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2026年8月25日 ゲーミフィケーションワークショップ資料

2026年8月25日 ゲーミフィケーションワークショップ資料

行動経済学を応用したマーケティング手法の解説資料です。「きっかけ・反復・定着」の顧客フェーズごとに、選択のパラドックスや損失回避などの心理理論と、AI診断やバッジ機能といった具体的なUI/UX施策を紹介しています。理論の活用で社内提案の説得力が増すメリットと共に、適切なターゲット設定やユーザー視点の重要性も強調されています。

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Satoshi Konno

August 27, 2026

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Transcript

  1. 自己紹介 Braze株式会社 プリンシパルカスタマーサクセスマネージャー 行動経済テクノロジスト(兼 行動経済学検定1級)・行動心理士 紺野 賢 (Satoshi Konno) 富士通、SAS、Salesforceなどを経て、デジタルマーケティングに関する施策立案・開

    発・運用・データ分析まで広範囲な業務を経験。 Salesforceではデジタルマーケティング部 部長として 組織オペレーション改善などにも注力。 Brazeでは、50社超の活用支援、既存顧客へのカスタマーマーケティング、 早稲田大学 消費者行動研究所との共同研究を担当。 現職の傍らで、行動経済テクノロジストとしても活動しており、 書籍の出版や小規模事業者を対象とした経営戦略立案と実践の支援も行っている。 1
  2. 顧客フェーズごとに活用できる行動経済学理論例 3 きっかけ 反復 定着 効率 × 損失回避 達成 ×

    好奇心 所有・愛着 × 社会性 楽に選びたい! 完了させたい! 欲しい・手放したくない! 選択のパラドックス 目標勾配効果 サンクコスト 選択肢が多いと選べない 目標に近づくほど、モチベーションや満足感が高まる 既に使ったコストがもったいない ハロー効果(権威性) 即時的フィードバック IKEA効果 社会的地位や肩書が判断に影響 行動の結果をすぐに確認できるとその行動を繰り返す 手間暇かけたものが客観的な価値以上になる カチッサー効果(自動的承諾) ツァイガルニク効果 保有効果 理由がもっともらしいものであれば直感的に判断 未完成なものに興味を惹かれる 一度手に入れたものは手放したくない 失敗したくない! もっと知りたい! 誰かと関わりたい・認められたい! バンドワゴン効果 情報ギャップ理論 ベン・フランクリン効果 みんな使っているから安心 情報が少なくて続きが気になる 相手のために何かする = 応援している・好き 希少性の原理 変動報酬 社会的比較理論 今やらないと損をする 毎回違う結果が出るドキドキ感が気持ちいい 無意識に誰かと比較し優位に立ちたい プロスペクト理論 (損失・後悔回避) 不確実性理論 カテゴライズ効果(ラベリング効果) 「得」より「損」をすることを嫌う 不確かな状況を解消したい タイプで分けられると自分向けだと感じる
  3. どのようなコンテンツが考えられるか? 5 きっかけ 反復 定着 効率 × 損失回避 達成 ×

    好奇心 所有・愛着 × 社会性 楽に選びたい! 完了させたい! 欲しい・手放したくない! パーソナル診断(AIコンシェルジュ) ミッション・ビンゴ / スタンプラリー バッジ・コレクション AIが「あなた専用の推奨プラン」を提示 達成可能なセットを作り、小さい目標を達成させる デジタルバッジを付与し、コレクションさせる スターターキット / 松竹梅の提示 ランクアップ・ゲージの常時表示 デザインやアバターのカスタム 目的別のパッケージを用意(マネキン買い など) 昇格条件をゲージ(プログレスバー)で可視化 デザインやアバターを自由に選べる/作れる スワイプ選択 UI 連続達成ストリーク 生涯獲得・節約額 等の表示 直感的なスワイプで、好みのリストを自動生成 「連続ログイン日数」や「連続積立月数」など これまでの活動記録を称賛と共に表示する 失敗したくない! もっと知りたい! 誰かと関わりたい・認められたい! ライブカウント シークレット・セール / ゲリラオファー ユーザー投票 参加している人数をカウント表示 情報の詳細を隠した通知を送る 新製品のデザイン案に投票してもらう カウントダウンタイマー ログイン・ガチャ / おみくじ リーダーボード / グループランク タイマーを目立つ場所に表示し続ける 毎回結果が異なり、1日1回引ける 個人やグループ単位で他者と競争させる 「もしも」シミュレーター 学習クイズ・チャレンジ キャラ診断・グルーピング 過去に失った利益をグラフで可視化する つい知りたくなるクイズやゲームを毎日更新 ユーザーを特定のグループに所属させる
  4. きっかけ:「楽に選びたい!」を突く 選択のパラドックス パーソナル診断(AIコンシェルジュ) 選択肢が多いと選べない AIが「あなた専用の推奨プラン」を提示 活用例 トップページには商品を並べて豊富さを見せつつ、 厳選した3つを選べる機能を提供する。 顔の 形、フ

