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電気工学II第10回 /eleceng2_10

電気工学II第10回 /eleceng2_10

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Kazuhisa Fujita

March 27, 2023
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  1. パッシブフィルタとは • 受動素子のみ(抵抗,コンデンサ,インダクタ)で構成されるフィルタ回路 (wikipediaより) • 安定 • 簡単 • 安価

    • 大電力を扱える • 高周波動作が可能 • 電源がいらない • アクティブフィルタに関しては後で
  2. LCRを使ったフィルタの例 • ローパスフィルタ(低域通過フィルタ) • 信号の低周波数成分を通過させるフィルタ • ハイパスフィルタ(高域通過フィルタ) • 信号の高周波数成分を通過させるフィルタ ローパスフィルタ

    ハイパスフィルタ キャパシタとインダクタの場所が入れ替わっている.キャパシタとインダクタの電流の周波 数に対する性質が逆だから. 典型的なフィルタ回路
  3. RCローパスフィルタの直感的理解 Vr Vc 入力Vi 入力ViはVrとVcに分けられる(分圧). R C 出力VoはVcは並列の関係なので等しい.つまりVoも周波数が低けれ ば低いほど大きく,高ければば小さい.見方を変えると,この回路 は周波数が低い入力を通しやすいといえる(ローパスフィルタ).

    Vr Vc=出力Vo 入力Vi R C Cのインピーダンスは 1 𝑗𝜔𝐶 なので,Viの周波数が低 ければ低いほどCのインピーダンスの大きさは大き くなる.つまり,Viの周波数が低ければ低いほど Vcは高い. Vr Vc 入力Vi R C VcはCのインピーダンスの大きさが大きければ大 きいほど大きくなる. Vr Vc 入力Vi R C 1 2 3 4 左の回路は,この回路だと思おう.
  4. 4端子な回路図 RC直列回路のコンデンサの部分に並 列になにか回路が繋がっている. 𝑅 𝐶 𝑉𝑖 なにか の回路 𝑉 𝑜

    交流電源となにかの回路の図を取り除く. ここで4端子の回路図になる. 𝑉𝑖 𝑅 𝐶 𝑉 𝑜 点線で囲まれた部分を大きな四角で表現する.大きな四角はローパスフィルタの機能を持っ ている.この図では,四角の機能がローパスフィルタなら四角の中の回路は何でも良い. 𝑉𝑖 𝑉 𝑜
  5. 増幅度,利得(ゲイン) • 入力がどれほど増幅されたかを,増幅度,利得(ゲイン)で表す. • 電圧増幅度 • 電圧利得 増幅回路 入力端子 出力端子

    ⊿𝑉 𝑜 ⊿𝑉𝑖 [dB] デシベル 増幅度と利得は同 じ意味で同じよう に使う場合もあれ ば,デシベル表示 のみ利得という場 合もある.文脈で 判断してほしい. 𝐴𝑣 = 出力 入力 = Δ𝑉 𝑜 Δ𝑉𝑖 𝐺𝑣 = 20 log10 |𝐴𝑣 | 倍
  6. 利得計算 • 電圧増幅度Av=1/200のとき,電圧利得 [dB] はいくらか. • 𝐺𝑣 = 20 log10

    𝐴𝑣 = 20 log10 ( 1 200 ) = −20 × log10 2 + log10 100 • = −20 × 0.3 + 2 ≈ −46[dB] • 電圧利得が20[dB]の増幅器に電圧2Vの入力を与えた.出力電圧[V]はいくらか . • 𝐺𝑣 = 20 = 20 log10 𝐴𝑣 • log10 𝐴𝑣 = 1 • 𝐴𝑣 = 10倍 • よって出力電圧は20V log10 100 = log10 102 = 2log10 10 = 2 log10 200 = log10 2 × 100 = log10 2 + log10 100
  7. RC直列回路 • 図のように抵抗とコンデンサを直列につなぐ. • 直列なので,各素子を流れる電流は等しく,各素子に加わる電圧の総和がab間 の電圧となる. • 各素子に加わる電圧は, • ሶ

    𝑉𝑅 = 𝑅 ሶ 𝐼, ሶ 𝑉𝐶 = 1 𝑗𝜔C ሶ 𝐼 • ab間の電圧は • ሶ 𝑉 = ሶ 𝑉𝑅 + ሶ 𝑉𝐶 = 𝑅 ሶ 𝐼 + 1 𝑗𝜔𝐶 ሶ 𝐼 = 𝑅 + 1 𝑗𝜔𝐶 ሶ 𝐼 = 𝑅 − 𝑗 1 𝜔𝐶 ሶ 𝐼 ሶ 𝑉 ሶ 𝐼 ሶ 𝑉𝑅 ሶ 𝑉𝐶 𝜃𝐼 𝜃𝑉 合成インピ ーダンス フェーザ図 ベクトルの大きさ:実効値 角度:位相 容量性リア クタンス 𝑎 𝑏
  8. RC直列回路 • ሶ 𝐼 = 1 𝑅+ 1 𝑗𝜔𝐶 ሶ

