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トヨタのIoT民主化を支援!「D-ROOM」の仕組みと現場浸透のくふう【SORACOM Dis...

トヨタのIoT民主化を支援!「D-ROOM」の仕組みと現場浸透のくふう【SORACOM Discovery 2025】

トヨタのD-ROOMは、「現場主導で業務課題を解決する」支援活動を行っており、IoTを中心としたデジタル技術の民主化を通じ、実務者のサポートをしております。本セッションでは、IoT活用の背景や現場発の事例、導入時の課題克服について紹介。そしてさらなる展開に向けて、SORACOMと連携を強化し加速していく取り組みをお話しします。

トヨタ自動車株式会社 デジタル変革推進部 下田 優花
トヨタ自動車株式会社 デジタル変革推進部 松永 一努
トヨタ自動車株式会社 デジタル変革推進部 (シニアエキスパート) 森 直之
株式会社ソラコム オートモーティブセールス セールスマネージャー 伊勢田 拓也

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SORACOM PRO

July 31, 2025
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  1. トヨタ自動車株式会社 デジタル変革推進部 松永 一努 トヨタ自動車株式会社 デジタル変革推進部 下田 優花 トヨタ自動車株式会社 デジタル変革推進部

    (シニアエキスパート) 森 直之 株式会社ソラコム セールスマネージャー 伊勢田 拓也 トヨタのIoT民主化を支援! 「D-ROOM」の仕組みと現場浸透のくふう
  2. 自己紹介 株式会社ソラコム / オートモーティブ セールスマネージャ 伊勢田 拓也 (イセダ タクヤ) 自動車業界のお客様へのIoTプロジェクトを支援

    経歴: 大手通信キャリア、大手クラウドプロバイダーにて エンタープライズ領域担当を経て、2024年より現職
  3. SORACOM は IoT の「つなぐ」を簡単に IoT デバイス クラウドサービス ✔ 遠隔操作 ✔

    メンテナンス ✔ 蓄積・見える化 ✔ アラート通知 通信 デバイス センサ キット IoT 通信 IoT SIM LPWA パートナー デバイス パートナークラウド (AWS / Microsoft / Google) Wi-Fi / 有線 3G / LTE / 5G LTE-M
  4. 2023年の発表は… 借りて試せる 簡単な仕組み 調達する 1か所で集中 貸し出し管理 すぐ使える インフラをつくる 現場は 借りて使う

    共通インフラに データが集まる 支援チームがIoTの民主化を進めるお話 DX支援チーム「D-ROOM」 Digital Transformation Promotion Dept. ©Toyota Motor Corporation
  5. Digital Transformation Promotion Dept. ©Toyota Motor Corporation きょうのメンバーです 下田 優花

    デジタル変革推進部 ・経歴 2025/2 キャリア入社 ・好きなこと: 散歩 水族館に行くこと ・好きな食べ物: グミ、お寿司、サンドイッチ デジタル変革推進部 ・経歴 ~2024/2 生産技術 2024/3~ 現部署 ・好きなこと: ボーっとすること 新技術に触れること ・好きな食べ物: からあげ 森 直之 松永 一努 デジタル変革推進部 ・経歴 ~2020年 エンジン/制御開発 2021年~ 現場D-ROOM ・好きなこと 考えをモノや形にすること 3D造形、IoTガジェット遊び ・好きな食べ物 お寿司 よろしくお願いします! カスタマーチーム 現場/セキュリティチーム 企画チーム
  6. Digital Transformation Promotion Dept. ©Toyota Motor Corporation IoTのスケールアップ でも、たくさん実装完走できた… というわけではないのです

    この2年で機器もユーザも増加 市民開発者 (自分で手を動かす人) ラズベリーパイ (自由度の高いエッジデバイス) SORACOMエッジ (機能限定された使いやすい機器) 様々な現場
  7. Digital Transformation Promotion Dept. ©Toyota Motor Corporation 市民開発の現状 社内の現状は? ⇨

