先日、メルカリグループではスムーズにリモートワークへ移行するためのTips集をつくり、社内で展開しました。これは、全5チーム(IT Service、Corporate Legal、Corporate Planning、Engineering Engagement、Language Education)のみなさんによって作成されました。 その名も「Remote work guide」!
スムーズなリモートワークへの移行2020.06.02Remote work guide
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2はじめに新型コロナウィルス感染拡大前は、メルカリはカルチャーの浸透には対面コミュニケーションが重要であり、リモートワークは非推奨というスタンスでした。2月下旬に東京オフィスで原則在宅勤務に、4月にオフィスをクローズして全社在宅勤務体制に移行しました。 リモートワーク環境において、あらためてメルカリーのバリューとTrust & Opennessのカルチャーを実現する働き方を確立するために、社内コミュニケーション施策や、ITインフラなど仕事をする環境をサポートする施策、フルフレックス制度試験導入また在宅勤務手当を支給しました。 直近のサーベイで、在宅勤務が生産性に与えた影響に関する質問では、3割超が向上、5割が変わらない回答しています。ここでの学びをふまえて、感染収束後も見据えた継続的な働き方を議論しています。 メルカリの事例共有を通じて、皆様と幅広く意見交換させていただくことで、withコロナ時代の働き方を一緒に模索していきたいです。 Tatsuo KinoshitaCHRO
3オンラインでのイベントオンラインでイベントを開催する方法By Kayo(Engineering Engagement Team)
4オンライン開催イベント
5オンラインイベントで周囲を巻き込む方法オフラインからオンラインへの切り替え 短期間でオンライン開催の効果を最大限出すためには、本当に必要なことに焦点を当てて取り組む必要があると考える「目的」をきちんと設定し、そこがブレないように考え抜くことの大切さ 参加者を巻き込み、盛り上げるための工夫点 ● 発表しやすい雰囲気づくり ○ 1.Demo DayのOpening talkで「Slack上での盛り上がり練習タイム」 ○ 2.発表を聞く側の人もハングアウトで顔を出してもらう ● 「オンラインにも負けずに盛り上げよう」「オンラインだからこそできる盛り上がりは何だろう?と原点に戻って施策を考えること
6オンラインイベントで周囲を巻き込む方法1. 参加者がしっかり参加できている状態を目指すための工夫 / 盛り上げ施策 イベント開催時の呼びかけや雰囲気作り、Slackでのコミュニケーション方法の確認など、会の参加方法をしっか り視聴者に伝えて巻き込むこと。 2. 目的を定めた優先順位の決定 オフラインでの施策とオンラインでは出せる効果が違うので、ゴールと目的をしっかり見極めること。 3. 実施はできるが工夫は必要 オンラインでの開催はできなくはないが、やはりオフライン施策より劣る部分は必ず出てくるため、何が障壁になり、どのように対策するかはきちんと考えておくこと。 4. 運営側も数をこなすことで慣れてくる 最初は色々予想できないので不安が多いと思いますが、運営は数をこなしてくると慣れてくるので、まずは仮説 を立てて実践することが重要。 全社定例をリモートで実施するにあたって
7リモート環境でのITサポートITサポートをリモートで行う方法By Takashi Yoshikawa (Technical Support - IT Services)
8WFHでの入社キット発送の様子
9ITサポートをリモートで行う方法● オンラインからオフラインへ IT Serviceの業務は物理的な物が多い。PC等ハードウェアの準備やキッティング、対面でのヘルプデスク対応、入社オリエンでのPCセットアップのフォローなど。このためオフィス作業は必須と考えていた。 ただ、それは今までの固定観念に基づくものであって、今回のコロナ関連の事態を受けすべてとはいかないものの、いかにそれらをリモートで実現できるかを考えるきっかけとなり、結果として新しいワークスタイルへの変革に繋げていくための転機になった。 ● 直近での取り組み ・入社オリエンのリモート開催(入社者の自宅NW環境の確認、PCキッティング内容の変更、事前配送) ・ゼロタッチキッティングの検討開始(PCを開いたらキッティングが自動で開始され完了する、という世界観) 固定観念からの脱却
