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コンテナ共創センター勉強会#3_クリエーションライン様Keynote_Session

nakaji1106
July 06, 2021
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 コンテナ共創センター勉強会#3_クリエーションライン様Keynote_Session

nakaji1106

July 06, 2021
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  1. 自己紹介 • クリエーションライン(株) CSO (Chief Strategy Officer) • アメリカ・ロサンゼルス在住 •

    IT 業界に 25 +年 • ソフトウェア開発 • 米国企業の日本市場誘致、事業開拓 • 企業 M&A、戦略的提携 • 趣味: • 週末ミュージシャン ▪YouTube: Ippei’s Home Recordings ▪ ClubHouse: 「ビートルズ弾語り」 • 日本酒エヴァンジェリスト ▪ アメリカで日本酒テイスティングイベントを 開催、日本の地酒蔵の魅力と味を紹介
  2. クリエーションラインについて 会社概要 • 設立:2006 年 1 月 • 資本金:215,572,000円 •

    従業員数:200 名 (協力会社含む) • 2020 年度売上実績:23.5 億円 事業内容 • アジャイル開発支援 • DevOps、データ分析ソリューション提供 • サブスクリプション & トレーニング 特徴 • 全社の 85% 以上がエンジニア • アジャイル開発、DevOps を正しく理解し導入推進できる技術 力と体制 • オープンソース技術に注力、海外ソフトウェアベンダー、標準化 団体とのパートナーシップ • 日本初の認定 Kubernetes ソリューションプロバイダー&公式 トレーナー • 国内 150 社超えるお客様への導入実績 3
 CEO:安田忠弘 CTO:荒井 康宏 CSO:鈴木 逸平 CRO:須田 孝雄 ボードメンバー
  3. 01

  4. 本番環境でのコンテナの規模も かなり大規模なものが多い • 本番環境でコンテナを採用す るようになり、249 個 以下のコンテナを使用する企 業は 2018 年からかなり減少

    • 逆に、250 個以上を使用して いる回答者は増加し、 全体の半数以上 • これは業界全体がコンテナの 採用規模が大きくなってきて いる事を明確に示す CNCF Survey 2020
  5. ソフトウェア / サービスの リリースサイクル(CD)は加速傾向 • DevOps、CI/CD ツール、アジャイル メソドロジーの普及により、リリースサイクルが加速傾向 • 毎日のリリースサイクルを持つものは(

    2018 年の 15% から)27% に増加、毎週のリリース サイクルは 20% から 28% に増加、月次リリースは 18% から 16% へと減少。 2020 年は昨年の傾向を継続 CNCF Survey 2020
  6. この違いが攻めの ICT の大きな違いを生む • 日本では、ICT 投資の目的として「業務効率化 /コ スト削減」が最も多く、攻めの ICT 投資は限定

    的。特に「他社と連携し た製品・サービスの開発 強化」は最も少なく、自社内の目的による投資が ほとんどであることがわかる。 • 米国でも「業務効率化/コスト削減」が最も多いの は変わらないものの、「モバイルテクノロジーへの 投資」や「自社内での製品・サービス の開発強 化」、 「市場や顧客の変化への迅速な対応」など 攻めの ICT 投資もほぼ同程度の目的として挙げ られている。 引用:総務省監修「我が国のICTの現状に関する調査研究」株式会社情報通信総合研究所
  7. 日本のイノベーションは時間がかかってる • イノベーションの実現度(それぞれ 10 点満点に換算)を日米で比較 • 米国企業では、組織やプロセスイノベーションが 3 年以上 前に多く(組織

    6.7、プロセス 8.2)取り組まれている のに対して日本企業では、 取り組みが遅れていた(組織 3.4、プロセス 2.9) ことがわかる。 • 直近 3 年以内では、米国企業のマーケティング 8.3、プロダクト 4.9 と比較すると日本企業における イノベーションの 実現が少なくなっており、一層の加速が求められる。 引用:総務省「令和元年版 情報通信白書」
  8. 日本の ICT 人材は ICT 企業で働く、という実態 日本においては、ICT 人材がユーザー企業ではなく、 ICT 企業に多く配置されていることが特徴 ICT

    企業に所属する ICT 人材の割合は、2015 年時点で日本が 72.0% であるのに対し、米国では 34.6%、 英国では 46.1%、ドイツでは 38.6% 引用:総務省「令和元年版 情報通信白書」
  9. オンプレ クラウド化 OSS 志向 コマーシャルベンダ志向 情シス 事業部門 インフラ志向 業務アプリ志向 アジャイル開発

