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電気工学II第10回 /eleceng2_10

電気工学II第10回 /eleceng2_10

Kazuhisa Fujita

March 27, 2023
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Transcript

  1. 電気⼯学2第10回
    藤⽥ ⼀寿

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  2. フィルタ

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  3. フィルタとは
    • 不要な周波数成分を取り除き,必要な周波数成分のみこし取る(フィ
    ルタをかける)
    • ノイズの除去
    • 必要な⾳だけ取る
    フィルタ
    ノイズを含む信号 ノイズを含まない信号
    ノイズを取り除く
    汚れた⽔ 綺麗な⽔
    浄⽔器

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  4. フィルタの応⽤例
    • 電源の平滑化(直流化)
    • ノイズ除去フィルタ

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  5. パッシブフィルタ

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  6. パッシブフィルタとは
    • 受動素⼦のみ(抵抗,コンデンサ,インダクタ)で構成されるフィル
    タ回路(wikipediaより)
    • 安定
    • 簡単
    • 安価
    • ⼤電⼒を扱える
    • ⾼周波動作が可能
    • 電⼒を消費しない
    • アクティブフィルタに関しては後で

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  7. フィルタの種類
    • ローパスフィルタ(LPF)
    • 低周波数成分のみを通過させるフィルタ
    • ハイパスフィルタ(HPF)
    • ⾼周波数成分のみを通過させるフィルタ
    • バンドパスフィルタ(BPF)
    • ある周波数領域の成分のみ通過させるフィルタ

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  8. LCRを使ったフィルタの例
    • ローパスフィルタ(低域通過フィルタ)
    • 信号の低周波数成分を通過させるフィルタ
    • ハイパスフィルタ(⾼域通過フィルタ)
    • 信号の⾼周波数成分を通過させるフィルタ
    ローパスフィルタ ハイパスフィルタ
    キャパシタとインダクタの場所が⼊れ替わっている.キャパシタとインダクタの電流の周波
    数に対する性質が逆だから.
    典型的なフィルタ回路

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  9. フィルタの直感的理解
    Vr
    Vc
    ⼊⼒Vi
    ⼊⼒ViはVrとVcに分けられる(分圧).
    R
    C
    出⼒VoはVcは並列の関係なので等しい.つまりVoもViの周波数が⾼
    ければ⾼いほど⼤きくなる.Voは周波数が⾼ければ⼤きく,低けれ
    ば⼩さい.⾒⽅を変えると,この回路は周波数が低い⼊⼒を通しや
    すいといえる(ローパスフィルタ).
    Vr
    Vc=出⼒Vo
    ⼊⼒Vi
    R
    C
    Cのインピーダンスは1/jωCなので,Viの周波数が
    低ければ低いほどCのインピーダンスの⼤きさは⼤
    きくなる.つまり,Viの周波数が低ければ低いほ
    どVcは⾼い.
    Vr
    Vc
    ⼊⼒Vi
    R
    C
    VcはCのインピーダンスの⼤きさが⼤きければ⼤
    きいほど⼤きくなる.
    Vr
    Vc
    ⼊⼒Vi
    R
    C

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  10. 演習解説
    ࠙AM23ࠚႱᅽ Vtᜫ 50 Ҁ
    2sin100ȧt>[email protected]ࢆ૷֤᢬ᢠ 50Ȑ࡟ຍ࠼ࡓࠋᾘ଍Ⴑຊࡣ࠸ࡃࡽ࠿ࠋ
    1 50W 2 100W 3 180W 4 250W 5 350W
    ࠙AM29ࠚᅗ࡜ྠᵝ࡞ࣇ࢕ࣝࢱ≉ᛶࢆ♧ࡍᅇ஠ࡣ࡝ࢀ࠿ࠋ
    ࠙AM40ࠚᅗࡢࡼ࠺࡞Ⴑຊࣃࣝࢫࡀ࠶ࡿࠋࡇࡢࣃࣝࢫࡢ࢚ࢿࣝࢠ࣮ࡣఱ J ࠿ࠋ
    1 2.5
    2 5
    3 25
    4 500
    5 2000
    0
    100
    Ⴑຊ[W]
    ᫬࿛[ms]
    50
    (1) (2) (3)
    (4) (5)
    ࠙AM34ࠚ


    1
    ࠙AM39ࠚ

    1
    2
    3
    4
    5
    ˜ᅇ
    ࠙AM21ࠚ
    1
    2
    3
    4
    5
    ࠙AM22ࠚ

    View Slide

  11. 演習解説
    ࠙AM23ࠚႱᅽ Vtᜫ 50 Ҁ
    2sin100ȧt>[email protected]ࢆ૷֤᢬ᢠ 50Ȑ࡟ຍ࠼ࡓࠋᾘ଍Ⴑຊࡣ࠸ࡃࡽ࠿ࠋ
    1 50W 2 100W 3 180W 4 250W 5 350W
    ࠙AM29ࠚᅗ࡜ྠᵝ࡞ࣇ࢕ࣝࢱ≉ᛶࢆ♧ࡍᅇ஠ࡣ࡝ࢀ࠿ࠋ
    ࠙AM40ࠚᅗࡢࡼ࠺࡞Ⴑຊࣃࣝࢫࡀ࠶ࡿࠋࡇࡢࣃࣝࢫࡢ࢚ࢿࣝࢠ࣮ࡣఱ J ࠿ࠋ
    1 2.5
    2 5
    3 25
    4 500
    5 2000
    0
    100
    Ⴑຊ[W]
    ᫬࿛[ms]
    50
    (1) (2) (3)
    (4) (5)
    ࠙AM34ࠚ