    𝑉 • よって,それぞれの素子に加わる電圧は • ሶ 𝑉𝑅 = 𝑅 𝑅+ 1 𝑗𝜔𝐶 ሶ 𝑉 • ሶ 𝑉𝐶 = 1 𝑗𝜔C 𝑅+ 1 𝑗𝜔𝐶 ሶ 𝑉 • この式を見ると,直流のときと同様に各素子に加わる電圧はインピーダンスの 比となっている事が分かる. ሶ 𝑉 ሶ 𝐼 ሶ 𝑉𝑅 ሶ 𝑉𝐶 𝜃𝐼 𝜃𝑉
  9. RC直列回路 • 抵抗の電圧と入力の比の大きさは • ሶ 𝑉𝑅 ሶ 𝑉 = 𝑅

    𝑅+ 1 𝑗𝜔𝐶 = 𝑅 𝑅2+ 1 𝜔2𝐶2 = 1 1+ 1 𝜔2𝑅2𝐶2 • この式から,抵抗の電圧の大きさは入力の周波数が大きくなればなるほど大き くなる事がわかる. • 入力電圧と抵抗の電圧の位相差は • 𝜃𝑅 = tan−1 1 𝜔𝐶 𝑅 = tan−1 1 𝜔𝑅𝐶 ሶ 𝑉𝑅 ሶ 𝑉 = 𝑅 𝑅 + 1 𝑗𝜔𝐶 = 𝑅 𝑅 − 𝑗 1 𝜔𝐶 = 𝑅 𝑅2 + 1 𝜔𝐶 2 𝑅 + 𝑗 1 𝜔𝐶 𝑅 1 𝜔𝐶 𝑅 + 𝑗 1 𝜔𝐶
  10. RC直列回路 • コンデンサの電圧と入力の比の大きさは • ሶ 𝑉𝑐 ሶ 𝑉 = 1

    𝑗𝜔𝐶 𝑅+ 1 𝑗𝜔𝐶 = 1 1+𝑗𝜔𝑅𝐶 = 1 1+𝜔2𝑅2𝐶2 • この式から,コンデンサの電圧の大きさは入力の周波数が大きくなればなるほ ど小さくなる事がわかる. • 入力電圧とコンデンサの電圧の位相差は • 𝜃𝐶 = −tan−1 𝜔𝐶𝑅 ሶ 𝑉𝐶 ሶ 𝑉 = 1 𝑗𝜔C 𝑅 + 1 𝑗𝜔𝐶 = 1 𝑗𝜔𝑅𝐶 + 1 = 1 1 + 𝜔𝑅𝐶 2 1 − 𝑗𝜔𝑅𝐶
  11. RCローパスフィルタ • 抵抗RとコンデンサCで構成されるローパスフィルタの回路は図のようになる. • ローパスフィルタはRC直列回路のコンデンサにかかる電圧𝑉𝐶 を出力𝑉𝑜𝑢𝑡 とし て取り出したものと言える. 𝑉𝐶 =

    𝑉𝑜𝑢𝑡 RCローパスフィルターは,RC直列回路のコンデンサにかかる電圧𝑉𝐶 を出力とみなしたものである. コンデンサに並列に新たな回路を加えるため,追加した回路の入力電圧(フィルタから見れば出力電 圧)は𝑉𝐶 となるからである.
  12. ゲインの計算 • この回路はRC直列回路となっているので, ሶ 𝑉𝑜𝑢𝑡 は • ሶ 𝑉𝑜𝑢𝑡 =

    1 𝑗𝜔C 𝑅+ 1 𝑗𝜔𝐶 ሶ 𝑉𝑖𝑛 = 1 1+𝑗𝜔𝑅𝐶 ሶ 𝑉𝑖𝑛 • ሶ 𝑉𝑜𝑢𝑡 に対する ሶ 𝑉𝑖𝑛 の比を増幅度を𝐴𝑣 とすると • 𝐴𝑣 = ሶ 𝑉𝑜𝑢𝑡 ሶ 𝑉𝑖𝑛 = 1 𝑗𝜔𝐶 𝑅+ 1 𝑗𝜔𝐶 = 1 1+𝑗𝜔𝑅𝐶 = 1 1+𝜔2𝑅2𝐶2 • ゲイン𝐺は • 𝐺 = 20 log10 𝐴𝑣 = 20 log10 1 1+𝜔2𝑅2𝐶2 • ሶ 𝑉𝑜𝑢𝑡 の位相差𝜃𝑜𝑢𝑡 は • 𝜃𝑜𝑢𝑡 = − tan−1 𝜔𝑅𝐶 = − tan−1 2𝜋𝑓𝑅𝐶 • 増幅度,ゲイン,位相差がフィルタの特性を表す. ሶ 𝑉𝑖𝑛 ሶ 𝑉𝑜𝑢𝑡
  13. RCローパスフィルタの周波数特性 • 周波数に対するゲインと位相差の変化の特性を周波数特性と言う.周波数特性 はフィルタの特性を知る上で重要なものである. R=100Ω,C=0.022μF ゲイン 位相差 入力 ≅ 出力

