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R ユーザー以外も知るべき R Markdown 入門/Introduction-to-R-markdown-for-Everyone

R ユーザー以外も知るべき R Markdown 入門/Introduction-to-R-markdown-for-Everyone

Tokyor.R #91 「R Markdown 入門」

ハイパーリンクが含まれているため, PDF をダウンロードしてご覧ください

補足資料 -> こちらにもチュートリアル的な内容を追加しました
https://rpubs.com/ktgrstsh/755893

環境設定&資料のソースコード
https://github.com/Gedevan-Aleksizde/tokyor-91-rmd

S-Katagiri

April 17, 2021
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Transcript

  1. R ユーザー以外も知るべき R Markdown 入門
    2021 年版
    Katagiri, Satoshi
    2021/04/17, Tokyo.R #91
    1

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  2. アジェンダ

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  3. このスライドの想定読者
    1. R を始めたばかりの 初心者
    • そもそも R Markdown (RMD) って何? という人
    2. R Markdown を試したけどうまくできなかった人
    • 出力がおかしい/エラーが出る
    3. R ユーザーで技術文書や論文を効率的に書きたい人
    4. R 以外の言語でそれをやりたい人
    • 特に Python と Julia で計算している人
    • L
    A
    TEX で論文/レポート書のが難しいという人
    • Jupyter でレポーティングはやりづらいと感じている人
    2

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  4. (自己紹介) この登壇しているオジサンはそんなに詳しいの?
    • fontregisterer 作成者
    • “R Markdown Cookbook” 翻訳者
    3

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  5. 今回触れる内容
    • R Markdown とは
    • R Markdown でなにができるの
    • RStudio での設定方法
    • Markdown の記法
    • コードチャンクの説明
    • HTML/PDF/WORD への出力
    • その他発展的話題
    • 時間がなかったら中断します
    4

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  6. 逆に触れない内容
    • R Markdown や knitr の内部処理の詳解
    • 個別の事例
    • XX 学会の論文フォーマットを作りたい
    • 細かすぎるテクニック
    • 脱線したらツッコミ入れてください
    • これらは最後に参考文献の紹介するのみ
    5

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  7. R Markdown とは

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  8. こんな経験はありませんか? (1/2)
    1. 実験結果からグラフ画像を作成し Word/LaTeX 原稿に貼り
    付け
    2. 修正が必要になったので再作成して貼り付け
    3. とおもったら原稿に反映し忘れ
    4. そして……死
    6

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  9. こんな経験はありませんか? (2/2)
    1. 数字を L
    A
    TEX のかっこいい表にしたい
    2. L
    A
    TEX 構文が複雑過ぎる
    3. そして……死
    7

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  10. R Markdown の機能概要
    • 文字通り R + Markdown
    • 簡単な構文でリッチテキスト文書を作成するツール
    • Web サイト, 発表スライド, PDF 形式の文書, レポート等
    • R プログラムの埋め込み
    • R が生成したグラフ・表・計算結果などを文書に直接掲載
    • 手動コピペ不要
    • rmarkdown パッケージとして提供されている
    • 機能拡張パッケージも多数
    • 内部処理の技術的な話は以下参照
    • R Markdown Cookbook 2 章
    • kazutan のスライド (これも RMD 製のはず) 8

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  11. R Markdown でなにができるの

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  12. R Markdown なんて面倒くさいだけでしょ?
    • Q.: Word やパワポ/Keynote みたいに操作できないんで
    しょ?
    • WYSYWIG じゃないとわからない
    • Q.: Overleaf とか LyX 使ってるからいいや
    • 熟練の LaTeX 使い
    • Q.: Jupyter で十分じゃないの?
    • 注: Jupyter は R とかも一応使える
    9

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  13. Q.: Word やパワポ/Keynote みたいにできないんでしょ?
    A.: ビジュアルエディタモードあるよ
    10

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  14. Q: Overleaf とか LyX 使ってるからいいや
    A.: 毎回使う LaTeX コマンドは数式だけでしょ?
    11

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  15. Q: Jupyter で十分じゃないの?
    • A: RMD にも類似した Notebook という機能あり
    • むしろ Jupyter はワードプロセッサ機能が弱い
    • 例: コードが長すぎてスライドで見切れる
    12

