Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
ALBがついに対応したmTLS認証でトラストストア、パススルーを検証してみた
Search
tessy
December 20, 2023
Technology
1
3.6k
ALBがついに対応したmTLS認証でトラストストア、パススルーを検証してみた
ALBでmTLS認証を検証
tessy
December 20, 2023
Tweet
Share
More Decks by tessy
See All by tessy
Cloudflareで取得したドメインをRoute53+ACMで管理する
tessy
1
300
EC2 AutoScalingでスケーリングポリシー設定を失敗してうまく行かなった件とその対策
tessy
0
850
TerraformでEC2 Auto Scaling構築してみた
tessy
4
1.1k
Other Decks in Technology
See All in Technology
20251102 WordCamp Kansai 2025
chiilog
0
350
OTEPsで知るOpenTelemetryの未来 / Observability Conference Tokyo 2025
arthur1
0
380
20251029_Cursor Meetup Tokyo #02_MK_「あなたのAI、私のシェル」 - プロンプトインジェクションによるエージェントのハイジャック
mk0721
PRO
6
2.2k
様々なファイルシステム
sat
PRO
0
280
ヘンリー会社紹介資料(エンジニア向け) / company deck for engineer
henryofficial
0
440
「タコピーの原罪」から学ぶ間違った”支援” / the bad support of Takopii
piyonakajima
0
160
Open Table Format (OTF) が必要になった背景とその機能 (2025.10.28)
simosako
3
580
[re:Inent2025事前勉強会(有志で開催)] re:Inventで見つけた人生をちょっと変えるコツ
sh_fk2
1
1.1k
境界線が消える世界におけるQAエンジニアのキャリアの可能性を考える / Considering the Career Possibilities for QA Engineers
mii3king
2
110
Raycast AI APIを使ってちょっと便利なAI拡張機能を作ってみた
kawamataryo
0
230
GTC 2025 : 가속되고 있는 미래
inureyes
PRO
0
140
触れるけど壊れないWordPressの作り方
masakawai
0
580
Featured
See All Featured
How GitHub (no longer) Works
holman
315
140k
Mobile First: as difficult as doing things right
swwweet
225
10k
For a Future-Friendly Web
brad_frost
180
10k
The Cost Of JavaScript in 2023
addyosmani
55
9.1k
KATA
mclloyd
PRO
32
15k
The Psychology of Web Performance [Beyond Tellerrand 2023]
tammyeverts
49
3.1k
What’s in a name? Adding method to the madness
productmarketing
PRO
24
3.7k
Why Our Code Smells
bkeepers
PRO
340
57k
CoffeeScript is Beautiful & I Never Want to Write Plain JavaScript Again
sstephenson
162
15k
Building a Modern Day E-commerce SEO Strategy
aleyda
44
7.9k
Building a Scalable Design System with Sketch
lauravandoore
463
33k
Sharpening the Axe: The Primacy of Toolmaking
bcantrill
46
2.5k
Transcript
ALBがついに対応したmTLS認証で トラストストア、パススルー を検証してみた ⽇本IBM ⼿嶋 達也 2023/12/20
⾃⼰紹介 @tterima 取得したAWS資格 2013年4⽉〜2022年4⽉ アプリ開発チームに所属 2022年5⽉〜現在 インフラ(AWS)チームに所属 ようやくAWS経験が2年を超えました。 全冠まで残り1つ
re:Invent 2023(の直前)でALBのmTLS認証が発表されました!! https://aws.amazon.com/jp/about-aws/whats-new/2023/11/application-load-balancer-authenticate-x509-certificate-based-identities/
mTLS認証(相互TLS認証)があると 何が嬉しいのか
mTLS認証(相互TLS認証)があると何が嬉しいのか 従来設定 サーバ証明書により、サーバの真正性のみ確認 ALB 特定のデバイスのみアクセスさせたいサイトを想定します。 IDを発⾏していますが、悪意がある攻撃者にID情報が漏洩しました。 ログイン 成功
mTLS認証設定 mTLS認証により、相互の真正性を確認 ALB ログイン 失敗 mTLS認証(相互TLS認証)があると何が嬉しいのか 従来設定 サーバ証明書により、サーバの真正性のみ確認 ALB 特定のデバイスのみアクセスさせたいサイトを想定します。
IDを発⾏していますが、悪意がある攻撃者にID情報が漏洩しました。 ログイン 成功
これまでのmTLS対応 これまでmTLS認証を⾏うためには以下の通り、NLBでHTTPS要求をパススルー してApache等でクライアント認証を⾏う必要がありました。 このため、ALBのパスベースルーティングなどが困難でした。 これからは、ALBが利⽤できますね。 さらに、ALBでクライアント認証検証が可能となるため、EC2を建てる必要もなく なります。(トラストストア検証の場合) NLB Instance
構築してみよう
mTLS認証⽅式について ALBのmTLS認証には、以下の2通りの⽅式があります。 • トラストストア認証 トラストストアとしてサーバ証明書を登録し、ALBがクライアント証明書を検証する⽅式 ALB ALB Instance • パススルー認証
バックエンドにHTTPヘッダーとしてクライアント証明書パススルーする⽅式
トラストストア検証⽅式
構築 - クライアント証明書の作成 opensslコマンドでクライアント証明書を作成します。 今回はいわゆるオレオレ証明書を作成します。(本番で使⽤できません) トラストストアに登録 クライアント証明書 として利⽤
構築 ‒ ルート証明書をトラストストアとして登録 S3に先ほど作成したrootCA_cert.pemをアップロードして、 トラストストアとして登録します。 作成したトラストストアをALBと紐づけることでmTLS認証が可能です。
構築 ‒ ルート証明書をALBのトラストストアとして登録 HTTPSリスナーの設定にmTLSの設定があるため、先ほどのトラストスト アを設定します。 ALBアクセス時には固 定レスポンスを返すよ うに設定しています。
アクセス確認 クライアント証明書を指定してアクセス クライアント証明書を指定せずアクセス 無事にクライアント証明書指定時だけアクセスさせることができました。 これで悪意があるユーザからの攻撃を防ぐことが可能になります。
パススルー⽅式
構築 ‒ パススルー設定 パススルーの場合はトラストストアのような設定は不要です。 パススルーを設定するだけでバックエンドにクライアント証明書が連携されます。 今回はLambdaを作成してヘッダーの様⼦を眺めます。 参考:https://dev.classmethod.jp/articles/aws-alb-mtls-pass-through/ ALB Lambda function
アクセス確認 ‒ クライアント証明書指定 クライアント証明書を 指定 HTTPヘッダーとしてクライアント証明書が バックエンドに送信
アクセス確認 ‒ クライアント証明書未指定 クライアント証明書が格納された HTTPヘッダーが存在しない。 クライアント証明書無しでもバックエンドに送信されるため、注意が必要です。 通常はバックエンドにApacheなどを配置して正当性を検証します。
まとめ • mTLS認証をALBだけで簡単に構築できた。 • トラストストア検証はお⼿軽で、バックエンドのクライアント認証処理を オフロード可能なため、今後主流になる予感 • パススルー⽅式もサポートされているため、NLBをALBに置き換え可能