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法律文書の自動解析2024

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 法律文書の自動解析2024

筑波大学 情報学群 情報科学類 産学間連携推進室 の2024年度の成果報告会で使用したスライドです

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puripuri2100

April 13, 2025
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  1. 法律文書は読みにくい 本プロジェクトの概要:背景 [1] Eric Mart´ınez, Francis Mollica, and Edward Gibson.

    Poor writing, not specialized concepts, drives processing difficulty in legal language. Cognition, Vol. 224, p. 105070, 2022. [2] 大橋將. 法の日本語. 専門日本語教育研究, 第12号, p.p. 15-18, 2010. 4 一般預金等(新預金保険法第五十一条第一項に規定する一般預金等をいい、 新預金保険法第六十九条の二第二項の規定により決済用預金とみなされる ものを除く。第一号において同じ。)のうち政令で定めるもの(第一号に おいて「要調整一般預金等」という。)、決済用預金(新預金保険法第五 十一条の二第一項に規定する決済用預金をいい、新預金保険法第六十九条 の二第二項の規定により決済用預金とみなされる一般預金等を含む。第二 号において同じ。)のうち政令で定めるもの(第二号において「要調整決 済用預金」という。)及び特定決済債務について各日においてその額を計 算することが困難なものとして内閣総理大臣の承認を受けた金融機関が、 新預金保険法第五十条の規定により平成十七年四月一日に開始する営業年 度からこの法律の施行の日(以下「施行日」という。)・・・(以下 略)・・・。 特徴 [1, 2] ・略称と正式名称が入れ子 ・括弧が大量に出現 ・文脈が途切れやすい ・目が滑りやすい 複雑で読みにくい法律文書の例 こうなってしまう原因 [1, 2] ・例外などを含めた正確な記述 ・要件を全て網羅する必要
  2. 17 パターンベースの定義規定・略称規定の解析:法令文中の定義規定・略称規定の課題と本研究の目標 法令文中の定義規定・略称規定は複雑で読みにくい 一般預金等(新預金保険法第五十一条第一項に規定する一般預金等をいい、 新預金保険法第六十九条の二第二項の規定により決済用預金とみなされる ものを除く。第一号において同じ。)のうち政令で定めるもの(第一号に おいて「要調整一般預金等」という。)、決済用預金(新預金保険法第五 十一条の二第一項に規定する決済用預金をいい、新預金保険法第六十九条 の二第二項の規定により決済用預金とみなされる一般預金等を含む。第二 号において同じ。)のうち政令で定めるもの(第二号において「要調整決

    済用預金」という。)及び特定決済債務について各日においてその額を計 算することが困難なものとして内閣総理大臣の承認を受けた金融機関が、 新預金保険法第五十条の規定により平成十七年四月一日に開始する営業年 度からこの法律の施行の日(以下「施行日」という。)・・・(以下 略)・・・。 特徴 ・略称と正式名称が入れ子 ・括弧が大量に出現 ・文脈が途切れやすい ・目が滑りやすい 複雑な定義規定・略称規定の例 可読性向上のためには? 正式名称と略称の 自動抽出
  3. 19 パターンベースの定義規定・略称規定の解析:解析方法の概要 [3] 中村誠, 小川泰弘, 外山勝彦. 法令文中において括弧書きで定義されている法令用語とその語釈文の抽出. 言語処理学会 第 19

    回年次大会 発表論文集, 2013. [4] Makoto Nakamura, Ryusei Kobayashi, Yasuhiro Ogawa, and Katsuhiko Toyama. A pattern-based approach to hyponymy relation acquisition for the agricultural thesaurus. In Proceedings of International Symposium on Agricultural Ontology Service 2012 (AOS2012), 2012. 定義規定・略称規定にはいくつかのパターンが伺える △△(〇〇をいう。) 構成事業者(事業者団体の構成員 である事業者をいう。 〇〇(以下「△△」という。) 法第十七条の三の講習業務(以下 「登録講習業務」という。)以外 の業務を行おうとするとき... この法律において「△△」とは、 〇〇をいう。 この法律において「細胞」とは、細 胞加工物の原材料となる人又は動物 の細胞をいう。 △△(□□に規定する△△をいう。) その適用に係る住宅の取得等(法第四十一条第一項 に規定する住宅の取得等をいう。 △△等(△△又は□□をいう。) 独立行政法人農業者年金基金法による給付の支給を 受ける権利に係る届出等(届出又は申出をいう。以 下この号において同じ。)の受理。 パターンを捉えることで略称・正式名称ペアを抽出を行う 同じ切り口の手法は既にある[3,4] が、より詳細にパターンを設計して精度を高める
  4. 22 パターンベースの定義規定・略称規定の解析:まとめ 本研究では法令文中の略称と正式名称のペアの抽出タス クの精度を向上させることに成功した 法令文 略称と正 式名称の ペア抽出 可読性評価のための ソフトウェア開発と

    被験者実験 今後取り組む 法務の 効率化 精度向 上達成 今後の課題: ・パターン化できない文型の存在 〜に係る◦◦(△△をいう。) ・意味情報が必要な並列表現の解析 □□又は◦◦(△△をいう。)
  5. 卒研で配属された知識・データ工学研究室で本プロジェ クトに引き続き取り組む予定である 34 まとめと今後の展望:今後の展望 法律文書 情報の 抽出 可読性向上のための ソフトウェア開発 法務の

    効率化 国会議事録から発言者とその属性 と発言内容と関連する法令を紐づ けたグラフの構築 法律文書検索RAGの構築 研究者・会社・行政職員の方と長いスパンでの協業ができそうな機会を今年 度得ることができたため、大学院に進学し引き続き研究を続けていきたい
  6. 謝辞 本プロジェクトを進めていくうえで産学間連携推進室のメンバーや卒業生の西山 大輝さん、 山本幹雄先生、 川見唯史弁護士、 森田岳人弁護士、 中川由賀先生 (中京大学) 、中山幸二先生 (明治大学)

    、 伊澤文平弁護士等の皆様よりアド バイスを頂きました。 また、 産学間連携推進室の担当をしてくださっている新 城靖先生や弁護士や法学の研究者の方々を紹介していただいた伊藤誠先生にもお 世話になりました。 また、第85回情報処理学会全国大会や言語処理学会第31回年次大会への参加のた めの旅費や参加費について、産学間連携推進室の奨学金を利用させていただきま した。パターンベースの定義規定・略称規定の解析の研究についてはJSPS科研 費 JP24KJ1049の助成もいただきました。 この場をお借りしまして、深く感謝を申し上げます。 35 まとめと今後の展望:謝辞