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変化に強いチームのつくり方 ~Management3.0の実践~

Kei Nakahara
September 25, 2020
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変化に強いチームのつくり方 ~Management3.0の実践~

2020/09/25にエンタープライズアジャイル勉強会での講演資料になります
2024/06/20にSlideshareから移行しました

Kei Nakahara

September 25, 2020
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Transcript

  1. © KONICA MINOLTA 1. 会社紹介 10分 2. 本日の目的 10分 3.

    Management 3.0 とは 30分 ---- 休憩 ---- 5分 4. 価値観を作る 20分 5. チームを強くする 20分 6. DelegationとEmpowerment 10分 アジェンダ
  2. © KONICA MINOLTA コニカミノルタの歩み 写真フィルム・カメラ事業撤退 2003年 経営統合 2007年 創業事業を撤退 写真・石板材料事業

    1873年 コニカ創業 コニカミノルタ誕生 1928年 ミノルタ創業 カメラ事業 147年 新たな歴史の 始まり
  3. © KONICA MINOLTA 1. 会社紹介 10分 2. 本日の目的 10分 3.

    Management 3.0 とは 30分 ---- 休憩 ---- 5分 4. 価値観を作る 20分 5. チームを強くする 20分 6. DelegationとEmpowerment 10分 アジェンダ
  4. © KONICA MINOLTA 2. 本日の目的 注意点 1. 本日の内容は下記2つの書籍と1つのワークショップをもとに作成しています • Management

    3.0: Leading Agile Developers, Developing Agile Leaders(以降「書籍: Management 3.0」) • ヨーガン アペロ(Jurgen Appelo)著 https://www.amazon.co.jp/dp/0321712471 • Managing for Happiness: Games, Tools, and Practices to Motivate Any Team • ヨーガン アペロ(Jurgen Appelo)著 https://www.amazon.co.jp/dp/1119268680 • Management 3.0 Foundation Workshop • https://management30.com/workshops/foundation-workshop/ 2. できるだけ分かりやすくエッセンスをお伝えするために、部分的に説明を簡素化していま す(詳細は上記の書籍やワークショップをご参照下さい) 3. できるだけ明日から使える手法をお伝えしようと思いますが、時間の制限上ワークに十分 な時間をとれません。全てをこなす事が目的ではなく、狙いをご理解頂けると幸いです 4. 本日ご紹介する手法は、どれも組織のレベル(企業、事業部、チームなど)によって関係 者が異なります。今回は全てチームを対象としてお話しますが、考え方と手順は変わりま せん
  5. © KONICA MINOLTA Working Agreement 心のNDA 積極的な発言 座学中は Mute グループワーク

    時はカメラON (できれば) Hand Sign または、反応 時間管理は グループで 質問はMural かChatへ
  6. © KONICA MINOLTA Working Agreement 初めて の学び が多い 回線が 細い

    Happiness Doorという手法です。 迅速でライトなフィードバックを取得し、 素早くカイゼンしていく事ができます フィードバックがある方は、付箋にフィー ドバックを書き、該当のハッピーレベルに 貼り付けてください。 タイミングは、いつでもOKです
  7. © KONICA MINOLTA 1. 会社紹介 10分 2. 本日の目的 10分 3.

    Management 3.0 とは 30分 ---- 休憩 ---- 5分 4. 価値観を作る 20分 5. チームを強くする 20分 6. DelegationとEmpowerment 10分 アジェンダ
  8. 状態がほぼ確実に 予測できる 経験に基づき短期の状態を 予測することは不可能では ないが、長期は困難 事象の要因は説明できる が、直前にならないと予 測できない 秩序だった状況 (ORDERED)

    混沌・無秩序 (CHAOS) 複雑な状況 (COMPLEXITY) 行動の予測可能性 高 低 経験を基に短期の予測は不可能ではない しかし、リニアに長期の予測をする事は困難
  9. “Self-organization is the process where a structure or pattern appears

    in a system without a central authority or external element imposing it through planning.” 自己組織化とは? 自己組織化とは、中央の権威や外部の要素が計画 を通して押し付けることなく、システムに構造や パターンが現れるプロセスである 出典 書籍「Management 3.0」, ヨーガン アペロ(Jurgen Appelo)著 https://www.amazon.co.jp/dp/0321712471
  10. 1. グループのボードに、それぞれのお名前を付箋に書い て貼ってください 2. グループ内で自己紹介(名前と参加の目的)をしてく ださい 3. 自己組織化できていない原因を付箋に書いてグループ のボードに貼り付けてください 4.

