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2025-10-25 AIコーディングで開発した業務報告書自動生成アプリ

2025-10-25 AIコーディングで開発した業務報告書自動生成アプリ

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Naka Masato

October 24, 2025
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  1. 自己紹介とアジェンダ 自己紹介 那珂 将人 X: @gymnstcs GitHub: nakamasato 興味: 業務効率化、AI

    活用、開発生産性向上 本日お話しすること 1. 開発したアプリケーション 2. 生成AI ツールでの開発フロー 3. 実践的なTips AI コーディングで開発した業務報告書自動生成アプリ 2 / 23
  2. 開発したアプリ 業務報告書を自動生成するアプリケーション できること Slack の日報から業務報告書を自動生成 勤務時間を絵文字から自動抽出 AI が業務内容を構造化・要約 Google Sheets

    に自動記録 システムの流れ 1. 特定絵文字でのSlack 日報 2. Slack メッセージ収集 3. AI 構造化 4. 業務報告書生成 5. Slack 投稿 AI コーディングで開発した業務報告書自動生成アプリ 3 / 23
  3. 解決したかった課題 Before 活用されない業務報告書 書く側: 書かないといけないから書くけど、Spreadsheet 開くのがめんどくさいし忘れがち 見る側: 分散したSpreadsheet で確認するのが大変で、実際見てない 結果:

    殆ど見られないものを頑張って書く意味ない → 悪循環 After 自動化による作業簡易化・改善 書くのが簡単: Slack に日報投稿するだけ 見るのが簡単: 自動で業務報告書を生成・集約 結果: Action に結びつきやすい (e.g. 宣言効果、サポート体制改善、タスク管理改善、etc) AI コーディングで開発した業務報告書自動生成アプリ 4 / 23
  4. 主要機能の詳細 1. LLM による構造化データ抽出 OpenAI Structured Output で構造化データ生成 指定の絵文字から出勤・退勤時刻を検出 複数回の出勤・退勤に対応

    時刻修正メッセージもパース可能 業務内容、成果、課題、次回アクションを自動抽出 2. 出力形式 Google Spreadsheets: 月次レポート自動生成 Slack: 集約結果の通知 stdout: デバッグ・確認用 AI コーディングで開発した業務報告書自動生成アプリ 6 / 23
  5. 今回開発したアプリを実行 コマンドライン実行例 # 特定ユーザーの月次レポート(標準出力) uv run work-recorder --mode monthly --user

    tanaka --year 2025 --month 10 # 全ユーザーの月次レポート uv run work-recorder --mode monthly --all-users --year 2025 --month 10 # Google Sheets に書き込み uv run work-recorder --mode monthly --user tanaka --output sheets # Slack チャンネルに送信 uv run work-recorder --mode monthly --user tanaka --output slack AI コーディングで開発した業務報告書自動生成アプリ 8 / 23
  6. AI を活用した開発フロー 5 つのステップで実現 1. Claude Desktop で壁打ち - 機能要件を詰める

    2. 機能要件書の作成 - アーティファクトで整理 3. Claude Code で初期実装 - PoC 完成まで1 時間 4. PoC 実行と検証 - 実際に動かして確認 5. 継続的な改善 - 細かい機能追加と調整 AI コーディングで開発した業務報告書自動生成アプリ 10 / 23
  7. Step 1: Claude Desktop で壁打ち 最初の問いかけ ソフトウェアの設計をしたいです。 必要なClient: Slack App,

    Google Service Account 設定: User 情報、Spreadsheet ID 実行: 月次一括生成、差分更新 どんな構成がいいでしょうか? Python/Golang/TypeScript どれが楽そうか教えて下さい。 対話を重ねて要件を明確化 ふわっとしたアイデアから具体的な要件へ 技術スタックの選定理由を確認 実装の難易度を把握 所要時間: 15-30 分 AI コーディングで開発した業務報告書自動生成アプリ 11 / 23
  8. Step 2: 機能要件書の作成 Claude Desktop のアーティファクトで整理 指示例: このソフトウェアのSpec をMarkdown ファイルにまとめてくだ

