WEB+DB PRESS vol127 Phoenix特集こたつで座談会 https://fukuokaex.connpass.com/event/239094/
WEB+DB PRESSで特集記事を書く方法栗林健太郎 / GMOペパボ株式会社WEB+DB PRESS vol127 Phoenix特集こたつで座談会1
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自己紹介栗林健太郎です。人々からはだいたい「あんちぽ」と呼ばれています。今回の特集記事に関しては、企画(言い出しっぺ)と第1章の執筆を担当しました。● Twitter: @kentaro● GitHub: @kentaro
Elixirと私出所:Multi-Tenant Erlang Distributionを目指して - ElixirConf US 2021参加報告 p.13https://speakerdeck.com/kentaro/toward-the-multi-tenant-erlang-distribution?slide=13
技術評論社と私WEB+DB PRESS誌5号+別冊誌1号に記事を寄稿、書籍1冊を共著で出版。出所:自己紹介 - 栗林健太郎 https://kentarokuribayashi.com/aboutNew!
本トークの目的● 技術雑誌や技術書の執筆をするなんて自分には遠いことだと思っているあなたに「そんなことはないのだ」ということをお伝えしたい!● とはいえ、やり方を知らないと飛び込めないだろうので、WEB+DB PRESSVol.127でElixir+Phoenix特集を企画・執筆した経験から得たノウハウを具体的に共有します。● 本トークの結果として、技術雑誌や技術書の執筆に取り組むことになる、潜在的に優秀な書き手(あなたのことです)が増えることを期待します。
Elixir+Phoenix特集記事の紹介
WEB+DB PRESSとElixirWEB+DB PRESSでElixir+Phoenixが特集記事になるのは今回が初めて!出所:WEB+DB PRESS総集編[Vol.1~120]:書籍案内|技術評論社「WEB+DB PRESS総集編[Vol.1~120]」でElixirを検索:● Vol.86以前は、Elixir Reportという帳票ツールの名前としてヒット。● それ以降は、言語としてのElixirがヒットし始める。● 本格的な紹介は、Vol.88、89の伊藤直也氏による連載のみ。検索!
WEB+DB PRESS Vol.127「特集:作って学びPhoenixーElixirによる高速なWeb開発!」2022年2月24日に発売開始されました!売れ行き好調!出所:WEB+DB PRESS Vol.127|技術評論社 表紙執筆者は、以下の通り:● 栗林健太郎(@kentaro)● 高瀬英希さん(@takasehideki)● 大聖寺谷一樹さん(@tamanugi)● 山内修さん(@torifukukaiou)● 隆藤唯章さん(@the_haigo)● 齋藤和也さん(@mokichi_s12m)
WEB+DB PRESS Vol.127「特集:作って学びPhoenixーElixirによる高速なWeb開発!」Elixir入門からPhoenixの実践的な応用までを一気通貫で導入する内容。出所:WEB+DB PRESS Vol.127|技術評論社 p.39
実録・企画から執筆まで
11ことの発端それは2021年8月23日12時39分に始まった。出所:https://elixirjp.slack.com/archives/C2ELXPE4S/p1629689988058600
提案のきっかけ● 唐突に思いついたので提案してみた。● Elixirについての特集がこれまでなかったのは知っていた(前述)。● Elixirコミュニティに恩返しできる具体的な一案だろうと思った。→ その後、Neos VRにハマりまくったせいもあり、ElixirConf US 2021の準備がまったく進まない中で本企画の作業もあってめちゃくちゃ大変な状況に陥ったのも、今となってはいい思い出……。WEB+DB PRESSで特集記事書いたら面白いのでは?と思って提案してみた。
13目次の作成8分後に、目次をざっくり提案。章立てはおおむねこれで最後まで同じ。出所:https://elixirjp.slack.com/archives/C2ELXPE4S/p1629690251061000
14執筆者の募集仲間を集めよう!特集記事をひとりで全部書くのは大変だ!出所:https://elixirjp.slack.com/archives/C2ELXPE4S/p1629689988058600piacereさんに頼り過ぎw
執筆者の選定執筆者をどうやって選んだか?● 前述のSlackでの発言にリアクションしてくださった方● 企画案に対してコメントくださった方● QiitaやZenn等で技術文書を書いていて、執筆力がありそうな方→ こういう時に「やれるかわからないけどとりあえずのってみる」というのだいじ→ 僕自身は、最初は企画・進行だけするつもりだったのだが、色々あって第1章を書くことになった。執筆もする方が楽しいので、それはそれでよし。Slackでリアクションを下さった方、アウトプットが旺盛な方を選んだ。