    グループでシェアして議論してください • 原因の例 • 作業の進め方を決定する際にマネージャーの承認が必要 • チームが自由にリリースする権限ない EX1. Muralに自己組織化できない 原因を書きましょう! (10分)
  11. © KONICA MINOLTA 3. Management 3.0 とは • リーダーやマネージャーは、人を 機械の部品ように管理する

    • 部品(人)を監視、修理、交換す ることで問題に対処する Management 1.0 • 「人々は価値のある資産」であり、 マネージャーは「サーバントリー ダー」だと誰もが理解してる • しかし階層が存在し、施策はトッ プダウンアプローチで決定される Management 2.0
  12. © KONICA MINOLTA • ヨーガン アペロ(Jurgen Appelo)氏 が考案したリーダーシップと マネジメントのマインドセット+ツール+ゲーム+プラクティス •

    マネージメントを チームの責任とし、 自己組織化を促す • 従業員の 満足と組織の 目標の同時達成を目指す • 組織システムに対する見解であり、フレームワークなどではなく 「最適で最良な取り組みをしている」状態をさす 3. Management 3.0 とは
  13. © KONICA MINOLTA 3. Management 3.0 とは • Management 3.0はメンバーが組織(e.g.

    企業、部署、 チーム)をマネージメントできるようにするもの • マネージャーに残された唯一の仕事は、 システム全体を育てること
  14. © KONICA MINOLTA 3. Management 3.0 とは Management 3.0をあらわした6つの目の怪物 “マーティー(Martie)”

    ENERGIZE PEOPLE 人々を活気づける EMPOWER TEAMS チームに力を与える ALIGN CONSTRAINTS 制約を揃える GROW STRUCTURE 構造を成長させる IMPROVCE EVERYTHING 全てを改善する DEVELOP COMPETENCE コンピテンシーを育てる
  15. © KONICA MINOLTA 3. Management 3.0 とは Management 3.0をあらわした6つの目の怪物 “マーティー(Martie)”

    ENERGIZE PEOPLE 人々を活気づける EMPOWER TEAMS チームに力を与える ALIGN CONSTRAINTS 制約を揃える GROW STRUCTURE 構造を成長させる IMPROVCE EVERYTHING 全てを改善する DEVELOP COMPETENCE コンピテンシーを育てる
  16. © KONICA MINOLTA 1. 会社紹介 10分 2. 本日の目的 10分 3.

    Management 3.0 とは 30分 ---- 休憩 ---- 5分 4. 価値観を作る 20分 5. チームを強くする 20分 6. DelegationとEmpowerment 10分 アジェンダ
  17. © KONICA MINOLTA 1. 会社紹介 10分 2. 本日の目的 10分 3.

    Management 3.0 とは 30分 ---- 休憩 ---- 5分 4. 価値観を作る 20分 5. チームを強くする 20分 6. DelegationとEmpowerment 10分 アジェンダ
  18. © KONICA MINOLTA 4. 価値観を作る Management 3.0をあらわした6つの目の怪物 “マーティー(Martie)” ENERGIZE PEOPLE

    人々を活気づける EMPOWER TEAMS チームに力を与える ALIGN CONSTRAINTS 制約を揃える GROW STRUCTURE 構造を成長させる IMPROVCE EVERYTHING 全てを改善する DEVELOP COMPETENCE コンピテンシーを育てる
  19. © KONICA MINOLTA グループワークの内容 ① CEOを選びましょう ② お花屋さんの名前を決めましょう ③ お花屋さん(チーム)の価値観を決めましょう

    ④ チームの能力構造を明らかにしましょう ⑤ CEOとチーム(メンバー)の間で権限委譲の範囲を明ら かにしましょう 4. 価値観を作る 「お花屋さん」の運営を通して、Management 3.0のエッセ ンスと手法の一部を、グループに分かれて体験して頂きます
  20. EX2. Muralに①②を書きましょう (5分) 終わったら戻ってきてください グループワークの内容 ① CEOを選びましょう(CEOアイコン を付ける) ② お花屋さんの名前を決めましょう

