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スタートアップを支える技術戦略と組織づくり

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November 20, 2025

 スタートアップを支える技術戦略と組織づくり

"アーキテクチャカンファレンス 2025" の登壇資料です。
https://architecture-con.findy-tools.io/2025

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November 20, 2025
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  1. アジェンダ 4 • カミナシのエンジニアリング文化 • エンジニア組織について • サービスチームというバーチャルチーム • エンジニアのスキルセット

    • 技術的な意思決定について • システムアーキテクチャ • エンジニアリング組織の採用方針について • メガベンチャーとの違い
  2. アジェンダ 5 • カミナシのエンジニアリング文化 • エンジニア組織について • サービスチームというバーチャルチーム • エンジニアのスキルセット

    • 技術的な意思決定について • システムアーキテクチャ • エンジニアリング組織の採用方針について • メガベンチャーとの違い
  3. カミナシのエンジニアリング文化 6 • カミナシには以下の “エンジニアリング文化” がある。 ◦ オーナーシップ 裁量と責任を与えることである。 裁量によって素早い意思決定ができる。

    責任によって本気で課題解決に取り組める。 ◦ サステナビリティ(持続可能性) 短期的な価値だけでなく、中長期的な価値も考慮する。 例:システムのスケール、属人化の排除、負債返済など
  4. カミナシのエンジニアリング文化 7 • “文化は戦略に勝る” ◦ カミナシのエンジニアリングは “文化” によって成り立っている。 • エンジニアリング文化が根づいていることに驚いた。

    ◦ 明文化されているものではなく、CTO 原トリの思想が組織に浸透している。 • オーナーシップとサステナビリティを意識しながら発表を聞いてもらえると 各種戦略の意図が伝わりやすいかと思います。 生産者の顔 私が作りました
  5. アジェンダ 8 • カミナシのエンジニアリング文化 • エンジニア組織について • サービスチームというバーチャルチーム • エンジニアのスキルセット

    • 技術的な意思決定について • システムアーキテクチャ • エンジニアリング組織の採用方針について • メガベンチャーとの違い
  6. アジェンダ 11 • カミナシのエンジニアリング文化 • エンジニア組織について • サービスチームというバーチャルチーム • エンジニアのスキルセット

    • 技術的な意思決定について • システムアーキテクチャ • エンジニアリング組織の採用方針について • メガベンチャーとの違い
  7. サービスチームというバーチャルチーム 17 • ドメイン型のチーム体制 ◦ メリット ▪ 持続可能性高いエンジニアリングができる。 開発した機能の運用、負債返済、顧客要望対応まで担当する。 ▪

    深い知見が溜まりやすい。 オーナーシップを与えやすくなる。 ◦ デメリット ▪ ドメインを分割する境界を定義するのが難しい。 ▪ 非注力なドメインがある場合に開発チームを継続的に配置するのが 難しい。 • 注力対象が変わるスタートアップだとこれが難しい。
  8. サービスチームというバーチャルチーム 18 • プロジェクト型のチーム体制 ◦ メリット ▪ チーム組成が簡単である。 ▪ 開発作業に集中することができるので、物事の進みが早い。

    運用作業や負債返済などをしないことが多い。 ◦ デメリット ▪ 持続可能性が低い。 負債返済や運用は誰がやるのか? ▪ チームに深い知見が溜まりづらい。 オーナーシップを与えることにリスクがある。
  9. サービスチームというバーチャルチーム 19 • 1つのプロダクトを複数チームで開発する場合は “ドメイン型” を選択する。 ◦ 特定のチームが特定の領域の開発・運用を一貫して担当することで 持続可能なプロダクト/チームを目指す。 •

    プロジェクト型のチーム組成もあるが、事前に持続可能性を考慮する。 例: 実装者による開発後のオンボーディング 各サービスチームから人を派遣し、解散後に元のチームに戻して知見共有する あらかじめ運用をする人やチームを決めておく
  10. アジェンダ 20 • カミナシのエンジニアリング文化 • エンジニア組織について • サービスチームというバーチャルチーム • エンジニアのスキルセット