    実装完了率はおよそ8% * *工場へのAI実装の事例(2023年) リリース /運用 制作・実装 トライ&エラー リソース 調達 実現手段の 模索 要件定義 実装率を低下させる要因とは?
  8. Digital Transformation Promotion Dept. ©Toyota Motor Corporation 市民開発の現状 リリース /運用

    制作・実装 トライ&エラー リソース 調達 実現手段の 模索 要件定義 購入 許可が 降りない 実装スキル がない モノが届く までの時間 が長い 事例 不足 市民 開発者 周りに 聞ける人 がいない 完走できない=開発者体験が良くない やって 良いか 分らない 運用維持が できない 実装/運用失敗 断念 成功 成功 成功 断念 断念 断念 断念 断念 断念 完走
  9. Digital Transformation Promotion Dept. ©Toyota Motor Corporation 市民開発の現状 リリース /運用

    制作・実装 トライ&エラー リソース 調達 実現手段の 模索 要件定義 IT部門 やるべきことが増える→開発者体験がどんどん悪化… 実装/運用失敗/セキュリティリスク上昇 市民 開発者 シャドー IT化 はやく やりたい 修正 セキュリティの 指摘 修正 断念 成功 断念 成功 管理 リクエスト
  10. 市民開発者 IT部門 Digital Transformation Promotion Dept. ©Toyota Motor Corporation 我々が目指したいことは?

    D-ROOM 市民開発 開発者体験 セキュリティ レベル 個人実装の 限界 セキュリティ リスク D-ROOM (サンドボックス化) セキュリティも開発者体験も両立しよう!
  11. Digital Transformation Promotion Dept. ©Toyota Motor Corporation 具体的に何やりましたか? この3つでセキュアに、カイゼンに専念できる環境を作りたい 現場支援

    契約・インフラ統制 カスタマーサクセス 学んで試せる コンテンツ整備 教育・ハンズオン オリジナルレシピ 実装サポート ・機材調達 ・キッティング ・コミュニティ活用 管理システム整備 ・SAMアカウント ・管理統制 現場の困り事から施策へ マルチテナンシー ラズベリーパイの標準化 運用サポート ・ルール調整 ・セキュリティLvUp デバイス開発 ・社内ニーズに合った カスタムIoT機器
  12. Digital Transformation Promotion Dept. ©Toyota Motor Corporation 構成図 管理者 ユーザ用

    環境 管理用 環境 ユーザ用 環境 ユーザ用 環境 各部ユーザー (適切なロール付与) ②SORACOM Canal ① マルチテナンシー (複数環境の統合管理) ③アカウント管理 個別のアカウントグループを統制可能に=インフラ管理も安心! 契約・インフラ統制
  13. Digital Transformation Promotion Dept. ©Toyota Motor Corporation ①マルチテナンシー(複数環境の階層管理) テナント 管理者

    Aテナント トライアル時は代理で 一括支払い ハンドオーバー時は 各自で支払い ユーザ用 環境 管理用 環境 ユーザ用 環境 ユーザ用 環境 ユーザー テナントごとに 請求関連の 社内手続きを行う テナント管理者 ロールでSAM ユーザーを作成 利用量/ログ情報を元に 任意のSIMの利用を制限 開発者ロールでSAM ユーザーを作成 テナント全体に 適用する権限を設定 ・置きポンロール 技術分からないけど、まず使いたい人向け! ・開発者ロール 機能拡張を自分でやりたい! SORACOMクラウドに階層を持たせ、一括管理 契約・インフラ統制
  14. Digital Transformation Promotion Dept. ©Toyota Motor Corporation ②SORACOM Canal クラウド

    データ レイク 分析! ②エッジデバイス (ラズパイなど) 通信手段 クラウド センサ・デバイス SharePoint Online リスト 設置! SORACOM Canal 閉域ネットワーク =社内イントラから切り離した環境 ①SORACOM認定品 社内ガイドラインも整備 インターネットに出ないので セキュア! 市民 開発者 IT部門 Power BI And more! エッジからクラウドまでの経路をセキュアに確保 契約・インフラ統制
  15. Digital Transformation Promotion Dept. ©Toyota Motor Corporation ③アカウントの管理もAPIで自動化 ・手動でSAMユーザ払出し…たいへん! (アカウントだけで200人以上!)