    ③ お花屋さん(チーム)の価値観を決めましょう ④ チームの能力構造を明らかにしましょう ⑤ CEOとチーム(メンバー)の間で権限委譲の範囲 を明らかにしましょう
  21. 3. CEOも含む他のメンバの価値観と見比べ、共通点を見つけましょう 4. CEOとチームメンバとで議論し、チームの価値観を3個特定しま しょう 5. チームの価値観を付箋に書き、チームのボードに貼りましょう 6. (Option) 1つのチームの価値観を選び、価値観に沿った行動を表す

    ストーリーを付箋に書いてチームのボードに貼りましょう 個人 5分 チーム 5分 目安 EX.3 お花屋さん(チーム)の価値観を決めて、 Muralに書きましょう(10分) 時間 注意 1. Big Values List (Muralにあります)から、今回のグループ(以降、 チーム)にふさわしい、または個人で大事にしたいと思う価値観 TOP3を決めましょう 2. 選んだ価値観を名前と同じ色の付箋に書き、価値観ボードに貼り ましょう
  22. 受容 慈悲 信頼 規律 興奮 親しみやすさ アクセシビリティ 大胆さ 適切性 発見

    経験 友情 成就 勇気 一貫性 分別 専門知識 楽しい アカウンタビリティ 輝き 満足 多様性 探査 寛大さ 正確さ 冷静さ 協力 ドライブ 表現力 感謝 達成 友愛 勇気 義務 外向性 成長 活動性 率直 礼儀 ダイナミズム 豊富 幸福 適合性 能力 職人性 意気込み 公平性 調和 冒険 慎重さ 創造性 教育 信仰 健康 美学 用心深さ 信頼性 効果 忠実 役に立つ 敏捷性 変化 ずる賢さ 効率 家族 ヒロイズム 警戒 慈善 好奇心 優雅 恐怖 正直さ 野心 陽気さ 大胆さ 共感 獰猛 名誉 謝意 透明性 意思決定 奨励 貞節 希望 実行性 清潔さ 献身 耐久 激しい ホスピタリティ 積極性 賢明 信頼性 エネルギー 適確さ 謙虚 注意深さ コラボレーション 覚悟 楽しみ 柔軟性 ユーモア 可用性 コミットメント 没頭 エンターテインメント 流暢 想像力 意識 同情 尊厳 熱意 フォーカス 公平性 バランス 能力 勤勉 平等 率直 独立 美しさ 集中 ダイレクトさ 優秀さ 自由 気高さ
  23. イニシアチブ 成熟 持続性 打たれ強さ スキル 安静 革新 哀れみ 説得力 決意

    連帯 超越 探求心 思いやり フィランソロピー 解決 速度 信用 洞察力 控えめ 遊び心 智略 精神性 信憑性 インスピレーション 動機 歓喜 尊敬 自発性 真実 誠実 きちんとした 力 責任 安定 理解 知性 開かれた心 実利 反応 地位 一意性 内向的 開放性 精度 制約 内密 統一 直感 楽観 準備 厳しさ 執事的 勇気 発明 命令 プライバシー 犠牲 強さ バラエティ 喜び 秩序 率先 セキュリティ 成功 活発 正義 組織 プロ意識 自制心 サポート ビジョン 親切 独創 思慮分別 自己規律 同情 活力 知識 風変り 時間への正確さ 自立 シナジー 温もり リーダーシップ 過激 目的 感度 チームワーク 故意 学習 情熱 合理性 平静 恩義 知恵 自由 忍耐 リアリズム サービス 徹底 機知 論理 平和 理由 共有 思いやり ワンダー 愛 知覚 内省 幸せ 倹約 熱意 ロイヤリティー 完璧 規則性 シンプル 適時性 熟達 我慢強さ 頼りになる 清廉 寛容
  24. © KONICA MINOLTA 1. 会社紹介 10分 2. 本日の目的 10分 3.

