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生成AIはソフトウェア開発の革命か、ソフトウェア工学の宿題再提出なのか -ソフトウェア品質特性...

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生成AIはソフトウェア開発の革命か、ソフトウェア工学の宿題再提出なのか -ソフトウェア品質特性の追加提案-

生成AIは第四時産業革命の本丸であり、コード生成の高速化をふくめて多様なビジネスを産出しつつあるが、生成AIは、仕様、設計、テスト、レビュー、セキュリティ、保守性というソフトウェア工学の宿題を露出させ、その宿題を片づける道具にもなり得るものとして扱う必要がある。
一方で、第3次産業革命によって「生成結果」はコンパイル後のバイナリであったが、第4次産業革命によって管理対象がソフトウェア設計やソフトウェア要求の比重が大きくなるのではないか。
そこで、ソフトウェア品質特性に「生成可能性」という特性を追加提案する。

https://ninno-tech-fest.connpass.com/event/387201/ で発表しました。

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May 07, 2026

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  1. © 2026. For information, contact Deloitte Tohmatsu Group. 2 •

    所属:合同会社デロイトトーマツ OI&DS 47機関 執行役員 • 大規模システム開発、新規事業開発、アジャイル組織変革のご 支援 • 新卒、大学生へのアジャイル教育:筑波大学 enPiT2 • 防災DX : SmartBosaiConnect Product Manager 生成AIはソフトウェア開発の革命か、ソフトウェア工学の宿題再提出なのか 自己紹介 kyon_mm/きょん
  2. © 2026. For information, contact Deloitte Tohmatsu Group. 3 1.

    McKinseyは一部の開発タスクで最大2倍速くなる可能性を示し ている。 2. GitHub Copilotを対象にした制御実験では、JavaScriptでHTTP サーバーを実装する課題において、Copilot利用群が対照群より 55.8%速く完了した 3. GitHub Octoverse 2025では、issue close、PR merge、code pushなどの活動量が増えているとレポートしている • Stanford AI Index 2025によると、2026年の米国AI民間投資は 1,091億ドルで、中国の約12倍、英国の約24倍である。 • また、生成AIへの民間投資は世界で339億ドルに達し、2023年 から18.7%増加しました。AIを利用している組織は2026年に78% で、前年の55%から増加している • McKinseyは、63の生成AIユースケースを16のビジネス機能にわたっ て分析し、年間2.6兆〜4.4兆ドルの経済価値を生む可能性があ ると推計した。 出所:https://www.mckinsey.com/capabilities/tech-and-ai/our-insights/unleashing-developer-productivity-with-generative-ai 出所:https://arxiv.org/abs/2302.06590 出所:https://github.blog/news-insights/octoverse/octoverse-a-new-developer-joins-github-every-second-as-ai-leads-typescript-to-1/ 出所:https://hai.stanford.edu/ai-index/2025-ai-index-report 出所:https://www.mckinsey.com/capabilities/tech-and-ai/our-insights/the-economic-potential-of-generative-ai-the-next-productivity-frontier 生成AIはソフトウェア開発の革命か、ソフトウェア工学の宿題再提出なのか プログラミングの効率化 ビジネス創出 生成AIは第四時産業革命の本丸であり、コード生成の高速化をふくめて多様なビジネスを産 出しつつある
  3. © 2026. For information, contact Deloitte Tohmatsu Group. 4 1.

    組織の生産性、品質(再現性)をどのように上げるのか 2. 産業に依存しないソフトウェアに関わるプロセスやプラクティスの形 式知化と認知拡大 3. 産業に依存したソフトウェアに関わるプロセスやプラクティスの形式 知化と認知拡大 1. Stack OverflowではAI agent利用者の約69%が生産性向上を 認める一方、チーム協働改善に同意したのは17%である。 2. DORAは、AI採用が25%増えるごとに、デリバリースループットが 1.5%低下し、安定性が7.2%低下する関連を示している。 3. AI時代のソフトウェア工学は、コードを書く技術から、成果を定義 し、検証し、保守する技術へ重心を移す必要がある。 4. AI導入とは、ソフトウェア工学の棚卸しである。 出所:https://www.mckinsey.com/capabilities/tech-and-ai/our-insights/unleashing-developer-productivity-with-generative-ai 出所:https://survey.stackoverflow.co/2025/ 出所:https://dora.dev/ai/gen-ai-report/report/ 出所: 生成AIはソフトウェア開発の革命か、ソフトウェア工学の宿題再提出なのか ソフトウェア工学の宿題 生成AI活用の現状と課題 生成AIは、仕様、設計、テスト、レビュー、セキュリティ、保守性というソフトウェア工学の宿題を 露出させ、その宿題を片づける道具にもなり得る
  4. © 2026. For information, contact Deloitte Tohmatsu Group. 生成AIはソフトウェア開発の革命か、ソフトウェア工学の宿題再提出なのか 5