    ウォーターフォール開発 モノリス型 マイクロサービス 自己構築システム XaaS の組み合わせ IT 業界だけでも 想像以上に大きく変わっています。 新 旧 同期して複数の 要件に対応する ことの重要性 アジャイル導入 だけでは済まない
  10. 業務部門/SI ベンダー等の複数企業の 壁を 取り除いたチームワーク 作り 良い環境/良い風土/自由な開発スタイル により、優秀なエンジニアが内外から集まる アジャイル開発による、短期間での開発見直しと 製品リリースの実現 外部にプロジェクトルーム

    を作ること で新たな風土/文化を提供できる 常に最新技術を習得できる、 トレーニング環境を 整備 サービス開発だけに専念できる環境 を作り、余計な雑務はシャットアウト 海外を含めた最新の技術や製品/サービスの 調達を容易にする 日本有数のアジャイルコーチ/スクラムコーチ による開発支援体制 自社の風土/文化から脱却できない 商流を意識し、役割分担による責任の押し付け合い 自社の別業務があり、プロジェクトに集中できない サービス開発の成果が見えない コンテナ等、次々と登場する新技術に追いつけてない 新技術を導入したいとは思うけど、その方法が難しい 優秀なエンジニアが揃わない(実力を発揮できない) そもそも、アジャイル開発の経験が無い クリエーションラインが 各々の悩みに取り組み、応えました。。
  11. 4つのジャンルに整理できる事がわかりました 業務部門/SIベンダー等の複数企業の 壁を取り除いたチームワーク 作り 良い環境/良い風土/自由な開発スタイル により、優秀なエンジニアが内外から集まる アジャイル開発による、短期間での 開発見直しと製品リリースの実現 外部にプロジェクトルーム を作ること

    で新たな風土/文化を提供できる 常に最新技術を習得できる、 トレーニング環境を整備 サービス開発だけに専念できる環境 を作り、余計な雑務はシャットアウト 海外を含めた最新の技術や製品/ サービスの調達を容易にする 日本有数のアジャイルコーチ/スクラムコーチ に よる開発支援体制 自社の風土/文化から脱却できない 商流を意識し、役割分担による責任の押し付け合い 自社の別業務があり、プロジェクトに集中できない サービス開発の成果が見えない コンテナ等、次々と登場する新技術に追いつけてない 新技術を導入したいとは思うけど、その方法が難しい 優秀なエンジニアが揃わない(実力を発揮できない) そもそも、アジャイル開発の経験が無い 人 環境 文化 技術
  12. 1. 人のDX 3. 文化のDX 4. 技術のDX 2. 環境のDX IT 技術以上の変革が

    真の DX これが転じて、 クリエーションラインの提案する DX 戦略になってます 最新技術、アジャイル開発経験をもつ優秀人 材を集めたチーム作り 外部プロジェクトルームを作り、独立したガバ ナンスの DX プロジェクト DevOps の導入により、シリコンバレー型の 開発手法を積極的に導入 OSS、クラウド、データ分析、コンテナ等の 新技術を積極的に採用 人の DX 環境の DX 文化の DX 技術の DX
  13. 4. アジャイル開発室の 立上げ/運営 (DIG) デジタル・イノベーション・ガレージ のステップ • アプリケーション開発( IoT・データ分析基盤開発) •

    インフラ(クラウド運用、コンテナ環境構築) • 内外から技能要件に基づく人材の確保 (PO、エンジニア、アジャイルコーチ、等) • アジャイル開発ルーム/オフィスのロケーション策定 • プロジェクトに最適化された内部設計 • リモート環境も前提に、必要な業務ツールを整備 4つのステップ:アジャイル道場を通して習得します 3. アジャイル開発手法導入 環境の DX 文化の DX 2. 開発チーム結成/育成 人の DX 1. 戦略コンサルテーション • アジャイル開発モデルの策定 • アジャイル開発コーチによるトレーニング開始 • DevOps ノウハウ・ツール支援ツール整備 • ビジネス企画支援(デザインシンキング) • アジャイル開発ワークショップ • 人材確保戦略(社内募集/新規採用) 技術の DX
  14. ステップ 1. 戦略コンサルテーション 「自ら IT 基盤とアプリケーション開発能力を持ち、新商品/サービス/事業を短期間で戦略的に生み 出す」 • ソフトウェア企業への変革 •