10ITサポートをリモートで行う方法1. 出社しないことを前提とした発想の転換 職種柄、会社でしかできない業務が一定あるにせよ、当たり前に対応していたものをあえて止めてみる。できないという先入観を無くして、100%で無くていいからできないことをできるにするには、と。80%できる、残り20%捨てるという取捨も重要。発想の転換で意外とできることがある事にに気づけるかも知れない 2. 交換用PCの保管ロッカー ダイヤルロック式のロッカーに交換用PCを保管し、急なPC故障が発生した場合にはロッカーのPWを伝えユーザ自身で出社し回収してもらうことでITの出社対応の抑制できる。1回利用されたロッカーは次回利用時までにPWを変更する(メルカリでは地方拠点でテスト運用中)。 3. 1日1回以上のQuickChat Slackだけでも日々の進捗状況は共有できるが、Google Meetで顔を合わせてやることで、できるだけリモートでの距離感を縮める。その際はあまり義務的にならないよう雑談を交えながらクイックに。正社員だけでなく派遣社員などのサポートメンバーも一緒に実施することで一体感を保つ。 ヘルプデスク業務をリモートで遂行するにあたって
11オンライン会議への移行リモートでも効果的にコミュニケーションする方法By Maz(Language Education Team)
12やさしいコミュニケーション
13オンラインミーティング● やさしいコミュニケーションとは? 母語話者や上級話者が話す日本語や英語は、学習者にとってとても難しいことがあります。学習者が理解しやすいよう調整したものが「やさしい日本語」と「やさしい英語」です。やさしい日本語とやさしい英語を使って、コミュニケーションをもっと円滑にしていこうというのが、「やさしいコミュニケーション」です。メルカリには、英語も日本語も様々なレベルのメンバーが在籍しているので、円滑でかつインクルーシブなコミュニケーションのため、相手の言語レベルに合わせて自分の言語を調整をすることはとても大切な姿勢だと考えています。 ● やさしい+WFHコミュニケーション・ベスト・プラクティス 在宅勤務(WFH)となってすぐ、チーム内で、これまで通り効果的なコミュニケーションができるよう試行錯誤をしてきました。チーム内での試行錯誤の結果をベスト・プラクティスとしてまとめました。オンラインでやりとりするしかない今、自分の意見が明確にメンバーに伝えられるよう、また、メンバーの意見を正確に理解できるよう、コミュニケーションの工夫が必要だと思います。オンラインコミュニケーションはオフラインコミュニケーション以上に「やさしい」マインドが必要です。 やさしい+WFHコミュニケーション・ベスト・プラクティス
14オンラインミーティングテクノロジー 1. 共有Docがある場合には、今話している場所をハイライトしてください 2. 必要に応じて(他の人の発言を止めたくないなどの理由)HangoutsのチャットやSlackを使ってコメントをしてください マナー 1. 自分の話が終わったことを言葉で示してください(「以上です」など) 2. ファシリテーターは、混乱を避けるためいつも要約と理解確認をしてください(意思決定をしたとき、トピックがかわるときなど)。オンラインミーティングでのファシリテーターの役割は、オフラインミーティングより大きいです。 こちらは、Language Education Teamのベスト・プラクティスの一部です。チームによってベスト・プラクティスはそれぞれ異なると思います。やさしい+WFHコミュニケーション・ベスト・プラクティスの詳細をGitHubで公開しています 。こちらをご覧ください! 是非チームで話し合って、各チームの状況に合ったコミュニケーション・ベスト・プラクティスを見つけてください。 オンラインコミュニケーションは、テクノロジー面とマナー面の両方から、ベスト・プラクティスを考える必要がある
15All Handsのリモート実施リモートでのマスコミュニケーション方法By Demirhan (Mercari Japan Corporate Planning Team)
16オンラインオールハンズの様子
17All Handsのオンライン化● 通常運用 All Handsの通常運用では、スピーカーと社員が会場に集まり、ステージ上にある3つの画面の内、2つに日本語資料、1つに英語資料が投影されます。他拠点の会場ともHangoutで繋がって、資料や会場の声が聞こえるようにします。通訳ブースに通訳者が入っていて、本番中にHangoutで日英通訳を提供します。最後にQ&Aタイムが設けてあって、会場でマイクを回して質疑応答をします。多拠点からもHangoutで質問を受け付けます。 ● Online運用 全社的に原則WFHに切り替えてから、社員の密集を避けるため、オフィスの空間を一切使わず、全員が自宅からPCで参加できる形で実施しています。Hangoutルームを用意して、スピーカーだけそちらに入ってもらい、プレゼンをしない人にはHangoutのライブストリームを見てもらいます。本番中のやり取り、コメント、質疑応答等を全て一つのSlackチャンネルに集中させます。スピーカーが複数いれば、別の方に「画面共有をしながらスライドを操作するだけ」の役割をアサインします。全員がHangoutの傍らSlackを見ている状態が理想です。日英通訳も別Hangoutで提供。通訳者はメインHangoutルームに入って日本語を聞きます。英語スライド操作役もまた別途一人アサインする必要があります。 全社定例をリモートで実施するにあたって