    役割はロールで指示 ロールを付与したSAMユーザを PowerAutomateで自動払い出し APIとロール機能を使って自動化! 契約・インフラ統制
  16. Digital Transformation Promotion Dept. ©Toyota Motor Corporation ユーザーを成功体験に導く接点となるチーム カスタマーサクセスとは 物理的な

    拠点の整備 インフラ・ 機材提供 学んで試せる コンテンツ整備 教育・ハンズオン 実装サポートT ・機材調達 ・キッティング ・コミュニティ活用 仕組み・環境の提供 = D-ROOMのサービスとして・・・ そもそものコンセプト ユーザ体験を とても左右する部分 カスタマーサクセス
  17. Digital Transformation Promotion Dept. ©Toyota Motor Corporation 困り事を抱えたユーザと繋がること 実装支援・サポート がキモ

    コンセプト せっかくのサービス!現場の市民開発者にたくさん使ってもらいたい! これを使えばこんなに便利になる!だと、 なかなか使ってもらえない… キーワードは「共感」 ・◦◦さんがやってるなら、やってみるか~ ・他の工場でやってる、このカイゼンいいじゃん! ・こういうのが欲しかったんですよね そもそものコンセプト カスタマーサクセス
  18. Digital Transformation Promotion Dept. ©Toyota Motor Corporation 知ってもらう・体験してもらう 提供する施策 物理的な

    拠点の整備 インフラ・機材提供 学んで試せる コンテンツ整備 教育・ハンズオン 実装サポートT ・機材調達 ・キッティング ・コミュニティ活用 仕組み・環境の提供 = D-ROOMのサービスとして・・・ コンセプト ・ユーザのニーズを起点に講座を作る ・自分で手を動かすことを重視 コンセプト ・近所のコンビニ カスタマーサクセス
  19. Digital Transformation Promotion Dept. ©Toyota Motor Corporation サッと試す 提供する施策 物理的な

    拠点の整備 インフラ・機材提供 学んで試せる コンテンツ整備 教育・ハンズオン 実装サポートT ・機材レンタル ・キッティング ・コミュニティ活用 仕組み・環境の提供 = D-ROOMのサービスとして・・・ コンセプト ①トライアルでサッと試す ②移行判断(ハンドオーバー) カスタマーサクセス
  20. Digital Transformation Promotion Dept. ©Toyota Motor Corporation まずはレンタルで、サクッと試していただく トライアルフェーズのやりとり 市民開発者

    トライアル ヒアリング 結果のフィードバック 機材返却 やりたいことの共有 機材レンタル/SAMユーザ払出し カスタマー サクセスチーム カスタマーサクセス
  21. Digital Transformation Promotion Dept. ©Toyota Motor Corporation 双方に嬉しさあり! トライアルフェーズのやりとり トライアル

    ヒアリング 結果のフィードバック 機材返却 やりたいことの共有 機材レンタル/SAMユーザ払出し ・より良い進め方が提案できる ・皆で使い、投資を抑える! ・利用状況もわかって安心! ・すぐ試せる (ひとまずコストもかからない) ・失敗しても知見がたまる 市民開発者 カスタマー サクセスチーム カスタマーサクセス
  22. Digital Transformation Promotion Dept. ©Toyota Motor Corporation いい感じに進めば、市民開発者にハンドオーバー 移行判断時 移行判断時

