2018.07.13 セールスフォース・ドットコム社のユーザ会、活用自慢大会での発表資料
freee 株式会社freeeで行うSalesforceの活用と定着化の努力2018.07.13
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University of the Philippines Dilliman校卒 Computer Science専攻2011.04 システムエンジニアとしてコンビニのシステムの保守を行う。そのころ業務の片手間に内部の工数管理をするためにSalesforceのカスタマイズを行っていた。2015.10 freee株式会社に入社し、GYOMUハックエンジニアとして、ノンエンジニアであるセールス、マーケティング、サポートなどの業務をエンジニアリングでサポートしている。2017.04 GYOMUハックとしての活動を外に広めるために、GYOMUHackers Guildというコミュニティを始めた。Miry Hirono廣野 美里freee株式会社 GYOMUハックエンジニア2
01 会社紹介3Section
スモールビジネスを、 世界の主役に。4生産年齢人口が劇的に減少し、慢性的な人手不足となる日本で労働生産性向上は緊急の課題となっております。その課題に対しfreeeは「人工知能」と「統合基幹業務システム」をクラウド技術を活用し全国へ提供し、業務効率化を実現するサポートを続けることで、中堅中小企業のバックオフィス業務効率化を目指しております。Mission
Company Profile会社名freee株式会社設立年月日2012年7月9日代表取締役佐々木 大輔資本金96億603万円(資本準備金など含む)従業員数450名(2017年12月末時点)事業内容クラウド型バックオフィスサービスの開発・販売
スモールビジネスの生産性向上を目指すfreee6バックオフィス業務を全てクラウドで完結する世界を目指す伝達時間移動時間収集時間 転記作業地理的制約に囚われずいつでも、どこでもみんなで働ける環境紙・Excelを廃し全てを電子取込しルーチンワークは自動化使うツールは極力少なくしあらゆるデータ日々の業務を一つのシステムに集約
バックオフィス最適化簡単自動化クラウド完結型社会7非創造的かつ煩雑な作業を簡略化、人手を介さない自動化へとつなげる会計ソフトにとどまらず、中小企業の経理業務全体の効率化考えた設計必要な業務やデータ管理を全てリモートで対応できるクラウドで完結、さらに経営の見える化を実現freee のプロダクトコンセプトスモールビジネスの労働生産性を向上に向け、freee が実現を目指す3つのコンセプト
8ビジネスを始めるところから運営、そして成長までの各段階をサポートするクラウド型バックオフィスサービスを開発・提供。ビジネスの成長段階をサポートビジネスを”始める” ビジネスを”運営する” ビジネスを”育てる”2015年6月リリース2016年10月リリース2013年3月リリース2014年5月リリース↓2017年8月フルリニューアル
開業から上場まであらゆるビジネスステージを網羅開業個人事業主創業創業期拡大・成長期上場準備期ミニマムベーシックプロフェッショナルエンタープライズ規模やニーズに応じ最適な業務効率化を実現するfreeeシリーズ9
サービス開始5年で100万事業所突破ユーザー評価:100万事業所が業務を行う基盤へ2014.3 2015.3 2016.3 2017.3 2018.31,000,000事業所数累計800,000600,000300,00065,00010
会計・給与共に国内トップシェア11* BCN調べ* MM総研調べ* 2017年8月より、クラウド給与計算ソフト freeeは、機能を強化し、新たに「人事労務 freee」というサービス名に変更しました。クラウド給与ソフト市場40%クラウド会計ソフト市場35.2%100万事業所以上10万事業所以上
中小企業や個人事業主だけでなく上場企業・IPO準備企業もfreeeで経営基盤を刷新上場企業・IPO準備フェーズの企業様への導入も加速12上場半年前に会計ソフトを freeeに変更スマートなバックオフィス体制を構築ソウルドアウト株式会社様 GMOペパボ株式会社様 野村ホールディングス株式会社様グループ全体の経理業務の刷新 をfreeeを用い実現していくfreee導入により経理部門を立て直し月間で約70時間削減
13今後はあらゆる情報・手続きがクラウドに完結させ、生産性向上を目指す”クラウド完結型社会”ECサイトPOSレジ決済サービス融資等SFA・CRM経費・在庫ログイン・認証金融機関
02 freeeでのSalesforce利用14Section
freeeでのSalesforce利用15スモールビジネスのバックオフィスの生産性を向上するというfreeeの目的のために、様々なロールのメンバーが一緒に働いておりそれぞれSalesforceを利用しています。エンドユーザー向けセールス(インサイド&フィールドセールス)パートナー向け(会計事務所・代理店)セールス(インサイド&フィールドセールス)カスタマーサクセスマーケティング顧客ニーズ・温度感の理解、分析顧客リスト管理、営業活動記録・分析、実績管理顧客リスト管理、営業活動記録・分析、実績管理顧客紹介顧客リスト管理、営業活動記録・分析、実績管理カスタマーサポートNPS調査オンボーディング管理