    ァッシ ョンの 好み、 ライフ スタイ ルから AIがあなただけの『運命の3本』を選ぶ 「こんなにたくさんあるんだ!」という満足感を与えつつも、 自然に選択肢を絞り込むことで、 「楽に選びたい」という両方の欲求を満たす。 顧客心理 24種類のジャムより6種類のジャムの方が売れた学術実験のように、 選択肢は少ない方が良い。 しかし、人は「多くの選択肢から選んだ」という感覚を好むため、 「多くの選択肢」を用意しつつもユーザーに合わせた絞り込み機能を 提供する。 6 AI診断スタート
  5. (参考) AIの推薦に対する消費者反応 広告への反応 作成者がAIか人間かの判断は困 難である。 7 商材の違い 機能的商品: AIの推薦が好ましい、あるいは 人とAIが同等。

    AI生成と認識された広告に対し ては、消費者は忌避的な反応を 示す。 快楽的商品: 人による推薦の方が好ましい。 出典: Huang & Katona (2025) 出典: Pogacar et al. (2021) 選択肢の多さ 選択肢が多くなるにつれて、 AIによる推薦に好意的になる。 出典: Kim et al. (2023)
  6. 反復:「完了させたい!」を突く 目標勾配効果 ツァイガルニク効果 ミッション・ビンゴ / スタンプラリー 目標に近づくほど、モチベーションや満足感が高まる 未完成なものに興味を惹かれる 達成可能なセットを作り、小さい目標を達成させる 活用方法

    家計簿アプリのマネーフォワードでは、 バッジ機能を活用して、 数あるバッジの中から活用開始フェーズで重要なアクションに 厳選してポップアップを表示 達成時の報酬はバッジのみでコストを掛けずに実現 顧客心理と効果 未完成なものに興味を惹かれる(ツァイガルニク効果) かつ達成可能な目標である状況が行動を促進する。 5%向 上 9 最大15%向上
  7. 反復:「もっと知りたい!」を突く 不確実性理論 不確かな状況を解消したい 学習クイズ・チャレンジ リーダーボード / グループランク 社会的比較理論 つい知りたくなるクイズやゲームを毎日更新 個人やグループ単位で他者と競争させる

    無意識に誰かと比較し優位に立ちたい 活用方法 ❏ 金融知識を「自分事化」させるクイズの毎日配信 で、「知りたい」を刺激 ❏ MBTI(性格診断)を活用したコミュニティ対抗 戦で「自分のグループを勝たせたい」という心理 的コミットメントを創出 ❏ 「明日も挑戦する」ボタンによるプッシュ通知へ の誘導し、顧客接点を確保 顧客心理 ❏ 不確実性の解消(知りたい欲求) ❏ 社会的アイデンティティと競争意識 ❏ スモールステップでの達成感 10
  8. 定着:「欲しい・手放したくない!」を突く IKEA効果 デザインやアバターのカスタム 手間暇かけたものが客観的な価値以上になる デザインやアバターを自由に選べる/作れる 活用方法 ❏ 自分好みのアバター・カスタム機能 ❏ 利用状況に応じた限定スキンの提供

    ❏ ホーム画面への反映による親近感の演出 顧客心理 ❏ IKEA効果(自己構築による価値向上) ❏ 所有意識とサンクコスト(手放したくない心理) ❏ 自己投影による親近感 11
  9. (参考) 擬人化によって製品やブランドに対する好意が増す 研究内容 温かい背景色と組み合わせることで親しみやすさが増す 。 孤独感の強い消費者や社会的疎外感を持つ消費者は、擬人化されたブ ランドを選好しやすくなる。 時間を擬人化すると待ち時間の苦痛が軽減され 、お金を擬人化すると 寄付意向が高まる場合がある。

    <擬人化が発生する条件例> 状況設定:ジュースボトルをリクライニングチェアに置くと人が寝ているように見える など、配置による想起。 人間との組み合わせ: 製品と人物を一緒に提示する。 人の手がかり: 製品パッケージの手書き風フォントなど、人の存在を感じさせる要素。 引用元 • • • • • • 12 論文名:擬人化性の知覚が消費者行動に及ぼす影響 執筆者:西井 真祐子 公開年月:2022年3月 論文名:背景色が商品の触覚評価と選好に及ぼす影響 ―商品の擬人化性に着目して― 執筆者:西井 真祐子,守口 剛 公開年月:2019年10月 引用元資料より抜粋
  10. 定着:「誰かと関わりたい・認められたい!」を突く ベン・フランクリン効果 ユーザー投票 相手のために何かする = 応援している・好き 新製品のデザイン案に投票してもらう 活用方法 人は、自分が助けてあげた相手のことを、より好きになる傾向が あるため、ユーザーに小さな「お願い」をして、ブランドへの関

    与を深めてもらう。 顧客心理 相手のために何かをしてあげることで、 「自分はこの相手のことが好きだから、助けてあげたのだ」と、 自分の行動を正当化しようとする。 この認知的な一貫性が、好意を生み出す。 13
  11. [実例] シェアフル様: スワイプ or タップ操作で興味のある求人を12つの求人から選んでもらう 求人選択後の キャリアドバイザーへの相談率 < タップ操作のほうが有意 =明確な行動に繋げるならタップ

    求人選択の完了率や 「興味あり」の選択率 > スワイプ操作のほうが有意 =軽い選択ならタップ (例えば、「お気に入り登録」など) 18