2023/9/6セミナー資料を公開しました。
イ ン ボ イ ス 制 度 入 門と デ ジ タ ル 化 の 考 え 方
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田中 慎 〔Shin Tanaka〕• 1982 大阪府東大阪市生まれ → 兵庫県三田市• 2001 兵庫県立北摂三田高校卒業• 2005 大阪市立大学 経済学部経済地理学専攻 卒業• 2005 税理士事務所勤務• 2012 税理士登録• 2014 VBAエキスパート Excel Standard 取得• 2015 中小企業診断士登録• 2016 税理士法人田中経営会計事務所 設立• 2017 京都市ソーシャルイノベーション研究所 SILK イノベーションコーディネーター〔非常勤〕• 2019 長野県立大学ソーシャル・イノベーション創出センター アドバイザリーメンバー• 2022 長野県立大学大学院 ソーシャル・イノベーション研究科 非常勤講師
今日のゴール消費税とインボイスの基本を理解する+業務をどう効率よく回すか
質問どちらの立場でご参加いただいていますか?①フリーランス②企業の経営者・経理担当
消費税の基本的な仕組み免税事業者とインボイス買い手側・発注側の論点デジタル化による運用インボイス制度入門と デ ジ タ ル 化
インボイスを知るその前に消費税の基本的な仕組み
10,000円消費税1,000円消費税率は原則10%
2,000円消費税160円軽減税率は8%
10,000円消費税1,000円個人事業主への外注費支払いも10%
10,000円消費税1,000円消費税の納税の仕組み7,000円消費税700円3,000円消費税300円300円納税400円納税300円納税広報記事をお願いします
原則課税の消費税申告消費税1,000円納付する消費税額- =消費税700円 消費税300円売価10,000円 売価7,000円売上の消費税経費の消費税仕入税額控除
仕入税額控除の要件が変わります令和5年10月~~令和5年9月「仕入税額控除」の適用を受けるには帳簿や請求書等の保存が必要この保存すべき請求書が「適格請求書」いわゆるインボイスに変わる適格請求書等保存方式=インボイス制度インボイスの保存がなければ仕入税額控除ができない!
10,000円消費税1,000円消費税の納税の仕組み7,000円消費税700円3,000円消費税300円300円納税400円納税300円納税広報記事をお願いします免税事業者 免税事業者インボイスじゃないと仕入税額控除ダメ1,000円納税※当初3年は700円×80%=560円控除OKなので1000円納税ではなく440円納税(140円企業負担が増える)
懸念される問題①インボイスを発行できない?じゃあ10%値引きしてください。
懸念される問題②インボイスを発行できない?じゃあ御社とは取引できません。
懸念される問題③仕方がないからインボイス登録した。消費税申告?よくわかりません。
免 税 事 業 者 とイ ン ボ イ ス 制 度
10,000円消費税1,000円誰の話をしているかあらためて!この人の話!!7,000円消費税700円3,000円消費税300円300円納税400円納税300円納税広報記事をお願いします免税事業者 免税事業者インボイスじゃないと仕入税額控除ダメ1,000円納税※当初3年は700円×80%=560円控除OKなので1000円納税ではなく440円納税(140円企業負担が増える)
事業者の登録番号が書かれた請求書・領収書・明細書などがインボイスになりますインボイスってなに?
インボイスを発行できる事業者必要な内容を書けば誰でも発行できるんですよね?
インボイスを発行できる事業者インボイスを発行できるのは税務署長の登録を受けた「適格請求書発行事業者」のみ。
免税事業者とインボイス制度消費税納めてないんですけど登録できないんですか?