    1
    ࠙AM39ࠚ

    1
    2
    3
    4
    5
    ˜ᅇ
    ࠙AM21ࠚ
    1
    2
    3
    4
    5
    ࠙AM22ࠚ
    図のフィルタは,ローパスフィルタである.選択肢の中でローパスフィルタは4である.

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  12. 増幅度と利得

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  13. 増幅度,利得(ゲイン)
    • ⼊⼒がどれほど増幅されたかを,増幅度,利得(ゲイン)で表す.
    • 電圧増幅度
    • 電圧利得
    ૿෯ճ࿏
    ೖྗ୺ࢠ ग़ྗ୺ࢠ
    㸊WP
    㸊WJ
    㸊JP
    㸊JJ
    AAACfXichVHLSsNAFD2N7/qquhHcBEvFhZSbIiqC4GOhS19VQSUkcazBNAlJGtCqH+APuHClKCKiP+HGH3DhJ4hLBTeC3qYBUVHvMDNnztxz58yM7lqmHxA9JKSa2rr6hsamZHNLa1t7qqNzyXdKniHyhmM53oqu+cIybZEPzMASK64ntKJuiWV9e6qyvxwKzzcdezHYccV6USvY5qZpaAFTaqp7Wg3lMTlH8prlFNSyQvvy3oQa7qmpNGUpCvknUGKQRhyzTuoCa9iAAwMlFCFgI2BsQYPPbRUKCC5z6ygz5zEyo32BfSRZW+IswRkas9s8Fni1GrM2rys1/Uht8CkWd4+VMjJ0T5f0THd0RY/09mutclSj4mWHZ72qFa7afti98PqvqshzgK1P1Z+eA2xiJPJqsnc3Yiq3MKr6cPfoeWF0PlPuo1N6Yv8n9EC3fAM7fDHO58T8MZL8Acr35/4JlnJZZSibmxtMj0/GX9GIHvSin997GOOYwSzyfO4BznCNm8S7lJEGpGw1VUrEmi58CWn4A31Kkj0=
    Gv = 20 log10
    |Av
    | σγϕϧ
    AAACDHicbVDLSgMxFM3UV62vqks3wSK4KjNS1I1QHwuXFewDOsOQSTNtaCYZkkyhDPMBbvwVNy4UcesHuPNvTNsBtfVA4HDOudzcE8SMKm3bX1ZhaXllda24XtrY3NreKe/utZRIJCZNLJiQnQApwignTU01I51YEhQFjLSD4fXEb4+IVFTwez2OiRehPqchxUgbyS9XLv0RvIBuKBFO3RvCNIIjX2Q/nGYmZVftKeAicXJSATkafvnT7QmcRIRrzJBSXceOtZciqSlmJCu5iSIxwkPUJ11DOYqI8tLpMRk8MkoPhkKaxzWcqr8nUhQpNY4Ck4yQHqh5byL+53UTHZ57KeVxognHs0VhwqAWcNIM7FFJsGZjQxCW1PwV4gEyvWjTX8mU4MyfvEhaJ1XntFq7q1XqV3kdRXAADsExcMAZqINb0ABNgMEDeAIv4NV6tJ6tN+t9Fi1Y+cw++APr4xvJR5rb
    Av =
    vo
    vi
    ૿෯౓ͱརಘ͸ಉ
    ͡ҙຯͰಉ͡Α͏
    ʹ࢖͏৔߹΋͋Ε
    ͹ɼσγϕϧදࣔ
    ͷΈརಘͱ͍͏৔
    ߹΋͋Δɽจ຺Ͱ
    ൑அͯ͠΄͍͠ɽ

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  14. 対数の計算
    • 利得の計算をするためには対数の計算を習得する必要がある.次の公
    式を思い出そう.
    • aを底とし,M>0,N>0とする.
    AAACbHicbVFbSwJBGJ3dbmYX7fJQSDAkiRHZbkj1Eki99KIY5AVck9lx1MHZCzOzgSw+9Q976yf00m9o1DW8fTBwzvnOxzdzxvYZFdIwvjV9bX1jcyu2Hd/Z3dtPJA8Oq8ILOCYV7DGP120kCKMuqUgqGan7nCDHZqRm959H/doH4YJ67psc+KTpoK5LOxQjqaRW8jNjMa/bQtCEj9CwrPiUI8XNGZ4tli6VFLEivJrC0pzpZt51vcpVfOfKw/9drWTayBnjgsvAjEAaRFVuJb+stocDh7gSMyREwzR82QwRlxQzMoxbgSA+wn3UJQ0FXeQQ0QzHYQ3hhVLasONxdVwJx+rsRIgcIQaOrZwOkj2x2BuJq3qNQHYemiF1/UASF08WdQIGpQdHycM25QRLNlAAYU7VXSHuIY6wVP8TVyGYi09eBtXbnHmXy7/m04WnKI4YSIFzkAUmuAcF8ALKoAIw+NES2ol2qv3qx3pKP5tYdS2aOQJzpWf+ACI4sQA=
    loga
    1 = 0
    loga
    a = 1
    loga
    (MN) = loga
    M + loga
    N
    loga
    (M/N) = loga
    M loga
    N
    loga
    Mr = r loga
    M

