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17_0913 トルク制限付きアドミッタンス制御

Ryo Kikuuwe
September 13, 2017

17_0913 トルク制限付きアドミッタンス制御

日本ロボット学会における講演,2017年9月13日(水).
より詳細な技術情報は,IEEE Transactions on Roboticsから出版されています.
http://dx.doi.org/10.1109/TRO.2019.2920069
https://home.hiroshima-u.ac.jp/kikuuwe/pub/19_tro_aut.pdf
特許出願済み技術です.

Ryo Kikuuwe

September 13, 2017
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Transcript

  1. 2 外 界 外 界 現在 位置 接触力 指令 位置

    位置 制御器 位置 制御器 トルク 指令 仮想物体 シミュレータ 仮想物体 シミュレータ 外力 + + + アドミッタンス制御 アドミッタンス制御  ロボットの手先で所望の機械イ ンピーダンスを実現する制御 則のひとつ  別名; 「位置制御ベース・イン ピーダンス制御」など f Mv Bv  力センサが必要  ロボが仮想物体にきっちり追従できれば,ロボの見かけの 動特性が「目標動特性」に近くなる  位置制御器がロボットの動特性を抑えこんでくれる!  関節に減速機を持つロボット,リンク慣性が大きいロボットに有効
  2. 3 アドミッタンス制御の欠点 アドミッタンス制御の欠点  力センサへの力に対してのみ 反応  力センサ外での外力には反応 しない. (位置制御器が位置を保持)

     力センサ外で物体や人に接触 すると,破損や事故の可能性 外 界 外 界 現在 位置 接触力 指令 位置 位置 制御器 位置 制御器 トルク 指令 仮想物体 仮想物体 外力 + + +
  3. 4 発生トルクに制限をかけたら? 発生トルクに制限をかけたら?  まだ危ない!  仮想物体位置が外力に反応しな い⇒ 外力が取り除かれると,ロボッ トが仮想物体位置に戻ろうとする!

     ロボットを抑えて力センサに力を加 えると,仮想物体が予期せぬ動き をしてしまうことも 外 界 外 界 現在 位置 接触力 指令 位置 位置 制御器 位置 制御器 トルク 指令 仮想物体 仮想物体 外力 + + +
  4. 6 制御則:通常のアドミッタンス制御 制御則:通常のアドミッタンス制御  仮想物体の運動をシミューレートする式と 位置制御の式から成る 外 界 外 界

    現在 位置 接触力 指令 位置 位置 制御器 位置 制御器 トルク 指令 仮想物体 仮想物体 外力 + + + ↓位置制御器 ←仮想物体  ロボ位置  が仮想物体位置 に影響しない ⇒ 外力により,ロボットが仮想物体から乖離する
  5. 7 制御則:提案手法 制御則:提案手法  「法錐」(符号関数の逆関数)の項を導入  未知数が  と  である微分代数包含式となる  代数ループとして

    表現される ←仮想物体 ↓位置制御器 外 界 外 界 現在 位置 接触力 指令 位置 位置 制御器 位置 制御器 トルク 指令 仮想物体 仮想物体 外力 + + + -
  6. 8 (2) (1) この微分代数包含式の性質 この微分代数包含式の性質  結局,トルクが飽和したとき,(1)の法錐部が, 仮想物体をロボットに引き付けるように作用する. これにより,仮想物体がロボットから乖離しない. 

    式(1)は ¿ が の外にあることを許容しない      である限り,通常のアドミッタンス制御と同じ  のときは,式(2)に を代入した等式 が満たされるように,仮想物体加速度 が決まる
  7. 9 実装:離散時間表現 実装:離散時間表現  後退オイラー法で離散化 (              など)  連立方程式(代数包含式)

    として解析的に解く  不連続性や多価性を含まない 普通の式になる!(飽和関数のみ) 微分代数 包含式
  8. 12  リンクに外力 旧:ロボットが仮想物体から 乖離.その後,戻るので危険 新:仮想物体はロボットに追 従  リンクを押さえて力セン サに外力

    旧:仮想物体が遠くへ飛んで いく.そのあとロボットが追従 してしまって危険 新:仮想物体はロボットととも に留まる. 実験と結果 実験と結果 従来手法(旧) 提案手法(新)
  9. 13 まとめ まとめ  安全にトルク制限値を設定できるアドミッタンス制御則を 提案した.  力センサ入力に対しては,指定の機械インピーダンスで 応答.外力に対しては,指定の大きさの力で降伏. 

    ロボットに対するダイレクトティーチング,人間と協調作業 するロボットなどへの応用が考えられる.  特許出願済み (出願人:九州大学,ライセンシー募集中!)