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Perfect事業計画を作ろう

 Perfect事業計画を作ろう

【データドリブン経営の核となるメソッド】

昨今、コロナ禍において、デジタルトランスフォーメーション(DX)が企業の競争優位性を作るために大きくフォーカスされるようになってきました。DXを進める上での大きな課題の一つとして企業でのデータの利活用が促進されていないといったことがあります。

では、経営においてデータを活用して事業を進めるにはどうすれば良いでしょうか?

本講義では詳細までナレッジシェアをされてこなかったデータドリブン経営の中核となる事業計画策定について、データアナリストとして4年間、経営の意思決定に対してデータを活用してきた筆者の知見をスライド化

https://peatix.com/event/1854642/view

Takato Ohnishi

April 10, 2021
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Transcript

  1. 目次 2 Perfect事業計画を作ろう 1 まとめ 2 3 はじめに • Perfect事業計画とはなにか

    • 事業計画前にやるべきこと • 事業計画策定タイミングでやるべきこと
  2. 4 自己紹介 2012.04 ~ 職種:高周波(RF)デバイスのR&D Process Engineer(RF デバイス) 仕事:新製品・工場の垂直立ち上げ    

    2015.01 ~ 職種:Product Manager/Engineer    (RF デバイス) 仕事:新製品のProduct Manager    (アメリカ/シンガポール拠点と連携) 2017.01 ~ 職種:Data Analyst/Scientist 仕事:ソーシャルゲームの分析/戦略立案    分析R&DのProject Manager     2019.12 ~ 職種:Data Analyst 仕事:決済・金融事業のGrowth戦略立案   ・名前:  大西 峻人   ・興味・好きなこと:  - UXデザイン(行動経済学とかゲーミフィケーション) - フードテック(3Dプリンターフードに興味あり)  - サウナ(お気に入りは江戸遊)
  3. 6 本講義でやること・やらないこと やること やらないこと ・お役に立てるターゲット  既に1年以上経過して、一定の規模まで       拡大する見通しがありそうな事業  (ピボットフェーズは乗り越えた) ・講義でお伝えすること  主に以下の項目に触れながら、納得感のある

     Perfect事業計画をデータドリブンに作る a.) ビジネスモデルの事業成長の軸は何か? b.) 計画に携わるステークホルダーの理解を得るには? c.) 精緻な予測をするには? d.) 考慮すべき論点を洗い出し、Action Planを   立てるには? ・あまりお役に立てないターゲット  ・新規事業の立案フェーズ  ・まだピボットする可能性のあるビジネスモデル ・この講義でお伝えしないこと  ・マクロ環境を踏まえた上での競合/自社分析や   そこから大上段の事業戦略を考える (PEST/3C分析)    ・そもそものビジネスモデルの転換を考える   (ビジネスモデルは固まっている前提)
  4. 16 はじめに データドリブン経営のレベル感(大西の解釈) • データ管理 入門:無秩序に散らばったデータ(紙媒体・excelなど管理方法も違ったり、情報の粒度も違う) 経験:無秩序に散らばったデータに秩序を与える(必要な情報を設計し、管理方法を統一する) 変革:戦略を作る上で必要な社外データ(外部メディアなど)を取れる仕組みを作る • データ分析

    入門:excelで集計して、必要に応じて個人でやる(アウトプットばらつき大・データ認知:低) 経験:アウトプットの質が担保され、社内でデータ可視化(アウトプットばらつき小・データ認知:高) 変革:戦略や事業予測にデータを活用し、意思決定ができるようになる
  5. 17 はじめに データドリブン経営のバリューチェーン 分析設計 データ収集 データ管理 データ分析 モデル構築 結果伝達 意思決定

    Who What ・Data Strategist (Analytics Director) ・Product Manager Issueを定義し、 事業戦略・施策のPDCA サイクルの設計 ・Data Engineer PDCAサイクルが回せる DWHのアーキテクチャ 設計と構築 ・Data Scientist ・Data Analyst (Consultant) 特有の分析技術を 用いて分析設計された ものに対して示唆出し ・Data Strategist (Analytics Director) ・Data Analyst 出てきた示唆に対して メッセージングを作る (資料作り) • データドリブン経営のバリューチェーンを構築するためには Data Strategist・Analyst/Data Engineer/Data Scientistといった人材が必要 DWH:Data Ware House ⇨大量の統合業務データ、もしくはその管理システム
  6. 19 はじめに 重要なこと! Q. うちの会社にはData StrategistやAnalystはいないから、   そもそもデータドリブン経営は無理なのでは?? A. 無理ではありません!

