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意思決定のモヤが晴れるまで

microCMS
July 19, 2023

 意思決定のモヤが晴れるまで

「プロダクトづくりの壁を乗り越えた話」での発表資料です。
https://productkintore.connpass.com/event/283269/

#プロ壁
#microCMS

microCMS

July 19, 2023
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Transcript

  1. #プロ壁
    平松 亮介
    意思決定のモヤが晴れるまで

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  2. 自己紹介
    2
    平松 亮介 / Ryosuke Hiramatsu
    @himara2
    microCMS (B2B SaaS)のプロダクトマネージャー
    ヤフーでモバイルアプリエンジニアを10年
    転職してからPMになり、もうすぐ1年

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  3. ● プロダクトマネージャーの仕事は多岐に渡る
    ○ 次になにを作るか? - 優先度決め
    ○ どう作るか? - 仕様決め
    ● 意思決定の回数が多い
    ○ エンジニアをやっていた頃より「決める」回数が爆増
    ○ PM = プロダクトをリードして成功に導く役割
    3
    PMと意思決定

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  4. ● とある機能を作ろうとする
    ○ 「決めていかないと」という気持ちが強かった
    ○ microCMSはエンジニア向けサービス
    ■ 自分もユーザーとして利用している
    ■ 何があったら便利か、分かっている気でいた
    4
    1年前...
    「○○という機能を作ろう!」

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  5. 5
    各方面から聞こえる声
    この不具合早めに治します?

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  6. 6
    各方面から聞こえる声
    この不具合早めに治します?
    この機能重要そうですね

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  7. 7
    各方面から聞こえる声
    この不具合早めに治します?
    この機能重要そうですね
    工数思ったよりかかりそう

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  8. 8
    「この機能作ってて良いのか…?」
    🤔

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  9. 9
    「決め」れば良いというものではない
    ● 「重要」なことはたくさんある
    ○ 新機能の追加、機能の改善、不具合修正
    ● リソースは有限ですべてはできない
    ● 優先度を決めるべきだが、根拠なく決めてもすぐブレる
    ● どうすれば?(=最初の壁)

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  10. 10
    良書をたずねる
    私が初めて新しいB2Bプロダクトの責任者になったとき、マ
    ネージャーは私が意味のある決断を下す前に、 30人の顧
    客に会うことを求めた。
    (中略)
    私は一般的に、プロダクトマネージャーのオンボーディング
    の一環として、少なくとも 15人の顧客訪問を勧めている 。

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  11. 11
    ユーザーの声を聞け
    ● 自分の間違い
    ○ ユーザーに会う前に意味のある決断を下そうとしていた
    ● あらゆる本に「まずはユーザーに会いに行け」と書かれている
    ○ 複数の本に共通して書かれてる内容は大体 正
    ● 知り合いのUXリサーチャーの方にお願いし、インタビュー設計などを手伝ってもらうことに

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  12. 12
    インタビュー設計で明確になる疑問
    ● インタビューは準備が7割
    ○ 何を明らかにしたいインタビューなのか?目的が重要
    ● 定めたもの:
    ○ 「何に価値を感じてお金を支払っているか?」
    ■ 社内で一番不透明だった部分
    ● 実施
    ○ お客さんに連絡し、24名の方にインタビュー(週2ペース)

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    量を求めて質に行き着く
    ● 壺をつくる話
    ○ 1つのグループは「できるだけたくさん作る」
    ○ もう1つのグループは「高品質なものを1つだけ作る」
    ○ → 最もクオリティが高い壺は「量」のグループから生まれた
    ● できるだけ多くの人に話を聞くと良いことがある
    ○ 24名のお客さんにインタビュー
    ○ 15名ほど聞いたところで、知っている話が増えてきた

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  14. 14
    インタビュー結果を構造化

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  15. 15
    得られたもの
    ● インタビューの目的:「どのように料金プランを決めているか?」
    ○ 大きく2つの選定パターンがあることが分かった
    ■ → プライシングと機能開発の関係性が見える
    ● 目的としたもの以外でも良いことあり
    ○ ユーザーの課題 / サービスをどこで知ったか / どう使っているか
    ■ → チームでの認知が揃う

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  16. 16
    歯抜けの状態で意思決定していた
    自社サービス クライアントワーク
    大企業 中堅・中小企業
    Webサイト Webアプリ モバイルアプリ
    無料プラン 有料プラン
    種類
    事業規模
    ユースケース
    microCMSの利用

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    ユーザーの解像度があがる感覚

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    インタビューの結果を受けて優先度決め
    ● 方針:有料プランの機能にこだわらず、ユーザー共通の価値を増やせば良い
    ○ microCMSがいろんな案件で使われることがまず重要
    ● 「新しいリッチエディタ」の開発に着手
    ○ 要望や分析から共通の価値が高いことが分かっていた
    ○ 開発に6ヵ月ほどの期間が必要(比較的長い)

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  19. 19
    各方面から聞こえる声
    この不具合早めに治します?
    この機能重要そうですね
    工数思ったよりかかりそう

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    裏付けの根拠があるのでブレない
    ● “重要なことは他にもある”
    ○ → 今時点ではリッチエディタが最も重要、と判断できている
    ● “不具合や機能改善も大事”
    ○ → 種別が異なるのでチームを2レーンに分ける
    ● “工数思ったよりかかりそう”
    ○ → スコープ切る / ベータリリースで早めにフィードバックを得る / 仕様を再検討する
       その判断に自信があれば、進め方はどうにでもなる

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  21. 21
    リッチエディタ無事リリース
    ● 2023年7月時点
    ○ リリースから1ヵ月ほど経過
    ○ 定量:非常に多くのユーザーが機能を利用している
    ○ 定性:フィードバックで好意的な声が多い

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  22. 22
    インタビューの副次的な効果
    ● ユーザーを憑依できるようになった
    ○ チームからの仕様の質問に即答できる
    ○ 作り込みすぎを防げる
    ■ 「ユーザーがこういう用途で使って便利に感じるものだから、その機能は不要」
    ● チームで共通のコンテクストを持てた
    ○ 以前インタビューしたあの方だと〜、みたいに話を進められる

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  23. 23
    意思決定のモヤが晴れた
    ● 「モヤが晴れる」
    ○ いろいろな観点でユーザーを理解
    ○ ユーザーを憑依できる
    ● 良い意思決定をするために
    ○ “15人の顧客に会ってから初めて重要な意思決定を”
    ○ 根拠と自信をもって、地に足をつけて「決め」る

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  24. ● PMという役割のおもしろさ
    ○ 多方面の知識がつながる感覚
    ○ 学んだことをnoteに書きはじめました(#PdM日記)
    ● 腹落ちしている意思決定の考え方
    ○ “ベストはないがベストエフォートはある”
    ○ 不確実性を受け入れて前に進む
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    蛇足: おわりに

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  25. Thanks :)
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    #dist40
    https://discord.gg/K3DPqw4EJ2
    @micro_cms

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