「プロダクトづくりの壁を乗り越えた話」での発表資料です。 https://productkintore.connpass.com/event/283269/
#プロ壁 #microCMS
#プロ壁平松 亮介意思決定のモヤが晴れるまで
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自己紹介2平松 亮介 / Ryosuke Hiramatsu@himara2microCMS (B2B SaaS)のプロダクトマネージャーヤフーでモバイルアプリエンジニアを10年転職してからPMになり、もうすぐ1年
● プロダクトマネージャーの仕事は多岐に渡る○ 次になにを作るか? - 優先度決め○ どう作るか? - 仕様決め● 意思決定の回数が多い○ エンジニアをやっていた頃より「決める」回数が爆増○ PM = プロダクトをリードして成功に導く役割3PMと意思決定
● とある機能を作ろうとする○ 「決めていかないと」という気持ちが強かった○ microCMSはエンジニア向けサービス■ 自分もユーザーとして利用している■ 何があったら便利か、分かっている気でいた41年前...「○○という機能を作ろう!」
5各方面から聞こえる声この不具合早めに治します?
6各方面から聞こえる声この不具合早めに治します?この機能重要そうですね
7各方面から聞こえる声この不具合早めに治します?この機能重要そうですね工数思ったよりかかりそう
8「この機能作ってて良いのか…?」🤔
9「決め」れば良いというものではない● 「重要」なことはたくさんある○ 新機能の追加、機能の改善、不具合修正● リソースは有限ですべてはできない● 優先度を決めるべきだが、根拠なく決めてもすぐブレる● どうすれば?(=最初の壁)
10良書をたずねる私が初めて新しいB2Bプロダクトの責任者になったとき、マネージャーは私が意味のある決断を下す前に、 30人の顧客に会うことを求めた。(中略)私は一般的に、プロダクトマネージャーのオンボーディングの一環として、少なくとも 15人の顧客訪問を勧めている 。
11ユーザーの声を聞け● 自分の間違い○ ユーザーに会う前に意味のある決断を下そうとしていた● あらゆる本に「まずはユーザーに会いに行け」と書かれている○ 複数の本に共通して書かれてる内容は大体 正● 知り合いのUXリサーチャーの方にお願いし、インタビュー設計などを手伝ってもらうことに
12インタビュー設計で明確になる疑問● インタビューは準備が7割○ 何を明らかにしたいインタビューなのか?目的が重要● 定めたもの:○ 「何に価値を感じてお金を支払っているか?」■ 社内で一番不透明だった部分● 実施○ お客さんに連絡し、24名の方にインタビュー(週2ペース)
13量を求めて質に行き着く● 壺をつくる話○ 1つのグループは「できるだけたくさん作る」○ もう1つのグループは「高品質なものを1つだけ作る」○ → 最もクオリティが高い壺は「量」のグループから生まれた● できるだけ多くの人に話を聞くと良いことがある○ 24名のお客さんにインタビュー○ 15名ほど聞いたところで、知っている話が増えてきた
14インタビュー結果を構造化
15得られたもの● インタビューの目的:「どのように料金プランを決めているか?」○ 大きく2つの選定パターンがあることが分かった■ → プライシングと機能開発の関係性が見える● 目的としたもの以外でも良いことあり○ ユーザーの課題 / サービスをどこで知ったか / どう使っているか■ → チームでの認知が揃う
16歯抜けの状態で意思決定していた自社サービス クライアントワーク大企業 中堅・中小企業Webサイト Webアプリ モバイルアプリ無料プラン 有料プラン種類事業規模ユースケースmicroCMSの利用
17ユーザーの解像度があがる感覚
18インタビューの結果を受けて優先度決め● 方針:有料プランの機能にこだわらず、ユーザー共通の価値を増やせば良い○ microCMSがいろんな案件で使われることがまず重要● 「新しいリッチエディタ」の開発に着手○ 要望や分析から共通の価値が高いことが分かっていた○ 開発に6ヵ月ほどの期間が必要(比較的長い)
19各方面から聞こえる声この不具合早めに治します?この機能重要そうですね工数思ったよりかかりそう
20裏付けの根拠があるのでブレない● “重要なことは他にもある”○ → 今時点ではリッチエディタが最も重要、と判断できている● “不具合や機能改善も大事”○ → 種別が異なるのでチームを2レーンに分ける● “工数思ったよりかかりそう”○ → スコープ切る / ベータリリースで早めにフィードバックを得る / 仕様を再検討する その判断に自信があれば、進め方はどうにでもなる
21リッチエディタ無事リリース● 2023年7月時点○ リリースから1ヵ月ほど経過○ 定量:非常に多くのユーザーが機能を利用している○ 定性:フィードバックで好意的な声が多い
22インタビューの副次的な効果● ユーザーを憑依できるようになった○ チームからの仕様の質問に即答できる○ 作り込みすぎを防げる■ 「ユーザーがこういう用途で使って便利に感じるものだから、その機能は不要」● チームで共通のコンテクストを持てた○ 以前インタビューしたあの方だと〜、みたいに話を進められる
23意思決定のモヤが晴れた● 「モヤが晴れる」○ いろいろな観点でユーザーを理解○ ユーザーを憑依できる● 良い意思決定をするために○ “15人の顧客に会ってから初めて重要な意思決定を”○ 根拠と自信をもって、地に足をつけて「決め」る
● PMという役割のおもしろさ○ 多方面の知識がつながる感覚○ 学んだことをnoteに書きはじめました(#PdM日記)● 腹落ちしている意思決定の考え方○ “ベストはないがベストエフォートはある”○ 不確実性を受け入れて前に進む24蛇足: おわりに
Thanks :)25#dist40https://discord.gg/K3DPqw4EJ2@micro_cms