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【CEDEC2023】モバイルゲームのQA課題に組織でチャレンジ!〜子会社を跨いで挑戦するQA効率化の道のり〜

 【CEDEC2023】モバイルゲームのQA課題に組織でチャレンジ!〜子会社を跨いで挑戦するQA効率化の道のり〜

【CEDEC2023】2023/08/25
本セッションでは、モバイルゲーム開発のQA効率化のために立ち上げたボトムアップ型の横断グループについて、その概要と取り組んでいる技術的アプローチについてご紹介します。

前半にて、組織的な面についてお話します。背景や目的、人員構成や業務配分といった成り立ちから設計部分までをご紹介します。

後半では技術的な面についてお話します。本組織が取り組むアプローチである「リモートでの実機検証環境の構築」並びに「実機環境での回帰テストの自動化」について、概要からOpenSTFやAirtestなどの使用技術、そして社内での実績について紹介します。

うどん

August 25, 2023
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Transcript

  1. 自己紹介 住田直樹 / X:@udon_qu 株式会社サイバーエージェント/株式会社QualiArts SGEコア技術本部(コアテク) QAチーム • QualiArts :

    Unityリードエンジニア • QualiArts : 技術広報 • SGEコア技術本部 : QAチーム • Unity外部イベント運営 ◦ CA.unity ◦ UniTips(技術書典)
  2. モバイルゲームにおける実機検証のフロー 検証における実機環境の確保の煩雑さ • 柔軟な端末確保の難しさ ◦ 特定のスペックの端末や、複数台の端末を要する際に手配が面倒 ▪ 会社ごとに端末管理をしており、それぞれで対応 • リモートワークへの適用

    ◦ リモートワークでの実機確保が面倒 ▪ 出社とのハイブリットのため、端末をオフィスに置いてきていたり、その逆のケースも ▪ 特定のOSやスペックの端末はリモート環境での突発の確保が困難
  3. モバイルゲームにおける実機検証のフロー 検証における実機環境の確保の煩雑さ 手軽に端末を利用できる検証環境の需要 • 柔軟な端末確保の難しさ ◦ 特定のスペックの端末や、複数台の端末を要する際に手配が面倒 ▪ 会社ごとに端末管理をしており、それぞれで対応 •

    リモートワークへの適用 ◦ リモートワークでの実機確保が面倒 ▪ 出社とのハイブリットのため、端末をオフィスに置いてきていたり、その逆のケースも ▪ 特定のOSやスペックの端末はリモート環境での突発の確保が困難
  4. クラウド型の端末検証サービスの検討 • メリット ◦ 各社での端末手配の手間なく、任意の端末が利用可能 ◦ ログの利用や特定のテストフレームワークの実行などの環境が整えられている • デメリット ◦

    端末の機種やOSのラインナップがサービスの展開に依存 ▪ 持ち込めるサービスも多いが、それなりの費用がかかったり制約もある ◦ 端末利用での社内セキュリティ要件を満たす難易度が高い ▪ ネットワークや秘匿性の制約が難しい
  5. • メリット ◦ 各社での端末手配の手間なく、任意の端末が利用可能 ◦ ログの利用や特定のテストフレームワークの実行などの環境が整えられている • デメリット ◦ 端末の機種やOSのラインナップがサービスの展開に依存

    ▪ 持ち込めるサービスも多いが、それなりの費用がかかったり制約もある ◦ 端末利用での社内セキュリティ要件を満たす難易度が高い ▪ ネットワークや秘匿性の制約が難しい クラウド型の端末検証サービスの検討 自社で作ればデメリットを解決できるか も...?
  6. システム構成 社内に多数の端末を接続したサーバーとラックを設置 端末制御 サーバー USB 2.0 Type-C 20ポートハブ OpenSTF サーバー

    ︙ ルーター 専用WiFi AP 回線冗長化 USB 2.0 Type-C 20ポートハブ ︙ オフィスのIPと 会社VPNのみ許可
  7. QAでの利用実績 • QAの端末検証での活用 ◦ 端末ごとの動作検証 ◦ 複数のユーザーを必要とする機能検証 ▪ ユーザー同士でのグループ機能や、フレンド機能などの多人数で検証すべき機能に有効 ◦

    エージングテスト ▪ 長時間端末を確保して放置し、手作業を止めることなく実行可能 • テストの自動化 ◦ 自動化したテストについて、任意の時間で実行可能な都合の良い環境
  8. 自動テストの技術検証 特定のプロジェクトの効果的なテストケースから技術検証へ • 自動化する難易度 ◦ 複雑な操作やフロー、特殊な条件など、自動化するには難易度が高いテストも ▪ まずは単純な操作とフローで完結するテストに着目 • 自動化による効果

    ◦ 頻度の低いテストや工数の少ないテストを自動化しても効果が薄い ◦ 工程が長かったり面倒だが、バグを検知しづらい回帰テストが効果が高い 費用対効果の高いテストの自動化から検証
  9. まとめ • モバイルゲームの開発工程は大規模化し、QA工程の課題感が顕著 • SGEではQA課題を横断して解決すべく、ボトムアップ型で組織を形成 ◦ 現場の知見をもとに課題と打ち手を検討 ◦ 技術アプローチと推進をセットにしたミッション策定 •

    QAの効率化をミッションに技術的なアプローチを検証中 ◦ リモートでの実機検証環境の構築 ▪ OpenSTFを活用した社内端末利用サービスの検証 ◦ 自動テストの仕組みづくり ▪ 回帰テストや端末を要する作業を効率化
  10. 今後の展望 • リモートでの実機検証環境の改善 ◦ 各種プロジェクトのニーズに沿った機能拡張 ◦ OpenSTFの技術課題の解決 • 自動テストの活用の推進とブラッシュアップ ◦

    自動テストの仕組みの各プロジェクトへの展開 ◦ エディタ上での自動テストに向けた技術検証 • 組織レベルでのQA工程の意識改革 ◦ 基盤の推進や各種技術や手法のドキュメント化を推進 ◦ 各プロジェクトが開発品質を検討し、QA課題の効率化に向き合う姿へ