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プログラミング教育で育む力・育み方

Naoki Kato
December 07, 2018

 プログラミング教育で育む力・育み方

埼玉県平成30年度「プログラミング教育推進事業」
滑川町 月の輪小学校 公開授業
2018年12月07日

Naoki Kato

December 07, 2018
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Transcript

  1. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 埼玉県平成30年度「プログラミング教育推進事業」 滑川町 月の輪小学校 公開授業

    20181207 プログラミング教育で 育む力・育み方 東京学芸大学 教育実践研究支援センター 加藤直樹 背景写真は環境省Instagramより
  2. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 自己紹介 加藤直樹 東京学芸大学 教育実践研究支援センター

    専門:情報工学 Human Computer Interaction 特にペン入力 ペン入力I/Fの教育への利用 文科省:ICT活用教育アドバイザー派遣事業 ・アドバイザー(小金井市) :デジタル教科書の効果的な活用の在り方等に 関する専門的検討会議 ・協力者 総務省:スマートスクール・プラットフォーム実証事業 「次世代学校ICT環境」の整備に向けた実証 ・有識者(町田市,小金井市) 経産省:学びと社会の連携促進事業 「未来の教室」実証事業WG ・有識者
  3. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育の背景 イスラエル l 2000年,高校で「Computer

    Science」 ハンガリー l 2003年 「Informatica」6~10歳で必修 イングランド(英国) l 2014年 「Computing」5~13歳で必修 フィンランド,オーストラリアなど l 2016年から順次 必修化
  4. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育の背景 国家戦略(IT総合戦略本部) (H26~H28/2016.4) l

    一定数の突出した能力を有するIT人材育成 l 新たな産業をリードする高度なIT人材育成 + l あらゆる国民層に対して ITに係る能力を醸成するための取組 l 特に若年層に対するプログラミング教育 (参考)人材育成におけるプログラミング教育の位置付け等に係る調査報告書 現社会 Industry4.0 (第四次産業革命) 高度なIT利活用社会 (超スマート社会)
  5. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育の背景 情報活用能力育成方向性の舵きり 創造 協働

    自立 加速度的に進展 し続ける社会 Industry4.0 (第四次産業革命) 生きる力 情報技術の発展・浸透 情報化・グローバル化 人間性 学びに向 かう力 思考力 判断力 表現力 知識 技能 言語能力・情報活用能力 問題発見・解決能力 学習の基盤 情報の科学的な理解に 裏打ちされた情報活用能力を 育むことが重要
  6. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育の背景 小中高一貫の視点からの位置付け 情報Ⅰ(必修) 技術分野

    情報に関する技術 情報Ⅱ 発展 発展 情報技術の発展・浸透 情報の科学的な理解に 裏打ちされた 情報活用能力 を育むことが重要 プログラミング教育 基本的な操作 情報モラル 情報化と社会・産業 2021- 2022- 2020-
  7. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育で育む力 学習指導要領では 各教科等の特質に応じて, を,計画的に実施

    第3 1 (3) イ 児童がプログラミングを体験しながら, コンピュータに意図した処理 を行わせるために必要な論理的思考力 を身に付けるための学習活動 (小学校学習指導要領 p.8)
  8. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育で育む力 学習指導要領解説では プログラミング的思考 を育む

    自分が意図する一連の活動を実現するために、ど のような動きの組合せが必要であり、一つ一つの 動きに対応した記号を、どのように組み合わせた らいいのか、記号の組合せをどのように改善して いけば、より意図した活動に近づくのか、といっ たことを論理的に考えていく力 (小学校学習指導要領 p.8)
  9. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育で育む力 プログラミング教育で育むべき力 抽 象

    化 モ デ ル 化 一 般 化 分解 構造化 手順化 評価 順序 分岐 反復 並列 演繹・帰納(類推,仮説) 問題 Computer 大きく複雑な 高速化・自動化 高度情報化社会における 高度情報化社会における 大きな武器である 論理的思考 パタン認識 パ ラ メ タ ラ イ ズ
  10. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育で育む力 プログラミング教育で育むべき態度 プログラムの働きやよさ,情報社会がコンピュータをはじめと する情報技術によって支えられていることなどに気付き,身近

    な問題の解決に主体的に取り組む態度やコンピュータ等を上手 に活用してよりよい社会を築いていこうとする態度などを育む こと (小学校学習指導要領解説 p.85) すごい やってみる のような態度
  11. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育の展開 カリキュラムマネージメント 課程外 各教科

    操作練習 プログラミング 導入 少し現実的な プログラミング 総合 ア ン プ ラ グ ド 教 科 の 狙 い に 沿 っ た プ ロ グ ラ ミ ン グ 情 報 化 社 会 に 関 す る 探 究 的 課 題 の 中 で の プ ロ グ ラ ミ ン グ (6~12) (6~12) (6~12)
  12. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 教科教育とプログラミング教育 教科教育とプログラミング教育 l プログラミング活動を通して