問題点は、、、消費税申告をしていない人は登録番号はもらえません年間の課税売上が1000万円以下などで個人事業者等には免税事業者も多い
登録申請登録申請書審査登録番号などを通知国税庁HPで公表所轄税務署登録年月日以降にインボイスを交付できる
インボイス登録すると令和5年10月分から納税令和5年10月1日登録申請免税事業者 課税事業者消費税申告3か月分の消費税
いくら納税する?原則課税の消費税申告消費税1,000円納付する消費税額- =消費税700円 消費税300円売価10,000円 売価7,000円売上の消費税経費の消費税仕入税額控除
2割特例による軽減がある(当初3年間)消費税1,000円課税売上げに係る消費税額(売上税額)課税仕入れ等に係る消費税額(仕入税額)納付する消費税額- =仕入税額控除売価10,000円 消費税みなし仕入率80%消費税800円消費税200円
まとめ結局どないしたらええん?
令和5年10月以降どうするかインボイス出すインボイス出さない免税事業者で消費税納税なし影響なし値下げ取引停止インボイスの届出を提出令和5年10月分~消費税納税2割特例あり
登録を受けるにあたっての留意点登録を受けるかどうかは事業者の任意(お客さんが消費者のみなど)登録を受けると事業者免税点制度の適用なし(課税売上高1000万円以下でも課税事業者)
買 手 側 の 注 意 点
10,000円消費税1,000円誰の話をしているかあらためて!この会社の話!!7,000円消費税700円3,000円消費税300円300円納税400円納税300円納税広報記事をお願いします免税事業者 免税事業者インボイスじゃないと仕入税額控除ダメ1,000円納税※当初3年は700円×80%=560円控除OKなので1000円納税ではなく440円納税(140円企業負担が増える)
そもそも売上5000万円以下で簡易課税制度を選択している場合消費税1,000円課税売上げに係る消費税額(売上税額)課税仕入れ等に係る消費税額(仕入税額)納付する消費税額- =仕入税額控除売価10,000円 消費税みなし仕入率40%~90%今まで通りインボイスの保存は要件ではない
仕入税額控除の要件(原則課税)消費税1,000円課税売上げに係る消費税額(売上税額)課税仕入れ等に係る消費税額(仕入税額)納付する消費税額- =消費税700円 消費税300円仕入税額控除売価10,000円 売価7,000円インボイスの保存が要件
保存が必要となる請求書等①売手が交付するインボイス又は簡易インボイス②買手が作成する仕入明細書等(相手方の確認済)③電子インボイス
帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる場合①3万円未満の公共交通機関による旅客の運送(航空機除く)②3万円未満の自動販売機などでの販売③郵便切手による郵便サービス④簡易インボイスの記載事項を満たした入場券が回収される取引⑤古物営業・質屋・不動産宅建事業者がインボイス発行事業者以外から棚卸資産として取得する取引⑥再生資源などをインボイス発行事業者ではない方から取得する取引⑦従業員に支給する通常必要として認められる出張旅費・宿泊費・日当及び通勤手当
3万円未満の課税仕入れの場合、請求書などをもらえないときは請求書等の保存がなくてもOKでは?3万円未満の課税仕入れでやむを得ない事情があるときインボイス制度導入後
※売上1億円以下の会社なら税込1万円未満の支払いはインボイスでなくても請求書等+帳簿の保存のみでOK※基準期間の売上売上1億円以下の会社なら少額特例あり
軽減税率対象や税率ごとの区分を追記してよかったのでは?もらった請求書の記載事項が足りなかった場合インボイス制度導入後
インボイス制度がはじまると免税事業者との取引はやめるか、値引きしてもらった方がいいですか?
