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受託開発受注のためのちょっとしたコツ 〜「何でもかんでもやります」じゃなく、まずはデモ〜 / demonstation first

Tatsuya Sato
November 04, 2022

受託開発受注のためのちょっとしたコツ 〜「何でもかんでもやります」じゃなく、まずはデモ〜 / demonstation first

スクラムフェス札幌2022で発表したときのスライドです。

https://confengine.com/conferences/scrum-fest-sapporo-2022/proposal/17510

Tatsuya Sato

November 04, 2022
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Transcript

  1. 受託開発受注のための
    ちょっとしたコツ
    〜「何でもかんでもやります」じゃなく、まずはデモ〜
    SATO Tatsuya
    Scrum Fest Sapporo 2022
    Photo by Jason Goodman on Unsplash

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  2. 今日伝えたいこと

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  3. TAKAKING22
    @TAKAKING22·Follow
    やっていないのに言うのはダサくてイヤなので、しばら
    く受託開発をマジメに取り組んでみた。そしてダメな受
    託開発が生まれやすい構造と、自分が純粋に受託開発を
    好きになれない理由がわかってきた。
    たぶん言いたいことは #scrumsapporo で @sato_ryu が言
    ってくれるハズ!?confengine.com/conferences/sc…
    8:29 PM · Oct 27, 2022
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  4. 受託開発で
    アジャイル開発を
    している皆さん

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  5. 初手、デモ
    Photo by Carlos Esteves on Unsplash

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  6. お前、誰よ?
    自己紹介

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  7. さとうたつや
    プログラマー。
    GitHub: @satoryu
    Twitter: @sato_ryu
    趣味
    BABYMETAL
    武藤彩未
    @onefive
    アリの飼育
    駄洒落

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  8. 個人事業主
    Webアプリケーションの開

    プログラミング学習の支援
    お仕事、お待ちしてます!
    https://www.satoryu.com/
    仕事の依頼について
    仕事の依頼について
    お問い合わせ
    お問い合わせ
    Tatsuya Sato
    Passionate Programmer / Father for two kids /
    MOSH’SH MATE

    On this page
    注意事項
    屋号
    事業内容
    提供サービス
    Follow
    Satoryu's Website 
    自己紹介

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  9. Silver Bullet Club所属
    Silver Bullet Clubというエンジニアチームに所属しています。

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  11. アリの飼育
    女王アリを捕まえて、育てて
    います。
    クロヤマアリ
    トビイロシワアリ
    キイロシリアゲアリ
    クロオオアリを捕まえたい。

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  12. 現地参加の皆さん、
    羨ましいなー

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  13. 海岸線10km隣りどうしは家族同然: エゾアカヤ
    マアリ、スーパーコロニーの経営には血縁ではな
    く体臭による「敵・味方」識別の寛容さが関係し
    ていた
    2012年10月25日
    神戸大学大学院理学研究科、尾崎まみこ教授の研究室の小林
    碧研究員は、同、佐倉緑講師、北海道大学大学院環境科学研究
    科、東正剛教授の研究グループ、京都工芸繊維大学ベンチャー
    ラボラトリーの辻井直研究員、イスラエル共和国テルアビブ大
    学のA. Hefetz教授らと共同で、近隣の巣を融合してコロニーを
    巨大化するアリ種について、スーパーコロニー形成・維持の要
    因を明らかにしました。
    社会性をもつ生物はコロニーと呼ばれる集団をつくり協力し
    て生活をしています。普通、コロニーは巣ごとに独立に営まれ
    もちろん
    エゾアカヤマアリの スーパー
    コロニー
    ですよね!

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  14. ヒアリではありません!
    安心してください。
    大きさが違います
    北海道に住めません
    北海道新聞
    @doshinweb·Follow
    道内で、南米原産で強い毒を持つ「ヒアリ」
    に似たアリがいるとの情報が道や環境省など
    に計70件以上寄せられています。道の調べ
    では、在来種の「エゾアカヤマアリ」と誤認
    するケースなどが多く、ヒアリではありませ
    んでした。特徴を比べると…。
    hokkaido-np.co.jp/article/128110
    5:39 PM · Aug 26, 2017
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  15. 本題に戻ります

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  16. この数年で経験した開発
    他社の社内サービスの開発
    関係会社から発案のPoCの開発
    自社の社内サービスの開発、リプレイス

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  17. 受託開発だ!

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  18. ここでの受託開発
    作りたい人、作る人が離れている開発
    会社が違う、部署が違うなど様々

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  19. 受託開発の始まり方
    作りたい人がお願い(要求)
    作る人が提案(要件)
    要件の合意

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  20. 受託開発に現れる力学

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  21. 受託開発に現れる力学
    作りたいモノがはっきりしていない
    どうやっていいのかもわからない
    人月請求
    契約
    PoC

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  22. 作りたいモノがはっきりしていない
    要求ができていない。PBIもない。
    開始時点では情報が足りていない。
    開発を積極的に進めることができない