編集部への連絡34分後に、以前から記事執筆でお世話になっている@inao編集長にDMした。出所:@kentaroと@inaoのDM
企画書の執筆企画書案の概要は提案したその日に作成済み。それをたたき台に作っていく。出所:執筆用非公開リポジトリより
企画成立までこの時点でのスケジュール:● 9月末:執筆陣によるアウトラインの書き出し(詳細後述)○ こちらは執筆陣で決めた期限○ 執筆はプライベートのGitHubリポジトリ● 10月中旬:企画書案提出期限○ 事前に@inaoさんからフィードバックをいただく○ それを元に企画書やアウトラインに修正をかけていく● 10月中旬:編集部内での企画会議において採用可否決定1-2ヶ月ほどで企画案を作成し、編集会議で採用される必要がある。
執筆の流れその後のスケジュール:● 10月下旬:アウトラインの完成● 11月初旬:草稿提出● 11月下旬:完成原稿● 12月初旬:完成原稿(最終)● 1月下旬:編集部レビュー、著者校正、印刷所入稿● 2月24日:発売!執筆期間はけっこうタイト。迷わないよう見出しやストーリーを練るべし。
執筆作業の完了2022年2月2日、執筆陣の作業完了!出所:執筆用非公開リポジトリより
特集記事を書くのに必要なこと
公式の募集要項は、WEB+DB PRESSの奥付(右図)にある通り。「このテーマの記事を書いてみたいかも」レベルで、私のTwitter(@inao)にDMあるいはメンションしてくださるのでもぜんぜん大丈夫です(@inao談)@inaoさんをフォローしてDMを送ろう!公式のルートWEB+DB PRESSは読者のあなたからの投稿を常に募集しています。出所:WEB+DB PRESS Vol.127|技術評論社 p.168
企画案提出に必要なこと「記事」の種別を選択● 特集:約30ページ、4〜6章● 特別企画:15〜20ページ、約3章● 一般記事:8ページ、1章どの種別の記事を書くのかを決め、企画案を書き起こす。企画案に必要な内容● 全体のタイトル・キャッチコピー● 全体の概要分(1〜2段落程度)● 執筆者の名前とプロフィール● アウトライン
ストーリーの決定● チュートリアル記事の場合、特集全体で一つのものを徐々に作り上げていく構成が定石。● 企画段階で、どういうものを作っていくか、設計・実装まで含めて具体的に見えている必要がある。● 今回はRealWroldをベースにすると初期段階で決定していた。各章を通じて何を作るか=ストーリーをあらかじめ決めておく必要がある。出所:サンプルコードのGitHubリポジトリ https://github.com/elixirjp-slack-com/realworld
RealWorldに決まった経緯@tamanugiさんがRealworldを実装しているというグレートな幸運があった。出所:https://elixirjp.slack.com/archives/C2ELXPE4S/p1629689988058600
実際に提出した企画書前述の内容を盛り込んだ企画書をGitHubリポジトリ上でMarkdownで執筆。出所:執筆用非公開リポジトリより
アウトラインの作成● アウトラインの作成が最初の難関。執筆そのものより大変だったかも?● 構成を考えることに加えて、各章の構造や言葉遣いも揃える必要がある。企画・執筆の初期段階でいかにアウトラインを明確にできているかが肝。出所:執筆用非公開リポジトリより
アウトラインのレベル感いずれ執筆時には細かいレベルまで必要なので企画時点できっちり作るべし。出所:@kentaroと@inaoのDM
執筆の実際● 本文の執筆自体については、執筆要項が細かく規定されているので安心。● むしろ、書き始めると規定の分量をすぐに超えるので、削ってブラッシュアップする作業の方に時間がかかる。● 複数人での執筆の場合、表記ゆれの修正や構造の統一性の担保が大変。● もちろん、技術面での正確性の担保は最重要!○ コミュニティから菊池豊さん( @kikuyuta)、宮村紅葉さん(@KoyoMiyamura)、森正和さん(@piacere_ex)にレビューをご担当いただきました。ありがとうございます!→ 執筆について、実際にやってみてどうだったかはこの後の座談会で!アウトラインがしっかりしていれば、執筆自体はなんとかなる。
おわりに
おわりに本トークを聴き終えたあなたは:● 技術雑誌や技術書の執筆をするなんて自分には遠いことだと思っていたあなたは「そんなことはないのだ」ということを理解した。● WEB+DB PRESS Vol.127でElixir+Phoenix特集を企画・執筆した経験から得たノウハウを得て、自分でもできるという実感を得た。● 「次の執筆者は自分だ!」という高揚した気持ちを感じている(?)。→ お金を払ってでも体験したいぐらいの、テクニカルライティングのスキルを磨くまたとない機会でもあるので、ぜひチャレンジを!方法は伝えました。次はあなたが技術雑誌や技術書の執筆者になる番です!