    つまり,低周波 数成分が通過す る(ローがパス する). 20 log10 𝐴 = 0 (dB)のとき𝐴 = 1 だから,入力と出 力の大きさが同じ ことを意味する. 入力 > 出力 つまり,高周波数成 分は通過しにくい.
  14. カットオフ周波数 • 増幅度が1/ 2のときの周波数𝑓をカットオフ周波数𝑓𝑐 と言う. • ሶ 𝑉𝑐 ሶ 𝑉𝑖𝑛

    = 1 1+ 𝜔𝐶𝑅 2 • カットオフ周波数のとき出力の振幅の大きさは入力の 1 2 だから • 1 + 𝜔𝑐 𝐶𝑅 2 = 2 • よってカットオフ周波数fcは • 𝜔𝑐 = 1 𝐶𝑅 = 2𝜋𝑓𝑐 • 𝑓𝑐 = 1 2𝜋𝐶𝑅 = 1 2𝜋𝜏 • また,カットオフ周波数のとき,ゲイン[dB]は約-3[dB]となる.
  15. 問題解説 • 図の回路に正弦波(実効値2.8V,角周波数1 × 103rad/s)を入力した.出力電 圧(実効値)はおよそ何Vか.(第42回ME2種) 1. 0.5 2. 0.7

    3. 1.0 4. 1.4 5. 2.0 ሶ 𝑉𝑜𝑢𝑡 = ሶ 𝑉𝑖𝑛 × 1 𝑗𝜔𝐶 𝑅 + 𝑗𝜔𝐶 ሶ 𝑉𝑜𝑢𝑡 ሶ 𝑉𝑖𝑛 = 1 𝑗𝜔𝐶 𝑅 + 1 𝑗𝜔𝐶 = 1 1 + 𝜔𝐶𝑅 2 = 1 1 + (1 × 103 × 10−6 × 103) = 1 1 + 1 = 1 2 よって出力電圧Voutの実効値は 2.8 2 ≅ 2.8 1.4 = 2
  16. 問題解説 • 図の交流回路で,R,Cの両端の電圧(実効値)は図の示す値であった.電源 電圧𝑒(実効値)は何Vか.(第36回ME2種) 抵抗の電圧は ሶ 𝑉𝑅 = 𝑅 𝑅+

    1 𝑗𝜔𝐶 ሶ 𝑒 コンデンサの電圧は ሶ 𝑉𝐶 = 1 𝑗𝜔C 𝑅+ 1 𝑗𝜔𝐶 ሶ 𝑒 それぞれの電圧の位相は ሶ 𝑉𝑅 ሶ 𝑉𝐶 = 𝑅 𝑅+ 1 𝑗𝜔𝐶 1 𝑗𝜔C 𝑅+ 1 𝑗𝜔𝐶 = 𝑗𝜔𝑅𝐶だから, 90度である. フェーザ図を書くと右図のようになる. ሶ 𝑒 = ሶ 𝑉𝑅 + ሶ 𝑉𝐶 だから,フェーザ図では ሶ 𝑒はベクトル ሶ 𝑉𝑅 , ሶ 𝑉𝐶 の合成となる. よって𝑒の実効値は 2 2 ሶ 𝑉𝐶 ሶ 𝑉𝑅 ሶ 𝑉𝐶 ሶ 𝑉𝑅 ሶ 𝑒 2V 2V 2V 2V 2 2V
  17. 問題解説 • 図の回路で,ある周波数fでの減衰量は-40dBであった.fの10倍の周波数にお ける減衰量[dB]はどれか.(第39回ME2種) 1. -4 2. -20 3. -60

    4. -80 5. -400 20 log10 𝐴 = 20 log10 ሶ 𝑉𝑐 ሶ 𝑉𝑖𝑛 = −40だから 𝐴 = ሶ 𝑉 𝑐 ሶ 𝑉𝑖𝑛 = 1 100 = 1 1 + 2𝜋𝑓𝐶𝑅 2 よって,1 + 2𝜋𝑓𝐶𝑅 2 = 10000 𝐶𝑅 2 = 9999 4𝜋2𝑓2 任意の周波数𝑓’のときのゲインは ሶ 𝑉 𝑐 ሶ 𝑉𝑖𝑛 = 1 1 + 𝑓′2 9999 𝑓2 よって 𝑓’ = 10𝑓のときのゲイン𝑔は ሶ 𝑉 𝑐 ሶ 𝑉𝑖𝑛 = 1 1 + 999900 = 1 999901 ≅ 1 1000000 = 1 1000 𝑔 = 20log10 1 1000 = −60 今回は 2𝜋𝑓𝐶𝑅 2が十分大き いから分母の1を無視して計 算しても良い. よく使う:ゲイン[db]から増幅度の計算
  18. 問題 • 図の回路について正しいのはどれか.(国家試験25) a. 低域通過特性を示す. 高域通過フィルタなので間違い. b. 微分回路に用いられる. 正しい. c.