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  15. 利得計算
    • 電圧増幅度Av=1/200のとき,電圧利得[dB]はいくらか.
    • 電圧利得が20[dB]の増幅器に電圧2Vの⼊⼒を与えた.出⼒電圧[V]は
    いくらか.

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  16. 利得計算
    • 電圧増幅度Av=1/200のとき,電圧利得 [dB] はいくらか.
    • 𝐺!
    = 20 log"#
    𝐴!
    = 20 log"#
    ( "
    $##
    ) = −20× log"#
    2 + log"#
    100
    • = −20× 0.3 + 2 ≈ −46[dB]
    • 電圧利得が20[dB]の増幅器に電圧2Vの⼊⼒を与えた.出⼒電圧[V]は
    いくらか.
    • 𝐺!
    = 20 = 20 log"#
    𝐴!
    • log"#
    𝐴!
    = 1
    • 𝐴!
    = 10倍
    • よって出⼒電圧は20V
    log!"
    100 = log!"
    10# = 2log!"
    10 = 2
    log!"
    200 = log!"
    2×100 = log!"
    2 + log!"
    100

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  17. パッシブフィルタと周波数特

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  18. RC直列回路

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  19. RC直列回路
    • 図のように抵抗とコンデンサを直列につなぐ.
    • 直列なので,各素⼦を流れる電流は等しく,各素⼦に加わる電圧の総和
    がab間の電圧となる.
    • 各素⼦に加わる電圧は,
    • ̇
    𝑉! = 𝑅 ̇
    𝐼, ̇
    𝑉" = #
    $%&
    ̇
    𝐼
    • ab間の電圧は
    • ̇
    𝑉 = ̇
    𝑉! + ̇
    𝑉" = 𝑅 ̇
    𝐼 + #
    $%"
    ̇
    𝐼 = 𝑅 + #
    $%"
    ̇
    𝐼

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  20. RC直列回路
    • ̇
    𝐼 = #
    !' !
    "#$
    ̇
    𝑉
    • よって,それぞれの素⼦に加わる電圧は
    • ̇
    𝑉! = !
    !' !
    "#$
    ̇
    𝑉
    • ̇
    𝑉" =
    !
    "#%
    !' !
    "#$
    ̇
    𝑉
    • これを⾒ると直流のときと同じで,各素⼦に加わる電圧はインピーダン
    スの⽐となっている.

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  21. RC直列回路
    • 抵抗の電圧と⼊⼒の⽐の⼤きさは

    ̇
    (&
    ̇
    (
    = !
    !' !
    "#$
    = !
    !'' !
    #'$'
    • この式から,抵抗の電圧の⼤きさは⼊⼒の周波数が⼤きくなればなるほ
    ど⼤きくなる事がわかる.
    • ⼊⼒電圧と抵抗の電圧の位相差は
    • 𝜃! = tan*# %!"
    %'!'"'
    = tan*# #
    %"!
    ̇
    𝑉(
    ̇
    𝑉
    =
    𝑅
    𝑅 +
    1
    𝑗𝜔𝐶
    =
    𝑗𝜔𝑅𝐶
    𝑗𝜔𝑅𝐶 + 1
    =
    𝑗𝜔𝑅𝐶 1 − 𝑗𝜔𝑅𝐶
    𝑗𝜔𝑅𝐶 + 1 1 − 𝑗𝜔𝑅𝐶
    =
    𝜔*𝑅*𝐶* + 𝑗𝜔𝑅𝐶
    1 + 𝜔*𝑅*𝐶*

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  22. RC直列回路
    • コンデンサの電圧と⼊⼒の⽐の⼤きさは

    ̇
    ()
    ̇
    (
    =
    !
    "#$
    !' !
    "#$
    = #
    #'$%!"
    = #
    #'%'!'"'
    • この式から,コンデンサの電圧の⼤きさは⼊⼒の周波数が⼤きくなれば
    なるほど⼩さくなる事がわかる.
    • ⼊⼒電圧とコンデンサの電圧の位相差は
    • 𝜃" = tan*# −𝜔𝐶𝑅 = −tan*# 𝜔𝐶𝑅
    ̇
    𝑉*
    ̇
    𝑉
    =
    1
    𝑗𝜔C
    𝑅 +
    1
    𝑗𝜔𝐶
    =
    1
    𝑗𝜔𝑅𝐶 + 1
    =
    1 − 𝑗𝜔𝑅𝐶
    𝑗𝜔𝑅𝐶 + 1 1 − 𝑗𝜔𝑅𝐶

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  23. RCフィルタ

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  24. RCローパスフィルタ
    • 抵抗RとコンデンサCで構成されるローパスフィルタの回路は図のよう
    になる.
    • RC直列回路のコンデンサにかかる電圧を出⼒として取り出したものと
    ⾔える.

