Women in Data Science TOKYO @ IBMでの講演資料 https://widstokyoibm2020.splashthat.com/
主にB2Cサービスの成長段階に応じて、データサイエンティストに求められるスキルセット(ビジネス、エンジニアリング、サイエンス)のバランスの変化と、マインドセットの変化についてお話しました。 現段階の見解なので、引き続き経験と知見を溜めながらブラッシュアップを続けていきます。
サービスの成長段階とデータ分析の位置付け株式会社リクルートマーケティングパートナーズ後藤真理絵
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Agenda | ・自己紹介・担当サービスの紹介・データサイエンティストに求められるスキル・サービスの成長過程と関連KPI・成長過程ごとのデータ分析の違い・成長過程ごとに求められるデータ人材のあり方・データ人材の幸せのために
弊社のご紹介
出会い・結婚・出産 自動車 学習・進路リクルートマーケティングパートナーズのサービス
スタディサプリ
日本 インドネシア フィリピン対象学年 小・中学校 高校 大学・社会人 高校 高校オンラインビデオ(B to C)オンラインビデオ&アセスメント(B to B to C)オンラインコーチング各国で様々なサービスラインナップにて事業展開をしていますパーソナルコーチプランサービスラインナップ
大学時代 社会人1−2年 社会人3-10年 社会人10年〜慶應SFCデザイン思考エスノグラフィFlashプログラミングWeb広告制作会社ディレクター見習いプロジェクト進行管理マーケティングリサーチ会社<データ収集>・文献、各種統計情報・Webアンケート・インタビュー調査・有識者インタビュー・ビジネスエスノグラフィ<分析・報告>・多変量解析、マイニング・顧客向け報告会ヤフー株式会社<広告効果分析>・広告効果分析・全社マーケティング最適化<サービス利用状況分析>・既存サービス分析支援・新規サービス立ち上げ伴走2020〜株式会社リクルートマーケティングパートナーズスタディサプリ/Quipperサービス利用状況分析自己紹介
世の中でイメージされるデータサイエンティスト像と比べると、私はイメージが違うかもしれません
「Data Scientist」でアイコンを検索すると・・・Creative Commonsライセンスの画像をDLhttps://thenounproject.com/なんでもお見通し系 理系の実験系?予測する人
今日は、“ データサイエンティストにも色々な役割や価値の出し方がありそうだ ”というイメージを持ち帰っていただけるような話をしたいと思います。
①データサイエンティストに必要なスキルと マインド②サービスの成長段階によって、見るデータと 必要なサイエンス能力は変容③成長段階に応じたデータ人材のあり方本日お伝えしたいこと
①データサイエンティストに必要なスキルとマインド
ビジネス、データサイエンス、データエンジニアリングの3つの視点が必要データサイエンティストに求められるスキル資料:データサイエンティスト協会プレスリリース (2014.12.10)http://www.datascientist.or.jp/news/2014/pdf/1210.pdf
資料:2019年度スキル定義委員会活動報告http://www.datascientist.or.jp/symp/2019/pdf/1115-1155_skill.pdf事業ドメイン別の必要スキルの明確化
例:マーケティング業界資料:2019年度スキル定義委員会活動報告http://www.datascientist.or.jp/symp/2019/pdf/1115-1155_skill.pdf
例:金融業界資料:2019年度スキル定義委員会活動報告http://www.datascientist.or.jp/symp/2019/pdf/1115-1155_skill.pdf
例:流通業界資料:2019年度スキル定義委員会活動報告http://www.datascientist.or.jp/symp/2019/pdf/1115-1155_skill.pdf
私の考え・従事するサービスの事業モデルの理解、 サービスの向かう方向性の理解は必須・それを踏まえた分析の目的設定、データ 取得設計、分析設計を、 推進するマインドセットが大事