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  23. 失敗理由の筆頭はシステムの「要件定義が不十分」
    成功率が上がったものの、「半数が失敗」している現状がある。2018年の調査で日経コンピュータは失敗したプロジェクトの失敗理由を調べてい
    る。それによると、満足を得られなかった理由の筆頭は「要件定義が不十分」、コストを順守できなかった理由の筆頭は「追加の開発作業が発
    生」、スケジュールを順守できなかった理由の筆頭は「システムの仕様変更が相次いだ」だった。スケジュールを守れなかったプロジェクトで最
    も苦労した工程を尋ねると「要件定義」が筆頭に来た。
    – プロジェクト失敗の理由、15年前から変わらず (2ページ目):日経ビジネス電子版

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  24. どうやっていいのかもわからない
    発注側は役割とその仕事を知らない
    足りない情報を想像で埋めてしまう

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  25. 人月請求
    この見積もりだと、発注側が理解しやすい
    儲けるためには2通り
    時間数を増やす
    時間単価を上げる
    内容は問われないので、
    無駄なことをしても稼げる

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  26. 契約
    契約時点で何を作るかが決まっていないので、準委任になりがち
    完成を要求されない
    人月請求と合わさると、
    期間内での完成を目指さない方が儲けられてしまう

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  27. PoC, Proof Of Concept
    人によって意味が異なる
    新技術を試すことが目的だったり
    プロダクト開発の初期のことを指したり

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  28. 「PoCだから」
    プロジェクト期間だけでしか利用しない場合
    PoCは手を抜く理由にされがち
    パフォーマンスは気にしない
    ログは残さない
    テストコードは書かない

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  29. 悪い方向への力が多い
    要求・要件定義や目的が定まらない
    速く作らなくても稼げてしまう
    良いものを作らなくても稼げてしまう

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  30. 「なんでもかんでもやります!」
    聞こえは良いので、発注側は嬉しい
    しかし、良いものは生まれにくいのでは

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  31. 抗うにはどうしたらいいのか?
    最終的に開発チームに力が流れてくる
    開発チームで抗うしかない

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  32. 開発チームの規律

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  33. 規律とは
    き‐りつ【規律/紀律】
    1. 人の行為の基準として定められたもの。おきて。「―
    を守る」
    2. 一定の秩序。「―
    正しい生活」

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  34. では、規律として
    何をまずやるべきなのか?

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  35. デモを作る
    Photo by Jo Szczepanska on Unsplash

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  36. デモ
    今わかっている情報を集めて、欲しい物を想像して作る
    誰がどういうときに使って、何を解決するのかを想像

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  37. デモアプリのいいこと 3選
    要求・要件へのフィードバックループが作れる
    実現可能かを試せる
    技術プラクティスが使えるようになる

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  38. フィードバックループが作れる
    要求・要件定義だけでは正しいのか検証できない
    動くものがあれば検証ができる
    フィードバックを繰り返して、要件をよりよくできる

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  39. Agile and Requirement : アジャイルな要件定義について考える - Speaker Deck

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  40. 実現可能かを試せる
    技術的制約がある場合、実現可能なのかを早く確認したい
    そもそもできなければ、プロジェクトはやらない方が良い
    制約の不安を消して、見積もりしやすくなる

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  41. 技術プラクティスが使えるようになる
    テスト駆動開発やCIを始められる
    途中から入れるのは難しい

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  42. 最近の事例

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  43. お客さんからの要求
    外部サービスとBIツールとを自
    動連携するPoC
    技術的制約
    外部サービスは固定
    ざっくり「クラウドでやり
    たい」
    ユーザーはまだ定まってない
    現状

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  44. デモのシナリオを考える
    想定ユーザーを一旦固定
    その人が気にしそうなことを調べる
    ドメイン知識がある人が近くにいるのでヒアリング
    正確であることより、何かが決めることが大事

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  45. 見えるところから作る
    想定ユーザーが触る部分から作る
    データは仮のものでも評価できる
    BIツールのデータ投入、ダッシュボード作りから

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  46. 技術的に不安なところを触っ
    ておく
    未経験の部分から着手
    経験がある部分(クラウド環
    境)は後回し
    最低限触れるものが完成

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  47. デモをする
    作ったものは実際の想定とは違った
    けれど、議論のスタートができた
    「ここに○○は表示できないか?」
    「これは一度、○○さんたちに見てもらいましょう」

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  48. まとめ

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  49. まとめ
    受託開発に発生する悪い力
    開発者の規律
    規律としてのデモ
    デモを使って要件へのフィードバックループを作る

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  50. 受託開発は
    アジャイル開発が難しい?

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  51. どう始める?

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  52. アジャイルソフトウェア開発宣言
    アジャイルソフトウェア開発宣言

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  53. 包括的なドキュメントよりも

    動くソフトウェアを

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  54. 動くソフトウェアとして、ま
    ずデモを

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  55. 初手、デモ
    Photo by Carlos Esteves on Unsplash

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  56. 参考文献
    羽生章洋, はじめよう! 要件定義 ~ビギナーからベテランまで, 技術評論社, 2015
    岡島幸男, 受託開発の極意 変化はあなたから始まる 現場から学ぶ実践手法, 技術評論社, 2008
    倉貫義人, 「納品」をなくせばうまくいく 」, 日本実業出版社, 2014
    浅川直輝, 北川賢一, IT業界に根付く構造問題(日経BP Next ICT選書) 日経コンピュータReport3, 日経BP, 2015
    川口恭伸, Agile and Requirement : アジャイルな要件定義について考える, https://speakerdeck.com/kawaguti/agile-and-
    requirement, 2022

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