    時定数は10msである. 𝜏 = 𝐶𝑅 = 0.01 × 10−6 × 1 × 106 = 0.01s = 10msなので正しい. d. 出力波形の位相は入力波形より進む. 抵抗にかかる電圧は,𝑉𝑅 = 𝑉 × 𝑅 𝑅+1/ 𝑗𝜔𝐶 = 𝑉 × 𝑅 𝑅−𝑗/ 𝜔𝐶 である.よって位相は𝜃 = − tan−1 −𝜔𝑅𝐶 > 0となり,正しい. e. 遮断周波数は50Hzである. 𝑓 = 1 2𝜋𝐶𝑅 = 1 2𝜋×0.01 ≅ 15.9.よって間違い.
  19. RL直列回路 • 図のように抵抗とコイル(インダクタ)を直列につなぐ. • 直列なので,各素子を流れる電流は等しく,各素子に加わる電圧の総和がab 間の電圧となる. • 各素子に加わる電圧は, • ሶ

    𝑉𝑅 = 𝑅 ሶ 𝐼, ሶ 𝑉𝐿 = 𝑗𝜔𝐿 ሶ 𝐼 • ab間の電圧は • ሶ 𝑉 = ሶ 𝑉𝑅 + ሶ 𝑉𝐿 = 𝑅 ሶ 𝐼 + 𝑗𝜔𝐿 ሶ 𝐼 = 𝑅 + 𝑗𝜔𝐿 ሶ 𝐼 ሶ 𝑉 ሶ 𝐼 ሶ 𝑉𝑅 ሶ 𝑉𝐿 𝜃𝐼 𝜃𝑉 ሶ 𝑉 ሶ 𝑉𝐿 ሶ 𝑉𝑅 𝑎 𝑏 合成インピ ーダンス 誘導性リア クタンス
  20. RC直列回路 • ሶ 𝐼 = 1 𝑅+𝑗𝜔𝐿 ሶ 𝑉 •

    よって,それぞれの素子に加わる電圧は • ሶ 𝑉𝑅 = 𝑅 𝑅+𝑗𝜔𝐿 ሶ 𝑉 • ሶ 𝑉𝐶 = 𝑗𝜔𝐿 𝑅+𝑗𝜔𝐿 ሶ 𝑉 • この式を見ると,直流のときと同様に各素子に加わる電圧はインピーダンスの 比となっている事が分かる. ሶ 𝑉 ሶ 𝐼 ሶ 𝑉𝑅 ሶ 𝑉𝐿 𝜃𝐼 𝜃𝑉 ሶ 𝑉 ሶ 𝑉𝐿 ሶ 𝑉𝑅 𝑎 𝑏
  21. RC直列回路 • 抵抗の電圧と入力の比の大きさは • ሶ 𝑉𝑅 ሶ 𝑉 = 𝑅

    𝑅+𝑗𝜔𝐿 = 𝑅 𝑅2+𝜔2𝐿2 • この式から,抵抗の電圧の大きさは入力の周波数が大きくなればなるほど小さ くなる事がわかる. • 入力電圧と抵抗の電圧の位相差は • 𝜃𝑅 = tan−1 − 𝜔𝐿 𝑅 = − tan−1 𝜔𝐿 𝑅 ሶ 𝑉𝑅 ሶ 𝑉 = 𝑅 𝑅 + 𝑗𝜔𝐿 = 𝑅 𝑅2 + 𝜔𝐿 2 𝑅 − 𝑗𝜔𝐿 = 𝑅 𝑅2 + 𝜔𝐿 2 𝑅 − 𝑗𝜔𝐿 𝑅 𝑗𝜔𝐿 𝑅 − 𝑗𝜔𝐿
  22. RC直列回路 • コンデンサの電圧と入力の比の大きさは • ሶ 𝑉𝐿 ሶ 𝑉 = 𝑗𝜔𝐿

    𝑅+𝑗𝜔𝐿 = 1 1+ 𝑅 𝑗𝜔𝐿 = 1 1+ 𝑅2 𝜔2𝐿2 • この式から,コンデンサの電圧の大きさは入力の周波数が大きくなればなるほ ど大きくなる事がわかる. • 入力電圧とコンデンサの電圧の位相差は • 𝜃𝐶 = tan−1 𝑅 𝜔𝐿 ሶ 𝑉𝐿 ሶ 𝑉 = 𝑗𝜔𝐿 𝑅 + 𝑗𝜔𝐿 = 𝑗𝜔𝐿(𝑅 − 𝑗𝜔𝐿) 𝑅2 + 𝜔2𝐿2 = 𝜔𝐿(𝑗𝑅 + 𝜔𝐿) 𝑅2 + 𝜔2𝐿2
  23. ゲインの計算 • この回路はRL直列回路となっているので,Voutは • ሶ 𝑉𝑜𝑢𝑡 = 𝑅 𝑅+𝑗𝜔𝐿 ሶ

