Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
学習指導要領とプログラミング教育
Search
Naoki Kato
PRO
May 11, 2021
Education
0
150
学習指導要領とプログラミング教育
東京学芸大学教育学部共通SE科目
小学校におけるプログラミング教育
03 学習指導要領改訂とプログラミング教育
Naoki Kato
PRO
May 11, 2021
Tweet
Share
More Decks by Naoki Kato
See All by Naoki Kato
教育現場における生成AIの活用とこれからの学校
naokikato
PRO
0
39
学校や家庭における効果的なICTの活用
naokikato
PRO
0
29
学校や家庭における効果的なICTの活用
naokikato
PRO
0
5
大学で学ぶ色のはなし
naokikato
PRO
0
12
GIGAスクール時代の情報教育とICT活用
naokikato
PRO
1
22
GIGAスクール構想実現に向けた学校の取組
naokikato
PRO
0
84
イントロダクション
naokikato
PRO
0
70
情報処理学オリエンテーション
naokikato
PRO
2
260
GIGAスクール構想定着期に向けて
naokikato
PRO
0
130
Other Decks in Education
See All in Education
Chapitre_1_-__L_atmosphère_et_la_vie_-_Partie_1.pdf
bernhardsvt
0
220
老人会? いえ、技術継承です @ builderscon 2024 LT
s3i7h
0
110
Tableau トレーニング【株式会社ニジボックス】
nbkouhou
0
19k
HTML5 and the Open Web Platform - Lecture 3 - Web Technologies (1019888BNR)
signer
PRO
1
2.6k
東工大 traP Kaggle班 機械学習講習会 2024
abap34
2
320
Ch2_-_Partie_3.pdf
bernhardsvt
0
100
Beispiel einer Fortbildung für "Soziales Lernen"
gsgoethe
0
120
セキュリティ・キャンプ全国大会2024 S17 探査機自作ゼミ 事前学習・当日資料
sksat
3
850
XML and Related Technologies - Lecture 7 - Web Technologies (1019888BNR)
signer
PRO
0
2.5k
ルクソールとツタンカーメン
masakamayama
1
850
ACT FAST 20240830
japanstrokeassociation
0
320
勉強する必要ある?
mineo_matsuya
2
1.6k
Featured
See All Featured
Let's Do A Bunch of Simple Stuff to Make Websites Faster
chriscoyier
506
140k
5 minutes of I Can Smell Your CMS
philhawksworth
202
19k
How to Create Impact in a Changing Tech Landscape [PerfNow 2023]
tammyeverts
47
2.1k
Documentation Writing (for coders)
carmenintech
65
4.4k
The Psychology of Web Performance [Beyond Tellerrand 2023]
tammyeverts
44
2.2k
VelocityConf: Rendering Performance Case Studies
addyosmani
325
24k
Product Roadmaps are Hard
iamctodd
PRO
49
11k
How To Stay Up To Date on Web Technology
chriscoyier
788
250k
A designer walks into a library…
pauljervisheath
204
24k
Fireside Chat
paigeccino
34
3k
Writing Fast Ruby
sferik
627
61k
Producing Creativity
orderedlist
PRO
341
39k
Transcript
©2016- Naoki Kato, IML at TGU 共通SE科目 東 東京 京学
