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プログラミング教育はなぜ必修化されたのか?/kodaira202012

Naoki Kato
December 12, 2020

 プログラミング教育はなぜ必修化されたのか?/kodaira202012

令和2年度 小平市中央公民館主催 タイムリー講演会

Naoki Kato

December 12, 2020
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Transcript

  1. ©2014- Naoki Kato, IML at TGU 令和2年度小平市中央公民館主催 タイムリー講演会 20201212 プログラミング教育は

    なぜ必修化されたのか 東京学芸大学 ICTセンター 教育情報化研究チーム 加藤直樹
  2. ©2014- Naoki Kato, IML at TGU 自己紹介 加藤直樹 東京学芸大学 ICTセンター

    教育情報化研究チーム 専門:情報工学 Human Computer Interaction 特にペン入力 ペン入力I/Fの教育への利用 文科省:デジタル教科書の今後の在り方等に 関する検討会議 (R2) ・委員 :ICT活用教育アドバイザー派遣事業 (H28-) ・アドバイザー
  3. ©2014- Naoki Kato, IML at TGU はじめに 授業中のICT利用(の一例) 国立政策研究所 OECD

    生徒の学習到達度調査(PISA) 2018 年調査補足資料~ 日本 OECD平均 デンマーク 日本 OECD平均 デンマーク 0% 20% 40% 60% 80% 100% 日本 OECD平均 スウェーデン 国 語 算 数 美 術
  4. ©2014- Naoki Kato, IML at TGU はじめに 学校外でのICT利用(の一例) 国立政策研究所 OECD

    生徒の学習到達度調査(PISA) 2018 年調査補足資料~ 0% 50% 100% 日本 OECD平均 毎日 ほぼ毎日 週に1~2回 月に1~2回 まったくか,ほとんどない 無回答 日本 OECD平均 学校外で学校の勉強 のために, インターネット上の サイトを見る コンピュータを 使って 宿題をする
  5. ©2014- Naoki Kato, IML at TGU はじめに もう待ったなし! そして今年度!! TBS

    News 3日 11:09分 http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3846312.html
  6. ©2014- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育導入の背景 産業(工業)革命? 画像引用:SCF2015webサイト http://scf.jp/ja/essay/a005.php

    →石炭→石油・電気 農業→軽工業→重工業 労働力:人→コンピュータ 判断:人→コンピュータ AI,IoT?
  7. ©2014- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育導入の背景 国家戦略(IT総合戦略本部) (H26~H28/2016.4) l

    一定数の突出した能力を有するIT人材育成 l 新たな産業をリードする高度なIT人材育成 (参考)人材育成におけるプログラミング教育の位置付け等に係る調査報告書 現社会 Industry4.0 (第四次産業革命) 高度なIT利活用社会 (超スマート社会)
  8. ©2014- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育導入の背景 近い将来すべての人に求められるもの 高度IT人材 ミドルIT人材

    課題 発見 解決 新たな価値の創造 高度情報通信技術 AI技術 活用 こういうこと ができる 依頼
  9. ©2014- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育導入の背景 国家戦略(IT総合戦略本部) (H26~H28/2016.4) l

    一定数の突出した能力を有するIT人材育成 l 新たな産業をリードする高度なIT人材育成 + l あらゆる国民層に対して ITに係る能力を醸成するための取組 (参考)人材育成におけるプログラミング教育の位置付け等に係る調査報告書 現社会 Industry4.0 (第四次産業革命) 高度なIT利活用社会 (超スマート社会)
  10. ©2014- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育導入の背景 学習指導要領における情報教育の方針 創造 協働

    自立 加速度的に進展 し続ける社会 Industry4.0 (第四次産業革命) 生きる力 情報技術の発展・浸透 情報化・グローバル化 人間性 学びに向 かう力 思考力 判断力 表現力 知識 技能 言語能力・情報活用能力 問題発見・解決能力 学習の基盤 情報及び情報技術を適切かつ効果的に 活用して、問題を発見・解決したり自 分の考えを形成したりしていくために 必要な資質・能力 (小学校学習指導要領解説 p.51) 情報の科学的な理解に裏打ちされた 情報活用能力を育むことが重要
  11. ©2014- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育導入の背景 基盤的な力としての情報活用能力の育成 情報活用能力 言語能力

    問題発見・解決能力 基盤的な力 人間性 学びに向 かう力 思考力 判断力 表現力 知識 技能 創造 協働 自立 技術分野 情報に関する技術 プログラミング教育 基本的な操作 情報モラル 情報化と社会・産業 2021- 2022- 2020- 情報Ⅰ(必修) 情報Ⅱ AI・Data Science教育
  12. ©2014- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育導入の背景 プログラミングは高度なICT活用 l 全ての人ができる必要はないが