    • 技術的な意思決定について • システムアーキテクチャ • エンジニアリング組織の採用方針について • メガベンチャーとの違い
  11. 高度なエンジニアリングに対する対策 22 • 高度な専門性はどのくらい必要か ◦ テクノロジーのコモディティ化による恩恵がある。 例:クラウド、OSS、AI ◦ 専門性の高い領域は横断チームとして切り出す。 例:セキュリティチーム、ID管理基盤チーム

    • エンジニア個々に強みがないわけではない。 そもそも “全部同じくらいできます” という人の方が珍しい。 実際には “幅広くできるけど、特にここに強い” という T字型、下駄型のような人材で構成されている。
  12. アジェンダ 24 • カミナシのエンジニアリング文化 • エンジニア組織について • サービスチームというバーチャルチーム • エンジニアのスキルセット

    • 技術的な意思決定について • システムアーキテクチャ • エンジニアリング組織の採用方針について • メガベンチャーとの違い
  13. 技術的な意思決定について 25 • サービスチームごとにオーナーシップを持っている。 プロダクトごとに素早く、最適な意思決定をすることができる。 ◦ システムアーキテクチャ ◦ アプリケーションアーキテクチャ ◦

    テクノロジースタック • フルスタック & フルサイクルだからこそオーナーシップを与えることができる。 ◦ 「サービスチームとしてはxxxをやりたいけど、インフラ部がNGって言ってる からできない」ということがない。
  14. アジェンダ 27 • カミナシのエンジニアリング文化 • エンジニア組織について • サービスチームというバーチャルチーム • エンジニアのスキルセット

    • 技術的な意思決定について • システムアーキテクチャ • エンジニアリング組織の採用方針について • メガベンチャーとの違い
  15. アジェンダ 30 • カミナシのエンジニアリング文化 • エンジニア組織について • サービスチームというバーチャルチーム • エンジニアのスキルセット

    • 技術的な意思決定について • システムアーキテクチャ • エンジニアリング組織の採用方針について • メガベンチャーとの違い
  16. エンジニアリング組織の採用方針について 31 • 採用もサービスチームがオーナーシップを持って進める。 ◦ チームに欲しい人材を獲得する選考プロセスを実現できる。 例:募集要項の作成、スカウト送信、1次面接の進め方 ◦ モチベーション高く採用の活動量を維持できる。 •

    HRのサポート ◦ 候補者とのやりとり(面接のセッティングなど)。 ◦ 隔週でサービスチームとミーティングをしている。 ▪ サービスチームとHRが直接やりとりすることで課題の共有と解決を目指す。
  17. アジェンダ 32 • カミナシのエンジニアリング文化 • エンジニア組織について • サービスチームというバーチャルチーム • エンジニアのスキルセット

    • 技術的な意思決定について • システムアーキテクチャ • エンジニアリング組織の採用方針について • メガベンチャーとの違い
  18. メガベンチャーとの違い 33 • コミュニケーションコストの低さ(独立性の高さ) ◦ オーナーシップ文化によって、よりスピーディーな意思決定ができる。 • 技術と組織のエコシステムが不足している ◦ 技術

    ▪ プラットフォームエンジニアリング ▪ SRE ▪ AI ◦ 組織 ▪ サービスチーム横断の知見共有 & 全体最適化 • 技術的なエコシステムがないので効率的な知見共有や 最適化がしづらい。
  19. まとめ 35 • カミナシのエンジニアリングは “文化は戦略に勝る” 形で実現されている。 ◦ オーナーシップ ◦ サステナビリティ

    • 持続可能性の高いサービスチームにオーナーシップを与える。 ◦ スピーディに適切な意思決定ができるようになる。 • 今後の課題 ◦ 組織横断のエコシステムにどのタイミングで投資すべきか?