学芸 芸大 大学 学 I IC CT Tセ セン ンタ ター ー 教 教育 育情 情報 報化 化研 研究 究チ チー ーム ム 加 加藤 藤直 直樹 樹 Programming Education in Elementary School 小学校における プログラミング教育 (3)学習指導要領とプログラミング教育
©2016- Naoki Kato, IML at TGU 学習指導要領の改訂 日本に求められるもの 新たな価値の創造 対話・議論
主体性 各々が多様な個性能力 自立 協働 説明 理解 問題 発見 解決法 探索 計画 実行 解決 振り返り
©2016- Naoki Kato, IML at TGU 学習指導要領の改訂 学習の基盤となる資質・能力 創造 協働
自立 生きる力 言語能力・情報活用能力 問題発見・解決能力 学習の基盤 加速度的に進展 し続ける社会 Industry4.0 (第四次産業革命) 情報技術の発展・浸透 情報化・グローバル化 人間性 学びに向 かう力 思考力 判断力 表現力 知識 技能
©2016- Naoki Kato, IML at TGU 学習指導要領の改訂 情報活用能力を言語能力と同列に位置付け l 第2
教育課程の編成 2 教科等横断的な視点に立った資質・能力の 育成 (1) 各学校においては,児童の発達の段階を 考慮し,言語能力,情報活用能力(情報モラ ルを含む。),問題発見・解決能力等の学習 の基盤となる資質・能力を育成していくこと ができるよう,各教科等の特質を生かしつつ, 教科等横断的な視点から教育課程の編成を図 るものとする。
©2016- Naoki Kato, IML at TGU 学習指導要領の改訂 情報教育の方針 創造 協働
自立 加速度的に進展 し続ける社会 Industry4.0 (第四次産業革命) 生きる力 情報技術の発展・浸透 情報化・グローバル化 人間性 学びに向 かう力 思考力 判断力 表現力 知識 技能 言語能力・情報活用能力 問題発見・解決能力 学習の基盤 情報及び情報技術を適切かつ効果的に 活用して、問題を発見・解決したり自 分の考えを形成したりしていくために 必要な資質・能力 (小学校学習指導要領解説 p.51) 情報の科学的な理解に裏打ちされた 情報活用能力を育むことが重要
©2016- Naoki Kato, IML at TGU 学習指導要領の改訂 小中高一貫の視点からの位置付け 情報Ⅰ(必修) 技術分野
情報に関する技術 情報Ⅱ 情報技術の発展・浸透 情報の科学的な理解に 裏打ちされた 情報活用能力 を育むことが重要 プログラミング教育 基本的な操作 情報モラル 情報化と社会・産業 2021- 2022- 2020-
©2016- Naoki Kato, IML at TGU 高校の学習指導要領改訂
©2016- Naoki Kato, IML at TGU 中高におけるプログラミング教育 高校共通教科「情報科」 l 情報Ⅰ(共通必修)
n 情報社会の問題解決 pメディアリテラシ,情報モラル n コミュニケーションと情報デザイン pメディアリテラシ n コンピュータとプログラミング pコンピュータの仕組み,アルゴリズム,プログ ラミング,モデル化とシミュレーション n 情報通信ネットワークとデータの活用 p情報通信ネットワークの仕組み,情報セキュリ ティ技術,データベースの仕組み,データ処理 l 情報Ⅱ(選択)
©2016- Naoki Kato, IML at TGU 中高におけるプログラミング教育 情報Ⅰの目的 情報技術 理
解 ・ 活 用 情報社会 理 解 ・ 参 画
©2016- Naoki Kato, IML at TGU 中高におけるプログラミング教育 情報Ⅰにおけるプログラミング 外部 プログラム
プログラミング 言語 アルゴリズム データ データ構造 プログラム 構造 外部 プログラム 外部 プログラム 効率etc 選択 表現 プログラム 見易さ 使い易さ
©2016- Naoki Kato, IML at TGU 中学の学習指導要領改訂
©2016- Naoki Kato, IML at TGU 中高におけるプログラミング教育 中学「情報に関する技術」の目標 基 礎
的 な 理 解 ・ 技 能 習 得 情報技術 問題 情報システム 情報社会 課題設定 設 計 ・ 具 体 化 ・ 評 価 ・ 改 善 ( も の づ く り ) よりよくしたいという 態度
©2016- Naoki Kato, IML at TGU 中高におけるプログラミング教育 情報に関する技術におけるプログラミング 問題 計測・制御システム
解決 安全・適切なプログラムの制作 デバッグ 着想 構想 仕 組 み の 理 解
©2016- Naoki Kato, IML at TGU 中高におけるプログラミング教育 情報に関する技術におけるプログラミング 問題 ネットワークを利用した
双方向性のある コンテンツ 解決 安全・適切なプログラムの制作 デバッグ 着想 構想 メディアリテラシー 仕 組 み の 理 解
