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クラウド環境をFargateに 移行して得た知見

teru0x1
February 22, 2022

クラウド環境をFargateに 移行して得た知見

DMM meetup #37

teru0x1

February 22, 2022
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  1. © DMM Elastic Beanstalk • インフラを気にすることなくアプリケーションをデプロイできる マネージドサービス • いわゆるPaaS •

    実際にはCloudFormationのラッパー • インフラ知識がなくてもすぐにサービスを起動できる • 構成のカスタマイズがやや大変 7
  2. © DMM 移行後 11 ECS Fargate データストア・キャッシュなど エンドユーザ ELB APM・ロギング

    API Service キューワーカー Service CloudFront 静的コンテンツ配信 IaC
  3. © DMM 移行後 12 データストア・キャッシュなど エンドユーザ ELB APM・ロギング CloudFront 静的コンテンツ配信

    ECS Fargate API Service キューワーカー Service * 5 APIとキューワーカーをECS Serviceに変 更 キューワーカーはジョブの種類ごとに Serviceを立てる(ジョブごとにスケールで きる)
  4. © DMM 移行後 13 ECS Fargate データストア・キャッシュなど エンドユーザ ELB APM・ロギング

    API Service キューワーカー Service CloudFront 静的コンテンツ配信 フロントエンドの配信を CloudFront+S3に変更
  5. © DMM 移行後 14 ECS Fargate データストア・キャッシュなど エンドユーザ ELB API

    Service キューワーカー Service CloudFront 静的コンテンツ配信 APM・ロギング APMとログ基盤をNewRelicに 統一 NewRelic Logsはデフォルトで 保持期間が30日なので長期保 存にはS3を併用
  6. © DMM 新リソースの作成方針 17 TG1 TG2 Fargate OR new TG1

    TG2 (new) Fargate new ELBごと既存環境との分離 ・Elastic Beanstalkのリソースを変更しない ・旧環境をまとめて削除するのも簡単 ・DNSの向き先を変える事でリリース
  7. © DMM リリース方針 • API • 当初はRoute53の加重ラウンドロビンを使ってカナリアリリースを予定 • Socket.ioの実装制約で難しいことが分かった •

    long pollingとWebSocketを併用する時はALBのstickyセッションが必要 • https://socket.io/docs/v4/using-multiple-nodes/ • カナリアリリースではなく、全てのトラフィックを一気に切り替える方針に変更 • stgでのテストが十分にできていたため • キューワーカー • 徐々にECSタスクの割合を増やす 18
  8. © DMM ECSのスケーリングポリシー • ターゲット追跡スケーリングポリシー • メトリクス値(CPU使用率など)が指定値で一定になるようにタスク数を調整 • 障害発生時はこのポリシーだけ利用(設定内容: CPU使用率が50%を保持)

    • ステップスケーリングポリシー • メトリクス値のターゲットからの超過幅と増減タスク数を指定 • 急激なメトリクス値の増加に対して大きくタスク数を増やせる 25
  9. © DMM ECSのスケーリングポリシー • ターゲット追跡スケーリングポリシー • メトリクス値(CPU使用率など)が指定値で一定になるようにタスク数を調整 • 障害発生時はこのポリシーだけ利用(設定内容: CPU使用率が50%を保持)

    • ステップスケーリングポリシー • メトリクス値のターゲットからの超過幅と増減タスク数を指定 • 急激なメトリクス値の増加に対して大きくタスク数を増やせる 26 2つを併用 通常時: ターゲット追跡利用で 緩やかにタスク増減 スパイク発生時: ステップ利用で大き くタスク数を増やす
  10. © DMM NewRelic APM PHP Agent • 仮想環境下のクロックソースによってはシステム全体の性能劣化を起こ す •

    関数のトレーシングに使うgettimeofdayシステムコールが原因 • Fargateはクロックソースの変更ができない • Fargateのクロックソースでよく見るもの • kvm: vDSOをサポート。性能劣化を起こさない • xen: vDSOをサポートしない。性能劣化を起こす • vDSO • カーネルの関数をユーザ空間にマッピングする技術 • システムコール呼び出しを普通の関数と同じコストにできる 38 参考: https://discuss.newrelic.com/t/php-agent-on-aws-fargate-performance-issue/124367/5
  11. © DMM 対処法 • 詳細トレースをOFFにする • newrelic.transaction_tracer.detail = 0 を設定

    • Agentが選択したorユーザが指定した特定の関数の詳細トレースだけ取得 • 大雑把なトレースしか追えなくなるので、トレードオフではある • 遅い関数の当たりをつけるだけなら十分 39 https://docs.newrelic.com/docs/apm/agents/php-agent/configuration/php-agent-configuration/#inivar-tt-detail から引用
  12. © DMM インフラ移行の効果 • インフラの構成管理が容易になった • .ebextensionsのALB設定などはTerraformに • キュー遅延の軽減 •

    キューワーカーの待ち行列が伸び、プッシュ通知などの送信まで時間がかかる 時があった • スケールアウトが高速化したことで緩和された 42
  13. © DMM まとめ • Elastic BeanstalkからECS Fargateへの移行事例を紹介 • ECS Fargateで起こりがちな問題と対処法を紹介

    • スケールアウトがスパイクに間に合わずサービスダウン • 対処法: 複数のスケーリング手法を組み合わせる • NewRelic APMで性能が劣化する • 対処法: 状況に応じてトレース詳細をOFFにする 44