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  16. RMD で何ができるの? => スライドを作成できる
    • 今見ているスライド (PDF) も全て R Markdown で作成
    • L
    A
    TEX の beamer を経由
    • HTML 形式も可
    • xaringan, reveals など
    13

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  17. RMD で何ができるの? => 本を出版できる
    •『R Markdown クックブック』
    • 翻訳版も R Markdown 製
    • 商業出版の例
    • Hadley et al. “R for Data Science” (『R で始めるデータサイ
    エンス』)
    • Hearly “Data Visualization” (『データ可視化入門』)
    •「技術同人誌」
    • https://bookdown.org/ はクローリングサイト
    14

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  18. RMD で何ができるの? => 料理書が書ける
    15

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  19. R Markdown のハンズオン風チュー
    トリアル

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  20. • 以降はチュートリアル風に進行
    • 徐々に高度な機能を使いこなせるようになりましょう
    16

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  21. 最初に用意するもの
    • OS: Windows 10 or Ubuntu 20.04 or macOS Catalina
    • 最新の R (>= 4.0.5)1
    • 最新の RStudio (> 1.4.11)2
    • rocker で統一してもいいが自分が面倒がって使ってないの
    でマルチプラットフォームで
    1Windows 以外はあまり気にしなくていい
    2Windows かつ Python 使う人は daily builds
    17

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  22. 必要パッケージ
    • rmarkdown, bookdown, remotes, rmdja パッケージ
    • Python を使うなら reticulate も必要
    install.packages(c("rmarkdown", "bookdown",
    "remotes"))

    remotes::install_github(

    "Gedevan-Aleksidze/rmdja")

    • LaTeX (PDF が必要な場合)
    • 実インストールなら tinytex パッケージ
    18

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  23. パッケージ等のダウンロード
    • ここに補足資料を上げました.
    • ここにソースがあります.
    • rmd-setup.R を参考にしてください.
    19

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  24. R Markdown の新規作成 (1/3)
    1. R Markdown… を選ぶ
    20

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  25. R Markdown の新規作成 (2/3)
    2. HTML を選ぶ
    21

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  26. R Markdown の新規作成 (3/3)
    3. title:, author: を書き換える
    4. 適当なファイル名で保存
    5. 上の “Knit” ボタンでコンパイル
    22

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  27. できた!
    23

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  28. Markdown

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  29. Markdown の基本
    • Markdown は「マークアップ言語」
    • HTML タグとか, テキストを装飾し, 「見出し」
    「段落」など
    意味を与える
    • シンプルなので視覚的に分かりやすい
    • HTML のようにタグがゴチャゴチャしてない
    • メモ帳と同じ感覚で使える
    • 方言が多い点に注意
    • 例 GitHub, Slack
    24

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  30. Markdown の代表的な構文: 行内要素
    • 文のスタイルを部分的に変更する
    1. 文字のスタイル
    •「** 太字 **」-> 「太字」
    •「* 斜体/イタリック Itacic*」-> 「斜体/イタリック
    Itacic」3
    • **/* の代わりに __/_ も可
    • 1 + 1 (バッククオート) でタイプライタ体 1 + 1
    •「~~ 打ち消し線 ~~」-> 「打ち消し線」
    3日本語は対応してないこともある
    25

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  31. Markdown の代表的な構文: 行内数式
    2. LaTeX 数式
    •「$f(x)$」-> 「𝑓(𝑥)」
    3. 独立行なら $$ で囲む
    • または, align など直接 LaTeX を書く
    26

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  32. Markdown の代表的な構文: ブロック要素 (1/2)
    • テキストのまとまりを定義する
    1. 行頭に「#」で見出し # 第 1 章: 序
    • # を増やすと階層が深くなる
    • このスライドのタイトルは ##
    2. 行頭に「*」で箇条書き
    • 直後のスペース必須
    • インデントで階層化可能
    • インデントは tab 2 個 (スペース 4 つ) 以上4
    3.「1.」or 「a.」で番号付き箇条書き
    a. これもインデント可
    b. 番号を書かなくても自動で調整
    4RStudio のデフォルト設定のため
    27

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  33. Markdown の代表的な構文: ブロック要素 (2/2)
    4. コメントアウトは HTML 方式
    5. 見出しブロック (Beamer のみ)
    これは警告です
    これは alertblock 環境
    • 表を記述することもできるが省略
    • わかりにくかったらこのスライドの Rmd ファイルで
    見てね
    28