    Management 3.0 とは 30分 ---- 休憩 ---- 5分 4. 価値観を作る 20分 5. チームを強くする 20分 6. DelegationとEmpowerment 10分 アジェンダ
  25. © KONICA MINOLTA 5. チームを強くする Management 3.0をあらわした6つの目の怪物 “マーティー(Martie)” ENERGIZE PEOPLE

    人々を活気づける EMPOWER TEAMS チームに力を与える ALIGN CONSTRAINTS 制約を揃える GROW STRUCTURE 構造を成長させる IMPROVCE EVERYTHING 全てを改善する DEVELOP COMPETENCE コンピテンシーを育てる
  26. © KONICA MINOLTA ① チームが成果を上げるために必要なコンピテンシーを明ら かにする • 産業ドメインの知見(仕事で必要となる専門領域の知見) • 技術ドメインの能力(ツールや技術)

    • 仕事を進めるためのプロセスと習慣 • ソフトスキル(コミュニケーション、交渉…) 5. チームを強くする チームの能力構造を明らかにする
  27. © KONICA MINOLTA 出展:Management 3.0 Foundation Workshopのスライドから引用 5. チームを強くする 例:インターネットカフェ

    3 1 3 1 1 1 0 3 1 1 ITシステム 経理業務 バリスタ 機材(店舗用品) 調理 Hugo Emma Carl Mary Judy 必要な コンピテンシー 求められるレベルと人数 現状 チームの能力構造を明らかにする”コンピテンシーマトリクス” 一人前 達人 見習い 【凡例】
  28. © KONICA MINOLTA グループワークの内容 ① CEOを選びましょう ② お花屋さんの名前を決めましょう ③ お花屋さん(チーム)の価値観を決めましょう

    ④ チームの能力構造を明らかにしましょう ⑤ CEOとチーム(メンバー)の間で権限委譲の範囲 を明らかにしましょう 5. チームを強くする
  29. EX4. Muralのお花屋さん(チーム)の コンピテンシーマトリクスを完成させましょう (10分) 1. メンバーの名前を書いた付箋を「名前欄」に貼り付けましょう 2. チームに求められるコンピテンシーを洗い出しましょう → 記載済み

    3. コンピテンシーに求められるレベルをマトリクスに貼り付け、人数を 記載しましょう → 「花の選定」は記載済み。参考にしてください 4. 現状のメンバのレベルをマトリクスにプロットしましょう (今回はワークなので仮想で良いです) → まずは「花の選定」の現在のチームのコンピテンシーを プロットしましょう 5. 不足分をどのように補うか、育成計画、採用計画を話し合いましょう
  30. © KONICA MINOLTA 1. 会社紹介 10分 2. 本日の目的 10分 3.

    Management 3.0 とは 30分 ---- 休憩 ---- 5分 4. 価値観を作る 20分 5. チームを強くする 20分 6. DelegationとEmpowerment 10分 アジェンダ
  31. © KONICA MINOLTA 6. DelegationとEmpowerment Management 3.0をあらわした6つの目の怪物 “マーティー(Martie)” ENERGIZE PEOPLE

    人々を活気づける EMPOWER TEAMS チームに力を与える ALIGN CONSTRAINTS 制約を揃える GROW STRUCTURE 構造を成長させる IMPROVCE EVERYTHING 全てを改善する DEVELOP COMPETENCE コンピテンシーを育てる
  32. © KONICA MINOLTA 6. DelegationとEmpowerment Delegationとは ① ある物事の処理を他の人にまかせること ② 〘法〙

    当事者の一方が自分の権利や権限に属する事項の決定や執行を他者に ゆだねること、また受任者がこれを受諾することによって成立する契約 Empowermentとは ① 力をつけること。また、女性が力をつけ、連帯して行動することによって自 分たちの置かれた不利な状況を変えていこうとする考え方。 ② 権限の委譲。企業において従業員の能力を伸ばすためや、開発援助において 被援助国の自立を促進するために行われる。 チームが自己組織化できるように権限と力を与える
  33. © KONICA MINOLTA • VUCAの時代には自己組織化したチームが有効 • 自己組織化したチームが良い方向に向かって適応 していくためには、価値観を揃える必要がある • 個人の能力ではなく、チームが成果をあげるため

    の能力 • 権限の委譲だけではなく、力を与える • マネージャーからチームやメンバへのエンパ ワーメントだけではなく、双方にエンパワーメ ントしあう Wrap Up