく(あるいは、関係者が多いのでそれ以上に) リスクサイドも意識して設計すべき