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  25. 極めて簡単な解釈
    • コンデンサは交流を流しやすいので,交流の場合コンデンサは短絡し
    ているとみなせる.よって,抵抗で電圧降下が起こり𝑣+
    に𝑣,
    が現れな
    い.
    • ⾼周波数の成分がV0に現れない.
    • コンデンサは直流を通さないので,直流の場合コンデンサは開放とみ
    なせる.つまり,コンデンサのインピーダンスが極めて⼤きく,コン
    デンサで電圧降下が起こり,𝑉
    + = 𝑉,
    となる.
    • 低周波数成分が𝑉
    %
    に現れる.
    (藤井,なっとくする電子回路)

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  26. ゲインの計算
    • この回路はRC直列回路となっているので,Voutは
    • ̇
    𝑉+-. =
    !
    "#%
    !' !
    "#$
    ̇
    𝑉,/ = #
    #'$%!"
    ̇
    𝑉,/
    • Voutに対するVinの⽐をゲインGとすると
    • 𝐺 =
    ̇
    (+,-
    ̇
    (./
    =
    !
    "#$
    !' !
    "#$
    = #
    #'$%!"
    = #
    #'%'!'"'
    • Voutの位相のずれθoutは
    • 𝜃+-. = − tan*# 𝜔𝑅𝐶 = − tan*# 2𝜋𝑓𝑅𝐶
    • ゲインGがフィルタの特性を表す.

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  27. カットオフ周波数
    • ゲインが1/ 2のときの周波数fをカットオフ周波数fcと⾔う.
    • ̇
    ()
    ̇
    (./
    = #
    #' %"! '
    • カットオフ周波数のとき出⼒の振幅の⼤きさは⼊⼒の #
    0
    だから
    • 1 + 𝜔1𝐶𝑅 0 = 2
    • よってカットオフ周波数fcは
    • 𝜔1 = #
    "!
    = 2𝜋𝑓1
    • 𝑓1 = #
    02"!

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  28. デシベル
    • ゲインの⼤きさは通常デシベル[dB]で表される.
    • デシベルは次のように定義される.
    • RCローパスフィルタではデシベルで表されるゲインgは
    • となる.

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  29. カットオフ周波数とゲイン
    • ゲインが1/√2のときの周波数fをカットオフ周波数fcと⾔う.
    • カットオフ周波数がfcのとき,ゲイン[dB]は約-3[dB]となる.
    カットオフ周波数のときゲインが約-3[dB]となることを確認せよ.

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  30. RCローパスフィルタの周波数特性
    • 周波数に対するゲインの変化の特性を周波数特性と⾔う.周波数特性
    はフィルタの特性を知る上で重要なものである.
    R=100Ω,C=0.022μF

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  31. RCローパスフィルタの周波数特性
    • ファルタの出⼒が1/ 2(おおよそ-3dB)になる周波数をカットオフ周
    波数(遮断周波数)という.
    (https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%81%AE%E6%96%AD%E5%91%A8%E6%B3%A2%E6%95%B0)
    信号を通過
    信号を遮断
    ローパスフィルタの利得の例

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  32. RCハイパスフィルタ
    • コンデンサを⽤いることでハイパスフィルタを作ることができる.回
    路図を⾒てみると分かる通り,ローパスフィルタのCとRを⼊れ替えた
    回路になっている.
    • 特性もRCローパスフィルタの逆になる.

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  33. 問題解説
    • 図の回路に正弦波(実効値2.8V,⾓周波数1×103rad/s)を⼊⼒した.
    出⼒電圧(実効値)はおよそ何Vか.(第42回ME2種)
    1. 0.5
    2. 0.7
    3. 1.0
    4. 1.4
    5. 2.0

    View Slide

  34. 問題解説
    • 図の回路に正弦波(実効値2.8V,⾓周波数1×103rad/s)を⼊⼒した.
    出⼒電圧(実効値)はおよそ何Vか.(第42回ME2種)
    1. 0.5
    2. 0.7
    3. 1.0
    4. 1.4
    5. 2.0 ̇
    𝑉+,-
    = ̇
    𝑉./
    ×
    1
    𝑗𝜔𝐶
    𝑅 + 𝑗𝜔𝐶
    ̇
    𝑉+,-
    ̇
    𝑉./
    =
    1
    𝑗𝜔𝐶
    𝑅 +
    1
    𝑗𝜔𝐶
    =
    1
    1 + 𝜔𝐶𝑅 *
    =
    1
    1 + (1×100×1012×100)
    =
    1
    1 + 1
    =
    1
    2
    よって出⼒電圧Voutの実効値は
    2.8
    2

    2.8
    1.4
    = 2

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  35. 問題解説
    • 図の交流回路で,R,Cの両端の電圧(実効値)は図の⽰す値であっ
    た.電源電圧𝑒(実効値)は何Vか.(第36回ME2種)