②サービスの成長段階によって、見るデータと必要なサイエンス能力は変容
リリース前リリース後立ち上げ期 市場拡大期 安定運用期サービスの成長段階(B2Cの場合の例)Service Growth事業として成長を加速させていく時期
ユーザーに問い、受容性を確認初期ユーザーの獲得競合プレイヤーと市場で切磋琢磨インフラ化プラットフォーム化リリース前リリース後立ち上げ期 市場拡大期 安定運用期成長段階ごとに目指す姿(例)Service Growth
KPIは、現状把握系から改善活動、事業成長にシフト❖ CV数❖ 主要機能利用率❖ ユーザー数❖ 新規CVR❖ 主要機能利用状況<市場関連>❖ ユーザー数❖ 市場シェア<サービスの価値関連>❖ 主要機能利用状況❖ 新機能の利用状況❖ CS問い合わせ❖ 満足度、NPS<事業関連>❖ マーケティングROI❖ LTV<市場関連>❖ ユーザー数❖ 市場シェア<サービスの価値関連>❖ 主要機能利用状況❖ 新機能の利用状況❖ CS問い合わせ❖ 満足度、NPS<事業関連>❖ マーケティングROI❖ LTV❖ クロスユース❖ ロイヤリティプログラムリリース前リリース後立ち上げ期 市場拡大期 安定運用期成長段階ごとのKPI(例)Service Growth
KPIは、現状把握系から改善活動、事業成長にシフト❖ CV数❖ 主要機能利用率❖ ユーザー数❖ 新規CVR❖ 主要機能利用状況<市場関連>❖ ユーザー数❖ 市場シェア<サービスの価値関連>❖ 主要機能利用状況❖ 新機能の利用状況❖ CS問い合わせ❖ 満足度、NPS<事業関連>❖ マーケティングROI❖ LTV<市場関連>❖ ユーザー数❖ 市場シェア<サービスの価値関連>❖ 主要機能利用状況❖ 新機能の利用状況❖ CS問い合わせ❖ 満足度、NPS<事業関連>❖ マーケティングROI❖ LTV❖ クロスユース❖ ロイヤリティプログラムリリース前リリース後立ち上げ期 市場拡大期 安定運用期成長段階ごとのKPI(例)Service Growth現状把握がメイン・サービスの主要機能を整える・初期マーケティング
❖ CV数❖ 主要機能利用率❖ ユーザー数❖ 新規CVR❖ 主要機能利用状況<市場関連>❖ ユーザー数❖ 市場シェア<サービスの価値関連>❖ 主要機能利用状況❖ 新機能の利用状況❖ CS問い合わせ❖ 満足度、NPS<事業関連>❖ マーケティングROI❖ LTV<市場関連>❖ ユーザー数❖ 市場シェア<サービスの価値関連>❖ 主要機能利用状況❖ 新機能の利用状況❖ CS問い合わせ❖ 満足度、NPS<事業関連>❖ マーケティングROI❖ LTV❖ クロスユース❖ ロイヤリティプログラムリリース前リリース後立ち上げ期 市場拡大期 安定運用期Service GrowthKPIは、現状把握系から改善活動、事業成長にシフト成長段階ごとのKPI(例)・サービスの磨き込み・事業のドライバー指標の発掘 施策実施、評価のサイクル
ドライバー指標??
成長のドライバーとなる様々なKPIを定義し、計測しながら運用・評価する苦手分野を補強したい学生事業KPIオンラインで継続的に学習し夢や目標に近づく× =学習成果コンテンツ利用率継続利用率学習KPI1日◯時間週◯日×Key Results Objective市場拡大期の例「学習KPI」 学習者編
先生事業KPIオンラインで継続的に学習し夢や目標に近づく× =学習成果コンテンツ利用率継続利用率学習KPI先生の宿題配信数生徒の宿題提出率自主学習の頻度対話の頻度×Key Results Objective生徒成長のドライバーとなる様々なKPIを定義し、計測しながら運用・評価する市場拡大期の例「学習KPI」 学校編
市場拡大期の視点・多種多様なデータからドライバー指標を発掘・ドライバー指標に関係/影響する事象の発見 (パターンの発見、要因解明)・施策を実施し、ドライバー指標の向上有無を評価
事業KPIを最大化するための最適な解を見つける良い品物をお得に買いたい売り場における最適なマッチングによる機会の最大化× =多様な商品群×アルゴリズム購買促進施策セグメント別購入率、購入数Key Results Objective安定運用期の一部の例 最適化問題施策成果
安定運用期の視点ドライバー指標の発見は継続しつつ、・施策の精度向上を重視(効果の最大化)・施策効果を予測し評価する
こうしたサービス変化にデータサイエンティストはどう関わっていくことになるのか?
