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年度末の振り返り!テクニカルライターは成果をどうアピールすべきか

 年度末の振り返り!テクニカルライターは成果をどうアピールすべきか

古木 亮太朗(LINEヤフー株式会社 Dev Contentチーム テクニカルライター)

2024/03/14「Technical Writing Meetup vol.31」での登壇資料です
https://tw-meetup.connpass.com/event/312607/

LY Corporation Tech

March 14, 2024
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Transcript

  1. © LY Corporation 2 ⾃⼰紹介 古⽊ 亮太朗 LINEヤフー株式会社 テクニカルライター •

    2019年LINE⼊社 • 2021年に社内公募でテクニカルライターに転⾝ • 2023年に会社合併によりLINEヤフー • 職歴 • ソフトウェアエンジニア • 広告代理店 • 副業でゲーム雑誌でライター業 • ウェブサービスの企画・ディレクター
  2. © LY Corporation アジェンダ 1 時はまさに年度末 2 テクニカルライターの⽬標設定 3 実際の⽬標設定と評価

    4 ライターの成果アピール 5 来期の⽬標設定について考えてみた 6 全体のまとめ 3
  3. © LY Corporation 6 過去の経験 • 広告収益を前期⽐でN%向上 • ユニークブラウザ数をxxx万達成 •

    新機能をX⽉までにリリース • 関連チームと連携を強化し業務を円滑にすすめる
  4. © LY Corporation 7 LINEヤフーの評価制度 ⽬標設定から評価までの流れ 中⻑期的な視点でより⼤きな事業インパクトを⽬指すため、年度単位での⽬標設定を⾏います。 期中には⽇頃の1on1で⽬標の進捗確認を⾏い、社会情勢や外部環境を踏まえた上で必要な軌道修 正をする期間があります。 ⽬標設定

    ― 年度⽬標を定めた上で半期の⽬標(KPI)を設定 期中フィードバック ― ピアフィードバックの結果などもふまえながら、設定した⽬標に対する 進捗、達成に向けたアクションを確認 ⽬標修正期間 ― 市場や社会情勢の変化等を踏まえた必要に応じて⽬標を修正 期末評価 ― 半期の⽬標達成を評価 引⽤元:採⽤(⼈材獲得)| LINEヤフー株式会社 https://www.lycorp.co.jp/ja/sustainability/esg/social/recruitment/
  5. © LY Corporation 9 定量⽬標と定性⽬標 定量⽬標: 定性⽬標: 定量⽬標とは、数値や数量に落とし込む⽬標のことです。例として以下のよ うな定量⽬標があります。 ・毎朝10分間新聞を読む。

    ・テレアポで1⽇5件商談を獲得する。 ・社員の定着率を30%向上させる。 定性⽬標とは、数値化できない⽬指すべき状態を表す⽬標のことです。(略) 例として以下のような定性⽬標があります。 ・社内で⼀番仕事ができる⼈になる。 ・信頼される⼈間になる。 ・商談のアイスブレイクを成功させる。 引⽤元:定量⽬標と定性⽬標の例まとめ!業界、職種別に紹介 | HR⼤学 https://www.hrbrain.jp/media/human-resources-management/qualitative-quantitative-goal
  6. © LY Corporation 11 定量⽬標について考える • 書いた⽂字数 • 作成更新したページ数 •

    対応したチケット数 • ドキュメントのリリース数 毎⽇1000⽂字書け…… ってコト!?
  7. © LY Corporation 12 定量⽬標には関連性が⼤事 引⽤元:NTT Com Open TechLunch #7「エンジニアリングマネージャーと⽬標設定」資料より

    https://www.ryuzee.com/contents/blog/14581 • 定量⽬標では⽬的に対しての 関連性が重要 • ビルドトラップという状態に 陥る可能性
  8. © LY Corporation 13 関連性がある定量⽬標 • 読者の満⾜度の向上 • サポートチームの負荷の軽減 •

    関連プロダクトの売上アップや顧客満⾜度の向上 測定することが難しい可能性も……
  9. © LY Corporation 15 ⽬標設定についてのまとめ • 定性⽬標は⽴てやすそう • ただし、定量的に!と⾔われるかも •

    定量⽬標は⽬的に関連したものに • アウトプットを指標にする場合はビルドアップに注意 • 指標によっては計測が難しいかも • 問合せが減った = ドキュメントが良い?
  10. © LY Corporation 21 個⼈的に思うこと • ⽬標を達成できたかどうか • 達成するための⼯夫 •

    困難だったこと • それをどう乗り越えたか • 反省点や振り返り アピールになっているのか……
  11. © LY Corporation 23 1⼈テクニカルライターのアピール ⽮崎さん 株式会社ソラコ⼛ テクニカルライター 問合せ⼈数 訪問ユーザー