    SI 依存体質からの脱却 • 業務改善では無く新業務創出に投資 業界のリーダ企業の IT 戦略の調査・分析 • 欧米企業/日本企業 の IT 戦略状況 • 売り上げ、顧客事例、 M&A 戦略、財務戦略の整理 ソフトウェア開発体制/基盤の策定 • 開発体制の組織化・文化導入・チーム作り プラン • 開発拠点/リモート開発環境 プラン 候補アプリケーションの選定 • エンドユーザを巻き込めるプロジェクト • 要件変化の多く、成果が定量的に計測できるプロジェクト
  15. ステップ 2. 開発チーム結成/育成 アジャイル開発実現のためのノウハウ・ツールを一括提供 • 海外拠点を通して、先進的な OSS ベンダーとの強い パイプを活用 •

    Linux Foundation、CNCF、等、業界団体のメンバーとして標 準化/コミュニティ活動にも参画 アジャイル開発を推進するための組織づくりの策定支援 • PO (Product Owner)は企画部門/営業部門から • 開発チームは組織横断の混成チーム • エンドユーザも巻き込み、 UX をフィードバックに組込む 組織横断チーム 
 企画部門
 開発部門
  UI/ UX
 Data
 Analytics 
  事業部門
  品質管理
  サポート
  開発ベンダー
  顧客
 全員が一つのゴールを見ている 
 企画部門
 開発部門
 発注側
 受託側
  元請 SI 会社
  下請
  下請
  下請
 従来型の開発

  16. ステップ 3. アジャイル開発手法導入 アジャイル開発や DevOps を実現するためのはじめの一歩としての現状分析についての ワークショップを提供。(いずれも公式トレーナー資格を有する人材をアサイン) Phoenix Project ワークショップ

    企業の他部門の利害・コミニケーションのギャップを把握し、 DevOps・カイゼンを企 業として実践する為のワークショップ。 Value Stream Mapping ワークショップ 利害関係者全員で Value Stream Mapping を作成する事により、現状を理解し、次 の改善の方向性を合意する為のワークショップ。 Dojo ワークショップ DevOps のサイクル全体について、現状の到達度を認識し、次に行うべき 改善項目を抽出する為のワークショップ。
  17. アジャイル導入の注意点 従来型開発 アジャイル型開発 約束した機能を すべて作る フィードバックを元に 追加変更・取捨選択 当初計画から変わる 納期を約束 期間内に

    ベストを尽くす リスクは発注と受注で 分け合う 人海戦術、 プロセスで品質担保 少数精鋭、 新しいテクノロジー チーム、体制の 長期安定が必須 プロジェクト思考、 有期の活動 プロダクト思考、 オンゴーイングコンサーン 部門や組織の垣根を 取り払う努力を要する アジャイルでの 注意点
  18. 計画に 従う 変化に 対応 従来型 開発 アジャイル型 開発 契約交渉 顧客との

    協調 文書 動作する ソフトウェア プロセス ツール 個人 対話 アジャイルでも こちらをないがしろに してはならない しかしアジャイルでは こちらに重きを置く 価値観として重視する
  19. 02

  20. DIG プロジェクト導入事例:デンソー様 Before/課題 After 1. 自動車業界全体に市場から求められている変革 スピードに IT が追いついていない 2.

    外部パッケージでは自社のオペレーションに適応 できず、自社で開発する必要性の存在 3. 自社+既存の大手 SI での開発能力不足 1. クラウド+オープンソース+アジャイル技術を駆使 して開発方法を刷新してデジタル・イノベーション・ ガレージ (DIG) を構築 2. システム開発スピード 30% 向上 3. 社内ノウハウが蓄積できて開発エンジニアのモチ ベーション向上 IT 開発の「手の内化」 = ソフトウェア・ファースト
  21. - 人の DX:チームビルディング ‣ お客様と一緒にチームを作り、内製化チームを推進する技術者の採用/育成 - 文化の DX:アジャイル開発文化導入 ‣ アジャイルコーチング(アジャイルコーチによるチームビルディング、

    ‣ DevOps 文化の導入(Value Stream Mapping、スクラム、モブプログラミング、等) ‣ 自動化ツールの導入 - 環境の DX:アジャイル開発室(Digital Innovation Garage)の開設 ‣ 秋葉原において 200㎡ の開発環境を確保、カスタマイズされた内装を実施 ‣ アジャイル開発に必要な IT 機器の整備 - 技術の DX:データ分析技術ノウハウ ‣ Apache Kafka をデータベースエンジンとしたデータ分析基盤構築 ‣ コンテナ技術(Docker, Kubernetes)ノウハウ • エンジニアリング トレーニング • (CNCF 公式 Kubernetes トレーニング、Docker 公式トレーニング) • Kubernetes クラスターの構築 クリエーションライン提供した技術価値 多くをアジャイル道 場を通して実施
  22. Webサーバ アーキテクチャ リアルタ イム 手入力 ORIN MQTT レイク API マート