    Data StrategistやAnalystのスキルセットの敷居は実は高くない。  エンジニアリングスキルもデータを扱える環境さえ作れれば、  ほぼいらないです。(簡単なexcel式が使えれば良い)  思考法を体得してもらえれば誰でもできるようになります!  今回はその一端を経験していただければと思います。
  7. 23 実際に計画を作る 1. 中長期での「As-Is」と「To-Be」を作る 前段の議論 中期経営計画作るよー 目標は利益◯◯億だから! CEO Director ◯◯を達成するには

    具体的にどうすれば 良いのだろう? 経営管理 まずは事業予測モデル を考えましょうか。 Director 目標は〇〇なのだ が、今の延長線で プロダクトが成長 したらいける? Data Strategist 1 2 3 4
  8. 24 実際に計画を作る 1. 中長期での「As-Is」と「To-Be」を作る(中期経営計画) 具体的な流れ 見通しを立てる (As-Is) 見通しと会計上の ゴールのGapを見る ゴールとのGap

    を埋められるか を検討 計画Fix (To-Be) Who What ・取締役 ・各機能のDirector(Product/Mkt etc) ・Data Strategist KGIを要素分解し、 事業予測モデルを作る (管理会計指標を作る感じ) 事業収益のゴールと 予測モデルを見比べ、 どこに課題があるかを 把握 Gapを埋めるための 検討材料をData Strategistが提示し、 ブラッシュアップ 実現性・コスト感を加 味しながら検討材料を 使い、納得感の高い計 画を作る Skill Set ・「クリティカルシンキング」/「定量データ分析スキル」/「事業ドメイン知識」が必要な大前提で  +アカウンティング(財務・管理会計)/ファイナンスの知識 +全体の合意形成を図るために指標をできるだけ簡易化し、各ステークホルダーと連携して   納得解を見つけるファシリテーション能力
  9. 28 ここまでにやっておかないといけないこと Growth Model を作る 日々の予測 精度を高める 予測から想定 される次年度 ベースライン

    を作る 目標との乖離 を埋める 戦略を立てる 事業計画前にやるべきこと 事業計画でやるべきこと 事業計画を立てる前に 「Growth Modelを作る」・「予測精度を高める」はやるべき
  10. 31 Growth Modelを作る Growth Model ≠ Business Model → Growth

    Modelとは継続的に売上・ユーザー数が成長するドライバーを   理解するために必要な図 意味:儲けを生み出す具体的な事業の仕組み    (レベニュー/コスト構造を理解するもの) Business Model 意味:事業やプロダクトが持続的な成長を    するためのロジックを構造化したもの Growth Model
  11. 32 Growth Modelを作る Growth Modelを考える上でのフレームワーク:AARRR(アー) モデル → このモデルの中から成長ドライバーを見つけ出す Activation(活性化) Retention(継続)

    Acquisition(獲得) Revenue(収益) Referral(紹介) ① ② ③ ④ ⑤ 段階 内容/指標 Acquisition (獲得) Activation (活性化) Retention (継続) Referral (紹介) Revenue (収益)
  12. 34 Growth Modelを作る STEP2: 段階ごとに「達成してほしい状態」と「見るべき指標」を整理 段階 ユーザーLV 達成してほしい状態 見るべき指標 Acquisition

    (獲得) Activation (活性化) Retention (継続) Referral (紹介) Revenue (収益) 新規インストール ランク1-10 ランク11-30 ランク31-50 ランク51-80 ランク81-100 ランク11以上 organic /広告導線から流入して アプリinstall → チュートリアル チュートリアル突破後、7日間 プレイして、ステージ3まで クリア 毎月行われるランキング戦に参 加し、そこで報酬が獲得できる までキャラを育てている 友達との共闘で手に入るレアな 武器を集めるためにユーザー経 由でSNS経由で友達を誘う ランキング戦で上位を目指したり、 高難易度クエストを友達とクリア できる状態 ・流入経路別 install UU数 ・端末別チュートリアル突破率 ・ステージ3までの突破率 ・7日間 継続率 ・ランキング戦参加率 ・キャラ獲得率 ・7日以降継続率 ・SNS経由でのinstall UU数 ・共闘イベント参加率 ・高難易度クエスト参加率 ・ランキング戦上位継続率 ・課金率・課金額
  13. Growth Modelを作る STEP3 :コミュニケーション用にGrowth Modelを「わかりやすくする」 → AARRRモデルは実はステークホルダーとの議論や目線合わせをする上で、   KPIが細かすぎて認識が取れないことが多い  

