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『機械との競争』の行方~人間の手の研究から見るヒトとロボットの未来~/Which wins in race against machine?

『機械との競争』の行方~人間の手の研究から見るヒトとロボットの未来~/Which wins in race against machine?

2016/7/24 なごや環境大学 テクノロジーカフェ
講演配布資料(解答編)
Japanese slides

Target
Ordinary

Topic
- Do AIs takes place of human?
- How does human body deal with complexity?
- Basic of deep learning
- How do we survive in AI age?

Baboon

July 24, 2016
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Transcript

  1. 『機械との競争』の行方~人間の手の研究から見るヒトとロボットの未来~ 24July 2016 Takenori Baba 2016年7月度 第98回 なごや環境大学テクノロジーカフェ 1.ロボットが人間の仕事を奪う 『機械との競争』

    (原題:Race against the Machine) エリク ブリニョルフソン アンドリュー マカフィー 著 - ITやロボット技術による大量失業の可能性に警鐘 を鳴らす - 過去の産業革命と比較してITやロボット技術は新 規雇用を創出しないのではないかという示唆 Oxford大 マイケル・オズボーン教授の論文 『雇用の未来:  コンピュータ化の影響により職業はどれだけの影響を受けるか (2013.9.17) 702の職種についてコンピューターに取って代わられる確率を試算 ブームが発生 本当にこのような未来が来るのだろうか? 講師はファクトリーオートメーション製品の開発に従事 •  工場における生産工程の自動化を図るシステムのこと •  従来人力で行っていた作業を機械やロボットに置き換えることで,より 効率的な生産や,人力では成し遂げなかった性能の製品を製造する. •  人間が対応できない危険な作業や過酷な作業を機械やロボットによっ て成し遂げる ファクトリーオートメーションとは 自動化により仕事が奪われるのではないかという反発と対になっている 例:(A. ラッダイト運動     ) (画像引用: Wikipedia) 2.ロボットと人工知能の発達小史 2−1 ロボット工学者の奮闘 1811年から1817年頃、イギリスの織物工業地 帯において産業革命に対する反発から起こっ た機械破壊運動。 最終的には労働者の権利獲得や普通参政権 を求める運動へと発達した 自分自身の作るもので誰かが不幸になるのではないか そしてそれは公益に反する行為なのではないか? 人間には簡単にできることでも ロボットにとっては大量の計算リソースをリアルタイムで消費することから,こ の方法で人間の動きを完全に再現するのは非常に困難.       でも人間って実際高い自由度の体を動かしているよね? 関節の回転から手先の方向・位置を導出する:(B. 順運動学  ) Bの結果から関節の回転角度,速度,発生させるべきトルクなどを算出する (C. 逆運動学   ) 2−2 自然界から学ぶ計算量圧縮のヒント 実際複数の関節の動き連動するなど の方法で,複数の制御対象を一つの 制御にまとめる これにより計算量が大幅に圧縮され る 自由度が減ることで動作の可能性は 減るが特定の動作を成功率高くする ことができる ⇨成功の組合せパターンを形成する. 日本技術士会「技術士プロフェッション宣言」より (D.   協調制御   ) これらを実現しているのは脳,神経 系.それを計算機上で真似てやれ ばより柔軟な計算ができるのでは ないか ⇨計算上Dの発現も本システム上で 確認出来る (E.  ニューラルネットワーク      ) http://ipr20.cs.ehime-u.ac.jp/column/neural/chapter2.html 2−3 Eが何をもたらしたか 2−4 Eの限界はあるのか 3.ロボットに仕事を奪われないためには •  従来のコンピュータは「同じ」ものを 探すのは得意 •  逆に「似ている」ものを探すのは苦 手 •  Eは似ている「パターン」を見出す ためこの「似ている」ものを見つけ ることができる (F  ディープラーニング  ) (G 遺伝的アルゴリズム,遺伝的プログラミング ) (H 生物や人間 )の備え持つ仕組み 加えて近年このパターンの学習に画期的な手法 が開発された すでに自動運転や監視カメラなどの用途に利用 が始まっている すでに遺伝の法則を基にした計算手法が提唱されている *これと連携した計算手法が生まれてくるのではと考えています パターン化が進んだ後のEはシステムとしての自由度が大幅に削減され ている (I. 人間らしい仕事     ) こそ最もロボットに奪われない仕事である 学習能力の硬直化 生物には遺伝という仕組みで次代に引き継ぐ能力と引き継がない能力を 区別して能力をリセットする仕組みが備わっている それではI.とは? プロフェッショナルの定義 •  高い専門性を持っていることだけでは不十分 •  弱者の側にいて,その高い専門性を持って弱者のパートナー,代弁者, 教示者となることができる人 (J. プロフェッショナルになる )になることがその一 番の近道ではないでしょうか?