    教科等の学びを深める 教科等で学ぶ知識及び技能等をより確実に身に 付けさせることにある。 (小学校学習指導要領解説 p.85) 各教科等の特質に応じて,次の学習活動を計画 的に実施すること。 (小学校学習指導要領 p.8) 教科等の時間を使うために
  13. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 教科教育とプログラミング教育 プログラミング教育で最も大事なこと l 教科等の中で

    プログラミング教育の目標を達成 各教科等の特質に応じて,次の学習活動を計画 的に実施すること。 (小学校学習指導要領 p.8) でも,大事なのは背景 高度情報化への対応 情報活用能力の育成
  14. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 教科教育とプログラミング教育 例えば多角形プログラミングは 三 三角

    角形 形 四 四角 角形 形 六 六角 角形 形 角の数 3 4 6 内角 60 90 120 回転 120 90 60 かけると360だ!! 一回転(360度)を角の数で回りきる 回す角度は360÷角の数だ!!
  15. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 本日の授業から 身近な電気を利用した道具 l プログラミング教育としてのポイント

    n 考えたアイデアを実装する手順を作れたか n プログラミングの凄さを楽しんだか 効率的に 動かすには? アイデア 実装
  16. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 本日の授業から この単元はプログラミング教育の集大成 l 十分な時間と自由な発想を!

    n 理科+総合+図工+社会+家庭科 (写真) 前原小、6年生がフィジカルコンピューティングで「電気」を学ぶ ICT教育ニュース 2017年10月30日
  17. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 教科教育とプログラミング教育 教科教育とプログラミング教育 l プログラミングを取り入れると

    各教科等で 学べる知識・技能が変わる! 学び方が変わる! 教科等で学ぶ知識及び技能等をより確実に身に 付けさせることにある。 (小学校学習指導要領解説 p.85)
  18. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU アンプラグド活動 アンプラグド? n アンプラグド・コンピュータサイエンス

    l コンピュータを使わない プログラミング活動 電気なし 電気楽器なし
  19. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU アンプラグド活動 アンプラグド活動を成功させるためには プログラミング的思考を (論理的に思考を)

    させる 又は したことを振り返させる 記号(言語)を 意識させる 考える手順に 論理性(論理的制約) がある課題
  20. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU アンプラグド活動 記号を意識させるとは 説明する相手,指示する相手 使うプログラミング言語

    使える記号(言語)は異なる 動きを考えるところの 思考から依存してくる 可能性 できることも異なる
  21. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 本日の授業から 展開図の探索 l プログラミング教育としてのポイント

    n ルールを整理できた n ルールを見つける手順を経験した すごいチャレンジング だったと思います 面を移動 できるのは? すべてのパタンを 網羅する 探索方法は?
  22. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 本日の授業から とぶカエル l プログラミング教育としてのポイント

    n ルールを整理できた n ルールを見つける手順を経験した 高く飛ばすには?
  23. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 芸術とプログラミング教育 芸術とプログラミング教育 左上:ベネッセのプログラミング教育情報 プログラミングを通じた音楽の授業実践例~小2音楽「村まつり」

    右上:Watc Headline体育のマット運動にプログラミング的思考を導入する取り組み――八王子市立浅川小学校 左下:東村山私立富士見小学校 右下:町田市立第五小学校 音楽・リズム作り 体育・演技作り 家庭科・料理 図工・イルミパレード
  24. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 芸術とプログラミング教育 表現の試行錯誤とプログラミング的思考 l 目的に向かってコーディングの改善

    論理的な思考 こういう曲を作りたいから 「こうしたい」から 「こうする」 論理的観点からの振り返り
  25. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育の展開 プログラミング言語学習の件 l ある程度はできる必要があります

    学習活動としてプログラミングに取り組むねら いは,プログラミング言語を覚えたり,プログ ラミングの技能を習得したりといったことでは なく (小学校学習指導要領解説 p.85) 日本語知らずに 説明文を書く ボールが 投げれないのに 野球をする リコーダが 使えないのに 楽しむ こんなことありえないですね
  26. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育の展開 カリキュラムマネージメント 課程外 各教科

    操作練習 プログラミング 導入 少し現実的な プログラミング 総合 ア ン プ ラ グ ド 教 科 の 狙 い に 沿 っ た プ ロ グ ラ ミ ン グ 情 報 化 社 会 に 関 す る 探 究 的 課 題 の 中 で の プ ロ グ ラ ミ ン グ (6~12) (6~12) (6~12)
  27. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU おわりに プログラミング教育で育むべき力 Computer が解決

    10 INPUT A 20 INPUT B 30 PRINT A+B cording 人が解決 選択 問題 プログラミング言語 何 が で き る の か 凄 さ ・ 便 利 さ プログラミング的思考 やってみたい 気持ち コンピュータ プログラミング 体験 + 必要な 論理的思考力 トレーニング
  28. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 埼玉県平成30年度「プログラミング教育推進事業」 滑川町 月の輪小学校 公開授業

    20181207 プログラミング教育で 育む力・育み方 東京学芸大学 教育実践研究支援センター 加藤直樹 背景写真は環境省Instagramより