    View Slide

  36. 問題解説
    • 図の交流回路で,R,Cの両端の電圧(実効値)は図の⽰す値であっ
    た.電源電圧𝑒(実効値)は何Vか.(第36回ME2種)
    抵抗の電圧は ̇
    𝑉3
    = 3
    34 !
    "#$
    ̇
    𝑉
    コンデンサの電圧は ̇
    𝑉5
    =
    !
    "#%
    34 !
    "#$
    ̇
    𝑉
    それぞれの電圧の位相差は ̇
    7&
    ̇
    7$
    =
    &
    &'
    !
    "#$
    !
    "#%
    &'
    !
    "#$
    = 𝑗𝜔𝑅𝐶だから,
    90度である.
    フェーザ図を書くと右図のようになる.
    よってeの実効値は
    2 2
    ̇
    𝑉!
    ̇
    𝑉"
    ̇
    𝑉!
    ̇
    𝑉"
    ̇
    𝑉

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  37. 問題解説
    • 図の回路で,ある周波数fでの減衰量は-40dBであった.fの10倍の周
    波数における減衰量[dB]はどれか.(第39回ME2種)
    1. -4
    2. -20
    3. -60
    4. -80
    5. -400

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  38. 問題解説
    • 図の回路で,ある周波数fでの減衰量は-40dBであった.fの10倍の周
    波数における減衰量[dB]はどれか.(第39回ME2種)
    1. -4
    2. -20
    3. -60
    4. -80
    5. -400
    20 log#$
    ̇
    𝑉
    %
    ̇
    𝑉&'
    = −40
    ̇
    𝑉
    %
    ̇
    𝑉&'
    =
    1
    100
    =
    1
    1 + 2𝜋𝑓𝐶𝑅 (
    1 + 2𝜋𝑓𝐶𝑅 ( = 10000
    𝐶𝑅 ( =
    9999
    4𝜋(𝑓(
    任意の周波数fʼのときのゲインは
    ̇
    𝑉
    %
    ̇
    𝑉&'
    =
    1
    1 + 𝑓)(
    9999
    𝑓(
    よって fʼ=10fのときのゲインgは
    ̇
    𝑉
    %
    ̇
    𝑉&'
    =
    1
    1 + 999900
    =
    1
    999901

    1
    1000000
    =
    1
    1000
    𝑔 = 20log#$
    1
    1000
    = −60
    今回は 2𝜋𝑓𝐶𝑅 (が⼗分⼤き
    いから分⺟の1を無視して計
    算しても良い.

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  39. RLフィルタ

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  40. LRローパスフィルタ
    • ローパスフィルタはコンデンサを⽤いたCRローパスフィルタのみでは
    なく,インダクタを⽤いたLRローパスフィルタも存在する.
    • インダクタはコンデンサと性質が逆なので,回路も逆になる.

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  41. ゲインの計算
    • この回路はRL直列回路となっているので,Voutは
    • ̇
    𝑉+-. = !
    !'$%4
    ̇
    𝑉,/ = #
    #'"#D
    &
    ̇
    𝑉,/
    • Voutに対するVinの⽐をゲインGとすると
    • 𝐺 =
    ̇
    | (+,-
    ̇
    (./
    | = !
    !'$%4
    = #
    #'#'D'
    &'
    • Voutの位相のずれθoutは
    • 𝜃+-. = − tan*# !
    %4
    = − tan*0 !
    0254
    • ゲインGがフィルタの特性を表す.

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  42. カットオフ周波数
    • ゲインgが1/ 2のときの周波数fをカットオフ周波数fcと⾔う.
    • 𝐺 =
    ̇
    (+,-
    ̇
    (./
    = #
    #'#'D'
    &'
    • カットオフ周波数のとき出⼒の振幅の⼤きさは⼊⼒の #
    0
    だから
    • 1 + %)4
    !
    0
    = 2
    • よってカットオフ周波数fcは
    • 𝜔1 = !
    4
    = 2𝜋𝑓1
    • 𝑓1 = !
    024

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  43. デシベル
    • ゲインの⼤きさは通常デシベル[dB]で表される.
    • デシベルは次のように定義される.
    • RCローパスフィルタではデシベルで表されるゲインgは
    • 𝑔 = 20 log#6
    #
    #'#'D'
    &'
    = −10 log#6(1 + %'4'
    !'
    )
    • となる.

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  44. LRローパスフィルタの周波数特性
    R=100Ω,L=0.022μH

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  45. LRハイパスフィルタ
    • コイルを⽤いることでハイパスフィルタを作ることができる.回路図
    を⾒てみると分かる通り,ローパスフィルタのLとRを⼊れ替えた回路
    になっている.