    生成AIのビジネスの流れ コード生成の高速化は入口にすぎない 自然言語で知的作業を指示で きる コード、文書、画像、 分析、計画、会話を 生成できる これまで専門人材が 必要だった作業の一 部が低コスト化する 既存企業では業務再設計が起きる 新興企業では少人数で 製品・サービスを試作で きる その周辺に、AIインフラ、 AIエージェント、AIセキュリ ティ、AIガバナンス市場が 生まれる
  5. © 2026. For information, contact Deloitte Tohmatsu Group. 第二部 生成AIは新時代のコンパイラである可能性

    6 生成AIはソフトウェア開発の革命か、ソフトウェア工学の宿題再提出なのか
  6. © 2026. For information, contact Deloitte Tohmatsu Group. 生成AIはソフトウェア開発の革命か、ソフトウェア工学の宿題再提出なのか 9

    CI/CDの画期的な点 CI/CDは同一基準でのコンパイル、テスト、バイナリ生成、デプロイをできるようにしたこと、バイナ リ管理はコンピュータに合わせた最適化対象であるとしたことが画期的であった 冪等性の向上 • ソースコードと設定が同 一であれば成果物は一 緒 脱属人性の向上 • 誰かのマシンでしか動か ない事象の排除 • 誰かのマシンでしかデプ ロイできない事象の排除 試行錯誤のしやすさ向上 • ソースコード管理している ことで間違っても前の状 態を再度生成できる
  7. © 2026. For information, contact Deloitte Tohmatsu Group. 10 •

    AIが間違えるたびにプロンプトを直すのではなく、AIが間違えにくい コードベース構造を設計するのではないか。 • AI時代のアーキテクチャ/品質特性は、拡張性や保守性に加えて、 生成可能性を設計品質に含める必要があるのではないか。 • 将来、Gitで管理すべきものはコードだろうか。それとも、AIとの対 話によって形成された「判断の履歴」だろうか。 • ソフトウェア工学は、コード管理から、意図管理の工学への移行が 促進されるのではないか。 生成AIはソフトウェア開発の革命か、ソフトウェア工学の宿題再提出なのか これからのアーキテクトは「構造を設計する人」ではなく「AIが 迷わない地形を作る人」になる コードは成果物ではなく、AIとの会話の副産物になる 第3次産業革命によって「生成結果」はコンパイル後のバイナリであったが、第4次産業革命 によって管理対象がソフトウェア設計やソフトウェア要求の比重が大きくなるのではないか AI時代の品質特性としてISO29119 Part11やISO25059が提示されているが どれも「第三次産業革命の域をでていない」のではないか AIの特性による品質を加えただけで、AIネイティブなソフトウェア開発についての示唆が不足している
  8. © 2026. For information, contact Deloitte Tohmatsu Group. 生成AIはソフトウェア開発の革命か、ソフトウェア工学の宿題再提出なのか 11

    第4次産業革命の品質特性の追加提案 ソフトウェア開発プロセス/QAプロセスにおける生成AI活用の品質特性が実装されることで、私 たちは第4次産業革命に適応したといえる 生成可能性 Generative Capability 生成適合性 Generative Suitability 文脈可読 性 Context Readability 生成境界 明確性 Clear Generatio n Boundarie s パターン一 貫性 Pattern Consistenc y 不変条件 明示性 Explicit Invariants 生成制御性 Generative Controllability 変更範囲 制御性 Change Scope Controllabi lity 介入可能 性 Intervenab ility 差し戻し容 易性 Ease of Reversion 承認経路 明確性 Clear Approval Paths 自律性制 限性 Autonomy Restrictabi lity 意味透明性 Semantic Transparency 意図追跡 性 Intention Traceabilit y 判断説明 性 Decision Explainabil ity 代替案保 存性 Alternative Preservati on 仕様対応 性 Specificati on Alignment 保守時再 解釈性 Maintaina bility-Time Reinterpre tability
  9. Member of Deloitte Touche Tohmatsu Limited © 2026. For information,

