認知症フレンドリーテックのための認知症基礎知識

8月20日(土)にオンラインで開催する認知症フレンドリーテック第一回アイデアソンでお話しする予定のスライドです。

イベントページはこちら。
https://dementia-friendly-tech.connpass.com/event/250053/

Transcript

1. 認知症フレンドリーテックの ための 認知症の基礎知識 医療法人すずらん会たろうクリニック　院長　内田直樹 ものづくり医療センター　01期 プロトアウトスタジオ　　05期
2. 内田 直樹　@naokiuchid • 在宅医療を中心に行う精神科医 • 認知症診療を行う傍ら、認知症フレンドリーコミュニティ に向けた活動も行っている • 昨年よりプログラミングを学び始め、自作のwebアプリ を医療現場で活用している
4. • 認知症発症の最大のリスク因子は加齢であり、認知症の人は2060年まで増え 続け最大1000万人を超える • あなたの顧客も、家族も、そしてあなた自身も認知症になる • 認知症の問題に対処するという考え方ではなく、認知症の人が安心して生活で き力を発揮できる認知症フレンドリーな社会へのアップデートが必要 • 認知症当事者が安心して生活し力を発揮するためにテクノロジーを活用す る！！→認知症フレンドリーテック
5. 認知症は状態 脳の機能が低下する原因となる病気は 70以上あるが、アルツハイマー型認知症 が６割を占め最大の原因。
6. 代表的な認知機能障害 • 記銘力障害 • 見当識障害 • 空間認知機能障害 • 注意障害
7. 記銘力障害を理解するために エピソードを記憶する仕組みを理解する 記銘 保持 想起 記憶を作り(記銘)、保持し、必要な時に想起する
8. Q. 3日前の夕食で何を食べたか 覚えていますか？
9. Q. 誕生日の夕食で何を食べたか 覚えていますか？
10. 感情が伴う記憶は残りやすい
11. 作業記憶　Working Memory 「理解、学習、推論など認知的課題の遂行中に情報を一時的に保持 し操作するためのシステム」 Baddeley, A. 1986 作業記憶の障害にともない複数作業の同時進行が難しくなる
12. 認知症に伴う記憶障害のまとめ • 記銘力の障害：新しいことを覚えるのが難しくなる • 感情が伴う記憶は残りやすい • 作業記憶の障害で複数作業の同時進行が難しい
13. 見当識障害 見当識：自分の周りのことがわかること 1. 時間　→　時刻、日付、季節など 2. 場所　→　自分がどこにいるか 3. 人　　→　自分の周囲にいる人が誰か 一般的に時間→場所→人の順に障害される
14. 視空間認知機能障害 「認知症世界の歩き方」より いつもの道で迷ってしまう理由 1. 前後左右の方向の感覚が失われてし まう 2. 見えていない道や建物を想像すること が困難 3. ランドマークへの注意と記憶が難しくな る 4. 視界や視野の問題
15. 注意障害 • 広い注意と狭い注意の使い分け（カクテルパーティ効果） • 注意を向けていないと知覚できない • 注意を向けていないことが気になってしまう
16. 認知症の本質は暮らしの障害である ある認知症当事者の生活から • 記憶　　小さなメモ帳を日々持ち歩き、夜にメモをノートに まとめるが時間がかかって夜更かしする • 移動　　バスで移動するが乗り過ごす • 料理　　熱い鍋をさわって火傷をする • その他