    (アナリストは精緻な計算をするために把握すべきだが、全員が知っておく情報ではない) 新規インストール 復帰 継続 ユーザー全体 ・継続率 ・ARPU (一人当たり課金額) ・継続率 ・ARPU (一人当たり課金額) ・継続率 ・ARPU (一人当たり課金額) コミュニケーション用のグロースモデル(例) この中にAARRR モデルの考えを組み込む
  14. 42 日々の予測精度を高める ◦理想的なディスカッション事例 MAUが伸びたのは 想定通りだけど、 目標比110%だから 想定より伸びている 施策Aで伸びる想定 だったけど、 外的要因として

    Bがあったからかな Growth Modelは予測精度が伴ってこそ意味がある。 →Growth Modelを使いこなすには予測精度を高める必要がある
  15. 45 日々の予測精度を高める STEP3:予測に対して常にPDCAを回す意識が一番重要! (振り返りの価値) → 外れた理由を言語化/定量化することを忘れない。 ◦Daily Access User数の12月推移 予測差分はなぜ起きたのか、、

    ①予測に使っている施策感度の係数が  実際はもっと高い?/低い? ②他に想定していなかった効果があった? まとめサイトで の評価高かった んだよねー
  16. 47 ここからやること Growth Model を作る 日々の予測 精度を高める 予測から想定 される次年度 ベースライン

    を作る 目標との乖離 を埋める 戦略を立てる 事業計画前にやるべきこと 事業計画でやるべきこと いよいよベースラインを作り、目標との乖離を埋める戦略を立てる
  17. 52 次年度以降KPI/収益ラインを作る STEP2: シナリオの松/竹/梅プランを考える 新規 復帰 既存 松 ・6月のCMの獲得が竹の1.2倍 ・8月にコラボCPNができる

    ・6月のCMの獲得が竹の1.2倍 ・9月の復帰CPNができる ・Activation施策がうまくいき 継続率が竹の1.5倍伸びる ・Revenue施策により、  高額課金者が増え、 ARPUが伸びる 竹 ・6月のCMの獲得が想定通り ・6月のCMの獲得が想定通り ・Activation施策がうまくいき 継続率が伸びる 梅 ・6月のCMの獲得が半分 ・6月のCMの獲得が半分 ・Activation施策で  継続率が伸びない
  18. 55 次年度以降ベースラインを作る コラム:マーケティング投資ルールとは LTV > CAC (一人あたりの生涯収益 > ユーザー獲得コスト)    

    となるように投資するというルール作り (ユニットエコノミクス) 一人当たり500円の投資であれが、 6ヶ月間収益で見れば、回収できそう
  19. 56 次年度以降ベースラインを作る コラム:投資の規律 (LTV > CAC) の議論に深入りしない → 大事ではあるが、長期運用フェーズ(>2年)に入るまではこの考えに固執しない方が良い  

    (LTVは継続率が複利で効くので少し高く読むと数字がかなり変わるため) 実績ないけど、 伸びるはずだから、 松プランのLTVを 使おう 松プランで 過剰投資になった時の リスクないだろうか、、 (P/Lのストーリーを見る) 例:松プラン(継続率x 1.2)   にすると伸び方が大きく   変わってしまう
  20. 60 Growth Modelをアップデート 計画を検討した結果、 ユーザー数が足りないの で、施策を考えてください Director Director プロダクトのどこに 改善要素があるのかな

    1 2 PM(Product Manager) Marketer 2 誰にどういう訴求を すればいいかな 3 前段の議論 Growth Modelを 作り直しましょうか PM・Marketer ユーザー数を増や すために必要なこ とを洗い出したい Data Strategist 4 5
  21. Growth Modelをアップデート 具体的な流れ 定量・定性 ファクト整理  ペルソナの決定 +行動を時系列整理 改善可能ポイント を検討 (改善効果試算)