    / = Self service ratio ユーザーにドキュメントを提供する⾝として、やはり1番奥深いところで は「⼈対⼈で対応しなければいけない説明を、ドキュメントによって時 間を減らせたこと」をアピールしたいと思っています。 今は、Self service ratio※という「ドキュメントを読んで⾃⼒で解決で きた⼈の割合」を数値として使っています。 ドキュメントを読みに来ているユーザー数を、問い合わせする可能性の あるユーザーと仮定し、実際の問合せ⼈数で割って算出します。 ※:セルフサービスを提供するには - パート6:セルフサービスの基本メトリックのトラッキング ‒ Zendeskヘルプ https://support.zendesk.com/hc/ja/articles/4408894139930
  12. © LY Corporation 24 組織でのアピール 仲⽥さん サイボウズ株式会社 テクニカルライター 基本的には、アウトカム※でアピールできれば⼀番評価しやすいと思い ます。

    ただ、テクニカルライターのアウトプットは定量的に効果を測りづらい こともあるので、「活動からどんな学びを得たか(=個⼈の成⻑)」も アピールになります。受け売りでなく、⾃分の⾔葉で語れると良いと思 います。 ※:顧客からのフィードバックが改善した、プロダクトの⽬標や結果に対して何らかの貢献をした、など
  13. © LY Corporation 26 参考:エンジニアリングマネージャーのしごと 本書は、エンジニアリングチームのマネジメントの仕 事全般を紹介し、エンジニアリングマネージャーに必 要な考え⽅やスキルを解説します。はじめに、⾃分の 役割と組織のさまざまな部分がどう関係するかを理解 し、習慣を整えることで⾃分⾃⾝を管理することを学

    びます。そして、⽇々のマネジメント業務で必要な ツールとプロセスを紹介し、スタッフとの関係性の構 築、モチベーションの理解、評価や採⽤などを解説し ます。さらに社内政治や難しい状況での判断、その後 のキャリアについて説明します。 引⽤元: O'Reilly Japan - エンジニアリングマネージャーのしごと https://www.oreilly.co.jp/books/9784873119946/
  14. © LY Corporation 27 評価⾯談の迷信 迷信その1:⾯談はマネージャーがトップダウンでフィードバックをするためのものである ⾯談は双⽅向のプロセスであるべきです。⾯談までの数週間で、あなたもスタッフも、時間と労⼒を費やして準備をします。どちらも、 パフォーマンスについてじっくり考えるでしょう。 迷信その2:⾯談は会社が⾏うものである 確かに、評価⾯談のための準備の時期を知らせる通知を送るのは、HR部⾨かもしれません。だからといって、⾯談は単にやりたくもな

    いマルバツをつけさせられるもの、というわけでもないのです。評価⾯談は、あなたのマネージャーとしての道具箱に⽋かせないもので す。キャリアについて深く話し合い、継続的に⽬標を設定するための機会を与えるものなのです。 (略) 迷信その7:⾯談はパフォーマンスについて話す唯⼀の場である (略)あなたとスタッフに必要なのは、1年を通していつでも、良いことも悪いことも踏まえて、パフォーマンスについて透明性のある会 話をすることです。 引⽤:『エンジニアリングマネージャーのしごと』 - P95 6章 1年でいちばん輝かしい季節
  15. © LY Corporation 29 キャリアアップ表 参考:『エンジニアリングマネージャーのしごと』 - P280 15章 デュアルラダー

    ※コンピテンシー:資格、能⼒、⾏動特性のこと コンピテンシー領域※ L1 L2 L3 プロとしての経験 業界経験はほぼなし 学校教育を含め 3〜7年 7年以上の経験 技術的知識 問題を分析し解決策を提案で きる 選択した⾔語や技術スタック に堪能である 知識が豊富で、さまざまな相 談を受けられる メンターシップ 助⾔を受けることが多い L1の指導ができる 周囲に助⾔ができる優れた師 である 影響⼒ 同僚と関係を作ることができ る 周囲に助⾔ができる 周囲から意⾒を求められるこ とが多い
  16. © LY Corporation 31 ライターの場合 コンピテンシー領域 L1 L2 L3 業界経験

    業界経験はほぼなし 1〜5年 5年以上の経験 ライティング知識 実⽤⽂を書くことができる テクニカルライティングの知 識を⽤いて、分かりやすい実 ⽤⽂を書くことができる テクニカルライティング、⽂ 法、表現⽅法、使⽤ツールに ついて豊富な知識を持つ 製品の知識 ほとんど使ったことがない 製品の使い⽅を⼀通り理解し ている 製品の応⽤的な使い⽅や、ト ラブルシュートまで、幅広い 知識を持つ
  17. © LY Corporation 34 まとめ • 評価でアピールするためにも⽬標設定を頑張ろう • 組織にも⾃分にも価値ある⽬標を •

    定量⽬標は難しいけどアピールしやすそう • ⽬的に関連性がある数値⽬標を • アウトプットを⽬標にする場合はビルドトラップに注意 • キャリアアップについてレベルの定義があると◎ • ⽬標を⽴てるための指標