18All Handsのオンライン化1. 全員の体験最大に簡単化 物理的にフォローできたはずのところもオンラインに持ち込まなくてはならないということで、色々と複雑になりがちです。話す方聞く方両方にとってまったく新しい体験なので、スタッフを増やしてまで一人一人の体験をできるだけ簡単にする必要があります。スライドを操作する一人をアサインすることで、スピーカーどうしで画面共有を回す手間がなくなるし、「会場のコミュニケーション」全てを一つのチャンネルにまとめることで、全員が同じ資料と同じチャンネルを見る状態が作れます。 2. オーディエンスのリアクションがスピーカーに届けるようにすること 会場で人を目の前にしてプレゼンするのではなく、一人で自宅からパサコンの向かって話かけるスピーカーは、自分の話が聞かれているか、伝わっているかが不安になってもおかしくないです。リアルとライブストリームの間に時差が発生するので、Slackチャンネルでのリアクションが遅くなることをしっかり伝えた上で、チャンネルがリアクションで盛り上がるような温かい状況を作りましょう。 3. Meetルームとライブストリームを使い分けて、しっかり周知 オンラインMTGのマナーがこれから普及するところですが、まだマイクやカメラのON/OFFの意識をされていない方もいるかもしれません。その上、一つの部屋に参加者が大人数で入りすぎると接続が落ちたりしかねません。大人数がいる場合、スピーカー以外の方はライブストリームを見るようにしっかり周知しましょう。 全社定例をリモートで実施するにあたって
19電子署名への切り替えリモートでリーガル対応する方法By Kurumi Otsubo (Corporate Legal Team)
20チームメンバーと、署名または電子署名での契約締結依頼書
21契約の電子化推進● これまでの運用 国内契約の9割近くについて、押印が必要でした。社印はLegalの金庫に保管されており、社外持ち出し禁止なので、押印が必要な場合、Legalのメンバーが出社して対応する必要があります。WFHが開始された以降、3月までは毎日2,3人がローテーションで出社して対応していました。 ● 電子契約の推進 押印のために出社する頻度や人数を減らすために、4月から電子化推進の取り組みを開始しました。具体的な取り組みは①権限者の署名+PDF交換での契約締結の推進、②電子契約サービス(クラウドサイン)の全社導入、の2つです。 ○ 権限者の署名+PDF交換での契約締結の推進 ■ 署名方法の説明やFAQについてwikiを作成し、署名方法を周知しました。 ○ 電子契約サービス(クラウドサイン)の全社導入 ■ 押印前提の契約フローの変更、kintoneリーガルアプリの改修、既存導入部署との調整、電子サイン利用時の注意点整理など、安全・安心な電子契約導入にむけた準備を実施し、5/20〜メルカリ全社導入予定です。案内資料 押印のための出社を減らすために、契約の電子化を推進
22契約の電子化推進1. FAQや説明資料の準備/周知 これまでは押印が一般的だったので、大多数の方が署名のやり方や、電子契約サービスの使い方がわからないことが多いと思います。そこで、まずは社内の方向けに、具体的な使い方や手続き(誰の署名が必要か、どうやって署名するか、電子契約サービスを利用する場合の手順等)を解説する社内wikiページを作って周知するとよいです。他にも、社内の方が署名や電子契約を利用してもらえるようにFAQを作ったり、契約ひな形を署名/電子サインに対応した内容に変更するとよいです。 2. 契約フローの整備等 多くの会社では、紙に押印することを前提とした契約フローになっていると思います。契約を電子化した場合、押印の有無以外にも色々と扱いが異なってきます(例えば、印紙が必要か、郵送が必要か、PDFデータ化の必要があるか、紙を倉庫で保管する必要があるか等)。そのため、電子化を進める際は、あわせて契約フローも電子化に対応できるように変更するのが望ましいです。その他、契約の電子化については、ごく一部ですが、法律上、電子化できない契約類型や、電子化するには先方の事前承諾が必要な契約類型があります。そのため、これらの契約類型は、電子化不可とする/先方の承諾を必須とする、というルールを作り、それが徹底されるように十分に社内周知することが大切です。 3. 取引先への説明 契約の電子化は取引先の理解がないと実施できません。そのため、取引先へのお願い文書を作成するのもよいと思います。他に、取引先への説明用に、電子契約サービスの内容紹介やFAQをまとめておくのもよいです。 契約の電子化を進めるにあたって
23このガイドについてのお問い合わせ:https://forms.gle/fuQekG49jbCdJTmH9メルカリのやさしいコミュニケーションとWFHコミュニケーション・ベスト・プラクティス:https://github.com/mercari/yasashii-wfh-comms/CreditsSpecial Thanks toSumika TabaraSonoka SagaraNatsuki FukuokaProducerRiley MasunagaContent ContributorMasayo WilsonDemirhan DemirKayo OsumiTakashi YoshikawaKurumi Otsubo