従来のTE技術はAS内やASBR間のリンクまでを経路制御の対象としており、ASを越えたE2EでのTEを実現する有効な手段は存在しませんでした。
しかし、複数のASを越えるようなTEが可能となると、下記のような新たなユースケースを生み出すことが可能となります。
・閉域網における 役割/機能や地域、運用主体ごとのNW分割と連携
・Internetにおける CSP/CDN/Transit/EyeballなどのASを越えたサービス品質向上
そこで我々は、AS分離とAS間の相互連携を実現する Multi-AS SR アーキテクチャを考案し、検証と運用を行なっています。
このアーキテクチャでは、複数のASを疎結合に構成しつつ、AS同士が相互にTEメニューを提供し合うことで一連の経路制御を実現します。
TE技術にSegment Routingを採用することで、Source Routingのパラダイムに基づいたMulti-ASなTEを可能とします。
本セッションでは、Multi-AS SRを検証NWで実装、試用した結果をご紹介し、新たに実現できるようなった機能や工夫した点をご紹介します。
この結果をもとに、更なるユースケースやより良いネットワークのあり方について議論できればと考えております。