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  34. Visual Markdown Editor
    • どうしても苦手なら Word のような編集モードあり
    • 右上のコンパスマークをクリック
    29

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  35. R コードの埋め込み

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  36. コードチャンクと行内コード
    • R コードの埋め込みは 2 種類
    • 独立したブロックとしてのコードチャンク
    • 表やグラフの埋め込み
    • ソースコードの掲載
    • その他複雑な処理
    • 他のプログラミング言語も使用可能
    • 簡単な 1 文だけのコードの行内埋め込み
    • 1 + 1 = 2 のように Markdown 内に出力を埋め込める
    •「2」の部分は実際には `r 1 + 1` と書いている
    30

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  37. 行内コード
    • `r `
    • 複雑なコードは書けない
    • 単文でできることのみ
    • 原則文字の出力のみ
    • グラフや表は想定されていない
    • よくある使い方
    • 表紙の日付を自動更新
    • date: 2021-04-17
    31

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  38. コードチャンク (1/2)
    • より複雑なプログラムを書き, 図表を出力できる
    ```{r, LABEL, echo=T}
    1 + 1
    summary(mtcars)
    ```
    • LABEL は自由な名前を付けてよい
    • 省略してもよい
    • それ以降は「チャンクオプション」
    • 出力結果などを制御する
    • R の引数と同じように書ける
    32

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  39. コードチャンク (2/2)
    • 作業中の実行も可能
    • 右の矢印をクリック
    • R notebook を使うのもあり
    33

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  40. よく使うチャンクオプション
    • echo: コードを表示するかどうか
    • スライドでは邪魔なのでよく非表示にする
    • eval=F: コードを実行しない
    • コードだけ見せたい時に
    • fig.cap="": 図のキャプション
    • 詳細は ここ とか参照
    34

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  41. HTML/PDF/DOCX/PPTX への変換

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  42. HTML/PDF/DOCX/PPTX への変換
    • HTML はすでにやった通り
    • ドキュメントの出力をかえるには YAML メタデータを書き
    換える
    • PDF/DOCX (Word)/PPTX (パワポ) はちょっと複雑
    • というか異なるフォーマットの同時出力が複雑
    35

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  43. 出力フォーマット関数
    • 出力フォーマットが主に文書の体裁を決める
    • output: html_document の部分で指定
    • rmarkdown にいくつも用意されている
    • しかし実際には他のパッケージのほうが便利
    ファイル形式 デフォルト おすすめ
    PDF pdf_document rmdja::pdf_document2_ja
    HTML html_document bookdown::html_document2
    Word (DOCX) word_document officedown::rdocx_document
    スライド (PDF) beamer_presentation rmdja::beamer_presentation_ja
    スライド (HTML) slidy_presentation ?
    スライド (PPTX) powerpoint_presentation officedown::rpptx_document
    36

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  44. PDF の設定
    最小限の設定はこうだが…
    output:
    pdf_document:
    latex_engine: lualatex
    documentclass: ltjsarticle
    classoption: haranoaji
    37

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  45. まずうまくいかない
    • 実際に使うといろいろとボロが出ます
    • 打ち消し線を使うとエラー
    • 参考文献リストが変
    • 存在しないフォントは使えない
    38

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  46. PDF は rmdja を使え (1/3)
    • PDF が難しい理由
    1. デフォルト設定が日本語を想定していないため
    2. LaTeX の設定も意識する必要
    3. HTML と比べるとデフォルトの見た目が寂しい
    4. そもそも用途が HTML と違う
    • PDF を HTML と両立して日本語出力するため rmdja を
    作った
    • インストール方法は参考資料の通り
    39

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  47. PDF は rmdja を使え (2/3)
    • まずはインストール
    • テンプレートから選ぶ
    40

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  48. PDF は rmdja を使え (3/3)
    • もともとはスライド作成用だった
    • 現在は HTML/PDF の出力を両立できること目指す
    • 現在は以下の 4 種類の PDF フォーマット
    1. 書籍
    2. 論文
    3. スライド
    4. 縦書き
    41

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  49. Word への出力 (1/2)
    • 最低限の設定
    output: word_document
    42

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  50. Word への出力 (2/2)
    • おすすめ
    • (たまにうまく行かないことがある)
    output: officedown::rdocx_document:
    base_format: bookdown::word_document2
    toc: true
    tables:
    caption:
    pre: " 表"
    plots:
    style:
    aling: center
    caption:
    pre: " 図"
    43

