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Post-AIコーディング時代のエンジニア生存戦略
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shinoyu
November 14, 2025
Technology
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Post-AIコーディング時代のエンジニア生存戦略
これまで以上の生産性を誇るAIに取って代わられないエンジニアの生存戦略とはどのようなものなのだろうか。
shinoyu
November 14, 2025
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Transcript
Post-AIコーディング時代のエ ンジニア生存戦略 テキストエディタとコンパイラから始まった開発環境は、 Web2.0時代のOSSフレームワークの勃興、AWSをはじめとした クラウドホスティングサービスの登場を経て、今やAIコーディ ングの時代へと進化した。 これまで以上の生産性を誇るAIに取って代わられない生存戦略 とはどのようなものだろうか 合同会社Lifteve 代表
@shinoyu
技術の発展により開発生産性が大きく変わった オレオレFW 2004年- 1990年-2000年頭 2006年- 2015年- 2022年-
開発効率アップに比例して、開発の難易度も上がっている より効率化した世界では、効率化した分開発難易度が加速していく。 これまでは効率化した分難しくなり結局律速に落ち着いていたが、AIが出てきたことにより効率性が爆発的に高く なった。
AIには勝てねぇ... 長時間稼働もノーダメ 業務上のストレスもノーダメ 上司・先輩からの叱責もノーダメ 人間が辛いと思う働き方でもAIにはノーダメで無限に働ける。単純な労働力ならもう勝てない。しかも AIは(マシンリソースがある限り)無限に増やせる。 対抗しようと思うのが愚か😇 長時間稼働でヘロヘロ 仕事のストレスで会社行きたくない 叱責が続いて退職したい...
AIを使った開発はもはやデファクトに 仕様記述 プロンプトで要件と制約を書いて、AIがコードを出力するためのレールを引いてあげる テスト生成 仕様に合致するテストをAIに書かせて、生成するコードの最終的な挙動を定義してておく 実装生成 テストを満たすまでひたすらAIにコードを書かせていく レビュー AIが書いたコードをチェックして、規約とか拡張性とかそのへんに問題がないかチェック。問題があれば微修正 手でコードを一行ずつ書くことはもうない。エンジニアの役割は、AIが生成したコードをレビューし、品質を担
保し、ビジネス要件との整合性を確認することへとシフトしている。 コーディング自体よりも、何を作るべきかを定義する力が問われる時代に。
われわれが直面する新たな課題 これまで • コードが書ければ仕事になった • 特定技術の習得で差別化できた • 実装作業そのものに価値があった これから •
AIがコーディングを(ほぼ)代替する • 技術はAIに代替される • より高次の能力が求められる AIの進化により、1人のエンジニアが担う仕事のレベルは急速に上昇している。 かつては価値を持っていた「コードを書く能力」だけでは、もはや市場での競争力を保てない。AIに代替でき ない強みを持たなければ、埋もれてしまうリスクが現実のものとなっている。
言語・フレームワークの習熟はそんなに価値がない 決まった結果を求める作業 AIは明確な仕様があるタスクで圧 倒的な強さを発揮する 言語間の変換 PythonからTypeScript、Vueから Reactへの移植も一瞬でやる フレームワークの切り替え 同じロジックを異なるフレームワー クで再実装することも一瞬でやる
特定の言語やフレームワークが使える程度では、もはや差別化要因にはならない。 AIは決められた結果を導き出すことに極めて長けており、コードの移植や変換といった作業を瞬時にこ なす。「◦◦言語がさわれます」という強みは、急速にコモディティ化している。 飛び抜けて「ちょっとデキル」までいけばまだ戦えるが…
今のエンジニアの仕事は 非エンジニアでもできる仕事になる AIを活用することで、技術的背景を持たない人々でもプロダクトを作 ることができるようになった。ノーコード・ローコードツールとAIの 組み合わせは、エンジニアリングの民主化を加速させている。 「コードを書けること」それだけでは、もはや十分な強みとは言えな い。これまで以上に専門性に特化するか、コードを書ける以外の強みを 作っていくしかない
そのためにわれわれが目指すこと AIによる実装 機能要件を満たすコードを素早く生成でき、メンテナンスを加味したコードを作り上げることができる。 品質の評価 保守性、拡張性、セキュリティ、パフォーマンスの判断をして必要な改善を施すことができる。 アーキテクチャ判断 長期的な視点での技術選定と設計判断ができ、顧客事業にマッチした長期運用に耐える構成を作ることが できる。 作られたものの品質を正確に評価することは、AIを使うだけの人には困難である。コードの保守性、シ ステムの拡張性、セキュリティリスク、パフォーマンス特性を見極める力は、経験を積んだエンジニア
にしか持ち得ない。この判断能力を持たないエンジニアはこの先生き残るのがむつかしい。
エンジニアの本質 : その時の「答え」を作る エンジニアは、その時代、その状況における最適な「答え」 を作り出す仕事である。ツールや技術は時代とともに変化す るが、問題を理解し制約の中で最善の解を導き出すという本 質的な役割は何も変わらない。 手書きのコードからAI生成へとツールは進化したが、何を作 るべきか、どう作るべきかを判断する責任は、依然としてエ ンジニアが負っている。
どんな価値を提供するか、は未だ人間にしか決められない
顧客とビジネスを知るプロフェッショナルへ 顧客を深く知る 彼らが何を求め、何に困っているの かを理解する ビジネスを理解する 技術がビジネス価値にどう貢献する かを見極める 共創するパートナーになる 単なる実装者ではなく、ビジネスを 共に作る存在へ
これからのエンジニアは、顧客を知り、ビジネスを理解し、一緒に価値を創造していくプロフェッショナルであ ることでしかこの先生き残れない。 技術力だけでなく、ビジネス感覚と顧客視点を併せ持つことが、生き残りの条件となる。
我々に求められるのは、利用者が喜ぶモノを 生み出せるかどうか 結局のところ、最後に問われるのは人間の心に響くものを作れるかどうかである。当事者でもなく、感情も持た ないAIには、人間の微妙な感情や文脈を完全に理解することはできない。 我々が提供するモノは、人間が使い、人間が感じ、人間の生活を変えるもの 人間の感情を無視することはできない。技術は手段であり、目的は常に人間の幸福である。そのために我々エン ジニアは価値を生み出し続けることを期待される。
AIはすべてを解決してくれる銀の弾丸ではない 撃ち手には、使いこなせる能力や経験が求められる