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今更聞けない! Struct の使い方と今後の可能性について

osyo
September 12, 2020

今更聞けない! Struct の使い方と今後の可能性について

osyo

September 12, 2020
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  1. ⾃⼰紹介 ⾃⼰紹介 名前:osyo Twitter : github : ブログ : Rails

    歴2 年半 趣味で Ruby にパッチを投げたり bugs.ruby で気になったチケッ トをブログにまとめたりしてる Ruby で⼀番好きな機能は Refinements @pink_bangbi osyo-manga Secret Garden(Instrumental)
  2. Struct とは Struct とは 任意のプロパティを持ったクラスを動的に⽣成する Ruby の標準 ライブラリ # 3

    つのプロパティを持つ疑似クラスを作成する User = Struct.new(:id, :name, :age) # 作成した疑似クラスは通常のクラスと同じように使⽤できる # 引数は Struct.new に渡した順で割り当てられる homu = User.new(1, "homu", 14) # 各プロパティのアクセッサが暗黙的に定義されている p homu.name # => "homu" p homu.age # => 14 homu.age = 15 p homu.age # => 15
  3. 参照⽅法いろいろ 参照⽅法いろいろ # アクセッサメソッドとして参照できる p homu.name # => "homu" p

    homu.age # => 14 # [] メソッドで参照 # Hash みたいにキーを渡してアクセス p homu[:name] # => "homu" # index を渡してアクセス p homu[1] # => 15 # Hash に変換できる p homu.to_h # => {:id=>1, :name=>"homu", :age=>14} # 未定義のプロパティにはアクセスできない p homu.hoge # error: undefined method `hoge' p homu[:foo] # error: `[]': no member 'foo' in struct (NameError)
  4. 定義⽅法いろいろ 定義⽅法いろいろ # 3 つのプロパティを持つ疑似クラスを作成する User = Struct.new(:id, :name, :age)

    # User.new には Struct.new で渡した引数の順番で渡す User.new(1, "homu", 14) # Struct.new に keyword_init: true を渡すと User = Struct.new(:id, :name, :age, keyword_init: true) # User.new にキーワード引数で渡せるようになる p User.new(name: "homu", age: 14, id: 1) # => #<struct User id=1, name="homu", age=14> # Struct.new にブロックを渡し、その中でメソッドを定義すると # インスタンスメソッドとして定義される User = Struct.new(:last_name, :first_name) do def full_name "#{last_name} #{first_name}" end end homu = User.new(" 巴", " マミ") # ユーザが定義したインスタンスメソッドが呼べる p homu.full_name # => " 巴 マミ"
  5. Struct を継承する Struct を継承する Struct.new はクラスオブジェクトを返す なので Struct.new を継承することができる Struct.new

    を継承することで Struct の便利メソッドがそのまま 使える!! class User < Struct.new(:last_name, :first_name, :age) def full_name "#{last_name} #{first_name}" end def to_s "#{full_name} #{age} 歳" end end homu = User.new(" 巴", " マミ", 15) # Struct のメソッドがそのまま使える p homu.last_name # => " 巴" p homu.to_h # => {:last_name=>" 巴", :first_name=>" マ ミ", :age=>15}
  6. 引数や戻り値の擬似オブジェクトとして使う 引数や戻り値の擬似オブジェクトとして使う その場でデータ構造を定義してオブジェクトを⽣成する事がで きる テストとかの mock オブジェクトとかでも利⽤できる 疑似ファイルをテスト上で定義したりとか API モジュールの戻り値として定義したりとか

    def show_file(file) puts "path: #{file.path}" puts "size: #{file.size}" puts "lines:" puts file.readlines end # 普通はファイルを渡して使う show_file File.open("./test.rb") # Tempfile というクラスをその場で定義してそのインスタンスを渡す Tempfile = Struct.new(:path, :size, :readlines) show_file Tempfile.new("./test.rb", 14, %w(homu mami mado))
  7. Anonymous Struct literal という機能が提案されている ${} というリテラルで Struct のオブジェクトを定義できるよう にする提案 これを使うと

    Hash みたいにカジュアルに Struct オブジェク トが使える [Feature #16986] Anonymous Struct literal [Feature #16986] Anonymous Struct literal # 今の書き⽅ Struct.new(:a, :b).new(1, 2) # 提案してるリテラルだと ${} で定義できる ${ a: 1, b: 2 } # さっきのコード例 Tempfile = Struct.new(:path, :size, :readlines) show_file Tempfile.new("./test.rb", 14, %w(homu mami mado)) # ${} ですっきりとかける show_file ${ path: "./test.rb", size: 14, readlines: %w(homu mami mado) }
  8. Hash との⽐較例 Hash との⽐較例 # Hash homu = { id:

    1, name: "homu", age: 14 } # [] でのみ要素にアクセスできる homu[:name] # 新しい要素を追加できる homu[:job] = " 魔法少⼥" # 存在しないキーにアクセスしてもエラーにならない homu[:nmae] # => nil # Anonymous Struct literal homu = ${ id: 1, name: "homu", age: 14 } # [] だけでなくて . で参照できる homu.name # 新しい要素は追加できない # そもそも存在しない要素にアクセスするとエラーになる homu[:job] = " 魔法少⼥" # error: undefined method `[]'
  9. 今どうなってる? 今どうなってる? ⼊るかどうかすら決まってません!! いろんな書き⽅の提案がされている ${} の $ は Struct の

    S です そういえば Rubykaigi で matz が新しいシンタックスを⼊れたく ないって⾔っていたような… ? https://bugs.ruby-lang.org/issues/16986#note-11 ${a:1, b:2} # 元々の提案 {|a:1, b:2|} # <- matz のアイデア struct a: 1, b: 2 # struct キーワードを追加 %o{a:1, b:2} # % 記法で定義 (a:1, b:2) # {} ではなくて () で定義 Struct.anonymous(a:1, b:2) # メソッド定義 Struct(a:1, b:2) Struct[a:1, b:2]