Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
本当はむずかしい「計画」のはなし
Search
Akira Kobori
October 01, 2022
Business
0
1k
本当はむずかしい「計画」のはなし
XP祭り2022で登壇したときのプレゼン資料です。
Akira Kobori
October 01, 2022
Tweet
Share
More Decks by Akira Kobori
See All by Akira Kobori
AIエージェントはこう育てる - GitHub Copilot Agentとチームの共進化サイクル
koboriakira
0
1.2k
だれかの進捗をうまく「把握」できないときのフレーズ集 〜 よい計画づくりのために 〜
koboriakira
0
110
Other Decks in Business
See All in Business
フルカイテン株式会社 採用資料
fullkaiten
0
75k
Steal This Stack: Automate Your Learning Campaigns
tmiket
0
150
Entrance Book ビジネスイノベーションサービス部
arisaiyou
0
1.9k
株式会社デイトラ FACT BOOK 2025
daytra
0
390
提案レベルを上げてみたら、私の『提案』が『進捗』になっていた件
natty_natty254
26
16k
生成AIとデザインリサーチが融和する未来(RESEARCH Conference2025)
hynym
PRO
0
220
REGALI Company Deck(JP)
regali_official
1
130
NewGrads(新卒)向け_株式会社プレイド_会社説明資料_27卒
plaid
PRO
0
260
Team Topologies Second Edition - launch events - 25 September 2025
matthewskelton
PRO
0
430
東山自動車学校 採用ピッチ
higashiyamads
0
610
REGALI Company Deck(EN)
regali_official
0
110
メドピアグループ紹介資料
medpeer_recruit
10
140k
Featured
See All Featured
Reflections from 52 weeks, 52 projects
jeffersonlam
352
21k
GitHub's CSS Performance
jonrohan
1032
460k
Fashionably flexible responsive web design (full day workshop)
malarkey
407
66k
Evolution of real-time – Irina Nazarova, EuRuKo, 2024
irinanazarova
9
960
How to Ace a Technical Interview
jacobian
280
23k
For a Future-Friendly Web
brad_frost
180
9.9k
Build The Right Thing And Hit Your Dates
maggiecrowley
37
2.9k
It's Worth the Effort
3n
187
28k
[RailsConf 2023 Opening Keynote] The Magic of Rails
eileencodes
31
9.7k
Easily Structure & Communicate Ideas using Wireframe
afnizarnur
194
16k
JavaScript: Past, Present, and Future - NDC Porto 2020
reverentgeek
52
5.6k
Performance Is Good for Brains [We Love Speed 2024]
tammyeverts
12
1.1k
Transcript
2022年10月1日 株式会社コドモン プロダクト開発部 小堀輝 ―XP祭り2022― 本当はむずかしい「計画」のはなし
2 自己紹介、キャリア • 小堀輝(こぼりあきら) ◦ 2012年:編集者(編プロ)として キャリアを開始 ◦ 2015年:IT業界にキャリアチェンジ ◦
2021年:株式会社コドモンに入社
計画ってむずかしい
4 なぜ計画はむずかしいのか? “アジャイルな計画づくりには人を誤解させてしまうところがある。 見ようによっては、アジャイルな計画づくりはとても簡単だ―ストーリーカードを書いて、優先順位をつけてどのリ リースに含めるかを決め、イテレーション計画づくりで必要なだけ詳細化する。それだけだ。 (Mike Cohn『アジャイルな見積りと計画づくり ~価値あるソフトウェアを育てる概念と技法~』、p6) でもいざ始めてみると、そんな簡単にはいかない。 たとえば...
5 計画は必要なのか不明 • 「アジャイルは計画しない」と考える人もいる • 計画づくりを失敗した経験をもとに、極端な計画の有無になりがち “チームが計画づくりに示す態度は両極端なものになりがちである。 つまり、まったく計画しないか、計画が「絶対に正しい」と 納得できるまで労力を費やしすぎるかのどちらかだ。 (同、p26)
6 計画は粒度が不明 • このイテレーションの計画ができればよい? • 今後どうなるかは計画しなくてよいのか? • 今日何をするかは計画しなくてよいのか?
7 計画は見積り方が不明 • ストーリーポイントを採用したけど「工数」と何が違うのか ◦ 人月の単位が変わっただけ • どれだけ見積もればよいのか ◦ 直近やるタスクにしかポイントが振られていない
◦ 割り振ったポイントを計画に活用できない
8 計画はコミットの有無が不明 • 結局締切に追われている ◦ 見積りと関係なく締め切りが決まっている ◦ 達成すべきベロシティがあらかじめ決まっている • 締切をあいまいにしたまま、なあなあでやっている
◦ いつ完成/完了するかを伝えない ◦ 関連部署とのやりとりがギクシャクする
計画ってむずかしい
10 計画がスムーズにいくほうが奇跡っぽい • 計画は必要なのか不明 • 計画は粒度が不明 • 計画は見積り方が不明 • 計画はコミットの有無が不明
↓ 計画はいつでも・いともたやすく挫折してしまう
それでも計画をしますか?
壁を認識したうえで それでも計画にチャレンジしよう!
13 計画は必要である • 正確には「計画」は重要ではない • 真に重要なのは「計画すること」自体である “立てた計画はじきに見直され、破棄されてしまう。 しかし、計画づくりの過程で得た知識や洞察はずっと後まで残る。 (同、p34)
14 計画はさまざまな粒度で行う • それぞれの規模の計画をつくるために「プロダクトバックログ」がある • それぞれの規模の計画が結びつくことが重要 • 計画の大きさと詳細度を反比例させるようにする “計画を見直す時間を組み込んでいないのであれば、 そのプロジェクトは危険にさらされていることになる。
計画には段階的な詳細化が不可欠である。 (同、p53)
15 計画はストーリーポイントを活用する • ストーリーポイントは、決して「工数」の呼び替えではない • ストーリーポイントに工数以外のいろんな感情を含ませてみる • さまざまな要素のつまったポイントから期間を導出する “ストーリーポイントの数値は、ストーリー全体の規模をあらわす。 ストーリーの規模を定義するための数式は存在しない。
ストーリーポイントによる見積りが示す値は、フィーチャを実装するのに必要な作業、 開発内容の複雑さ、開発に内在するリスクなどが渾然一体となったものである。 (同、p62)
16 計画は「いつになりそうか」を更新しつづける • 完璧な計画・締切をつくってコミットすることは拒否する • その代わりに、つねに現状や予想を更新して、計画の精度を高める “有用な計画とは、正確でなければならない。 しかし、私達は早い段階での計画づくりでは精度の低い計画しか立てられないことを受け入れている。 計画を見直す理由の1つは、徐々に計画の精度を高めていくためである。 (同、p256-257)
計画ってむずかしい
むずかしいことを受け入れ それでも頑張ろう
19 ご清聴ありがとうございました • 参照 ◦ Mike Cohn『アジャイルな見積りと計画づくり』 • 自身のQiita記事もぜひ ◦
アジャイルはコミットしなくていいから楽? ◦ アジャイル開発は計画しない? Meetyで カジュアル面談 もやっています。 コドモンのアジャイルに興味がある人や、 アジャイルについて一緒に考えたい人はぜひ!