    バッチ 設備(PLC) トレサビ マート マート マスタ ベンダ固有の API、データ構造にロックイン されているため、アプリ開発が困難 アプリ群 品質 稼働 レイク Kafka ORIN Query マート マート MQTT リアルタイムETL マスタ 設備系 設備(PLC) バッチETL トレサビ 手入力 リアル 解析 柔軟なデータ 構造変更 アプリに合わせた API/Query 提供 アプリ開発促 進 OSS ベースの内製化により、アプリ開発を促進す るインフラ柔軟性を獲得 Black Box 品質 稼働 設備(PLC) データ構造変更が 困難 ベンダ API に依存 スピードが 遅い 既存アプリの追加 が困難
  23. システム概要 • Factory IoT プロジェクト ‣ 工場内センサーからのイベント情報(停止、稼動、障害等 )を収集、画面上で稼動状況を可視化 ‣ 製造時のトルク圧などの各種品質情報を提供

    • 100% オープンソースで大規模システムでアジャイル開発 ‣ パブリッククラウドに Docker/Kubernetes を実装 ‣ コンテナ化された分散メッセージキューに Apache Kafka を採用
  24. チームビルディング デンソー DX 戦略推進室 データ分析・機械学習 スペシャリスト アジャイルコーチ プロジェクト推進 お客様も若手メンバーも スクラムマスターとして参加

    クリエーションライン 30% 70% 〜 〜 〜 プロジェクト管理 開発チーム ポイント • 2018 年 2 月にデンソーから 戦略的出資を受け、共同でアジャ イル開発組織を立ち上げ • 3 つの価値提供: • ソフトウェア生産性の向上 (30% 以上) • DevOps による緻密な工程 管理 • 社外からの高度な人材の リクルート PO 企画
  25. アジャイル開発文化導入 1week 2 3 4 5 6 7 8 9

    10 11 12 13 F-IoT企画説明 インセプション デッキ プランニング 環境準備 コーディング テスト デプ ロイ 1st 2nd 3rd 4th レビュー 1 回目!! OSS 利用の注 意点を体感 MVP の考え方を合わせる コンテナ技術と OSS を駆使したアジャイル開発により MVP (導入可能な製品) の提供を 3 ヶ月で完了 (従来の ⅙ の期間でアプリケーションをリリース) Sprint1,2 Cassandra Spark PLC PC MQTT Kafka ORiN PLCs Postgres アプリ 1 PLCs Sprint3 Sprint7,8 Postgres 5th 6th 7th 8th 9th 11th Sprint5,6 AWS で テスト アプリレビュー 1 回目!! アプリレビュー 本番環境 導入 アプリ 2 IoT の基本的な プロトコル(抽象化) データを DB に入れられる形に リアルタイム変換 アプリに適した形に データを整形 レイク DB に データ入力 10th
  26. アジャイルによるスピード化の命題 • パブリッククラウド 2〜3 ヶ月かかる環境立ち上げ → 30 分に短縮 • コンテナ技術

    → システムの部品同士を疎結合に、他への影響を排除、   素早いリリースが可能
  27. アプリの継続的改善と継続的配信(CI/CD) Container Registry Container Registry の登録まで実施する責務 Container Registry からイメージを取得して、デプロイするまでが責務 Prduction

    Staging ・・・ 稼働 品質 ・・・ 稼働 品質 ・・・ 稼働 品質 ・・・ 配信担当者 kubectl コマンド docker push アプリ 1 アプリ 2 v2 v1 ・・ ・ v1 v2 ・・ ・ リリース責任者からのトリガーで 実行。イメージのバージョンを指 定 Compute Engine 環境は Google Cloud 上 に作成 継続的改善 継続的配信 アプリをコンテナで開発し、Kubernetes 上で運用することで、 アプリの継続的改善と継続的配信が可能となった。
  28. 導入効果 • 短期間で Factory IoT システムの設計、構築を完了 ◦ 2018 年 6

    月から Digital Innovation Garage にてプロジェクト開始 ◦ 2019 年 10 月にカットオーバー • 規模拡大に柔軟・迅速に対応できるシステム - 世界中にある 130 の工場を単一のシステムで管理すべく、海外展開中 - 収集データ増大と共にシステム規模をリアルタイムで拡張可能 • 社内ノウハウ蓄積や人材育成 - 内製化によるソフトウェア技術者の採用 - 開発者が育成され、世界中の現場に送られ活躍する文化