    𝑉𝑖𝑛 = 1 1+𝑗𝜔𝐿 𝑅 ሶ 𝑉𝑖𝑛 • 𝑉𝑜𝑢𝑡 に対する𝑉𝑖𝑛 の比を増幅度𝐴𝑣 とすると • 𝐴𝑣 = ሶ | 𝑉𝑜𝑢𝑡 ሶ 𝑉𝑖𝑛 | = 𝑅 𝑅+𝑗𝜔𝐿 = 1 1+𝜔2𝐿2 𝑅2 • ゲイン𝐺は • 𝐺 = 20 log10 𝐴𝑣 = 20 log10 1 1+𝜔2𝐿2 𝑅2 • ሶ 𝑉𝑜𝑢𝑡 の位相のずれ𝜃𝑜𝑢𝑡 は • 𝜃𝑜𝑢𝑡 = − tan−1 𝑅 𝜔𝐿 = − tan−1 𝑅 2𝜋𝑓𝐿 • 増幅度,ゲイン,位相差がフィルタの特性を表す. ሶ 𝑉 ሶ 𝑉𝐿 ሶ 𝑉𝑅 = ሶ 𝑉𝑜𝑢𝑡
  24. カットオフ周波数 • 増幅度𝐺が1/ 2のときの周波数fをカットオフ周波数fcと言う. • 𝐺 = ሶ 𝑉𝑜𝑢𝑡 ሶ

    𝑉𝑖𝑛 = 1 1+𝜔2𝐿2 𝑅2 = 1 2 • カットオフ周波数のとき出力の振幅の大きさは入力の 1 2 だから • 1 + 𝜔𝑐𝐿 𝑅 2 = 2 • よってカットオフ周波数fcは • 𝜔𝑐 = 𝑅 𝐿 = 2𝜋𝑓𝑐 • 𝑓𝑐 = 𝑅 2𝜋𝐿 = 1 2𝜋𝐿/𝑅
  25. RLC直列回路 • 抵抗,インダクタ,コンデンサを直列につないだものをRLC直列回路という. • ab間のインピーダンスは • ሶ 𝑍 = 𝑅

    + 𝑗𝜔𝐿 + 1 𝑗𝜔𝐶 = 𝑅 + 𝑗(𝜔𝐿 − 1 𝜔𝐶 ) • インピーダンスの大きさは • ሶ 𝑍 = 𝑅2 + 𝜔𝐿 − 1 𝜔𝐶 2 • インピーダンスの大きさが最小となるのは • 𝜔𝐿 = 1 𝜔𝐶 のとき • このときの角周波数は 𝜔0 = 1 𝐿𝐶 ሶ 𝑉𝑅 ሶ 𝑉𝐿 ሶ 𝑉𝐶 ሶ 𝑉
  26. RLC直列回路 • 角周波数が𝜔0 = 1 𝐿𝐶 のときインピーダンスが最小となる. • つまり,ab間を流れる電流は最大となる. •

    また,このとき,インピーダンスの虚数成分はゼロとなり電圧と電流は同位相とな る. • RLC直列回路のインピーダンスが最小となるときを共振という. • RLC直列回路が共振のとき • インピーダンスは最小で𝑅のみとみなせる. • 共振角周波数:𝜔0 = 1 𝐿𝐶 • 共振周波数:𝑓0 = 1 2𝜋 𝐿𝐶 • 電圧と電流の位相差は0 ሶ 𝑉𝑅 ሶ 𝑉𝐿 ሶ 𝑉𝐶 ሶ 𝑉
  27. Q値 • 図の回路のab間を流れる電流は • ሶ 𝐼 = ሶ 𝑉 ሶ

    𝑍 = ሶ 𝑉 𝑅+𝑗(𝜔𝐿− 1 𝜔𝐶 ) • 電流の大きさは • ሶ |𝐼| = ሶ 𝑉 𝑅2+ 𝜔𝐿− 1 𝜔𝐶 2 • 電流の大きさと角周波数の関係は図のようになる. • 図を見ても分かる通り,RLC直列回路では共振周波数のとき最も電流が流れる . • この性質を用い,任意の周波数成分のみ電流が流れるようなフィルタをRLC回 路で作成できる. 電流 角周波数 ሶ 𝑉𝑅 ሶ 𝑉𝐿 ሶ 𝑉𝐶 ሶ 𝑉
  28. Q値 • 理想的には,任意の周波数(共振周波数)の電流のみ流したい. • しかし,現実には共振周波数の周りの電流も流れる. • 良いフィルタ回路は,共振周波数の周りの電流がなるべく流れな い. • そこで,フィルタ回路の性能を表す指標としてQ値を導入する.

    • Q値は次のように定義される. • 𝑄 = 𝜔0 𝜔2−𝜔1 • 見ての通りQ値は電流のグラフの尖りの幅が狭ければ狭いほど大 きな数値となる.つまりQ値が小さければ小さいほど共振周波数 の周りの電流を流してしまい,性能が低いことを意味する. 角周波数 ሶ 𝑉𝑅 ሶ 𝑉𝐿 ሶ 𝑉𝐶 ሶ 𝑉
  29. 問題解説 • 正弦波交流電源に抵抗器,インダクタ,キャパシタ各1個を直列に接続した. 各素子の両端電位差(実効値)を測定したところ,抵抗器は10V,インダクタ とキャパシタは5Vであった.電源電圧の実効値は何Vか.(第39回ME2種) 1. 5 2. 10 3.