©2016- Naoki Kato, IML at TGU 中高におけるプログラミング教育 情報に関する技術におけるプログラミング アルゴリズム 全体構造
効率etc 表現 プログラム 安全性 ・情報デザイン ・例外処理 問題 課題設定
©2016- Naoki Kato, IML at TGU そして小学校
©2016- Naoki Kato, IML at TGU 学習指導要領の改訂 小学校におけるプログラミング教育 各教科等の特質に応じて, を,計画的に実施
第3 1 (3) イ 児童がプログラミングを体験しながら, コンピュータに意図した処理 を行わせるために必要な論理的思考力 を身に付けるための学習活動 (小学校学習指導要領 p.8)
©2016- Naoki Kato, IML at TGU 小学校におけるプログラミング教育 学習指導要領での記載 各教科等の特質に応じて, を,計画的に実施
第3 1 (3) イ 児童がプログラミングを体験しながら, コンピュータに意図した処理 を行わせるために必要な論理的思考力 を身に付けるための学習活動 (小学校学習指導要領 p.8)
©2016- Naoki Kato, IML at TGU 小学校におけるプログラミング教育 学習指導要領での記載 第3 1
(3) イ 児童がプログラミングを体験しながら, コンピュータに意図した処理 を行わせるために必要な論理的思考力 を身に付けるための学習活動 (小学校学習指導要領 p.8) プログラミング 論理的に考える力 のために ※単なるコンピュータ利用とも解釈できるが 文脈からプログラミングであることは自明
©2016- Naoki Kato, IML at TGU 小学校におけるプログラミング教育 学習指導要領からプログラミング的思考へ 自分が意図する一連の活動を実現するために、 どのような動きの組合せが必要であり、
一つ一つの動きに対応した記号を、 どのように組み合わせたらいいのか、 記号の組合せをどのように改善していけば、 より意図した活動に近づくのか、 といったことを論理的に考えていく力 (小学校学習指導要領解説 p.85) プログラミング するときの一連の活動 を 論理的に考える力
©2016- Naoki Kato, IML at TGU 小学校におけるプログラミング教育 プログラミング的思考 抽 象
化 モ デ ル 化 一 般 化 分解 構造化 手順化 評価 順序 分岐 反復 並列 演繹・帰納(類推,仮説) 問題 Computer 大きく複雑な 高速化・自動化 高度情報化社会における 高度情報化社会における 大きな武器である 論理的思考・パタン認識 パ ラ メ タ ラ イ ズ
©2016- Naoki Kato, IML at TGU 小学校におけるプログラミング教育 論理的な思考って? l 論理的推論
n 演繹法 n 帰納法 p枚挙的帰納法 pアダプション pアナロジー(類推) 論理的に(話の筋道に)矛盾がないように考える
©2016- Naoki Kato, IML at TGU 小学校におけるプログラミング教育 演繹的な思考って? l 一般的・普遍的な前提から、
より個別的・特殊的な結論を得る 論理的推論 a B A C:芝生は湿っている R:雨が降ると芝生が湿る P:雨が降った
©2016- Naoki Kato, IML at TGU 小学校におけるプログラミング教育 帰納的な思考って? l 個別的・特殊的な事例から
一般的・普遍的な規則・法則を見出す 論理的推論の方法 a b 今日は雨が降った R: 雨が降ると 芝生が湿るんだろう 昨日は雨が降った 枚挙的帰納法 B A C:芝生が湿っている
©2016- Naoki Kato, IML at TGU 小学校におけるプログラミング教育 アブダクションって? l 個別的・特殊的な事象を
説明できる仮説を見出す 論理的推論 a B A C:芝生は湿っている R:雨が降ると芝生が湿る P:雨が降ったんだろう
©2016- Naoki Kato, IML at TGU 小学校におけるプログラミング教育 類推(アナロジー)って? l 個別的・特殊的な事例を
他の事例への類似に基づいて適用する 論理的推論 a A P:今日は雨が降った 明日は今日と似ている (気圧配置とか) b P’:明日も雨が降るだろう
©2016- Naoki Kato, IML at TGU 小学校におけるプログラミング教育 プログラミング的思考 抽 象
化 モ デ ル 化 一 般 化 分解 構造化 手順化 評価 順序 分岐 反復 並列 演繹・帰納(類推,仮説) 問題 Computer 大きく複雑な 高速化・自動化 高度情報化社会における 高度情報化社会における 大きな武器である 論理的思考・パタン認識 パ ラ メ タ ラ イ ズ
©2016- Naoki Kato, IML at TGU 正多角形を簡単に綺麗に描きたい