16freeeでは2014.09からSalesforceを利用98%?00超3.6ptライセンス数 EWS※ 4.0pt中ユーザのログイン率※セールスフォース・ドットコム様で利用しているユーザの活用度を示すポイント。
freeeを利用するユーザの数は5年で100万事業所を超えており、そのデータがすべてSalesforceに入っています。また、個人事業主から上場企業、税理士や金融機関などさまざまな規模や役割のユーザが存在しています。2014.3 2015.3 2016.3 2017.3 2018.31,000,000事業所数累計800,000600,000300,00065,00017freeeで扱う大量のユーザ情報をSalesforceに
freeeを利用するユーザの数は5年で100万事業所を超えており、そのデータがすべてSalesforceに入っています。また、個人事業主から上場企業、税理士や金融機関などさまざまな規模や役割のユーザが存在しています。2014.3 2015.3 2016.3 2017.3 2018.31,000,000事業所数累計800,000600,000300,00065,00018freeeで扱う大量のユーザ情報をSalesforceにさまざまなユーザのデータが、さまざまな経路で大量にSalesforceに入ってくる
Case 1 サインアップfreeeに興味を持ってサインアップしてくれるお客様の情報は取引先と取引先責任者に登録します。freeeでのSalesforce利用19freeeにサインアップAPI連携事業所の情報取引先取引先責任者ユーザの情報
Case 2 データ取り込みなんらかの形でfreeeが入手した顧客情報は、Sansanを利用しSalesforceに取り込みます。freeeでのSalesforce利用20名刺、セミナー参加などのリストツール連携事業所の情報取引先取引先責任者ユーザの情報
Case 3 資料請求お客 様がfreeeのサイトからebookなどをダウンロードした場合、リードとしてSalesforceに取り込みます。freeeでのSalesforce利用21ツール連携リードユーザの情報ebookダウンロード
22freeeでのSalesforce利用CRMとして利用するために必要なデータを保つために、さまざまな技術を利用しています
23Salesforceのオブジェクト構成標準オブジェクトのそれぞれの用途を定義し、また情報の要素ごとにカスタムオブジェクトを作成しているのです。
24Salesforceのオブジェクト構成どのオブジェクトになんの情報が入っているのかを明確にすることで、レポートの作成なども簡単になっています。リード取引先取引先責任者商談サインアップ前のfreeeに興味を持ったユーザ情報サインアップ後・営業から取引を開始した会社情報サインアップ後・営業から取引を開始した人の情報会社、人への営業に関する情報何の情報で、どこに保存されるべきかを意識する
25今ではこんなにきれいにデータが入っているけれど……
セールス立ち上げ時は、Salesforceに正しくデータが入っていませんでした今ではデータがきれいに入っているけれど……26データが大量すぎてセグメント分けできない架電の優先度をつけるためのデータがない営業の分析ができない欲しいダッシュボード・レポートが作れない
今ではデータがきれいに入っているけれど……27データが大量すぎてセグメント分けできない架電の優先度をつけるためのデータがない営業の分析ができない欲しいダッシュボード・レポートが作れないセールス立ち上げ時は、Salesforceに正しくデータが入っていませんでしたたくさんの課題を抱えていた
28Salesforceを支える体制そんなさまざまな課題を解決するため、データベース設計、システム設計などの知識のあるエンジニアが、GYOMUハックエンジニアとしてビジネスチームを支える体制ができました。GYOMUハック(Biz基盤)● システム管理者● 全体構造設計● 要件定義・開発● 業務オブザービングと改善提案● トラブルシューティング● Admin業務事業企画・SET・Ops● セールスメンバーへの利用方法アドバイス● セールス側の課題・依頼の取りまとめ● 開発の要件定義セールスチーム● レポート・ダッシュボードの作成● レイアウト調整等のカスタマイズ● 項目追加などの改善案提案
29改善を行う上で気をつけたことどんなデータが必要なのかを整理すること誰が何を見れれば良いのかを整理すること極力Salesforceの標準機能に則ること極力汎用的なプロセスにすることすでにあるツールなどは積極的にためしてみることさまざまな課題に対応する中気づいた大事なことを書いています
30改善を行う上で気をつけたことさまざまな課題に対応する中気づいた大事なことを書いていますどんなデータが必要なのかを整理すること誰が何を見れれば良いのかを整理すること極力Salesforceの標準機能に則ること極力汎用的なプロセスにすることすでにあるツールなどは積極的にためしてみること
セールス活動の分析31今までは、こんな状況だった。リードebookのダウンロード同一人物リードにカスタム項目を作ってフェーズ管理
