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編集者が考える! 大学生が書く技術を高めるべき理由とは? / Why should we improve our writing skills?

編集者が考える! 大学生が書く技術を高めるべき理由とは? / Why should we improve our writing skills?

芝浦工業大学 デザイン工学部の3年生向けの講義「論文作成法」にてゲスト講演した際のスライドです。

kondoyuko

May 10, 2021
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Transcript

  1. 自己紹介 近藤佑子(@kondoyuko) ITエンジニア系編集者/キャッチコピーは「踊る編集者」 略歴 • 1986年 岡山県生まれ • 2006~2010年 京都大学

    工学部 建築学科 • 2011~2013年 東京大学大学院 工学系研究科 建築学専攻 修士課程 • 2014年~ 株式会社翔泳社 現在のお仕事 • ITエンジニア向けメディア「CodeZine」 編集長 • ITエンジニア向けイベント「Developers Summit」企画統括 好きなゲーム • 星のカービィ
  2. 編集者になるまで:大学院時代(2011-2013) • 進路を迷ったあげく、大学院でも建築史の研究室へ • SNSなどのインターネットのサービスに強い可能性を感じ、 IT関係の企業に就職を希望するものの、就活はうまくいかず…… 今の仕事につながる原体験: • 研究室の活動でいろいろな場所をフィールドワークした •

    修士論文をまとめるのは辛かったけど(人生で一番……)いい経験だった • 就職活動がうまくいかず、自己PRサイトを制作したらバズった – 非常に反響が大きかったものの、就職先が決まらず卒業することに
  3. ニュース記事のつくりかた 1. ニュースのネタを探してくる – プレスリリース、ブログ、記者発表会、SNS…… – 読者のみなさんが関心を持ちそうな情報を探し集めるイメージ 2. ネタをもとに、シンプルで中立的な内容に修正して掲載 –

    主観的な情報をなくす(例:「日本初」とあれば必ず根拠を探す) – 読者がわかりやすいように、順番を変えたり、補足したりする • 公式サイトなど、プレスリリース以外の情報も参照することも
  4. インタビュー記事のつくりかた 1. 企画を立て、打診をする – どんな人にどんなテーマの話をしてもらいたいか? 2. OKがもらえたら、具体的な質問案を作成する 3. インタビューをしていく –

    途中、深ぼったり、より面白い話が聞けそうなら脱線したりも 4. 記事を自分で書いたり、同席したライターさんに書いてもらったりする 5. お話を聞いた方の確認が取れたら、公開!
  5. 寄稿記事のつくりかた 1. 企画を立て、執筆の相談をする 2. OKがもらえたら、打ち合わせをして内容のブレストをする – 著者さんが執筆のイメージができるところまでブレストする 3. 構成案(目次案)を作っていただき、フィードバックする –

    よい点や、もっとこうしたらいいのではという内容を伝える 4. 原稿が来たら、読みやすくなるように編集を行う – 誤字脱字のほか、誤解を与える箇所がないか、など 5. 著者さんに確認していただき、問題なければ公開!
  6. エンジニア向けイベントの企画方法 • イベントの全体テーマを決める • テーマの世界観を表すようなビジュアルを作成する(ディレクション) • 公募を募集する • 全体テーマをもとに、セッション案と講演者を考える •

    講演者に打診する • 公募を選考する • タイムテーブルを組む • 懇親会などのその他の企画も行う • Webサイトを公開し、広く告知する • 本番の運営を行う
  7. 仕事で使える「書く」という技術 • 自分が書く • フィードバックする • 企画を作る • 人に話す(プレゼンする) •

    プロジェクトを導く すべてに「書く」という技術が関わってくる 編集に限らず、どんなプロジェクトをするにも共通して必要な技術
  8. 「書く」技術の使いどころ:自分が書く • 記事を書く – 内容が誤って伝わらないように書く • そもそも用語を間違っていないか • 複数の意味に取れることはないか •

    指示語(「これ」「それ」)が何を表しているか明確か、など – 読んでほしい読者に伝わりやすいように書く • 最初に「この記事で伝えたいこと」が書いているか • 前提知識をすっ飛ばしていないか • 無駄に長過ぎたりしないか • メールやメッセージを書くときにも使える – コロナ禍のリモートのコミュニケーションでは必須スキル
  9. 理由①:書くことは学習・仕事・人生に役に立つから • 書くことは、仕事のさまざまな場面で役に立つ – 自分が書く – フィードバックする – 企画を作る –

    人に話す(プレゼンする) – プロジェクトを導く • これは仕事以外にも、学習や人生においても大きな力となる
  10. 質問1:「書く」ことについての悩みの回答の一例 • 何を書いていいか分からない – 自分の専門や興味と組み合わせる/まず何か書くと考えが深まる • 文章を書くのに時間がかかる – 考えをとりあえず出してみる/書くことを習慣化させる •

    文章がたくさん書けない – そのテーマについてYouTuberのつもりで喋ってみるのもアリ • 書いたのにうまく伝わらない/評価されない – 書き終わったら編集者になったつもりで読み返してみる
  11. 質問2:書く技術を使う機会はたくさんある • メッセンジャー、チャット • メール • レポート • SNS •

    note/ブログ • その他 論文だけでなくどんな場でもトライできるし、書く技術が活かせる
  12. おすすめの本 • 『「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』 (藤𠮷豊・小川真理子著、日経BP) – たくさんの名著のエッセンスが詰まったお得な本 – より多くの本で重要だと言われている順に述べてあり、取り入れやすい • 『書くのがしんどい』(竹村俊助著、PHP研究所)

    – 書くのが苦手な人に徹底的に寄り添った本 – 具体的で効果的な手法がたくさん書かれていて、読むとnoteやSNSで発信したくなる • 『小さな習慣』(スティーヴン・ガイズ著・田口未和訳、ダイヤモンド社) – 習慣化には「小さ過ぎて失敗しようがない」ことを継続するのがいいことを説いた本