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  46. RLC直列回路

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  47. RLC直列回路
    • 抵抗,インダクタ,コンデンサを直列につないだものをRLC直列回路
    という.
    • ab間のインピーダンスは
    • ̇
    𝑍 = 𝑅 + 𝑗𝜔𝐿 + #
    $%"
    = 𝑅 + 𝑗(𝜔𝐿 − #
    %"
    )
    • インピーダンスの⼤きさは
    • ̇
    𝑍 = 𝑅0 + 𝜔𝐿 − #
    %"
    0
    • インピーダンスの⼤きさが最⼩となるのは
    • 𝜔𝐿 = #
    %"
    のとき
    • このときの⾓周波数は 𝜔6 = #
    4"

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  48. RLC直列回路
    • ⾓周波数が𝜔6 = #
    4"
    のときインピーダンスが最⼩となる.
    • つまり,ab間を流れる電流は最⼤となる.
    • また,このとき,インピーダンスの虚数成分はゼロとなり電圧と電流
    は同位相となる.
    • インピーダンスが最⼩となるときを共振という.
    • RLC直列回路が共振のとき
    • インピーダンスは最⼩で,Rのみ
    • 𝜔#
    = "
    &'
    • 電圧と電流の位相は0

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  49. Q値
    • 図の回路のab間を流れる電流は
    • ̇
    𝐼 =
    ̇
    (
    ̇
    7
    =
    ̇
    (
    !'$(%4* !
    #$
    )
    • 電流の⼤きさは
    • ̇
    |𝐼| =
    ̇
    (
    !'' %4* !
    #$
    '
    • 電流の⼤きさと⾓周波数の関係は図のようになる.
    • 図を⾒ても分かる通り,RLC直列回路では共振周波数のとき最も電流
    が流れる.
    • この性質を⽤い,任意の周波数成分のみ電流が流れるようなフィルタ
    をRLC回路で作成できる.
    電流
    ⾓周波数

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  50. Q値
    • 理想的には,任意の周波数(共振周波数)の電流のみ流し
    たい.
    • しかし,現実には共振周波数の周りの電流も流れる.
    • 良いフィルタ回路は,共振周波数の周りの電流がなるべく
    流れない.
    • そこで,フィルタ回路の性能を表す指標としてQ値を導⼊
    する.
    • Q値は次のように定義される.
    • 𝑄 = 4!
    4"54#
    • ⾒ての通りQ値は電流のグラフの尖りの幅が狭ければ狭い
    ほど⼤きな数値となる.つまりQ値が⼩さければ⼩さいほ
    ど共振周波数の周りの電流を流してしまい,性能が低いこ
    とを意味する.

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  51. RLC直列回路
    • ab間の合成インピーダンスは
    • ̇
    𝑍 = 𝑅 + 𝑗𝜔𝐿 + #
    $%"
    = 𝑅 + 𝑗(𝜔𝐿 − #
    %"
    )
    • 各素⼦にかかる電圧は
    • ̇
    𝑉! = ̇
    𝐸 !
    ̇
    7
    • ̇
    𝑉4 = ̇
    𝐸 $%4
    ̇
    7
    • ̇
    𝑉" = ̇
    𝐸 #
    $%" ̇
    7
    • 各素⼦に流れる電流は等しい.
    • ̇
    𝐼 =
    ̇
    :
    ̇
    7

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  52. 問題解説
    • 正弦波交流電源に抵抗器,インダクタ,キャパシタ各1個を直列に接続
    した.各素⼦の両端電位差(実効値)を測定したところ,抵抗器は
    10V,インダクタとキャパシタは5Vであった.電源電圧の実効値は何
    Vか.(第39回ME2種)
    1. 5
    2. 10
    3. 15
    4. 20
    5. 25

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  53. 問題解説
    • 正弦波交流電源に抵抗器,インダクタ,キャパシタ各1個を直列に接続
    した.各素⼦の両端電位差(実効値)を測定したところ,抵抗器は
    10V,インダクタとキャパシタは5Vであった.電源電圧の実効値は何
    Vか.(第39回ME2種)
    1. 5
    2. 10
    3. 15
    4. 20
    5. 25
    抵抗の電圧をVR,コンデンサの電圧をVC,インダクタの電圧を
    VLとする.
    ̇
    𝑉3
    = 𝑅 ̇
    𝐼, ̇
    𝑉5
    =
    1
    𝑗𝜔𝐶
    ̇
    𝐼, ̇
    𝑉8
    = 𝑗𝜔𝐿 ̇
    𝐼
    Rを基準としたそれぞれの位相差は
    𝜃83
    = ∠
    ̇
    𝑉8
    𝑉3
    = ∠
    𝑗𝜔𝐿
    𝑅
    = 90,𝜃53
    = ∠
    ̇
    𝑉8
    𝑉3
    = ∠ −𝑗
    1
    𝜔𝐶𝑅
    = −90
    よって,フェーザ図は右図のようになる.
    電源電圧はすべてのベクトルを⾜したものになるので,
    10V
    ̇
    𝑉!
    ̇
    𝑉"
    ̇
    𝑉*

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  54. 問題
    • 図の交流回路で𝑅, 𝐿, 𝐶の両端電圧(実効値)がそれぞれ3V, 6V, 2Vで
    あった.電源電圧𝐸(実効値)は何Vか.(第37回ME2種)
    1. 2
    2. 5
    3. 7
    4. 9
    5. 11

