Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
社内最長老のシステムにPHPUnitで立ち向かう方法
Search
penguin045
December 01, 2019
Technology
1
2.9k
社内最長老のシステムにPHPUnitで立ち向かう方法
表題の通りです
penguin045
December 01, 2019
Tweet
Share
More Decks by penguin045
See All by penguin045
20年モノの巨大Webサービスの開発継続戦略 - ミドルウェアのバージョンアップとの向き合い方
penguin045
1
2.2k
言語の力でモデリングを表現する
penguin045
0
240
初めてのClojure
penguin045
0
620
技術的負債を見つめなおす
penguin045
1
1.3k
PHPerがこれから「型」とお付き合いしていくために
penguin045
1
2.4k
Other Decks in Technology
See All in Technology
AIチャットボット開発への生成AI活用
ryomrt
0
170
OTelCol_TailSampling_and_SpanMetrics
gumamon
1
220
B2B SaaSから見た最近のC#/.NETの進化
sansantech
PRO
0
910
Taming you application's environments
salaboy
0
200
AI前提のサービス運用ってなんだろう?
ryuichi1208
8
1.4k
The Rise of LLMOps
asei
9
1.7k
AWS Lambdaと歩んだ“サーバーレス”と今後 #lambda_10years
yoshidashingo
1
180
インフラとバックエンドとフロントエンドをくまなく調べて遅いアプリを早くした件
tubone24
1
430
Incident Response Practices: Waroom's Features and Future Challenges
rrreeeyyy
0
160
Adopting Jetpack Compose in Your Existing Project - GDG DevFest Bangkok 2024
akexorcist
0
110
DynamoDB でスロットリングが発生したとき/when_throttling_occurs_in_dynamodb_short
emiki
0
260
IBC 2024 動画技術関連レポート / IBC 2024 Report
cyberagentdevelopers
PRO
1
120
Featured
See All Featured
Embracing the Ebb and Flow
colly
84
4.5k
Evolution of real-time – Irina Nazarova, EuRuKo, 2024
irinanazarova
4
380
Stop Working from a Prison Cell
hatefulcrawdad
267
20k
Let's Do A Bunch of Simple Stuff to Make Websites Faster
chriscoyier
506
140k
The Psychology of Web Performance [Beyond Tellerrand 2023]
tammyeverts
44
2.2k
What’s in a name? Adding method to the madness
productmarketing
PRO
22
3.1k
Testing 201, or: Great Expectations
jmmastey
38
7.1k
Sharpening the Axe: The Primacy of Toolmaking
bcantrill
38
1.8k
Git: the NoSQL Database
bkeepers
PRO
427
64k
We Have a Design System, Now What?
morganepeng
50
7.2k
5 minutes of I Can Smell Your CMS
philhawksworth
202
19k
Why Our Code Smells
bkeepers
PRO
334
57k
Transcript
社内最長老のシステムに PHPUnit で立ち向かう方法 やなせ たかし
自己紹介 やなせ たかし 株式会社ラクスで働いています。 PHP 歴 9 か月 Scala 大好きマン
2
今日話すこと 18 年稼働しているシステムの PHP をバージョンアップをしたときの戦い方 • レガシーネタです。 • 適用範囲は限定的です。 •
PHP8 完全対応!ではありません。 話さないこと • レガシーシステムとの戦い方 • 実装の話 3
背景 • PHP 7.1 => 7.3 へのバージョンアップをすることになった ◦ ちょうど今日 EOL
ですね • 調査までは PJ 横断だが、設計・実装担当は 1 人 ◦ しかも PHP 歴 3 か月 • 実装まではつつがなく終了 4
_人人人人人人人人人人人_ > 突然の全機能テスト <  ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄ 5
ルール 環境 • 老舗サービス (18 年モノ ) • ソースコードは当然レガシーなものが多い テストクリアの条件
• 重要機能はカバレッジ 100% (C0) を取ること • 非重要機能は全機能の動作確認が完了している 6
戦い方を考える 手札 • 一部共通関数の PHPUnit • 一部シナリオの Selenium テスト •
正常系の回帰テスト ( 手動 ) 戦術 • 既存テストは利用する • 不足分を PHPUnit で担保する 7
トランザクションスクリプト対策 戦術:とにかくモックを使う • これまで自動テストでモックを使ってこなかった • 呼び出している関数を大胆にモック化 • 呼び出し先はテスト済みなので、テストの責務外 8
uopz 拡張(User Operations for Zend) • Zend エンジンの振舞いを操作する拡張 • あらゆる関数をモック化するために使用
• 引数にクロージャが渡せて、過去のデファクトだった runkit より使い勝手がいい • トランザクションスクリプト内の関数を狙い撃ちしてモック化 しなければならないケースで活躍 9
テスト作成開始 10
甘すぎる見通し 11
トランザクションスクリプトには 12
勝てなかった 13
高すぎるカバレッジ取得の壁 14
どうやってもルール通りカバレッジは取れない • 条件分岐に入るのが至難の業 ◦ 放置されている謎のロジック ◦ 巨大なトランザクションスクリプト ◦ 変数の再代入・フラグの再利用が横行 •
グローバル変数の濫用 => テストするべきかどうかを精査したほうが早い 15
テストの取捨選択が必要 16
カバレッジ取得するもの • 既存テストでカバーできるもの • 重要機能にまつわる小さな関数・メソッド ◦ 他の関数に依存していないもののみ ◦ 依存が少なければモックなどでテストする 17
これらは問題ない 18
本丸に切り込む 19
トランザクションスクリプトとの戦いかた • ほとんどが機能を実現しているロジック • 関数呼び出しはほとんどモックで置き換えた • それでも通せない重複した構造のコードが多過ぎた => ここで取捨選択をすることに決定 20
トランザクションスクリプトとの戦いかた 前提 • 見えている部分のみテストできればよい • 呼び出し先はテスト済みのはず 新たな方針 • 内部状態は問題にしない •
コンパイルが通るような状態なら充分である • 通せないものは通せない 21
トランザクションスクリプトとの戦いかた 守りたいもの • 文法的な正しさを担保すること ◦ たとえそれが手作業であったとしても 捨てても構わないもの • カバレッジ 100%
という安心感 22
カバレッジ取得しなかったもの • return だけしているブロック ◦ 戻り値のチェックをしたいわけではない • 単純な操作のみのブロック ◦ 文字列結合だけしている
◦ 変数に代入しているだけ • 例外を投げているだけのブロック ◦ 投げるだけならエラーにはならないはず ◦ レアケースが多すぎるため、コストが高すぎる 23
無事生還 24
まとめ • 切り分けは大事 ◦ コアロジックはしっかりテストしよう ◦ 構文のテストがいるような個所も • 知識は詰め込めばわりと入る ◦
この経験で PHP に対して知見が深まったのは事実 ◦ 言語化できるにはまだ壁がある状態 • コンパイラがある幸せ ◦ みんな Scala やろう 25