©2016- Naoki Kato, IML at TGU 正多角形を簡単に綺麗に描きたい 正多角形 を描く 正三角形
を描く 正方形 を描く 正五角形 を描く (問題の)分解 線分を描く 線分を描く 線分を描く 分解+手順(順次)
©2016- Naoki Kato, IML at TGU 正多角形を簡単に綺麗に描きたい 線分を描く 線分を描く 線分を描く
特定の長さの 線分を描く 定規を 合わせる 特定の長さの 線分を描く 分解+手順(順次)
©2016- Naoki Kato, IML at TGU 正多角形を簡単に綺麗に描きたい 線分を描く 線分を描く 線分を描く
分度器を 合わせる 60度の方向を 調べる 定規を 合わせる 同じ長さの 線分を描く 60度の方向 に点を打つ 同じ長さの 線分を描く 分解+手順(順次) 分解+手順(順次)
©2016- Naoki Kato, IML at TGU 正多角形を簡単に綺麗に描きたい 線分を描く 線分を描く 線分を描く
分解+手順(順次) 端点を結ぶ 線分を描く 定規を 合わせる 端点を結ぶ 線分を描く
©2016- Naoki Kato, IML at TGU 正多角形を簡単に綺麗に描きたい 端点を結ぶ 線分を描く 特定の長さの
線分を描く 90度の方向を 調べる 同じ長さの 線分を描く 90度の方向を 調べる 同じ長さの 線分を描く 正方形を描く 正五角形を描く 特定の長さの 線分を描く 108度の方向を 調べる 同じ長さの 線分を描く 108度の方向を 調べる 同じ長さの 線分を描く 端点を結ぶ 線分を描く 108度の方向を 調べる 同じ長さの 線分を描く 端点を結ぶ 線分を描く 特定の長さの 線分を描く 60度の方向を 調べる 同じ長さの 線分を描く 正三角形を描く
©2016- Naoki Kato, IML at TGU 正多角形を簡単に綺麗に描きたい 端点を結ぶ 線分を描く 特定の長さの
線分を描く 90度の方向を 調べる 同じ長さの 線分を描く 正方形を描く 正五角形を描く 特定の長さの 線分を描く 108度の方向を 調べる 同じ長さの 線分を描く 端点を結ぶ 線分を描く 端点を結ぶ 線分を描く 特定の長さの 線分を描く 60度の方向を 調べる 同じ長さの 線分を描く 正三角形を描く 1回繰返し 2回繰返し 3回繰返し パタン認識 + 手順化 (繰り返し)
©2016- Naoki Kato, IML at TGU 正多角形を簡単に綺麗に描きたい 正N角形を描く 端点を結ぶ 線分を描く
特定の長さの 線分を描く X度の方向を 調べる 同じ長さの 線分を描く N回繰り返す X=180-360/N パタン認識 ↓ パラメタライズ =一般化 正三角形を描く 正方形を描く 正五角形を描く
©2016- Naoki Kato, IML at TGU 小学校におけるプログラミング教育 学習指導要領での記載 各教科等の特質に応じて, を,計画的に実施
第3 1 (3) イ 児童がプログラミングを体験しながら, コンピュータに意図した処理 を行わせるために必要な論理的思考力 を身に付けるための学習活動 (小学校学習指導要領 p.8)
©2016- Naoki Kato, IML at TGU 小学校におけるプログラミング教育 プログラミング教育の手引きにも とある 児童がプログラミングに取り組んだり、
コンピュータを活用したりすることの 楽しさや面白さ、ものごとを成し遂げた という達成感を味わうことが重要 体験が 重要 楽しさ 面白さ も重要
©2016- Naoki Kato, IML at TGU 小学校におけるプログラミング教育 プログラミング体験が重要な理由 l プログラミング体験は楽しい→主体性へ
l 試行錯誤が容易 n 自分の考えが正しいかが確認できる n 間違ってたら容易に修正に挑戦できる コンピュータに・・・ 必要な論理的思考力 効果的に!
©2016- Naoki Kato, IML at TGU 小学校におけるプログラミング教育 もう一つの育む力 プログラムの働きやよさ,情報社会がコンピュータをはじめと する情報技術によって支えられていることなどに気付き,身近
な問題の解決に主体的に取り組む態度やコンピュータ等を上手 に活用してよりよい社会を築いていこうとする態度などを育む こと (小学校学習指導要領解説 p.85) すごい やってみる のような態度
©2016- Naoki Kato, IML at TGU 小学校におけるプログラミング教育 学習指導要領での記載 各教科等の特質に応じて, を,計画的に実施
l 教科等の中でプログラミング教育 第3 1 (3) イ 児童がプログラミングを体験しながら, コンピュータに意図した処理 を行わせるために必要な論理的思考力 を身に付けるための学習活動 (小学校学習指導要領 p.8)
©2016- Naoki Kato, IML at TGU おしまい 学習指導要領とプログラミング教育