    できることは知っておいたほうが幸せ Programming すごいコンピュータ コンピュータを 知る上で 良い題材 論理的思考が 必要な活動
  13. ©2014- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育導入の背景 世界中でプログラミング教育 l イスラエル

    n 2000年,高校で「Computer Science」 l ハンガリー n 2003年 「Informatica」6~10歳で必修 l イングランド(英国) n 2014年 「Computing」5~13歳で必修 l フィンランド n 2016年から必修化(教科横断型) l オーストラリア n 2016年「Digital Technologies」
  14. ©2014- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育導入の背景 国家戦略(IT総合戦略本部) (H26~H28/2016.4) l

    一定数の突出した能力を有するIT人材育成 l 新たな産業をリードする高度なIT人材育成 + l あらゆる国民層に対して ITに係る能力を醸成するための取組 l 特に若年層に対するプログラミング教育 (参考)人材育成におけるプログラミング教育の位置付け等に係る調査報告書 現社会 Industry4.0 (第四次産業革命) 高度なIT利活用社会 (超スマート社会)
  15. ©2014- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育導入の背景 基盤的な力としての情報活用能力の育成 情報活用能力 言語能力

    問題発見・解決能力 基盤的な力 人間性 学びに向 かう力 思考力 判断力 表現力 知識 技能 創造 協働 自立 技術分野 情報に関する技術 プログラミング教育 基本的な操作 情報モラル 情報化と社会・産業 2021- 2022- 2020- 情報Ⅰ(必修) 情報Ⅱ AI・Data Science教育
  16. ©2014- Naoki Kato, IML at TGU 小学校におけるプログラミング教育 学習指導要領での記載 各教科等の特質に応じて, を,計画的に実施

    第3 1 (3) イ 児童がプログラミングを体験しながら, コンピュータに意図した処理 を行わせるために必要な論理的思考力 を身に付けるための学習活動 (小学校学習指導要領 p.8)
  17. ©2014- Naoki Kato, IML at TGU 小学校におけるプログラミング教育 学習指導要領での記載の意味 第3 1

    (3) イ 児童がプログラミングを体験しながら, コンピュータに意図した処理 を行わせるために必要な論理的思考力 を身に付けるための学習活動 (小学校学習指導要領 p.8) プログラミング 論理的に考える力 のために 導入の背景
  18. ©2014- Naoki Kato, IML at TGU 小学校におけるプログラミング教育 学習指導要領からプログラミング的思考へ 自分が意図する一連の活動を実現するために、 どのような動きの組合せが必要であり、

    一つ一つの動きに対応した記号を、 どのように組み合わせたらいいのか、 記号の組合せをどのように改善していけば、 より意図した活動に近づくのか、 といったことを論理的に考えていく力 (小学校学習指導要領解説 p.85) プログラミング するときの一連の活動 を 論理的に考える力
  19. ©2014- Naoki Kato, IML at TGU 小学校におけるプログラミング教育 プログラミング的思考 抽 象

    化 モ デ ル 化 一 般 化 分解 構造化 手順化 評価 順序 分岐 反復 並列 演繹・帰納(類推,仮説) 問題 Computer 大きく複雑な 高速化・自動化 高度情報化社会における 高度情報化社会における 大きな武器である 論理的思考・パタン認識 パ ラ メ タ ラ イ ズ
  20. ©2014- Naoki Kato, IML at TGU 正多角形を簡単に綺麗に描きたい 正多角形 を描く 正三角形

    を描く 正方形 を描く 正五角形 を描く (問題の)分解 線分を描く 線分を描く 線分を描く 分解+手順(順次)
  21. ©2014- Naoki Kato, IML at TGU 正多角形を簡単に綺麗に描きたい 線分を描く 線分を描く 線分を描く

    特定の長さの 線分を描く 定規を 合わせる 特定の長さの 線分を描く 分解+手順(順次)
  22. ©2014- Naoki Kato, IML at TGU 正多角形を簡単に綺麗に描きたい 線分を描く 線分を描く 線分を描く

    分度器を 合わせる 60度の方向を 調べる 定規を 合わせる 同じ長さの 線分を描く 60度の方向 に点を打つ 同じ長さの 線分を描く 分解+手順(順次) 分解+手順(順次)
  23. ©2014- Naoki Kato, IML at TGU 正多角形を簡単に綺麗に描きたい 線分を描く 線分を描く 線分を描く

    分解+手順(順次) 端点を結ぶ 線分を描く 定規を 合わせる 端点を結ぶ 線分を描く
  24. ©2014- Naoki Kato, IML at TGU 正多角形を簡単に綺麗に描きたい 端点を結ぶ 線分を描く 特定の長さの

    線分を描く 90度の方向を 調べる 同じ長さの 線分を描く 90度の方向を 調べる 同じ長さの 線分を描く 正方形を描く 正五角形を描く 特定の長さの 線分を描く 108度の方向を 調べる 同じ長さの 線分を描く 108度の方向を 調べる 同じ長さの 線分を描く 端点を結ぶ 線分を描く 108度の方向を 調べる 同じ長さの 線分を描く 端点を結ぶ 線分を描く 特定の長さの 線分を描く 60度の方向を 調べる 同じ長さの 線分を描く 正三角形を描く
  25. ©2014- Naoki Kato, IML at TGU 正多角形を簡単に綺麗に描きたい 端点を結ぶ 線分を描く 特定の長さの