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  51. Word への出力 (3/2)
    • (余計なお世話?) 本当に Word を使う必要がある?
    • 提出物は HTML や PDF じゃダメ?
    • 共著者が Word しか使えない?
    • RMD は PDF を直接作れます
    44

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  52. パワーポイントへの出力 (PPTX)
    • あんまり使ってないけどたぶんいける
    output: powerpoint_presentation
    output: officedown::rpptx_presentation
    45

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  53. スライドへの出力 (PDF)
    • 最も簡単な方法
    • rmdja パッケージのほうが便利です (たぶん)
    output:
    beamer_presentation:
    latex_engine: lualatex
    mainfont: haranoaji
    46

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  54. Q.: スライドからはみ出すんだけど?
    • A.: 慣れましょう
    • 詰め込み過ぎは良くないです
    • この発表みたいになります
    47

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  55. YAML について
    • title:, author, output: は YAML メタデータと呼ばれ

    • カスタマイズに重要
    • 細かい話になるので冒頭の資料を見てください
    48

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  56. ちょっと発展的な話

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  57. 相互参照
    • 図・表・セクション見出し, 数式, 引用文献を参照したい
    •「図 1 が分析結果である」
    「2 章を見よ」など文書内の参照
    • 番号やハイパーリンクを自分で書くと後で修正するのが大

    • bookdown 系のフォーマットで実現
    • rmarkdown 単体では不可
    • 末尾に 2 と付くフォーマット
    49

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  58. 図・画像への相互参照
    • コードチャンクへ参照する形で実現
    • 画像ファイルは knitr::include_graphics()
    1. コードチャンクのラベルを書く
    2. fig.cap=" キャプション" オプションでキャプションを
    書く
    3. \@ref(fig: チャンクラベル) で参照
    50

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  59. 画像への相互参照の実例
    • 図1 を見よ!
    • ggplot2 ももちろん掲載できる
    {r, image1, fig.cap=" 図への相互参照"}
    knitr::include_graphics("img/logo.png")
    図 1: 図への相互参照
    51

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  60. 表への相互参照
    • データフレームをそのまま表にできる
    • チャンクラベルを指定
    • knitr::kable(df, caption="...") が表のスタイル
    を自動生成
    • チャンクオプションではないことに注意
    • \@ref(tab: チャンクラベル) というふうに指定
    52

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  61. 表への相互参照の実例
    • kableExtra による表1を見よ!!
    ```{r, table1}
    knitr::kable(head(mtcars, 4),
    caption="表 へ の 相 互 参 照")`
    ```
    表 1: 表への相互参照
    mpg cyl disp hp drat wt qsec vs am gear carb
    Mazda RX4 21.0 6 160 110 3.90 2.620 16.46 0 1 4 4
    Mazda RX4 Wag 21.0 6 160 110 3.90 2.875 17.02 0 1 4 4
    Datsun 710 22.8 4 108 93 3.85 2.320 18.61 1 1 4 1
    Hornet 4 Drive 21.4 6 258 110 3.08 3.215 19.44 1 0 3 1
    53

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  62. 相互参照のさらなる応用
    • 複数の図表を 1 つにまとめることも可能
    • 詳細は Cookbook
    • 引用文献のスタイル変更
    • PDF は BibLaTeX (.bbx)
    • HTML は CSL (.csl)
    • (u)pBibTeX (.bst) はちょっとややこしい
    • 論文フォーマットは LaTeX に依存している事が多いので一
    般化は難しい
    54

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  63. R 以外の言語
    • コードチャンクには R 以外の言語も使える
    • r を別の言語に書き換える
    • stan コードを直接書くことも可能
    • Python, Julia も同様に使える
    • それ以外は別のチャンクに設定・変数を持ち越せない
    • チャンクごとにプログラムを呼び出しているため
    • Python 使用例: 例のスライド
    • 新規登録も可能
    • 詳細はクックブック 15 章
    55

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  64. Python のコードチャンク
    • reticulate パッケージで使用可能
    • RStudio 1.4 からかなり使いやすくなった
    • コードチャンクの r の部分を python に
    import numpy as np
    np.array([1, 1])
    array([1, 1])
    56