    15 4. 20 5. 25 抵抗の電圧をVR,コンデンサの電圧をVC,インダクタの電圧を VLとする. ሶ 𝑉𝑅 = 𝑅 ሶ 𝐼, ሶ 𝑉𝐶 = 1 𝑗𝜔𝐶 ሶ 𝐼, ሶ 𝑉𝐿 = 𝑗𝜔𝐿 ሶ 𝐼 Rを基準としたそれぞれの位相差は 𝜃𝐿𝑅 = ∠ ሶ 𝑉𝐿 𝑉𝑅 = ∠ 𝑗𝜔𝐿 𝑅 = 90,𝜃𝐶𝑅 = ∠ ሶ 𝑉𝐿 𝑉𝑅 = ∠ −𝑗 1 𝜔𝐶𝑅 = −90 よって,フェーザ図は右図のようになる. 電源電圧はすべてのベクトルを足したものになるので, 10V ሶ 𝑉𝐶 ሶ 𝑉𝑅 ሶ 𝑉𝐿
  30. 問題 • 図の交流回路で𝑅, 𝐿, 𝐶の両端電圧(実効値)がそれぞれ3V, 6V, 2Vであった. 電源電圧𝐸(実効値)は何Vか.(第37回ME2種) 1. 2

    2. 5 3. 7 4. 9 5. 11 各素子に流れる電流は同じなので,各素子の 電圧は次のように書ける. ሶ 𝑉𝑅 = 𝑅 ሶ 𝐼 ሶ 𝑉𝐿 = 𝑗𝜔𝐿 ሶ 𝐼 ሶ 𝑉𝑅 = 1 𝑗𝜔𝐶 ሶ 𝐼 つまり,抵抗に掛かる電圧に対し,インダク タは𝜋/2,コンデンサは−𝜋/2位相がずれてい る. それぞれの電圧をフェーザ図でかくと図のよ うになる. よって電源電圧は 𝐸 = ሶ 𝑉𝑅 + ሶ 𝑉𝐿 − ሶ 𝑉𝐶 = 32 + 6 − 2 2 = 9 + 16 = 25 = 5𝑉 ሶ 𝑉𝐶 ሶ 𝑉𝑅 ሶ 𝑉𝐿 ሶ 𝑉𝐿 + ሶ 𝑉𝐶 ሶ 𝐸
  31. 問題解説 • 図のRLC直列共振回路のQ値(Quality factor)に最も近いのはどれか.(第40回 ME2種) 1. 1 2. 2 3.

    3 4. 4 5. 5 RLC直列回路のインピーダンスは ሶ 𝑍 = 𝑅 + 1 𝑗𝜔𝐶 + 𝑗𝜔𝐿 = 𝑅 + 𝑗(𝜔𝐿 − 1 𝜔𝐶 ) ሶ 𝑍 = 𝑅2 + 𝜔𝐿 − 1 𝜔𝐶 2 共振周波数はインピーダンスが最小のときな ので,このときの角周波数は 𝜔0 𝐿 − 1 𝜔0 𝐶 = 0 𝜔0 = 1 𝐿𝐶 Q値は次のように定義される. 𝑄 = 𝜔0 𝜔2 − 𝜔1 𝜔1 と𝜔2 はアドミタンス(イン ピーダンスの逆数)が共振周 波数のときのアドミタンスの 1 2 のときの角周波数なので, ሶ 𝑍 ሶ 𝑍0 = 𝑅2 + 𝜔𝐿 − 1 𝜔𝐶 2 𝑅 = 2 𝑅2 + 𝜔𝐿 − 1 𝜔𝐶 2 = 2𝑅2 𝜔𝐿 − 1 𝜔𝐶 2 = 𝑅2 𝐿𝜔2 ± 𝑅𝜔 − 1 𝐶 = 0
  32. 問題解説 • 図のRLC直列共振回路のQ値(Quality factor)に最も近いのはどれか.(第40回 ME2種) 1. 1 2. 2 3.

    3 4. 4 5. 5 𝐿𝜔2 ± 𝑅𝜔 − 1 𝐶 = 0 𝜔 = 𝑅± 𝑅2−4𝐿𝐶 2𝐿 or 𝜔 = −𝑅± 𝑅2−4𝐿𝐶 2𝐿 𝜔2 − 𝜔1 = 𝑅 𝐿 𝑄 = 𝜔0 𝜔2 − 𝜔1 = 1 𝐿𝐶 𝑅 𝐿 = 𝐿 𝑅2𝐶 よって 𝑄 = 4 × 10−3 1002 × 0.1 × 10−6 = 4 = 2
  33. RLC並列回路 • 抵抗,インダクタ,コンデンサを並列につないだものをRLC直列回路という. • この回路の合成アドミタンス(インピーダンスの逆数)は • ሶ 𝑌 = 1