    改善施策を戦略 に落とし込む Who What ・Data Analyst ・(部署があれば) UX-Resercher ・PM/Marketer アンケートやインタビュー の定性データと行動ログな どの定量データを整理し、 全体の認識を合わせる 定性データを読み解きなが ら、人物の具体像を作り上 げ、時系列のユーザーの行 動データをペルソナ最適で 整理する。 作ったマップを可視化し、 離脱ポイントの影響規模感 を算出 (定性⇄定量を行き来する) 改善ポイントに対して 具体的なアクションプラン をジャーニーと整合させる 形で作り込む Skill Set ・「クリティカルシンキング」/「定量データ分析スキル」/「事業ドメイン知識」が必要な大前提で  +定性データ分析理解(インタビュー・アンケート分析) +アイデア出しのWorkShopなどデザイン思考の知識と実践 ターゲットと改修ポイントがわかった段階で、具体的な施策へ落とし込む
  22. 66 Perfect事業計画を作るには? 3 1 Growth Modelを作ろう 継続的に売上・ユーザー数が成長する因果と成長ドライバーを理解する (AARRRモデル) 次年度以降のKPI/収益ラインを作る Growth

    ModelとP/Lを連動させる。松竹梅のシナリオ分析をした上で、 数字の認識を揃え、どのタイミングで何を意思決定するかを明確化 (コミュニケーションのためにGrowth Modelは簡単な構造に作り変える) 2 日々の予測精度を高める Growth Modelを作っても、予測が当たらなければ意味はない。 日々、予実差分を確認しながら、PDCAを回す意識
  23. 目指したい世界 STARTからGOALまでのルートをデータの力で最短化し、 誰しもがやりたい仕事を続けられる世界を達成したいと本気で考えています Rapid Optimization 失敗や手戻りを繰り返し つつも時間をかけてゴー ルに近づいていく データの力でビジネスの精 度を高めることで最短経路

    でゴールに到達 これまでの世界 目指したい世界 勘と経験に頼る意思決定だと HOWの選択ミスが起こりやすい データの力で 最善のHOWを選択し続け事業成長を担保 データの蓄積 Normalize All Data (データの正規化) アルゴリズムの 開発・強化 最短経路での 事業成長を実現 STEP.1 STEP.2 STEP.3 STEP.4 VISON
  24. 会社名 設立年月日 オフィス所在地 従業員数 株式会社Hogetic Lab 2020年4月1日 東京都世田谷区玉川 3-20-10 メリス玉川

    502 22名 (BizDev:5名/データサイエンティスト:5名/データエンジニア:4名/エンジニア:3名/その他:5名) 大竹 諒 代表取締役 CEO ・2016年株式会社メディックメディアに新卒入社し、国家試験分析業務や新規事 業開発を担当 ・2018年株式会社ディー・エヌ・エーに入社。マーケティング領域の分析とプロダ クトグロースに従事 ・2020年に株式会社 Hogetic Labを創業 岩尾 一優 社外CTO ・2010年に株式会社富士ゼロックスに新卒入社し、コンシューマ向けインターネッ トサービスの開発を担当 ・2018年に株式会社ディー・エヌ・エーに入社。データエンジニアとしてデータパイ プラインの設計・実装、データプラットフォームのクラウド移行などを担当 ・2020年5月に同社社外 CTOに就任 白石 裕人 取締役 COO ・2017年株式会社ディー・エヌ・エーに新卒入社し、ソーシャルゲーム領域やマー ケティング領域の分析業務を担当 ・2020年より株式会社メルカリに入社。 CRM領域の分析を担当 ・2020年に株式会社 Hogetic Labを共同創業。 喜久里 陽 社外CDO ・早稲田大学大学院環境・エネルギー研究科で博士後期修了後、助教に就任 ・2017年株式会社ディー・エヌ・エーに入社。マーケティング領域において機械学 習を用いたソリューション開発に従事 ・2020年10月に同社社外 CDOに就任。 会社概要
  25. ご紹介サービス一覧 高品質な分析基盤を 誰でも低価格で高速で 構築できる Data Collect as a Service 全てのデータを価値に変える

    オリジナルAI開発サービス ー世界中のデータ収集をこれひとつでー ーどんなデータも資産に変えるー