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  65. Julia のコードチャンク
    • JuliaCall パッケージで使用可能
    • https://julialang.org/downloads/
    • まだ不安定なところが多い
    • 古いバージョンにする必要
    • Gadfly が使えない?
    • 画像の保存は手動にしたほうが安定?
    • 参考: Remark.jl という Julia パッケージあり
    • remark.js ベース
    57

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  66. Julia 使用例 (失敗!!)
    • 要 Julia 本体 & JuliaCall & 環境設定
    using Plots
    gr()
    Plots.GRBackend()
    plot(Plots.fakedata(50,5),w=3)
    Plot{Plots.GRBackend() n=5}
    58

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  67. PDF/LaTeX 関係の応用

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  68. PDF/LaTeX 周りの予備知識
    • PDF は LaTeX を使用して生成
    • いくつかのエンジンがある
    • 文書全体のスタイルは主に LaTeX の文書クラスファイル
    で定義
    • bxjsarticle, ltjsarticle, beamer, etc.
    59

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  69. どの LaTeX エンジンを使うべきか
    • latex_engine でエンジンを変更できる
    • 結論: 詳しくない人は xelatex (XƎL
    A
    TEX)/lualatex
    (LuaL
    A
    TEX) 2 択
    • XƎL
    A
    TEX: 禁則処理に一部難あり, 速い
    • スライドだと気にならない?
    • LuaL
    A
    TEX: 使用者が多い, 遅い
    • pdfL
    A
    TEX: 日本語メインなら使わない
    • 欧文ジャーナルでは現役
    • pL
    A
    TEX, upL
    A
    TEX-> Rmd のサポート外
    • 後述
    60

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  70. 以降は詳しい人 or 詳しくなることを強いられている人向け
    61

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  71. Rmd のサポート外の処理
    • 以下を要求する国内学会公式フォーマット
    • (u)pL
    A
    TEX 前提の .cls/.sty
    • (u)pBIBTEX 前提の .bst
    • いずれもデフォルトの Rmd では非対応
    • 日本独自開発の処理系のため
    • 要 tinytex のエミュレーション無効化
    • 以下をチャンクのどこかに書く
    options(tinytex.latexmk.emulation = F)
    • LaTeX エラーのデバッグが少しやりづらくなる
    62

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  72. 論文フォーマットは決まってるけど LaTeX テンプレがない場合
    は?
    A.: Good Luck!
    • .cls, .bbx の自作
    • jpaRmd を参考に全部 R で処理
    63

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  73. 自力でトラブルシュート
    • 慣れないうちはエラーの原因がわかりにくい
    • どれが原因で起こったエラーか順に試す
    1. R または他言語のコーディングミス
    2. RStudio の不具合
    3. Rmd の不具合
    • Rmd でのエラーのほとんどは LaTeX (個人的経験則)
    • R の一部パッケージ, R 以外の言語と相性悪い場合も
    • コンパイルは R コードで実行できる (render())
    • 意図したスタイルにならない -> YAML の競合かも (大雑把
    な解説)
    64

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  74. こだわりの強い人へ
    • 以下も「技術的には可能です」
    • Rmd は任意の LaTeX 文書クラスとスタイルを読み込み化
    • JLREQ で商業出版レベルの厳格な組版
    • 縦書き文書
    • 漢文
    65

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  75. LaTeX/HTML の互換性
    • 用途が違うので完全一致はナンセンス
    • 文構造の維持を基準に考える
    • 互換性のない機能もある
    • 索引, 用語集
    • 詳細はクックブック [4] 6, 7, 9 章
    66

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  76. それから先の話

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  77. Q.: これだけ知っていれば無敵か?
    A.: いいえ
    • これは基本的な操作のみ
    • デザインにこだわりたい場合もっといろいろなテクニック
    がある
    •「入門」は門の場所だけでなく, くぐった後でどこに行けば
    よいのか示さねばならない
    • (個人の感想です)
    67

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  78. 便利なテンプレートを提供するパッケージ群: 分野特化系
    • bookdown 本来は書籍作成用
    • bookdownplus テンプレートの種類拡張
    • 楽譜とかも書けるらしい
    • rticles 欧文の主要学術誌のフォーマットを用意
    • jpaRmd 国内の心理学論文フォーマットに対応
    • oxforddown オックスフォード大の学位論文用フォーマッ
    ト (らしい)
    68

