Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
エンジニア創業者が語るユーザー中心のプロダクト作り
Search
microCMS
November 15, 2024
Business
1
220
エンジニア創業者が語るユーザー中心のプロダクト作り
Qiita Conference 2024 Autumn 11.15での発表資料です。
microCMS
November 15, 2024
Tweet
Share
More Decks by microCMS
See All by microCMS
What’s new in microCMS (2024 microCMS Meetup)
microcms
0
1.8k
microCMSの開発組織 - Deep dive into microCMS
microcms
2
2.6k
意思決定のモヤが晴れるまで
microcms
7
2.1k
Webフロントエンドの進化とJamstackアーキテクチャの変遷
microcms
7
3.1k
microCMS AI
microcms
0
1.8k
microCMSのエンジニア組織と文化
microcms
0
1.8k
シン・リッチエディタ徹底解説
microcms
1
2k
新リリース:microCMSテンプレート
microcms
1
2k
Cloudflare Pages/Workersとは
microcms
2
1.1k
Other Decks in Business
See All in Business
【エンジニア職】中途採用向け会社説明資料(テックファーム株式会社)
techfirm
0
4.2k
mov 会社紹介スライド
mov
0
640
株式会社JMDC データウェアハウス開発部 採用ピッチ資料
jmdc
3
1.2k
workx-company-profile
eastfields
0
21k
NEXERA inc. | Company Deck
nexera
0
7.7k
タケウチグループRecruit
takeuchigroup
0
2k
ドローンを活用した汚泥焼却炉内点検のDX
tokyo_metropolitan_gov_digital_hr
0
320
KRAF Impact Report 2024(日本語版)
kraf
0
210
AWS の生成 AI 最前線 : 顧客起点のイノベーション
icoxfog417
PRO
0
870
産業用自家消費型太陽光80kW 投資対効果(ROI)・投資回収期間シミュレーション結果(エネがえるBiz診断レポートサンプル)
satoru_higuchi
PRO
0
340
ネクストビートコーポレートガイド/corporate-guide
nextbeat
3
77k
LayerX AI・LLM Division Deck
layerx
PRO
0
1k
Featured
See All Featured
Understanding Cognitive Biases in Performance Measurement
bluesmoon
26
1.5k
BBQ
matthewcrist
85
9.4k
[Rails World 2023 - Day 1 Closing Keynote] - The Magic of Rails
eileencodes
33
1.9k
Build your cross-platform service in a week with App Engine
jlugia
229
18k
Designing Dashboards & Data Visualisations in Web Apps
destraynor
229
52k
Principles of Awesome APIs and How to Build Them.
keavy
126
17k
Designing for humans not robots
tammielis
250
25k
No one is an island. Learnings from fostering a developers community.
thoeni
19
3k
How To Stay Up To Date on Web Technology
chriscoyier
789
250k
Raft: Consensus for Rubyists
vanstee
137
6.7k
Java REST API Framework Comparison - PWX 2021
mraible
PRO
28
8.3k
Keith and Marios Guide to Fast Websites
keithpitt
410
22k
Transcript
柴田 和祈 エンジニア創業者が語る ユーザー中心のプロダクトづくり #QiitaConference
2 • 元ヤフー出身のデザイナー兼フロントエンドエンジニア • 2017年に株式会社microCMSを共同創業 • 現在はマーケティング/デザイン/採用の責任者 株式会社microCMS 共同創業者 兼
CXO 柴田和祈 @shibe97 #QiitaConference
3 エンジニアの武器を作り出し世界の進歩を後押しする 人類は常にものづくりで進歩し、直近30年のIT革命は特に顕著なものでした。 IT化の余地は未だ大きく、他ならぬエンジニアがその進歩を牽引します。 私たちはエンジニアの力を支え、世界の進歩に貢献します。 Our Mission
編集者も使いやすい 日本製ヘッドレスCMS Copyright © microCMS All rights reserved ご利用 企業数
ご契約 継続率 以上 99% 9,000社 以上 4
Copyright © microCMS All rights reserved 3分デモ 5
6 従来のセールスやマーケティング主導の成長戦略とは異なり、ユーザーがプロダクトを使用することで価値を感じ、 口コミや機能の効果により自然とユーザー層が広がることを目指す成長戦略。 「プロダクトがプロダクトを売る成長戦略」 PLG(Product-Led Growth)とは? 参考書籍: プロダクト・レッド・グロース「セールスがプロダクトを売る時代」から「プロダクトでプロダクトを売る時代」へ
7 Copyright © microCMS All rights reserved 代表的なPLGの事例 基本的な機能を無料で提供し、多くの企業や個人ユーザーに 普及。製品を試して価値を実感し、有料プランへと自然にアッ
プグレードする仕組みが整っている。 無料で使用できる基本機能が多く、コロナ禍に急速に普及。 ユーザーが利用しやすく、すぐに他のユーザーを招待できるた めに自然と広がった。 個人利用のフリープランが充実しているため、ユーザーがその 利便性に満足し、ビジネスでも利用されるようになっている。 フリーミアムモデルと紹介プログラムを組み合わせて成功。他 のユーザーを招待することでストレージ容量が増えるインセン ティブ設計により急速に拡大した。