    contact Deloitte Tohmatsu Group. デロイト トーマツ グループは、日本におけるデロイト アジア パシフィック リミテッドおよびデロイトネットワークのメンバーであるデロイト トーマツ合同会社ならびにそのグループ法人(有限責任監査法人トーマツ、デロイト トーマツ リスクア ドバイザリー合同会社、デロイト トーマツ コンサルティング合同会社、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社、デロイト トーマツ税理士法人、DT弁護士法人およびデロイト トーマツ グループ合同会社を含む)の総 称です。デロイト トーマツ グループは、日本で最大級のプロフェッショナルグループのひとつであり、各法人がそれぞれの適用法令に従い、監査・保証業務、リスクアドバイザリー、コンサルティング、ファイナンシャルアドバイザリー、税 務、法務等を提供しています。また、国内約30都市に約2万人の専門家を擁し、多国籍企業や主要な日本企業をクライアントとしています。詳細はデロイト トーマツ グループWebサイト、 www.deloitte.com/jpをご覧ください。 Deloitte(デロイト)とは、デロイト トウシュ トーマツ リミテッド(“DTTL”)、そのグローバルネットワーク組織を構成するメンバーファームおよびそれらの関係法人(総称して“デロイトネットワーク”)のひとつまたは複数を指します。 DTTL(または“Deloitte Global”)ならびに各メンバーファームおよび関係法人はそれぞれ法的に独立した別個の組織体であり、第三者に関して相互に義務を課しまたは拘束させることはありません。DTTLおよびDTTLの各メン バーファームならびに関係法人は、自らの作為および不作為についてのみ責任を負い、互いに他のファームまたは関係法人の作為および不作為について責任を負うものではありません。DTTLはクライアントへのサービス提供を行い ません。詳細は www.deloitte.com/jp/aboutをご覧ください。 デロイト アジア パシフィック リミテッドはDTTLのメンバーファームであり、保証有限責任会社です。デロイト アジア パシフィック リミテッドのメンバーおよびそれらの関係法人は、それぞれ法的に独立した別個の組織体であり、アジア パ シフィックにおける100を超える都市(オークランド、バンコク、北京、ベンガルール、ハノイ、香港、ジャカルタ、クアラルンプール、マニラ、メルボルン、ムンバイ、ニューデリー、大阪、ソウル、上海、シンガポール、シドニー、台北、東京を 含む)にてサービスを提供しています。 Deloitte(デロイト)は、監査・保証業務、コンサルティング、ファイナンシャルアドバイザリー、リスクアドバイザリー、税務・法務などに関連する最先端のサービスを、Fortune Global 500®の約9割の企業や多数のプライベート(非 公開)企業を含むクライアントに提供しています。デロイトは、資本市場に対する社会的な信頼を高め、クライアントの変革と繁栄を促し、より豊かな経済、公正な社会、持続可能な世界の実現に向けて自ら率先して取り組 むことを通じて、計測可能で継続性のある成果をもたらすプロフェッショナルの集団です。デロイトは、創設以来175年余りの歴史を有し、150を超える国・地域にわたって活動を展開しています。 “Making an impact that matters”をパーパス(存在理由)として標榜するデロイトの45万人超の人材の活動の詳細については、 www.deloitte.comをご覧ください。 本資料は皆様への情報提供として一般的な情報を掲載するのみであり、デロイト トウシュ トーマツ リミテッド(“DTTL”)、そのグローバルネットワーク組織を構成するメンバーファームおよびそれらの関係法人が本資料をもって専門 的な助言やサービスを提供するものではありません。皆様の財務または事業に影響を与えるような意思決定または行動をされる前に、適切な専門家にご相談ください。本資料における情報の正確性や完全性に関して、いかな る表明、保証または確約(明示・黙示を問いません)をするものではありません。またDTTL、そのメンバーファーム、関係法人、社員・職員または代理人のいずれも、本資料に依拠した人に関係して直接または間接に発生した いかなる損失および損害に対して責任を負いません。DTTLならびに各メンバーファームおよび関係法人はそれぞれ法的に独立した別個の組織体です。 IS/BCMSそれぞれの認証範囲はこちらをご覧ください http://www.bsigroup.com/clientDirectory