    さい 機能要件だけに絞ってください。 成果物 「Daily Report Automation - 機能要件書」 明確な仕様書が完成 実装の指針となる Claude Code への引き継ぎ資料 所要時間: 15-30 分 AI コーディングで開発した業務報告書自動生成アプリ 12 / 23
  9. Step 3: Claude Code で初期実装 準備 1. Python-Template から新規リポジトリ作成 テスト環境、CI/CD

    設定済み 毎回同じ部分を生成させない 2. Claude Code 起動 機能要件書を渡す 「この要件で初期実装して」 初期実装完了 Slack メッセージ収集 Slack まとめ投稿 所要時間: 1 時間 AI コーディングで開発した業務報告書自動生成アプリ 13 / 23
  10. Step 4: PoC 実行と検証 実際に動かしてみる 1. Slack アプリ作成・連携 トークン取得 必要な権限を付与

    2. 実行して動作確認 実際のSlack メッセージで試す 出力結果をチェック 3. GitHub Actions で定期実行 自動化の確認 実運用に向けた検証 所要時間: 数時間 AI コーディングで開発した業務報告書自動生成アプリ 14 / 23
  11. Step 5: 継続的な改善サイクル 改善と機能追加を繰り返す Structured Output の精度改善 精度が低い → Issue

    に記録 Claude Code で改善実装 Google Spreadsheet 連携 新機能の追加実装 数時間で完了 細かい調整 エラーハンドリング ログ出力の改善 UI/UX の向上 各機能: 数時間ずつ AI コーディングで開発した業務報告書自動生成アプリ 15 / 23
  12. AI コーディングの実例 成功例1: ドキュメントリンクを渡すだけ 指示 「OpenAI Structured Output のドキュメント(URL )を参考に

    実装して」 https://platform.openai.com/docs/guides/structured-outputs 結果 適切なPydantic モデル定義 エラーハンドリング込み 型安全なレスポンス処理 AI コーディングで開発した業務報告書自動生成アプリ 16 / 23
  13. 成功例2: API 統合ゼロコスト 必要だったAPI Slack Client (メッセージ取得、投稿) Google Sheets API

    (認証、書き込み) 結果 一度もドキュメントを調べずに実装完了 認証、エラーハンドリング、ページング処理も全て自動生成 AI コーディングで開発した業務報告書自動生成アプリ 17 / 23
  14. 直面した課題と学び AI だけでは解決困難だった点 課題 原因 解決方法 Slack 権限エラー User Token

    とBot Token の使い分け 人間の知見で解決 認証の実装 GCP ADC vs Service Account 明示的な指示が必要 得られた知見 AI は実装は得意、設計判断は人間が必要 AI が思い通り実装してないときは、直接公式ドキュメントのURL を渡すのが効果的 生成コードのレビューは必須 AI コーディングで開発した業務報告書自動生成アプリ 18 / 23
  15. 今後の拡張計画 Phase 1: ChatBot 化 LLM を活用して、対話的に業務報告書を確認・修正 Phase 2: データソース拡張

    GitHub やJira などの活動も自動連携 Phase 3: 振り返り支援 週次・月次振り返りレポート 時間配分の可視化とアドバイス プロジェクトベース進捗まとめ AI コーディングで開発した業務報告書自動生成アプリ 20 / 23
  16. 実践的なAI コーディングTips 使える3 つのTips AI と壁打ちして仕様を固める 言語化できていないアイデアを具体化して仕様に落とす 対話を重ねて仕様が明確に AI コーディングの知見の蓄積

    テンプレートリポジトリの活用 新しいアプリを作るたびにテンプレート(知見)を育てていく → 初期開発コストの削減 Slash Command/Subagents の作成 いつも使うコマンドやAgents を定義して使えるようにしておく 例. /resolve-gh-issue, /pr-update, etc 公式ドキュメントのURL 活用 「このAPI ドキュメント(URL )を参考に実装して」のように実装を指定 AI コーディングで開発した業務報告書自動生成アプリ 21 / 23
  17. まとめ AI コーディングがもたらしたもの アイデア → その日には動くものができる 成功のポイント AI との対話で仕様を明確化 AI

    コーディングの知見蓄積 (template repo, slash command, subagents) アイデア→ 仕様→ 実装のサイクルを回しまくる AI コーディングで開発した業務報告書自動生成アプリ 22 / 23