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  55. 問題
    • 図の交流回路で𝑅, 𝐿, 𝐶の両端電圧(実効値)がそれぞれ3V, 6V, 2Vで
    あった.電源電圧𝐸(実効値)は何Vか.(第37回ME2種)
    1. 2
    2. 5
    3. 7
    4. 9
    5. 11
    各素⼦に流れる電流は同じなので,各素⼦の
    電圧は次のように書ける.
    ̇
    𝑉3
    = 𝑅 ̇
    𝐼
    ̇
    𝑉8
    = 𝑗𝜔𝐿 ̇
    𝐼
    ̇
    𝑉3
    =
    1
    𝑗𝜔𝐶
    ̇
    𝐼
    つまり,抵抗に掛かる電圧に対し,インダク
    タは𝜋/2,コンデンサは−𝜋/2位相がずれてい
    る.
    それぞれの電圧をフェーザ図でかくと図のよ
    うになる.
    よって電源電圧は
    𝐸 = ̇
    𝑉3
    + ̇
    𝑉8
    − ̇
    𝑉5
    = 3* + 6 − 2 *
    = 9 + 16 = 25 = 5𝑉
    ̇
    𝑉5
    ̇
    𝑉3
    ̇
    𝑉8
    ̇
    𝑉8
    − ̇
    𝑉5
    ̇
    𝐸

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  56. 問題解説
    • 図のRLC直列共振回路のQ値(Quality factor)に最も近いのはどれか.(
    第40回ME2種)
    1. 1
    2. 2
    3. 3
    4. 4
    5. 5

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  57. 問題解説
    • 図のRLC直列共振回路のQ値(Quality factor)に最も近いのはどれか.(
    第40回ME2種)
    1. 1
    2. 2
    3. 3
    4. 4
    5. 5
    RLC直列回路のインピーダンスは
    ̇
    𝑍 = 𝑅 +
    1
    𝑗𝜔𝐶
    + 𝑗𝜔𝐿 = 𝑅 + 𝑗(𝜔𝐿 −
    1
    𝜔𝐶
    )
    ̇
    𝑍 = 𝑅* + 𝜔𝐿 −
    1
    𝜔𝐶
    *
    共振周波数はインピーダンスが最⼩のときな
    ので,このときの⾓周波数は
    𝜔9
    𝐿 −
    1
    𝜔9
    𝐶
    = 0
    𝜔9
    =
    1
    𝐿𝐶
    Q値は次のように定義される.
    𝑄 =
    𝜔9
    𝜔*
    − 𝜔:
    𝜔:
    と𝜔*
    はアドミタンス(イン
    ピーダンスの逆数)が共振周
    波数のときのアドミタンスの :
    *
    のときの⾓周波数なので,
    ̇
    𝑍
    ̇
    𝑍9
    =
    𝑅* + 𝜔𝐿 −
    1
    𝜔𝐶
    *
    𝑅
    = 2
    𝑅* + 𝜔𝐿 −
    1
    𝜔𝐶
    *
    = 2𝑅*
    𝜔𝐿 −
    1
    𝜔𝐶
    *
    = 𝑅*
    𝐿𝜔* ± 𝑅𝜔 −
    1
    𝐶
    = 0

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  58. 問題解説
    • 図のRLC直列共振回路のQ値(Quality factor)に最も近いのはどれか.(
    第40回ME2種)
    1. 1
    2. 2
    3. 3
    4. 4
    5. 5
    𝐿𝜔* ± 𝑅𝜔 −
    1
    𝐶
    = 0
    𝜔 = 3± 3(1<85
    *8
    or 𝜔 = 13± 3(1<85
    *8
    𝜔*
    − 𝜔:
    =
    𝑅
    𝐿
    𝑄 =
    𝜔9
    𝜔*
    − 𝜔:
    =
    1
    𝐿𝐶
    𝑅
    𝐿
    =
    𝐿
    𝑅*𝐶
    よって
    𝑄 =
    4×1010
    100*×0.1×1012
    = 4 = 2

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  59. RLC並列回路

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  60. RLC並列回路
    • 抵抗,インダクタ,コンデンサを並列につないだものをRLC直列回路とい
    う.
    • この回路の合成アドミタンス(インピーダンスの逆数)は
    • D
    ̇
    E
    = D
    F
    + D
    G4H
    + 𝑗𝜔𝐶 = D
    F
    + 𝑗(𝜔C − D
    4H
    )
    • アドミッタンスの⼤きさは
    • ̇
    𝑍 = 𝑅I + 𝜔𝐶 − D
    4H
    I
    • アドミタンスの⼤きさが最⼩となるのは
    • 𝜔𝐿 = D
    4J
    のとき
    • このときの⾓周波数は 𝜔K
    = D
    HJ
    • このとき,並列回路は共振しているという.

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  61. RLC並列回路
    • この回路の合成アドミタンス(インピーダンスの逆数)は
    • #
    ̇
    7
    = #
    !
    + #
    $%4
    + 𝑗𝜔𝐶 = #
    !
    + 𝑗(𝜔C − #
    %4
    )
    • 各素⼦にかかる電圧は等しい.
    • 各素⼦に流れる電流は
    • ̇
    𝐼! =
    ̇
    (
    !
    • ̇
    𝐼4 =
    ̇
    (
    $%4
    • ̇
    𝐼" = 𝑗𝜔𝐶 ̇
    𝑉