セールス活動の分析32今までは、こんな状況だった。リードebookのダウンロード事業所の情報取引先取引先責任者freeeにサインアップ同一人物もともとのリードが、サインアップした取引先責任者のレコードと重複していた。
セールス活動の分析33リードebookのダウンロード事業所の情報取引先取引先責任者freeeにサインアップ同一人物コンバージョン率がおえないリードと商談で活動の状況がおえない重複データが残り続ける
セールス活動の分析34リードebookのダウンロードこのように改善しました。
セールス活動の分析35リードebookのダウンロードリードから、取引の開始で取引先と取引先責任者を作成取引先取引先責任者取引の開始でコンバート
セールス活動の分析36リードebookのダウンロードさらに商談も一緒に作成取引先取引先責任者取引の開始でコンバート商談営業の活動はすべて商談で管理
セールス活動の分析37リードebookのダウンロードサインアップ経由で取引先ができたら、取引先、取引先責任者をマージ取引先取引先責任者取引先のマージ事業所の情報取引先取引先責任者freeeにサインアップ商談
セールス活動の分析38リードebookのダウンロード事業所の情報取引先取引先責任者freeeにサインアップ商談コンバージョン率がおえる営業の活動はすべて商談で統一データが重複しない
39結果、さまざまなチームが円滑に業務を行う形に地道な改善でさまざまなチームが一つのCRMで複数の業務を行っても大丈夫な基盤にプロファイルとレイアウトをチームごとに作成ロールを利用して業務委託の方のレコード公開範囲を設定カスタムオブジェクトは用途ごとに作成レポートタイプの活用ワークフローなどで自動化すべてSalesforceの標準機能Chatterで密にコミュニケーション
03 Lightning Experience移行40Section
Lightning Experience に移行しました!41
移行までの道のり42ClassicでSalesforceをがりがり使っていた弊社、LEX移行はかなり腰が重かった。特に、2016年時点ではLEXでできなくなることのほうが多く、移行のメリットがなかった。
移行までの道のり43Salesforce World Tour Tokyo 2017で、LEXがかなり強化されており、取り入れるメリットが大きいと判断。2017年11月からLEX移行プロジェクト開始
Lightning Experience 移行のすすめかた44LEX移行はこのように進めました。1. TrailheadやサイトでLEXについて調査2. Salesforceを利用しているチームの洗い出し3. チームごとのLEX移行のスケジュールと担当者決め4. ClassicでのSalesforceの利用方法のヒアリング5. LEXを利用した業務フローの確認6. LEXの設定7. 説明会の実施8. LEXの導入
45実際に画面を見ながら、チームごとに使いやすいページを作成Lightning Experience 移行のすすめかた
46右側にChatterや活動を表示してスクロールを少なくLightning Experience 移行のすすめかた
47Classicとの乖離を少なくするため関連リストも上部に表示Lightning Experience 移行のすすめかた
いざ移行してみると……48慣れなくて使いづらい!今までこうしてたのはどうやるの?開くのが遅い!俺たちはクマが見たいんじゃない
いざ移行してみると……49慣れなくて使いづらい!今までこうしてたのはどうやるの?開くのが遅い!俺たちはクマが見たいんじゃない課題が噴出
移行して終わり、ではなく、課題リストを作成して一つ一つ課題を解決する作業を行って、大まかな課題は解決!どうしても機能的に解決できないものは、代替手段を提案したり、Classicの画面をLEX上で動かせるように工夫している。メンバーと密にコミュニケーション50複数タブで開いてしまい動作が遅くなってしまう問題は、セールスコンソールで対応予定
LEXに移行してすごく良かったこと51実はセールスの生産性向上のために導入を決意したLightning Experienceですが、GYOMUハック側に特にとても嬉しい効果があったのでご紹介します。
52プロセスの自動化今まではプロセスの自動化をする際、単一オブジェクトに閉じている場合はワークフロー、複数オブジェクトが関連する場合はトリガーといった開発を行っていました。自動化してほしい!ちょっと面倒くさい……やらなくてはいけないたくさんのこと● コーディング● テストの作成● リリース……無数のタスクをこなしている中、コーディング作業はかなり時間を取られてしまう
ノンコーディングエンジニアリングの恩恵53そんな中、プロセスビルダーやフローがLEXとの親和性が高く、より使いやすくなっていることに気づくプロセスビルダー
ノンコーディングエンジニアリングの恩恵54フロープロセスビルダーもフローも、複雑なコーディングなしにプロセスを自動化できる
55コーディング時間の短縮の結果、自動化タスク消化への心理的障壁がなくなった自動化してほしい!自動化にかかる時間が減り、結果セールスの業務の効率化にもつながったノンコーディングエンジニアリングの恩恵OK!