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  79. 便利なテンプレートを提供するパッケージ群: HTML 系
    • blogdown, rmdformats, govdown
    • pagedown: いわゆる「CSS 組版」
    • flexdashboard: shiny ダッシュボード
    • distill, tufte: 論文風 Web ページ作成
    • gm 楽譜の表示と再生
    • xaringan (写輪眼): スライド作成用
    HTML 系はあまり詳しくない/ atusy/kazutan/yutanihilation さ
    んあたりに聞いて
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  80. Rmd 編集に便利な機能を提供するパッケージ
    • ymlthis YAML の設定をダイアログボックスで
    • citr 更新してない?
    • bookdown フォーマットだけでなくアドインも提供
    https://gegznav.github.io/addins.rmd/
    https://github.com/daattali/addinslist#readme
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  81. Further Readings: 基本
    •『再現可能性のすゝめ』[7]
    • 今回の話が難しかったらこれに沿ってやってみて
    • Yihui 氏が Naruto の大ファンであることが初めて明か
    される
    • R Markdown クックブック [4]
    •「あれがやりたい!」系の話題はだいたい書いてある
    • “R Markdown: The Definitive Guide”[3]
    • より網羅的なマニュアル
    • “bookdown: Authoring Books and …”[1]
    • bookdown の使い方
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  82. Further Readings: 特定のトピック特化
    • https://rmarkdown.rstudio.com/authoring_pandoc_mar
    kdown.html
    • “Dynamic Documents with R and knitr” [2]
    • または Yihui 氏の web 上のドキュメント (私の翻訳)
    •『ドキュメント・プレゼンテーション生成』[6]
    • これはちょっと古いかも (未読)
    • “Officeverse”
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  83. Further Readings: 応用的
    •『自然科学研究のための R 入門』[5]
    • Rmd を使ってレポートを作るチュートリアル (未読)
    •『R Markdown 入門』
    • rmdja パッケージのドキュメント
    • 今後大幅修正される可能性大
    • 実質個人的なメモ
    •『今日からできる再現可能な論文執筆』
    • 共著研究を想定したワークフローの提案
    https://rmarkdown.rstudio.com/authoring_pandoc_markdow
    n.html#Smart_punctuation
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  84. 最後に: R Markdown で凝ったことをしたい人へ
    • rmdja が提供するのは「使いやすい初期設定」のみ
    • 究極的にはバックグラウンドのプログラム理解が必要
    •『kazutan の解説スライド』
    • PDF: LaTeX
    • HTML: CSS, JavaScript
    • 参考文献リストの体裁: BibLaTeX/BibTeX/CSL
    • pandoc の仕様の理解も必要
    • 地道に Pandoc のドキュメントを読む
    • 地道に Pandoc のテンプレートファイルを解読する
    •「技術的には可能です」というやつ
    • もちろん R-wakalang で質問するのもあり
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  85. 参考文献

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  86. [1] Xie, Yihui (2017).”Bookdown: Authoring Books and Technical
    Publications with R Markdown”. CRC Press. ISBN: 978-1-138-70010-9. URL:
    here
    . [2] Xie, Yihui (2015).”Dynamic Documents with R and Knitr”. CRC
    Press/Taylor & Francis. ISBN: 978-1-4987-1696-3
    . [3] Xie, Yihui, J. J. Allaire, Garrett Grolemund (2019).”R Markdown: The
    Definitive Guide”. CRC Press, Taylor and Francis Group. ISBN:
    978-0-429-78296-1. URL: here
    . [4] Xie, Yihui, Christophe Dervieux, Emily Riederer (2020).”R Markdown
    Cookbook”. Taylor and Francis, CRC Press. ISBN: 978-0-367-56383-7
    978-0-367-56382-0. URL: here. 翻訳版:
    https://gedevan-aleksizde.github.io/rmarkdown-cookbook/
    . [5] 江口 哲史 (2018).『自然科学研究のための R 入門』
    . 共立出版. ISBN:
    978-4-320-11244-5
    . [6] 金 明哲・高橋 康介 (2014).『ドキュメント・プレゼンテーション生成』
    .
    共立出版. ISBN: 978-4-320-12372-4
    75

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  87. . [7] 高橋 康介 (2018).『再現可能性のすゝめ RStudio によるデータ解析とレ
    ポート作成』
    . 共立出版. ISBN: 978-4-320-11243-8
    76

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