    線分を描く 90度の方向を 調べる 同じ長さの 線分を描く 正方形を描く 正五角形を描く 特定の長さの 線分を描く 108度の方向を 調べる 同じ長さの 線分を描く 端点を結ぶ 線分を描く 端点を結ぶ 線分を描く 特定の長さの 線分を描く 60度の方向を 調べる 同じ長さの 線分を描く 正三角形を描く 1回繰返し 2回繰返し 3回繰返し パタン認識 + 手順化 (繰り返し)
  26. ©2014- Naoki Kato, IML at TGU 正多角形を簡単に綺麗に描きたい 正N角形を描く 端点を結ぶ 線分を描く

    特定の長さの 線分を描く X度の方向を 調べる 同じ長さの 線分を描く N回繰り返す X=180-360/N パタン認識 ↓ パラメタライズ =一般化 正三角形を描く 正方形を描く 正五角形を描く
  27. ©2014- Naoki Kato, IML at TGU 小学校におけるプログラミング教育 学習指導要領での記載 各教科等の特質に応じて, を,計画的に実施

    第3 1 (3) イ 児童がプログラミングを体験しながら, コンピュータに意図した処理 を行わせるために必要な論理的思考力 を身に付けるための学習活動 (小学校学習指導要領 p.8)
  28. ©2014- Naoki Kato, IML at TGU 小学校におけるプログラミング教育 プログラミング教育の手引きでは とある 児童がプログラミングに取り組んだり、

    コンピュータを活用したりすることの 楽しさや面白さ、ものごとを成し遂げた という達成感を味わうことが重要 体験が 重要 楽しさ 面白さ も重要
  29. ©2014- Naoki Kato, IML at TGU 小学校におけるプログラミング教育 もう一つの育む力 l これにも体験が必須

    プログラムの働きやよさ,情報社会がコンピュータをはじめと する情報技術によって支えられていることなどに気付き,身近 な問題の解決に主体的に取り組む態度やコンピュータ等を上手 に活用してよりよい社会を築いていこうとする態度などを育む こと (小学校学習指導要領解説 p.85) すごい やってみる のような態度
  30. ©2014- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育の展開 学習指導要領での記載 各教科等の特質に応じて, を,計画的に実施

    l 教科等の中でプログラミング教育 第3 1 (3) イ 児童がプログラミングを体験しながら, コンピュータに意図した処理 を行わせるために必要な論理的思考力 を身に付けるための学習活動 (小学校学習指導要領 p.8)
  31. ©2014- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育の展開 電気の利用では創造的なプログラミングへ n 理科+総合+図工+社会+家庭科

    写真:前原小、6年生がフィジカルコンピューティングで「電気」を学ぶ ICT教育ニュース 2017年10月30日 入力 明るさ 温度 加速度 方位 ボタン 湿度 気圧 酸素濃度 : 出力 光 熱 音 動力 : 人がそばにいて 温度が高いと 温度に応じて回る扇風機
  32. ©2014- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育の展開 系統的な学びが重要 →カリマネ 創造的プログラミング

    ア ン プ ラ グ ド 情報化社会に関する 探究的課題の中での プログラミング プログラミング 導入 操作練習 教科の学びに 絡めた プログラミング 総合 教科 課程外 正多角形と円 電気の利用 楽しく創造的な 活動にするには
  33. ©2014- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育の展開 学校でのプログラミング教育 創造的プログラミング ア

    ン プ ラ グ ド 情報化社会に関する 探究的課題の中での プログラミング プログラミング 導入 操作練習 教科の学びに 絡めた プログラミング 総合 教科 課程外 正多角形と円 電気の利用 なにをするかの カリキュラム・教科書 はない 学校によって やることが異なる 学校の勉強の補助は できない
  34. ©2014- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング的思考のための環境作り 近い将来すべての人に求められるもの 高度IT人材 ミドルIT人材

    課題 発見 解決 新たな価値の創造 高度情報通信技術 AI技術 活用 こういうこと ができる 依頼 論理的思考力 情報活用能力 (プログラミング的思考)
  35. ©2014- Naoki Kato, IML at TGU どんな教材があるの? ここでは こんな授業が行われているという例を 紹介します

    本当のプログラミング力は 作りたいものを とことん作ることが重要
  36. ©2014- Naoki Kato, IML at TGU Hour of Codeの世界 基本は

    angry bird 15ステージ くらいに壁が
  37. ©2014- Naoki Kato, IML at TGU Hour of Codeの世界 簡単なのは

    ビーバーアチーバとドラゴンの卵
  38. ©2014- Naoki Kato, IML at TGU 道順系プログラミングロボット 移動ブロック型ロボット 左写真:プログラミングロボット True

    true https://www.kenis.co.jp/truetrue/index.html 右写真:プログラミングカー https://www.gakkensf.co.jp/pgc/
  39. ©2014- Naoki Kato, IML at TGU おわりに 実は正直に言うと l プログラミングで論理的思考力が

    育つかはわかりませんが l プログラミングをすることで 論理的思考を いっぱいすることができます!