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  62. 問題解説
    • 図の回路が共振状態にある時,抵抗器に流れる電流は何Aか.ただし,
    𝑅 = 200Ω,𝐿 = 1.6mH,𝐶 = 100μF,𝐸 = 100V(実効値)とする.(
    第38回ME2種)
    • 0.5
    • 1.0
    • 1.5
    • 2.0
    • 5.0

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  63. 問題解説
    • 図の回路が共振状態にある時,抵抗器に流れる電流は何Aか.ただし,
    𝑅 = 200Ω,𝐿 = 1.6mH,𝐶 = 100μF,𝐸 = 100V(実効値)とする.(
    第38回ME2種)
    1. 0.5
    2. 1.0
    3. 1.5
    4. 2.0
    5. 5.0
    この回路のアドミタンスは
    1
    ̇
    𝑍
    =
    1
    𝑅
    + 𝑗𝜔𝐶 +
    1
    𝑗𝜔𝐿
    =
    1
    𝑅
    + 𝑗(𝜔𝐶 −
    1
    𝜔𝐿
    )
    1
    ̇
    𝑍
    =
    1
    𝑅E
    + 𝜔𝐶 −
    1
    𝜔𝐿
    E
    これが最⼩の時,共振している.
    最⼩値は F
    ̇
    G
    = F
    (
    となる.すなわち,
    Rのみの回路と⾒なせる.
    よって,抵抗器に流れる電流は
    100/200=0.5A

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  64. 問題
    • 図の回路に置いて,電源を流れる電流Iが10A,LとCを流れる電流がそ
    れぞれ2A,8Aであった.抵抗Rに流れる電流は何Aか.(第42回ME2種)
    1. 0
    2. 6
    3. 8
    4. 10
    5. 20

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  65. 問題
    • 図の回路に置いて,電源を流れる電流Iが10A,LとCを流れる電流がそ
    れぞれ2A,8Aであった.抵抗Rに流れる電流は何Aか.(第42回ME2種)
    1. 0
    2. 6
    3. 8
    4. 10
    5. 20
    各素⼦に流れる電流は
    ̇
    𝐼3
    =
    ̇
    𝑉
    𝑅
    ̇
    𝐼8
    =
    ̇
    𝑉
    𝑗𝜔𝐿
    ̇
    𝐼5
    = 𝑗𝜔𝐶 ̇
    𝑉
    であるから,抵抗を流れる電流 ̇
    𝐼3
    に対し,コイルを流れる電
    流 ̇
    𝐼8
    は−𝜋/2,コンデンサを流れる電流は ̇
    𝐼5
    は 𝜋/2位相がずれて
    いる.これをフェーザ図で書くと図のようになる.
    回路を流れる電流 ̇
    𝐼は各素⼦に流れる電流の合成なので, 抵抗
    を流れる電流 ̇
    𝐼3

    ̇
    |𝐼3
    | = | ̇
    𝐼 − ( ̇
    𝐼5
    + ̇
    𝐼8
    )| = 10* − 8 − 2 * = 64 = 8
    である.
    ̇
    𝐼*
    ̇
    𝐼"
    ̇
    𝐼!
    ̇
    𝐼!
    + ̇
    𝐼*
    ̇
    𝐼

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  66. RLCフィルタ

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  67. RLCフィルタ
    • RLCフィルタは抵抗,コイル,コンデンサを⼀つづつ⽤いたフィルタ
    である.
    • RLCフィルタは,回路の構成によりローパスフィルタ,ハイパスフィ
    ルタ,バンドパスフィルタを実現できる.
    R=100Ω,C=10μF,L=0.022μH

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  68. 問題解説
    • ⼊⼒信号Viの周波数が無限⼤になっても出⼒信号Voが0にならない回
    路はどれか.(第37回ME2種)

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  69. 問題解説
    • ⼊⼒信号Viの周波数が無限⼤になっても出⼒信号Voが0にならない回
    路はどれか.(第37回ME2種)
    周波数が無限⼤になると,インダクタはインピーダ
    ンス無限⼤になる.よって,⼊⼒にインダクタがつ
    いている1,2,3は間違いである.
    ⼀⽅,コンデンサのインピーダンスは0になる.
    5は抵抗とコンデンサが並列につながっているため
    ,周波数無限⼤になると,コンデンサが短絡状態に
    なり,Voは0となる.
    4はコンデンサが短絡状態になっても抵抗があるた
    め抵抗で電圧降下が起こりVoは値を持つ.

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  70. 覚えること
    • コンデンサ,コイルの特性
    • CRフィルタ:コンデンサは積分,抵抗は微分
    • グラフでイメージを掴む
    • コンデンサは電荷を徐々に貯めるから,徐々に電圧が上がる.
    • 充電時の電圧変化は𝑉*
    = 𝑉I
    (1 − 𝑒J=
    >), 𝑉(
    = 𝑉I
    𝑒J=
    >,放電時は逆
    • LRフィルタはコンデンサと逆
    • カットオフ周波数
    • CRフィルタ:𝑓(
    = "
    $)'*
    • LRフィルタ:𝑓(
    = "
    $)&/*
    • 時定数
    • CRフィルタ:𝜏 = 𝐶𝑅
    • LRフィルタ:𝜏 = 𝐿/𝑅
    Vc
    ⼊⼒Vi
    R
    C
    VR

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