56最初に、用途ごとにオブジェクトを使い分けて利用している、と豪語していました。が、実はカスタマーサクセスの業務の管理を商談で行っているなど、過去の名残からきちんと分けられていないところもありました。LEXに移行に便乗したものカスタマーサクセスの業務は商談じゃないところで管理したい……!
57カスタマーサクセスの業務では、お客様とのミーティングや設定作業などさまざまなタスクがあり、その工数や人の管理がかなり大変だった誰が何やってるのか見えない……ステークホルダーを集めて、さっそく、改善プロジェクトをキックオフ!実は彼らも困っていたなるほど?● SalesforceでWBSがみたい● カレンダー連携をしたい● 工数管理、実績管理がしたい
58山ほどある課題キックオフで現状をきちんと把握し、本当の課題と彼らが実際に何ができれば良いのかを整理し、優先度ぎめ。そしてホワイトボードで認識のズレがないかをすり合わせ
MUSTでやりたいことは、下記の4つ。そしてわかったこと59タスクの進捗管理メンバーのリソース管理工数の管理タスクの実施内容
LEXに移行してすごく良かったこと60関連リストが見やすく、使いやすくなったこと!
LEXに移行してすごく良かったこと61関連リストが見やすく、使いやすくなったこと!関連をたくさん作っても見やすく編集しやすい!
62できあがったものプロジェクトオブジェクトによる工数管理のシステム取引先 商談プロジェクトプロジェクトタスクプロジェクトタスクプロジェクトタスクプロジェクトタスクタスク内容と予定工数と実績を記録プロジェクト作成時に自動生成(プロセスビルダー)
63LEX移行があったからこそ成功したプロジェクトLEXのコンポーネントをよりわかりやすく、使いやすくパスを使って進捗も見やすくプロジェクトタスクも画面遷移なしに編集可能フローを使って自動ひもづけ
64横串で一気にはじめはパートナー向けのカスタマーサクセスで導入しようとしていたプロジェクト管理のシステムですが、他のチームでも使えるだろうと提案し、一気に導入パートナー 中・大規模法人 小規模法人はじめのターゲット実際の導入全社で同じ業務体系のチームで、同じ管理の方法を実現=長期的な教育コスト削減
これからも改善・効率化の余地あり65まだLEXを導入して日が浅いですが、GYOMUハックメンバーもLEXに慣れてきて、こんな対応ができるのでは、など夢をはせています。Einstein Prediction Builderもっと使いやすいページレイアウトセールスコンソールの導入マクロ
04 定着化のための取り組み66Section
いろいろな改善をしても、定着化は難しい67せっかく良い仕組みを作っても、使ってもらえなければ意味がありません。そのため、定着化ということを意識して日々業務を回しています。専任のメンバーを決める勉強会の実施マネージャーの牽引データの見える化
68チームに広めるための見識者を育てるSalesforceの利用効率化のためのプロジェクト立ち上げの際、かならず専任のメンバーを立てるようにします。スムーズなコミュニケーションの実現
勉強会の実施69社内向けサイトを作成し、教育コンテンツを掲載。また、月1回勉強会を実施している。困ったときに誰に聞けば良いのかの啓蒙
データの見える化70メンバーが目標への進捗やKPIを見えるようなダッシュボードQuater目標達成率記入漏れチェックメンバーごと商談完了率個人目標達成率
データドリブンの世界最先端のセールスを目指す71営業マネージャーによる啓蒙世界最先端のセールスを実現する、という動機づけ● 世界最先端のセールスは、データを活用したセールス● データがないと実現しない● つまり、Salesforceでお客様の情報を一元管理できないと、世界最先端のセールス組織にはなれない!● そのデータベースを作っているのが、まさに君たちだ!
このような地道な活動の結果定着化する72日々みんなで協力してSalesforceを作り、ともに成長しています。Salesforceは一日にしてならず専任のメンバーを決める勉強会の実施マネージャーの牽引データの見える化
GYOMUハック自体も73Salesforceを支えるために、GYOMUハックメンバーも日々格闘しています。Trailheadの実施ユーザ会やコミュニティへの参加Salesforce認定資格試験
05 これから目指すこと74Section
バックオフィス業務効率化75freeeのミッションにあるように、それをfreee自身も体現できるようにシステムの基盤を作り上げていきたいと考えています。契約管理会計管理顧客管理
スモールビジネスを、世界の主役に。