目次 8 • PLG戦略①:プライシング • PLG戦略②:全力のカスタマーサポート • PLG戦略③:ボーリングレーン・フレームワーク • PLG戦略④:組織体制
Copyright © microCMS All rights reserved 9 PLG戦略① プライシング
10 Copyright © microCMS All rights reserved まずプロダクトを触ってもらうためのプラン設計 フリートライアル 14日間などの一定期間を
無料で利用できる フリーミアム 期間 機能 目的 無料版を無期限で利用できる 無料期間中はすべて使える 基本的な機能は使えるが 高度な機能は制限されている 期限を過ぎたら自動的に有料プランへの移行 を促し、購入意欲を高める 無料版を通じて価値を感じてもらい、徐々に 上位プランへのニーズが高まるよう誘導する
11 Copyright © microCMS All rights reserved フリーミアムへの転換 当時のプラン -
小規模な利用でも「法人」というだけでお金がかかってしまう - 逆に大きめなサービスを運用する「個人」は無料で運用ができてしまう - 実際はこっそり無料で利用している法人も相当数いる - 無料プランはあったが、有料プランに切り替えられない仕組みだった - 無料プランは個人向け、有料プランは法人向けとしていた このときの課題 個人/法人の枠をなくし、完全なフリーミアムに移行
12 Copyright © microCMS All rights reserved バリューメトリクス microCMSの場合は何が該当するのか? 実データを元に、各プランごとにどの指標が
高くなっているのかを測定した。 - アクティブユーザー数 - メッセージ送信数 - 会議開催数 - 参加者数 「プロダクト価値の指標」 海外企業の例 ※ NSM(North Star Metric)や PAI(Product Adoption Indicator) も概念として近い。
Hobby Standard Business ※約3年前の数値のため現状とは乖離があります
14 Copyright © microCMS All rights reserved バリューメトリクスをプライシングに反映 最終的に「データ転送量」「API数」「メンバー数」の3つを バリューメトリクスとし、プランごとに最適な閾値を設定した。
- 法人も無料で使えるようになったが、売上は下がらなかった - アカウント登録数の伸びが加速した - 長く利用しているうちに閾値を超えて課金してくれるケースが出てきた - 無料のアカウント数増加に伴い、サーバー費用も増えた - 無料アカウントは口コミ観点ですごく大事
- PLGにおいてはサーバー費用をもはやマーケティング費用と捉えて良い フリーミアム移行の結果、売上の加速につながった 15
Copyright © microCMS All rights reserved 16 PLG戦略② 全力のカスタマーサポート
17 Copyright © microCMS All rights reserved 全力のカスタマーサポートでファンは増える しっかりエゴサする 最速で回答する
サービスに関連したツイートを見つけ、困ってそう であれば直接返信する。可能性がありそうであれば ヒアリングも打診する。毎朝起きた瞬間にエゴサす る日課はリリース以来、今でも続いている。 問い合わせチャットが来たら5秒以内にまずは「お問 い合わせありがとうございます」と返信する。ス ピード感で圧倒する。「早すぎてBOTかと思いまし た」と言われたこと多数あり。
18 Copyright © microCMS All rights reserved 要望への対応 - 要望はその内容だけでなく、誰からの要望な
のかも記載しておく - ブログURLと共に要望をもらった全員に 一人ずつ連絡する - 開発ロードマップも公開しておく → 問い合わせから1年以上経っている場合もあるが 驚き&喜んでいただけることが多い - 機能改善をしたら、ブログで発信する
Copyright © microCMS All rights reserved 19 PLG戦略③ ボーリングレーン・フレームワーク
etc etc
21 Copyright © microCMS All rights reserved プロダクトバンパー 一番最初の成功体験(クイックウィン)を 「APIプレビューの実行」と定め、そこまでの
フローを地道に改善。 離脱ポイント① アカウント登録時、確認コードを入力せずに離脱している 離脱ポイント② サービスの基本情報(名称とサービスID)をすぐに決められない → 確認コードを不要にする → 予めランダムな文字列を入れ、後から変更できるようにする オンボーディングのステップごとのファネルを作り、毎週確認していた。 3ヶ月で2.5倍に改善。
22 Copyright © microCMS All rights reserved コミュニケーションバンパー ユーザーの行動を見て、メールでサポートする。 初めからプロダクトを触ってもらっているから
こそできるPLGの利点。 アカウント登録時にCEOから熱のこもった案内メールが届く APIプレビューに達した際に、次のステップに導く 利用ガイドメールの3日後により高度な機能の紹介をする ウェルカムメール 利用ガイドメール ベターライフメール ウェルカムメールの例
Copyright © microCMS All rights reserved PLG戦略④ 組織体制
通常のプロダクトセールス 出典:Mastering Product Experience (in SaaS): How to Deliver Personalized
Product Experiences with a Product-led Strategy
PLGの場合 出典:Mastering Product Experience (in SaaS): How to Deliver Personalized
Product Experiences with a Product-led Strategy
26 Copyright © microCMS All rights reserved まとめ - まずはプロダクトを使ってもらって、価値を感じてもらうことが大事
- クイックウィンへの導線改善 - フィードバック → 機能改善のループ - PLGは組織全体でのチャレンジ - プロダクト中心 = ユーザー目線でとことん考えることがPLG成功の秘訣
27
ご清聴ありがとうございました 28 #QiitaConference https://microcms.io