https://confengine.com/conferences/regional-scrum-gathering-tokyo-2024/proposal/19293/living-process
ある事業を中心にチームが組まれ人が入れ替わりながらもビジネスは続き、組織のルールができあがり、様々なチャレンジと苦悩を過ごし、多くの企業や自治体や官公庁は現在も営みを続けています。
私が所属する47機関というアジャイルチームも13年の歴史で変化の営みの一歩を踏み出しつつありますが、その一方で成長が極端に遅くなっているのも事実でした。
ですがそれはチャンスでもありました。自分たちがふと目を逸らしているような、当たり前と思われているような状況を認識できたのであれば、それはイノベーションの機会です!私たちはアジャイルの次を見据えたようなフレームワークをつくることにしました。
着眼点を探すのに1年以上かかりましたが、ようやく見つけたのです。そう、それはレトロスペクティブ/ふりかえりでした。レトロスペクティブの精神性はとても尊く、そして多くの人を導く存在です。レトロスペクティブは自己肯定感と反省と成長の機会を与えてくれます。ですが、現在のレトロスペクティブの実装は必ずしもそうなっていません。
私たちのチームはビジネス、チーム、組織的なルールやインフラなどそれぞれに閉じたふりかえりやプランを議論しがちで、分業しがちだと痛感しました。ですがこの部分があるからこそ、次へ行けます。私たちは常にある全体の部分しか見えませんが、より高い全体性は常に部分から始まります。これは部分しか見えていないチームであっても、常により全体性を得ることができるということを示唆しています。
そして47機関はこの殻を打ち破りました。ビジネス、チーム、組織のオペレーションという観点とタイムスパンという2軸で定性的、定量的に改善を相互補完的に、そしてアイディア発想を求めるフレームワークにすることで成長を促すようなフレームワークとなりました。
ビジネス、チーム、オペレーションを1枚のキャンバスで描くことで、対象とする課題やアイディアやコミュニケーションを総合的に捉えて、それぞれがどのように影響し合うのかをチームが観察し、未来に向けたチャレンジをできるようになりました。
自分たちが解決するといい課題とはなにか?圧倒的な成果を残せるようなアイディアとはなにか?定量的に効果がでているのか?定性的に効果がでているのか?事業への影響は?チームへの影響は?オペレーションへの影響は?それら全てに応える総合的に未来をつくりだすためのフレームワークです。
これらのもとになっているのは、リーンスタートアップ、デザイン思考、アイゼンハワーマトリクス、ROI、KGI管理、EBM(Evidence Based Management)と多岐にわたりますが、それらが1つの全体として機能し、成長を促します。
様々なパラメータがありつつも切り口が決まっていることで、組織内のコミュニケーションは人もタイミングも選びやすく、計画しやすくなり、自分たちが思ってもいない成長ができました。
レトロスペクティブというありふれたポイントから始まりながらも、既存とは全く異なるフレームワークに昇華させました。それはレビューであり、レトロスペクティブであり、ダッシュボードであり、組織改善であり、アイディア発想でした。
レトロスペクティブに全体性を再インストールしたことで生まれた新しい適応型のフレームワークをぜひお楽しみに。