Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

バイナリダンプの模様を読む

 バイナリダンプの模様を読む

以下動画のスライドです
https://youtu.be/0coXcaoMSjw

Avatar for Satoru Takeuchi

Satoru Takeuchi PRO

July 01, 2026

More Decks by Satoru Takeuchi

Other Decks in Technology

Transcript

  1. 文字列データのバイナリダンプ 3 $ cat hello.txt Hello, world! $ xxd hello.txt

    00000000: 4865 6c6c 6f2c 2077 6f72 6c64 210a Hello, world!. $
  2. 画像データ(png)の先頭部分 4 $ xxd -l 64 niconico.png 00000000: 8950 4e47

    0d0a 1a0a 0000 000d 4948 4452 .PNG........IHDR 00000010: 0000 0058 0000 0050 0806 0000 009d c6b2 ...X...P........ 00000020: 5900 0000 0173 5247 4200 aece 1ce9 0000 Y....sRGB....... 00000030: 0004 6741 4d41 0000 b18f 0bfc 6105 0000 ..gAMA......a… $
  3. ランダムデータの場合 5 $ dd if=/dev/random of=random.data bs=64 count=1 … $

    xxd random.data 00000000: 2f5c 7530 7953 159a 4e13 516b a5be 618c /\u0yS..N.Qk..a. 00000010: d012 9c19 a8b8 ef57 dcdc ea85 4b86 fa80 .......W....K... 00000020: 1a45 9e84 bed4 38dd 93f2 17d0 a2aa 5d1d .E....8.......]. 00000030: 84f7 7fbb 8f74 734a 19e1 f754 1632 2e26 .....tsJ...T.2.& $
  4. わたしが見える模様を実例として紹介 • Linuxカーネルのプロセスのスタックをバイナリダンプしたときに見える模様 ◦ スタックは関数呼び出し履歴やローカル変数などコンテキストを保存する領域 ◦ Linuxカーネルはプロセス (正確にはスレッド)ごとにスタックが存在する • 例えばどういうときに読むか

    ◦ Linuxカーネルに問題が発生して異常終了した (Windowsでいうブルースクリーン )ときにkdumpと言 うツールでシステムのメモリを全てファイルにダンプする ◦ 再起動後に、そのファイルを crashなどのツールを使って解析する ▪ 📝 その80 動作中にLinux環境の全メモリを見る ◦ 解析の一環としてプロセスのカーネルスタックをバイナリダンプして読むことがある • カーネル: Ubuntu 24.04同梱のLinux v6.8.0-117-generic • ややこしい話なので完全理解しようとせずフィーリングで観てほしい 7
  5. 状況 • ファイルコピーなどに使うddコマンドがwriteシステムコール呼び出しの延長で長時 間戻ってこない状態になる ◦ SIGKILLでも殺せない、いわゆる D state • その後システムが異常終了

    • 異常終了に上記プロセスが関わっているかを知りたい ◦ 📝 わかりやすさのために通常の調査の流れと変えているところが多々あります 8
  6. ぐっとにらむと模様が見える 15 do_syscall_64から何らかの関数を呼んだときの戻りアドレス • do_syscall_64のスタックフレーム(ローカル変数などが入る領域 )へのポインタ • カーネルのビルド設定 CONFIG_FRAME_POINTERが有効ならこうすると決まっている •

    スタックフレームのポインタらしきものとコードのアドレスらしきものが並んでいれば関数呼び 出しと、その後に呼ばれる呼び出し元のスタックフレームのアドレスが並んでいると推測できる • どのアドレスがどこの領域のものかはルールが決まっている ◦ https://github.com/torvalds/linux/blob/v6.8/Documentation/arch/x86/x86_64/mm.rst
  7. 重要なポイント • 一種の覚えゲーである ◦ データのバイトオフセットやデータのパターンは何らかの仕様で決まっていることが多い • できると万能感と多幸感がある • たくさん同じようなデータを眺めていれば自然とできるようになる ◦

    できる人は天才とかそういうことはない ◦ どこまで模様が鮮明なのかは人による • 普通はできなくても困らず、だいたいは楽できるコマンドがある ◦ 例: crashでスタックを見るにも関数呼び出し履歴を出力する btコマンド • 稀にバイナリダンプが最後の望みの綱ということがある 18