令和5年10月1日令和11年10月1日3年令和8年10月1日免税事業者から仕入れる場合の経過措置3年80% 控除可能 50% 控除可能
経過措置期間中の免税事業者からの仕入れ(当初3年)消費税1,000円課税売上げに係る消費税額(売上税額)課税仕入れ等に係る消費税額(仕入税額)納付する消費税額- =消費税700円消費税440円仕入税額控除売価10,000円 売価7,000円※経過措置700円×80%=560円消費税300円
今後は免税事業者との価格交渉が必要取引対価の引下げ取引上優越した地位にある事業者(買手)が、インボイス制度の実施後の免税事業者との取引において、仕入税額控除ができないことを理由に、免税事業者に対して取引価格の引下げを要請し、取引価格の再交渉において、仕入税額控除が制限される分(注3)について、免税事業者の仕入れや諸経費の支払いに係る消費税の負担をも考慮した上で、双方納得の上で取引価格を設定すれば、結果的に取引価格が引き下げられたとしても、独占禁止法上問題となるものではありません。(注3)免税事業者からの課税仕入れについては、インボイス制度の実施後3年間は、仕入税額相当額の8割、その後の3年間は同5割の控除ができることとされています。免税事業者及びその取引先のインボイス制度への対応に関するQ&A令和4年1月19日 財務省・公正取引委員会・経済産業省・中小企業庁・国土交通省https://www.jftc.go.jp/dk/guideline/unyoukijun/invoice_qanda.html
そもそも当社は優越的地位か?公正取引委員会「優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の考え方」第2 「自己の取引上の地位が相手方に優越していることを利用して」の考え方1 取引の一方の当事者(甲)が他方の当事者(乙)に対し,取引上の地位が優越しているというためには,市場支配的な地位又はそれに準ずる絶対的に優越した地位である必要はなく,取引の相手方との関係で相対的に優越した地位であれば足りると解される。甲が取引先である乙に対して優越した地位にあるとは,乙にとって甲との取引の継続が困難になることが事業経営上大きな支障を来すため,甲が乙にとって著しく不利益な要請等を行っても,乙がこれを受け入れざるを得ないような場合である。2 この判断に当たっては,乙の甲に対する取引依存度,甲の市場における地位,乙にとっての取引先変更の可能性,その他甲と取引することの必要性を示す具体的事実を総合的に考慮する。https://www.jftc.go.jp/hourei_files/yuuetsutekichii.pdf
価格について双方正しく理解して決めましょう免税事業者のままでも構いませんが、消費税の2割分は当社負担になるので負担部分については値下げをお願いできますか?
インボイスのデジタル化による対応
インボイス+電子帳簿保存法対応令和5年10月1日インボイス制度令和6年1月1日改正電子帳簿保存法電子データの保存が義務化
こうなってませんか?なんかよく分からないから免税事業者のままで値下げされてもいいや。猶予あるし。
こうなってませんか?電子帳簿もシステム導入が間に合わない相当の理由があれば猶予されるし、面倒だしお金かかるしそのままで。
猶予はいつかなくなる。その間に差をつけられる手作業 伝票記入 仕訳帳記入 元帳記入取引記録PC会計試算表作成 レポート作成仕訳入力取引記録 仕訳帳・元帳・試算表出力 レポート作成クラウド 証憑取込 仕訳帳・元帳・試算表出力振り込みデータ作成税区分推測インボイス番号確認電子保存 税区分処理インボイス番号確認電子保存レポート作成確認・チェック会社から逃げて!選ばれる会社求められるスキル
やめろ!!税理士に言われて、インボイス登録事業者かどうか分かるように仕訳に登録番号を入力するように言われました。
やめろ!!税理士に言われて、電子帳簿保存対応のためにファイル名に取引先・日付・金額を入力しなさいと言われました。
やめとけ!!電子帳簿保存対応のためだけですが、システム会社から提案があり、クラウド保管のシステムに月数万円支払います
自分の給料下げてでも導入しろ!!月に数万円もシステム利用料は高すぎるパートに入力とスキャンしてもらう
経営者だけじゃない曲者ぞろいの中小企業
法対応だけではなく、生産性があがるシステム導入を・13桁の番号を手入力するという仕事に違和感を覚えよう・人手不足という前に、人にさせる仕事をもっと考えよう・システム導入の補助金もあるので相談しよう!・システムに強い優秀な経理やバックオフィス人材は会社に大きな利益をもたらし、競争力の差になる
みなさんが確認すること①売手側自社がインボイスを発行できるか。すべきか。②買手側簡易課税制度を選択しておらずインボイスの保存が必要か。③運用生産性をあげるために請求書発行・受領のシステム改修を進める。