段階ごとに・使うデータの特性・使う手法・期待されるスキルとマインド が変容
③成長段階に応じたデータ人材のあり方
リリース前リリース後立ち上げ期 市場拡大期 安定運用期組織期待役割ビジネスエンジニアリングサイエンス+α兼任 専任者1~2名BI設計、営業やマーケからの集計依頼対応DBからの集計、BIツール実装BIでの可視化表現力機能ごとに3名以上のチーム制ビジネス課題の深堀分析システムUI設計、可視化表現力部格。役割は明確。プロジェクト型市場動向からのビジネス課題発見、解決のためのインサイト発見大規模データ処理運用、予測モデル運用環境構築意思決定につながるデータの伝達力予測モデルを用いた機能の拡充サービスの成長段階に応じたデータ人材の期待スキル成長段階に応じてビジネス、エンジニアリング、サイエンスの比重が変化レポート自動化・基盤運用、分析用データマート作成機械学習・統計解析・マイニング等でのインサイト分析データ取得設計、運用を見据えたDB基盤構築データ取得設計
リリース前リリース後立ち上げ期 市場拡大期 安定運用期組織期待役割ビジネスエンジニアリングサイエンス+α兼任データ取得設計データ取得設計、運用を見据えたDB基盤構築サービスの成長段階に応じたデータ人材の期待スキルリリース前は、運用を考えたDB構築能力がかなり重要・ほぼ生ログ・整備して、集計できるようにする
リリース前リリース後立ち上げ期 市場拡大期 安定運用期組織期待役割ビジネスエンジニアリングサイエンス+α兼任BI設計、営業やマーケからの集計依頼対応DBからの集計、BIツール実装BIでの可視化表現力専任者1~2名サービスの成長段階に応じたデータ人材の期待スキル立ち上げ期は、少数で「事業の見える化」がメイン業務データ取得設計、運用を見据えたDB基盤構築・2群の比較(A/Bテストなど)・軸を切った数値の集計が中心・スピーディーな可視化と 意思決定促進が重要データ取得設計
リリース前リリース後立ち上げ期 市場拡大期 安定運用期組織期待役割ビジネスエンジニアリングサイエンス+α兼任BI設計、営業やマーケからの集計依頼対応DBからの集計、BIツール実装BIでの可視化表現力役割ごとに3名以上のチーム制ビジネス課題の深堀分析レポート自動化・基盤運用、分析用データマート作成システムUI設計、可視化表現機械学習・統計解析・マイニング等でのインサイト分析専任者1~2名サービスの成長段階に応じたデータ人材の期待スキル市場拡大期は、チームでビジネス課題を解決する分析に軸足が移るデータ取得設計、運用を見据えたDB基盤構築データ取得設計複数の変数を使った深い分析・要因分析・パターン発見・統計解析、データマイニング、 機械学習モデル等を用いた予測←ビジネス←エンジニアリング←サイエンス+α
リリース前リリース後立ち上げ期 市場拡大期 安定運用期組織期待役割ビジネスエンジニアリングサイエンス+α兼任 専任者1~2名BI設計、営業やマーケからの集計依頼対応DBからの集計、BIツール実装BIでの可視化表現力機能ごとに3名以上のチーム制ビジネス課題の深堀分析システムUI設計、可視化表現力部格。役割は明確。プロジェクト型市場動向からのビジネス課題発見、解決のためのインサイト発見大規模データ処理運用、予測モデル運用環境構築意思決定につながるデータの伝達力予測モデルを用いた機能の拡充サービスの成長段階に応じたデータ人材の期待スキル安定運用期は、プロジェクト型で複雑な課題を解きにいくレポート自動化・基盤運用、分析用データマート作成機械学習・統計解析・マイニング等でのインサイト分析データ取得設計、運用を見据えたDB基盤構築データ取得設計・複雑に絡み合った課題が増える・事象を分解しつつ分析する・深掘分析で見出した問題を 機械学習等を用いてシステム化
マインドセットはどうだろうか?
リリース前リリース後立ち上げ期 市場拡大期 安定運用期サービスの成長段階に応じたデータ人材のマインドセット各段階で、マインドセットを変容させて貢献する0→1に関われる何が起きても悟りの境地日々状況が変わる、混沌サービスの広がりを体感一人何役も持つ臨機応変アグレッシブさ基盤は混沌、、エンジニアとビジネスの間を埋める責任者へのインサイト提示事業を動かす事業視点で伴走分析事例共有基盤整備もある関係者は爆増調整事も必要問題定義力プロマネ視点整った基盤で試行錯誤定型業務から学べる世の中へのインパクト定型業務・改善案件と複雑な問題を解く大型案件に二極化責任者との距離感
みなさんのスキルとマインドセット、どのフェーズに近かったでしょうか?
● スキルとマインドセットの整理 +● サービスがどの成長段階なのか● どんな人が必要とされそうか常にアップデートし続け、どんな環境でも自分の役割を認識して動ける人材になっておく● サービスが成長段階のどこか● これから向かう方向はどこか +● 今いる人のスキルとマインド● 今後必要な人のスキルとマインドよりマッチした応募者が集まりやすいJob Descriptionになるのではないかデータ人材サイド データ人材募集サイドデータ人材の幸せのために各段階ごとの期待役割を想定し、スキル・マインドをアップデートし続ける
事業ドメインごとに求められるスキルとマインドの定義が進むサービスの成長段階ごとに、スピード重視の現状把握から、事業成長のためのドライバー指標発掘・施策精度向上にシフトしていく傾向成長段階ごとの期待役割とスキル、マインドセットも言語化が重要まとめ
ご清聴ありがとうございました