    ሶ 𝑍 = 1 𝑅 + 1 𝑗𝜔𝐿 + 𝑗𝜔𝐶 = 1 𝑅 + 𝑗(𝜔𝐶 − 1 𝜔𝐿 ) • アドミッタンスの大きさは • 1 ሶ 𝑍 = 1 𝑅2 + 𝜔𝐶 − 1 𝜔𝐿 2 • アドミタンスの大きさが最小となるのは • 𝜔𝐶 = 1 𝜔𝐿 のときである. • このときの角周波数は 𝜔0 = 1 𝐿𝐶 • このとき,並列回路は共振しているという.
  34. RLC並列回路 • この回路の合成アドミタンス(インピーダンスの逆数)は • 1 ሶ 𝑍 = 1 𝑅

    + 1 𝑗𝜔𝐿 + 𝑗𝜔𝐶 = 1 𝑅 + 𝑗(𝜔C − 1 𝜔𝐿 ) • 各素子にかかる電圧は等しい. • 各素子に流れる電流は • ሶ 𝐼𝑅 = ሶ 𝑉 𝑅 • ሶ 𝐼𝐿 = ሶ 𝑉 𝑗𝜔𝐿 • ሶ 𝐼𝐶 = 𝑗𝜔𝐶 ሶ 𝑉
  35. RLC並列回路 • 角周波数が𝜔0 = 1 𝐿𝐶 のときアドミタンスの大きさが最小となる. • つまり,ab間を流れる電流は最小となる. •

    また,このとき,インピーダンスの虚数成分はゼロとなり電圧と電流は同位相とな る. • RLC並列回路のアドミタンスの大きさが最小となるときを共振という. • RLC並列回路が共振のとき • アドミタンスは最小で𝑅のみとみなせる. • 共振角周波数:𝜔0 = 1 𝐿𝐶 • 共振周波数:𝑓0 = 1 2𝜋 𝐿𝐶 • 電圧と電流の位相差は0
  36. 問題解説 • 図の回路が共振状態にある時,抵抗器に流れる電流は何Aか.ただし,𝑅 = 200Ω,𝐿 = 1.6mH,𝐶 = 100μF,𝐸 =

    100V(実効値)とする.(第38回ME2 種) 1. 0.5 2. 1.0 3. 1.5 4. 2.0 5. 5.0 この回路のアドミタンスは 1 ሶ 𝑍 = 1 𝑅 + 𝑗𝜔𝐶 + 1 𝑗𝜔𝐿 = 1 𝑅 + 𝑗(𝜔𝐶 − 1 𝜔𝐿 ) 1 ሶ 𝑍 = 1 𝑅2 + 𝜔𝐶 − 1 𝜔𝐿 2 これが最小の時,共振している. 最小値は 1 ሶ 𝑍 = 1 𝑅 となる.すなわち,回路が共 振状態のときRのみの回路と見なせる. よって,抵抗器に流れる電流は 100/200=0.5A
  37. 問題 • 図の回路に置いて,電源を流れる電流Iが10A,LとCを流れる電流がそれぞれ2A, 8Aであった.抵抗Rに流れる電流は何Aか.(第42回ME2種) 1. 0 2. 6 3. 8

    4. 10 5. 20 各素子に流れる電流は ሶ 𝐼𝑅 = ሶ 𝑉 𝑅 ሶ 𝐼𝐿 = ሶ 𝑉 𝑗𝜔𝐿 ሶ 𝐼𝐶 = 𝑗𝜔𝐶 ሶ 𝑉 であるから,抵抗を流れる電流 ሶ 𝐼𝑅 に対し,コイルを流れる電 流 ሶ 𝐼𝐿 は−𝜋/2,コンデンサを流れる電流は ሶ 𝐼𝐶 は 𝜋/2位相がずれて いる.これをフェーザ図で書くと図のようになる. 回路を流れる電流 ሶ 𝐼は各素子に流れる電流の合成なので, 抵抗 を流れる電流 ሶ 𝐼𝑅 は ሶ |𝐼𝑅 | = | ሶ 𝐼 − ( ሶ 𝐼𝐶 + ሶ 𝐼𝐿 )| = 102 − 8 − 2 2 = 64 = 8 である. ሶ 𝐼𝐿 ሶ 𝐼𝑅 ሶ 𝐼𝐶 ሶ 𝐼𝐶 + ሶ 𝐼𝐿 ሶ 𝐼
  38. 問題 • 図の回路が共振状態にあるとき正しいのはどれか.(臨床工学技士国家試験36) まず合成インピーダンスを求める. 1 𝑍 = 1 𝑅 +

    𝑗𝜔𝐶 + 1 𝑗𝜔𝐿 = 1 𝑅 + 𝑗 𝜔𝐶 − 1 𝜔𝐿 インピーダンスの大きさは 𝑍 = 1 1 𝑅2 + 𝜔𝐶 − 1 𝜔𝐿 2 共振状態とは 𝜔𝐶 − 1 𝜔𝐿 = 0 のときだから 𝜔 = 1 𝐿𝐶
  39. 問題 • 図の回路が共振状態にあるとき正しいのはどれか.(臨床工学技士国家試験36) 1. Rの抵抗値を2倍にすると,回路の全インピーダンスは4倍になる. 𝑍 = 1 1 𝑅2