    ・環境の払出 ・ユーザ部署での調達移管 うまくいった場合は・・・ 市民開発者 ・結果のフィードバック カスタマー サクセスチーム ・各部署への ハンドオーバーで 負担減 ・自分たちで カイゼンするぞ! カスタマーサクセス
  23. Digital Transformation Promotion Dept. ©Toyota Motor Corporation 地味にシンドイ カスタマーサクセスチームの悲しみ ①ヒアリング

    結果のフィードバック 機材返却 やりたいことの共有 ②ユーザからの問い合わせ対応 機材レンタル/SAMユーザ払出し カスタマー サクセスチーム ① 事例の整理が大変 ② 個別の問い合わせ爆増 カスタマーサクセス
  24. 事例の整理が大変→どうしたら楽になる? ①類似事例を貯めて共有する Digital Transformation Promotion Dept. ©Toyota Motor Corporation 事例の共有

    ◎ダッシュボードで事例を見える化 ◎手段も共有 (使用機器、プログラム、設置方法 etc.…) とにかくチャレンジのハードルを下げて、 横展開しやすくする! カスタマーサクセス
  25. Digital Transformation Promotion Dept. ©Toyota Motor Corporation セキュリティ準拠+データと同時にナレッジも蓄積→みんなHappy! できあがった トヨタ社内のIoTコンビニ!

    完成した構成(図) 市民開発者 D-ROOM 全部揃ってます。貸出します。 予算もいったん面倒みます! デバイス 即対応 SIMカード サンプル プログラム SORACOM アカウント ユーザが すぐ結果に つなげられる仕組み ルール 相談窓口 キッティング 済みの機器 カスタマーサクセス
  26. Digital Transformation Promotion Dept. ©Toyota Motor Corporation 活用事例:部品環境測定 かんたんに 温度・湿度が

    測れるもの SORACOM Lagoonで可視化 現場に設置し 温度取得 ソラコムの標準機器を活用 現場支援
  27. Digital Transformation Promotion Dept. ©Toyota Motor Corporation 活用事例:リモート監視 状態把握で、無駄のない作業につなげられる データがすぐ見える!

    仕掛けや検討の加速も可能 READY! 現場支援 ・温度、経過時間 ・稼働状況 ・車のセンサーの値など
  28. Digital Transformation Promotion Dept. ©Toyota Motor Corporation かゆい所に手が届く「内製機器」 社内ニーズの高いものは、自分たちでも作る! ・出勤状況を見て

    工程組み・フォロー ・出社管理ボード アプリ ハード、ソフト自作 現場支援 Wio Terminal(USB-Host) Wio LTE JP USB-Keyboard
  29. Digital Transformation Promotion Dept. ©Toyota Motor Corporation まさにCROSSROAD! 推進側と現場が交わりながら構築推進 柔軟な運用体制

    推進する Security& Operation 現状に沿った 施策の提案 現場活用 Development User 活用と提案 現場を回遊し 施策F/B 現場支援 インフラ統制 カスタマーサクセス 市民開発者
  30. Digital Transformation Promotion Dept. ©Toyota Motor Corporation 人もデータも現場もつなぎます! 将来展望 ハードウェア

    アプリケーション 回線 データストア データ サイエンス ハードウェア アクション ソフトウェア アクション 現場 AWS 今まで これから
  31. D-ROOMの未来 D-ROOMを活用してIoT民主化を もっと!進めます! Digital Transformation Promotion Dept. ©Toyota Motor Corporation

    ・標準化したときに陳腐化は始まっている →現場は常に変化しており、カイゼンに完成(終わり)はない。 より多くの人に、より良い環境を提供できるようにサイクルを回していく ・ユーザーがやりたいことを知る →何がしたいのか?どうすれば解決できるのか?を 考えるために、施策側と現場が手を携えて道を作る ・事務局のシンドイ仕事も減らしていく →中間プロセスは「仕組みを作って」楽にする! 幸せとは…