    + 𝜔𝐶− 1 𝜔𝐿 2 だからRを2倍にしても合成インピーダンスは4倍にならない. 2. Cの静電容量を2倍にすると,回路の全インピーダンスは1/2倍になる. 1. Cを2倍にしても,合成インピーダンスは1/2倍にならない. 3. Lのインダクタンスを2倍にすると,回路の全アドミタンスは1/4倍になる. Lを2倍にしても,合成アドミタンスは1/4倍にならない. 4. Cの静電容量を4倍にすると,共振周波数は1/2倍になる. 𝜔 = 1 𝐿𝐶 だからCの静電容量を4倍にすると,共振周波数は1/2倍になる. 5. Rの抵抗値を4倍にすると,共振周波数は2倍になる. 𝜔 = 1 𝐿𝐶 だからLの静電容量を4倍にすると,共振周波数は1/2倍になる.
  40. RLC回路のポイント • RLC直列回路が共振のとき • 入力電圧をある周波数にするとインピーダンスが最小となる. • このときの周波数を共振周波数という. 𝜔0 = 1

    𝐿𝐶 • このときインピーダンスは𝑅のみとなる. • 電圧と電流の位相差は0である. • RLC並列回路が共振のとき • 入力電圧をある周波数にするとインピーダンスが最大となる. • このときの周波数を共振周波数という.𝜔0 = 1 𝐿𝐶 • このときインピーダンスは𝑅のみとなる. • 電圧と電流の位相差は0である.
  41. 問題解説 • 入力信号Viの周波数が無限大になっても出力信号Voが0にならない回路はどれ か.(第37回ME2種) 周波数が無限大になると,インダクタはインピーダ ンス無限大になる.つまり,周波数が高いとインダ クタの電圧降下が入力電圧と等しくなり,他の素子 の電圧は0になる.よって,入力にインダクタがつい ている1,2,3は間違いである. 一方,コンデンサのインピーダンスは0になる.

    5は抵抗とコンデンサが並列につながっているため, 周波数無限大になると,コンデンサが短絡状態にな り,Voは0となる. 4はコンデンサが短絡状態になっても抵抗があるため 抵抗で電圧降下が起こりVoは値を持つ. 𝑗𝜔𝐿 → ∞ 𝑗𝜔𝐿 → ∞ 𝑗𝜔𝐿 → ∞ 1 𝑗𝜔𝐶 → 0 𝑅1 𝑅2 1 𝑗𝜔𝐶 → 0だから,𝑅1 と𝑅2 で 分圧される. コンデンサは短絡状態
  42. RC回路,RL回路のポイント • コンデンサ,コイルの特性 • RC回路 • コンデンサの電圧はローパス,抵抗の電圧はハイパス • コンデンサは,周波数が低いとインピーダンスが上がり𝑉𝐶 も大きい.

    • コンデンサの電圧は積分,抵抗の電圧は微分 • コンデンサは,電荷を徐々に貯める.つまり電圧も徐々に大きくなる(足されている感じ=積分). • グラフでイメージを掴む. • 充電時の電圧変化は𝑉𝐶 = 𝑉𝑖 (1 − 𝑒−𝑡 𝜏), 𝑉𝑅 = 𝑉𝑖 𝑒−𝑡 𝜏,放電時は 𝑉𝐶 = 𝑉𝑖 𝑒−𝑡 𝜏, 𝑉𝑅 = −𝑉𝑖 𝑒−𝑡 𝜏 • RLフィルタはRC回路と素子の特性が逆と覚える. • カットオフ周波数 • 出力の大きさが入力の1/ 2となる周波数をカットオフ周波数という. • CRフィルタ:𝑓𝑐 = 1 2𝜋𝐶𝑅 • LRフィルタ:𝑓𝑐 = 1 2𝜋𝐿/𝑅 Vc 入力Vi R C VR
  43. RC回路,RL回路のポイント • 時定数 • CRフィルタ:𝜏 = 𝐶𝑅 • LRフィルタ:𝜏 =

    𝐿/𝑅 • 矩形波を入力として与えたときの𝑉𝑅 と𝑉𝐶 の時間変化が重要 • 時定数により見た目が変化する. • 時定数大→電圧の緩やかな時間変化 • 時定数小→電圧の急激な時間変化 Vc 入力Vi R C VR
  44. RLC回路のポイント • RLC直列回路が共振のとき • 入力電圧をある周波数にするとインピーダンスが最小となる. • このときの周波数を共振周波数という.𝑓0 = 1 2𝜋

    𝐿𝐶 • このときインピーダンスは𝑅のみとなる. • 電圧と電流の位相差は0である. • RLC並列回路が共振のとき • 入力電圧をある周波数にするとインピーダンスが最大となる. • このときの周波数を共振周波数という.𝑓0 = 1 2𝜋 𝐿𝐶 • このときインピーダンスは𝑅のみとなる. • 電圧と電流の位相差は0である.